2022年2月4日金曜日

【恵方巻ではなくてもかぶり付いて読み耽た】東京大学音楽部管弦楽団の定期演奏会プログラム






昨日は節分。ご自宅で豆撒きを楽しみ、恵方巻を味わった方もいらっしゃることと存じます。
管理人は関東育ちであるためかどうも恵方巻にかぶり付いて食す文化に馴染めずにいるものの
寿司店に陳列する商品が通りすがりに目に留まり美味しそうには思えた次第です。仮に購入したとしても、通常の太巻きと同じように切って食すかと思います。

代わりに豆菓子は食し、年齢と同数の粒を口に入れるとなると、蓄音機で音楽を聴いていた世代疑惑まで持たれておりますため
途端にお腹が膨張するであろう数字ですので真偽のほどはさておき、本日は思わずかぶり付いて読み耽てしまった定期演奏会プログラムの話です。

管理人の家族の1人が友人に誘われ、先日東京大学音楽部管弦楽団の定期演奏会へ行きました。
曲目がこれまた私好みな構成でチャイコフスキー 幻想序曲『ロミオとジュリエット』、グラズノフ『四季』より秋、ショスタコーヴィチ『交響曲第5番』。
3曲目のショスタコーヴィチ作品は少々難解そうな曲である印象を抱いておりますが、1、2曲目における前者は重厚な起伏に心が揺さぶられ
後者は煌びやかな風が吹き誘う心から好きな曲でございます。何しろ前者はエイフマン版『アンナ・カレーニナ』の2幕終盤
アンナの葛藤が最高潮へと達しいよいよ決意を固める場面にて、後者は深川秀夫さん振付『ソワレ・ドゥ・バレエ』にて
近年は抜粋で踊られる機会が増えたパ・ド・ドゥでも使用されている共に馴染みある曲。2曲とも落ち着いて聴ける心境にはならないのは目に見えております。
前日に鑑賞予定であった大阪府枚方市で開催の新国立劇場バレエ団によるクラシック・バレエハイライト公演が中止となってしまい
実のところ当日券購入が可能であれば鑑賞も検討いたしましたが、奇しくも枚方市でも披露予定であった
深川さん振付『ソワレ・ドゥ・バレエ』で使用曲が含まれるグラズノフ曲を聴くと今回ばかりは喜びよりも寂しさがまさってしまうであろうと思い
(中止は残念でしたがこれだけ拡大している状況下、誰も落ち度はありません。)今回は家族の感想を待つ側といたしました。

東京大学音楽部管弦楽団は創部100年を超える伝統ある楽団で団員も大変多く、曲ごとの座席表が細い線と小さな文字で詰めるように作成されていたほどで職場の座席表彷彿。
団員の名前もずらりと記載され、東大ですから当然ながら所属学部が理Ⅰや文Ⅲ等といった表記で
演奏活動にも精を出す全国から集まったエリート達であると思うといたく壮観。名前、学部、出身地も明記されていました。

そして本題、帰宅した家族から借りたプログラムを開き驚愕。曲目、作曲家についての学術書かと見紛う
事細かな解説が視界を覆い尽くし、思わずかぶり付いて読み耽けてしまいました。
中でも着目したのはグラズノフ『四季』より秋で、最初からバレエ音楽として作られている曲ですからバレエについては如何ほどの解説であろうかと
興味津々に目を通してみるといやはや仰天。グラズノフの生い立ちや曲のフレーズの特徴は勿論のこと、バレエの成り立ちにも触れたりプティパについて
そしてグラズノフとプティパの関係、テクニック名やグラン・パ・ド・ドゥの定義に至るまで
膨大に綴られている紙面にひたすら圧倒されるばかり。学生の方が執筆なさったのか詳細は分かりかねますが
参考文献もしっかりと紹介され、バレエ関連の書籍も相当読み込んで書かれた解説かと見受けます。
しかも、ややこしい言い回しは避けあくまで簡潔さっぱりとした言葉遣いであるため、読み進めるのが楽しい。
開演前にここだけは読んで欲しい箇所として短く纏めた箇所もあり、読み手に配慮した文体、構成の解説でした。
終わり無き記事に捉えられても仕方ない、以下長くなります宣言も時折行っている管理人と大違いでございます。
大学の演奏会には足を運んだ経験は無く、もしどの学校でもこういった詳細な膨大解説を綴っているのでしたら知識不足で申し訳ございません。
偶々誘われた家族から見せてもらったプログラムにて、情報量が多くも整理された解説に目を見張った出来事でございました。

