2023年4月30日日曜日

【速報】【大変おすすめ】新国立劇場バレエ団シェイクスピア・ダブルビル初日





新国立劇場バレエ団シェイクスピア・ダブルビル初日を観て参りました。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/shakespeare-double-bill/


カーテンコール


タケット振付『マクベス』は世界初演、アシュトン振付『夏の夜の夢』はバレエ団としては初演。
シェイクスピア作品を2本立てで行うのはバレエ団では初の企画でどんなダブルビルになるか期待あり不安もありつつ初台へと参りましたが2本とも大変おすすめな公演です。
まだチケットもあり、当日ふらりでも歓迎ですので足をお運びください。

『マクベス』は泥沼複雑な人間模様をあたかも旅行用スーツケースに整理整頓して敷き詰めて展開していく面白き新作で
話がややこしそう、開演前に人物相関図読んだが頭に入らぬ心配が更に募った私でも食い入るように観てしまう演出でした。
米沢唯さんマクベス夫人の野心と欲望に満ちた猛烈な恐怖感、夫人に頭が上がらぬ福岡雄大さんマクベスの葛藤を軸に話が運びます。
注意書きにも記されていた流血シーンの演出方法や中世の風味を効かせつつ洗練された衣装にもご注目を。よく工夫が凝らされています。
初めて聴くミュシャの音楽は薄暗い霧がかった天候を思わす不穏な響きからふと明快な曲調にも変化したりと、聴けば聴くほど身体がざわつく魅力があると捉えております。
マクベスなんて難しそうとは決して思わず、いかにしてバレエとして見せていくか苦手意識を持たず是非ご覧ください。
(ただ、踊りの見せ場やパドドゥはもう少し観たい気がいたします)
マクベスのバレエは30年以上前にイレク・ムハメドフ主演←ムハメドフではなかったかもしれません。ファジェーチェフだったか??
映像を観ておりますが、記憶が彼方。あらすじも今一つ頭に入らず、魔女等の描き方を今となっては知りたいものです。

そしてアシュトン振付『夏の夜の夢』ではオーベロン役でオペラパレスに渡邊峻郁さんが復帰!私の中では今回最も嬉しいことでございます。
威厳を備え、深い森の木々に囲まれても王としての君臨する存在感の大きなこと。
ティターニアとの夫婦喧嘩では妖精達にも味方してもらえずに不機嫌になってしまう我儘な部分も憎めぬチャーミングな妖精王で、
後半の見せ場スケルツォは王らしいパワーと妖精らしいふわふわ感兼備な妙技で魅せてくださいました。
それからティターニア柴山紗帆さんが大化け!最初から堂々とした女王として森に立ち、
妖精達に囲まれても埋もれぬどころか持ち前の美しい技術が一層磨かれた上に色気もたっぷり。
オーベロンとのパドドゥでは艶かしさすら漂わせ、2人で音楽と溶け合い周りの妖精たちとの調和がまさに夢世界で
渡邊オーベロンとの夫婦喧嘩もごく自然にうつり、姫と王子ではなく森を司る女王と王の風格十二分な妖精夫婦でした。
繊細且つ深みと奥行きある美術や衣装も絵本を捲るようなときめきを与え、妖精4人の中では朝枝尚子さんが踊る、
くすみのある紫がかった蜘蛛の巣の精の衣装が管理人はお気に入りです。

木下嘉人さんボトムのポワントワークの器用ぶりやロバ時代を振り返りながらまだロバが抜けきれないとぼけぶりも笑いを誘い、
山田悠貴さんパックの強靭な足腰やオーベロンから怒られても懲りない自信満々な愛嬌も印象に残っております。
カップル2組の交差する誤解も皆センスが良いのかわかりやすい芝居展開な仕上がりで、瀟洒な衣装もさまになっていて好印象。
メンデルスゾーンの月明かりや星々に包まれるような優美で煌めく音楽は聴けば聴くほど胸がキュッと吸い上げられる気持ちにならずにいられません。

アシュトン版夏の夜の夢はバーミンガムロイヤルの来日では全編を、抜粋では何度か観ている作品ですがこうにも楽しめる作品であるとは鮮烈な驚きで心が満たされております。
上野の森バレエホリデイは4月30日までですが、初台の森はゴールデンウィーク後半も妖精達が飛び交っています。是非お越しください。




オーベロンとパックとリハーサル



柴山さんと渡邊さん。ティターニアとオーベロン風な夫婦漫才解説が面白いインタビューです。


リハーサル映像こちらにも。コッペリアの時と広報宣伝の勢いがこうも違う汗。



オーベロン、立ち姿も凛然として美しや。




キャスト表にも相関図。



公演限定カクテル夏の夜の夢(ノンアルコール)、混ぜる前は海賊⁈と思う海色だが。マクベスカクテル(アルコール)もあります。



混ぜた後はオーベロン。



サイン入り!ちなみにコッペリア初日は誰のサインも無しで、無記名だった涙。



ふわふわシュレッドチーズが舞うパスタ



初台駅通路。オーベロンがあちこちに。

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