2022年2月11日金曜日

スティーヴン・スピルバーグ版 映画『ウエスト・サイド・ストーリー』





スティーヴン・スピルバーグ監督が手掛けた映画『ウエスト・サイド・ストーリー』を観て参りました。
記憶の限り、ミュージカル映画を全編鑑賞したのはサウンドオブミュージック以来かもしれません。
https://www.20thcenturystudios.jp/movies/westsidestory

見所が詳しく紹介されています。1961年版にアニータ役で出演していたリタ・モレノがスピルバーグ版のオリジナルキャラクターとして登場。
過去の経緯から、対立するジェット団シャーク団の間に立つことができる唯一の人物であったかもしれません。
https://www.gqjapan.jp/culture/article/20220208-west-side-story






まだ公開初日を迎えたばかりですので控えめに綴って参ります。(そう申しながらも毎度終わりが見えぬ展開になるのは
北京五輪開会式での予定時間大幅延長の要因となったIOC会長スピーチと変わりなく、反省の日々でございますが)

音楽は聴く機会が多くよく知りながらも1961年のリチャード・ベイマーとナタリー・ウッド主演版を含め作品を全編通して観るのは初で
名曲の数々の登場順序やどの場面にどう入るのかやっとこさ把握。また『ロミオとジュリエット』を土台にしている点についてもようやく納得し
ロミジュリで言えばティボルトやパリスに当て嵌まるであろう役柄を見つけては時代設定は全く異なる作品であっても
2つのグループの抗争や対立を超えた恋以外の接点の気づきに嬉しさを妙に覚え
ミュージカルど素人な管理人もどっぷり鑑賞できた次第です。現代の技術ならではの
繊細な光の当て方や映像美、また鑑賞した映画館がTCX対応のスクリーンで上から横からも音が響き渡る
立体的な構造であった点や上空、時には通行人目線のカメラワークも面白さを押し上げました。

ちなみに管理人、映画館のIMAXやTCXの位置づけがよう分からず料金が通常よりも高い設定であるとこの度初めて知った、映画鑑賞もまたド素人でございます。
実は午前の回の時間に合わせて映画館へ向かいチケットを購入しようとしたところIMAX対応のため料金がだいぶ高めで驚き
ならばTCXを選んだところ200円増しでしたので後者にしたわけでございます。

話を戻します。先にも述べた通り音楽は大変馴染みがあり演奏会のほか、後輩が通う教室の発表会でも何曲かを組み合わせた中に
テクニックがふんだんに盛り込まれた作品を鑑賞。また2013年のニューヨーク・シティ・バレエ団による公演にて
ジェローム・ロビンズ振付の組曲構成作品を鑑賞したこともございます。
それから吹奏楽の演奏会でもメドレー構成の演奏は大定番で、私は残念ながら吹く機会はなかったものの
入学する少し前の演奏会では披露したようで、のちに先輩が無理矢理直訳して「横っ腹物語」と口にしていたことが忘れられません笑。
そしてフィギュアスケートでも使用する選手は多く、抜粋した複数の曲を繋げての演技は何度か見ているかと思います。
ただ今思えば、フィギュアにおける全幕のバレエ音楽使用時も気にかかっていた物語の順序通りにはなっていなかった構成もあり
最後の盛り上がりステップのために劇中では前半、トニーとマリアが出会うパーティーで流れる弾ける曲を持ってきていたりと
ミュージカル精通者愛好者の中には首を傾げる方もいらしたかもしれません。

バーンスタインが作曲した疾走感と迫力に満ちた音楽の印象先行から作品ももっとノリが良く娯楽性に富んでいると勝手な想像を巡らしておりましたところ
丸々覆されまして、街中での躍動感ある舞踊場面のみならず今のニューヨークの華々しい劇場街建設裏にあった強制退去、
根深い人種差別社会に生きる若者達がすぐさま争いに投じてしまう苦しみやまた台詞が並ぶことによって抗争場面を中心に罵詈雑言の連発が目や耳を痛烈に刺激。
映像で迫るからこそ伝わる目を背けたくなる生々しい決闘を始め最後の最後まで続く憎悪の連鎖が後を引き、予想以上に重たいものがのしかかる作品と捉えております。

それにしてもマンボ~!の叫びはこのご時世の世間の状況表現にも感じたのは皮肉なのか汗
トニーがマリア宅への侵入場面はきっと地域の懸垂選手権優勝者或いは出初式を思わせる登りっぷりには笑ってしまいましたが、若い情熱には何も抗えないのでしょう。
その辺りは横に置き、マリア役レイチェル・ゼグラーの強いの意思と透明感の両方が宿る歌声も美しく
一見改心したように生真面目青年に見えるトニーも憎悪のスイッチが入ると衝動に駆られ誰も止められない行動へと発展してしまう性分も簡単には恨めず。
複雑な感情があちこちで絡みながらの展開に目が離せませんでした。実写映画であるが故に歌と台詞混在に違和感が生じぬか
久々のミュージカル映画鑑賞で心配もありましたが最初のうちは慣れず、例えばお忍び密会で高らかに歌っていたら即座にばれるでしょうにと
他人事ながら思わず慌て気味になったものの展開と共にごく自然に思えてきました。どうぞ劇場でご覧ください。





帰り道、東京クラフトペールエールで乾杯。北米産カスケードホップをたっぷり使用しているらしい。
クーポンが手元にあったため偶々の来店であったが、マリアの家の壁色と似た内装でございます。



自家製プルドポーク バーボンBBQソース。よく味が染み込んだ塊肉を切り分けソースをかけながらいただきます。辛くも少々甘さもあり、ビールが進みます。



苺のセミフレッド塩キャラメルソース。苺の果肉もしっかりと入っています。塩キャラメルソースの苦味が濃く、アイスと溶け合ってうう美味しい。
このご時世ですので空いてはいましたが1人でも入り易く料理2品とビールも気に入り、
店員さんの応対も穏やかで良く、常連さんもいらしたようでほんわかした空気が流れる店内でした。

2 件のコメント:

ひふみ さんのコメント...

私も昨日観て来ました。
前作があまりにも素晴らしかったので、今なぜ、スピルバーグがわざわざ?
という観点から鑑賞したのですが、観終わると、今、こんな世の中だからこそ
このような作品が必要なのだと強く感じ入りました。
音楽は前作にはなかったナンバーも追加されてましたが、
その素晴らしさも普遍的な物語のテーマも変わることなく、
心の底から感動いたしました。
また、その昔、劇団四季の公演で鑑賞したことなども想い出し
しばし感慨に耽ってしまいました。
前作をご覧になっていないお若い方々に是非観ていただきたいと思います。
管理人さま、いつも素敵なブログをありがとうございます。

管理人 さんのコメント...

ひふみ様

こんにちは。遅くなりましてすみません。
映画のご感想をお寄せいただきありがとうございました。
前作版をご覧になっている方による印象も気になっておりましたので、大変嬉しく拝読いたしました。

仰る通りこんな時だからこそ観ておきたい作品ですよね。
根幹は変えず、されどまた前作とは違った形で訴えかけてくるからこそ新たな感激、衝撃が降りかかってくるのでしょう。
そうでした、劇団四季にもレパートリーにありますね!

観た回では近くにいた私よりだいぶお若い女性が後半はずっと涙目になっていて、エンドロールのときも観客はほぼ全員立ち上がらず静かに余韻に浸っていました。
お若い世代の方々にもご覧いただけたら、と願います。