東京大学と言えば名門中の名門難関大学であり、思い出すのは中学校の同級生で進学した2年生時の級友。
国立の高校を目指していると話し、そういえば5段階評価であった学業成績は9教科中殆どが5。
しかし鼻にかけることは一切なく、それどころかテレビはNHKか学習或いは世界遺産系の番組しか視聴していないと思いきや
音楽番組やドラマもよく見ていて、家族とカラオケに行ったりと会話を交わす限りよくいる女子中学生と変わらず。
今思えば、本当は数学の定理等について語り合いたかったものの9教科の5段階評価の並びが四羽の白鳥状態にあった我がレベルに引き下げて話をしてくれていたのかもしれぬが
(我が学業成績は今も親族間でも触れてはならぬ話題の1つで低迷ぶりは中学生の頃は定着し、既にこれといって驚かれず。
それよりも本日行われた北京五輪開会式選手団登場にて流れた四羽の白鳥、及び名曲アルバム或いは小中学校のお昼の校内放送を思わせる曲構成の方が衝撃は強いことでしょう)
しかし決定的な違いが1つあり、その同級生は勉強を心から愛し喜びを感じながら勉学に励んでいたこと。
帰宅してからの一番の楽しみな時間であると嬉々として語っていた姿が忘れられず、私も嘘でも良いから勉強が好きと一度でも口にしてみたいと憧れたものです。
その同級生とは成人式にて偶然再会。在住地域は人口が多いため出身小学校ごとに区分けされての3部制でしたが用事があった関係で午前中の第1部に参加したところ
姿を見つけ、声をかけると覚えていてくれた様子。近況を尋ねると東大に進学し建築を学んでいると充実した表情で語り
中学生の頃の記憶が巡って私も嬉しくなったと同時に、ご利益と言わんばかりにその同級生の振袖を摩り続けていた行為はどうかお許しください。

さて定期演奏会に話を戻します。プログラムを読み進めて行くと一挙に3人の作曲家作品が堪能できる今回の3作品構成に一層関心が高まり
バレエ観劇にとどまらず演奏会にももっと足を運びたくなりました。
そしてショスタコーヴィチと言えば配信で視聴したいバレエがあり、今週末やっとこさ視聴予定でおります。

  3作品構成といえば、バレエにおけるトリプル・ビルは全幕と同様好んで観たいプログラムで、先日はKバレエカンパニー公演にて堪能。
2時間半でブリテン、ベートーヴェン、ショパンを鑑賞でき目も耳も幸が凝縮でございました。
残念ながら中止となってしまった東京シティ・バレエ団のトリプル・ビルもチャイコフスキー、メンデルスゾーン、ストラヴィンスキーと
これまた1公演で音楽の面でも宴の如き構成。音楽ファンも気分高まるプログラムでしたのでしたので延期公演をどうかと願っておりましたが
3月10日(木)に東京文化会館にて開催と本日発表、これは嬉しい。 そしてトリプル・ビルとは異なる形ですが
新国立劇場での2月公演ももしかしたら一足先に!?お目にかかれるかもしれずひときわ嬉しい鑑賞となりそうです。
ただまだまだ不安な時期が暫くは続きます。以前と変わらず気をつけながら過ごして参りたいと思います。

かぶり付きといえば、今では一部の現代作品では間近で息遣いも感じられる座席構造で観客を出迎える公演もありますが
数年前までは舞台でもイベントでも目の前に憧れのダンサーが出現、なんてこともございました。
本日我が家に届いた新国立劇場からの寄付のお礼としての『不思議の国のアリス』クリアファイルを手に取り
今年のアリスの無事上演そして気にかかる2020年もし上演していたならば実施されていた
2018年の『眠れる森の美女』に続いてのバレエ観劇着物とダンサートークショー付きイベント。
眠りのときに参加し、最終日に主演その他は青い鳥や求婚者を踊られたお方による、オーロラへの求愛をリラに訴えるデジレ王子の実演を
それはそれは手が届きそうな距離にて拝見したあの時間がいかに尊いものであったか、今一段と身に沁みて感じております。

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