2022年2月18日金曜日

新国立劇場バレエ団全面協力書籍『楽しいバレエ図鑑』






なかなか気分が上がりませんが(詳細は後半にて)、いつまでもそう言っていられませんので遅ればせながら素敵な書籍の紹介でございます。
昨年12月、小学館より『楽しいバレエ図鑑』が発売されました。
監修はバレエチャンネルでのインタビューや企画でお馴染みの阿部さや子さん、そして新国立劇場バレエ団が全面協力しています。 https://www.shogakukan.co.jp/books/09388750

色鮮やかな写真が多数掲載され、装丁も立派な書籍。バレエの成り立ちから三大バレエや古典全幕、
『不思議の国のアリス』や『アラジン』といった作品紹介もあれば衣装の秘密にも触れています。
ふりがな付きですので子供にも読みやすい文体ですが、イーグリング版『くるみ割り人形』舞台装置の仕組みや裏側に
『ライモンダ』(2006年のニューイヤーでの3幕上演かも)衣装合わせの様子や頭飾りの保管、
そして指揮者アレクセイ・バクランさんへのインタビュー等、メイクが出来上がるまでの過程等バレエ精通者の方々にとっても興味が尽きぬ内容満載です。
新国立劇場バレエ団の比較的新しい舞台写真も掲載され、直近では配信のみになってしまった2021年のローラン・プティ版『コッペリア』。
この書籍購入の決め手となった、千秋楽のフランツとコッペリウスによるグラス掲げてシャンパン乾杯の写真もございますので(そこかい)是非お手に取ってご覧ください。
管理人、透明人間になったら何をしたいですかとの質問があれば、このパーティーに紛れ込みたいと申すことでしょう笑。
(何時の間にかコッペリウスのストックシャンパンまでもが減り続ける現象が発生しそうですが)
話を戻します。決して大規模ではない書店でも取り扱いがありましたので、入手はしやすい書籍かと思います。ただ気になったのが私の地元書店における売り場の位置で
音楽演劇系書籍でもなくスポーツでもなく何とか坂のアイドル写真集の隣りに置かれていたのは謎でございます。






それから、本来ならば2月19日(土)、20日(日)、23日(水祝)に予定されていた新国立劇場バレエ団吉田都セレクションが中止となってしまいました。
実は2月18日(金)に予定されていたゲネプロ(舞台稽古見学会)に当選。前日17日(木)の19時時点では何も連絡がなかったため公開実施するものとどこか安堵しておりました。
今年のニューイヤーバレエではゲネプロ前日に非公開の連絡があったそうですが日中の連絡であったようで、また本番は無事全日程開催できた経緯から
今回ゲネプロ前日の19時時点で何もない、つまりは公開実施及び本番も開催と信じて疑わず。
しかし20時半過ぎ頃に着信。ちょうど五輪のフィギュア女子シングルフリーを視聴していたため気づくのが少し遅れてしまったのですが
気づけば10分間に着信が何本かあったもよう。電話番号からして渋谷区周辺であるのは想像がつき、折り返すと案の定新国立劇場でございました。
まずはゲネプロ見学予定者と連絡がつくことが第一だったのでしょう。書類の音や飛び交う声も電話越しに聞こえ、相当慌ただしい様子であったと窺えます。
『マノン』からまもなく2年、スタッフの方々の労苦がこうも長く続いていることに苦しさを覚えずにはいられませんでした。

そして翌日昼頃に公演中止が発表。ただ誰のせいでもない事態ですし解決策も未だ見つからず、関係者の方々の心境を察すると辛さで出る言葉もありません。
今回は延期演目がまたもや上演不可能となり、一度は撮影し掲示したポスターや配布したチラシも幻となり
演目を変えてのチラシやポスターも作り直していただけに、また1月末の大阪府枚方公演に続く中止となってしまい吉田監督の心身も心配です。
全て再演演目とはいえ、観客投票で選ばれたダンサー振付作品の中劇場を飛び出してのお披露目企画や
『こうもり』初役木村さんのベラ、年齢を重ねた今だからこそ再度観てみたいと思う井澤さんのヨハン、
ベラ&ヨハンでは初めて組む小野さん福岡さんペアやカンカン娘トリオ、よく見ると店長、中堅、新人と序列がありそうなギャルソントリオの配役、と
面白味の連続となりそうで楽しみでございました。シュトラウスの軽快な音楽もこのご時世、一層の幸せを降らせてくれたと思います。
『アラジン』財宝も奇抜でゴージャスな宝石達のめくるめく連鎖はいつ観ても心が昂ぶり、
大抜擢横山さんのダイヤモンドにワクワクとしておりましたし昨年夏の井脇バレエガラでは珍しくも呼吸合う味わいコンビを発揮され、
本拠地初台では初めて組むルビーの奥田さん渡邊さんペアも関心が膨らむばかりでございました。リハーサル映像が公開されたのはせめてもの救いです涙。
そうは言っても渡邊さんの半裸及び茹で卵並みにツルッとしたフォルムも美しい坊主の官能ルビー、観とうございます。
残念であるのは山々ですが一番苦しいのは神経を擦り減らしながら感染対策を取りつつ練習に励み準備を重ねていたにもかかわらず
直前に中止を告知されたダンサーやスタッフの皆様でしょう。上演と関係者、会場に集まる人々の安全確保の同時遂行の難しさを再び思い知らされました。
次公演は無事開催できますように。

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