2020年6月7日日曜日

新国立劇場バレエ団2020/2021シーズン開幕公演『白鳥の湖』から『ドン・キホーテ』に演目変更

新国立劇場バレエ団2020/2021シーズン開幕公演演目がピーター・ライト版『白鳥の湖』に代わり『ドン・キホーテ』上演決定の発表がありました。
https://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/23_017511.html

ホームページも更新されています。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/donquixote/



2013年公演動画 3分でわかるドン・キホーテ


吉田都舞踊芸術参与(次期舞踊芸術監督)のメッセージ。就任最初の演目変更に心境を察しますが
ダンサーたちに寄り添いながら一丸となって成功させたいお気持ちが伝わってきます。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/news/detail/26_017520.html

新国立劇場における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインも発表されています。定款や約款並に膨大な内容ですが観客も必読。
https://www.nntt.jac.go.jp/common_files/pdf/20200605_guideline.pdf


海外での準備を伴う新制作の上演はもしかしたら厳しいかもしれないと予感はしており、
万一変更の場合は再演を重ねている古典作品且つ劇場で保管している衣装や装置で対応可能な演目であるとするならば
今年のゴールデンウィークに上演を予定し、上演可否が見えぬ中で練習を重ねながらも中止となってしまった『ドン・キホーテ』が理想であろうと思い描いておりました。
何よりも幕を上げること、公演を行うことがまずは大事ですから変更しての上演は大歓迎です。

また吉田次期監督が大原監督の思いを汲み取っての決定にも頷き、2019/2020シーズンガイドブックにおけるラインアップについてのインタビューで大原監督は
<『ドン・キホーテ』は私の思いで(笑)、6回公演を主役は6キャストで上演します。><ぜひ毎公演楽しみにしていただけたら。>と配役を熱弁。
特別演劇要素の濃いわけでもなく、ボリショイの演出振付で話も音楽も明快なズンチャッチャ系統ですから大原監督が心底好んでいらっしゃる作品ではないと思いますが
バレエ団の層の厚さを証明したいお気持ちで今だからこそ可能な、しかもゲスト無しの自前でキトリ5人バジル6人のバレエ団史上最多に組んだキャストは
とりわけの以前シーズンラインアップ説明会でも仰っていた男性ダンサー強化を目標に掲げた
大原監督の集大成の1つとも窺えていただけに速水渉悟さんの主役デビューも含め、年内の実現に繋がって安堵もしております。
キャストはそのままスライド、小野さん福岡さんペアが1日増える日程となりました。

ピーター・ライト版『白鳥の湖』は来年秋に延期とのこと。新制作の上演に向けて準備を進め
またご自身も主演経験のある吉田次期監督の任期最初を彩るに相応しい演目での開幕とはいかなくなりましたが
これまでにない厳しさに直面しているダンサーたちに寄り添い、公演を成功に導いてくださると思っております。
再演を重ねてきた、何もかもがスカッとしそうな明るい陽気な作品で無事来シーズン開幕できますように。気を緩めずこれまでと同様感染防止に努めて参りたいと思います。
来シーズンの開幕、序奏が終わり陽光降り注ぐバルセロナの港町に切り替わった瞬間込み上げてくるものがありそうです。

開幕演目変更やシーズンチケット中止、払い戻し作業など対応が山積みで終わりがなかなか見えぬスタッフの方々の労苦は想像に難くなく、敬意を表します。
劇場再開後は一層感謝の思いで、通い詰めたいと思っております。

ところで気になるのは2021年4月に延期となった山形公演。当初は牧阿佐美さん版『白鳥の湖』上演の予定でしたが
来年への延期に伴い新制作のピーター・ライト版を上演予定と発表されました。しかし本拠地初台において2021年秋の初演予定となりましたから
それ以前に山形での上演はまずないと思われます。そうなれば、山形交響楽団との共演も話題を呼んでおりましたし
『白鳥の湖』の演奏リハーサルも進んでいた点を踏まえると、当初の予定通り牧さん版『白鳥の湖』上演となりそうな予感がしておりますが
管理人の勝手な予想ですのでどうぞ発表をお待ちください。

牧版上演だそうです。

2 件のコメント:

ひふみ さんのコメント...

新国立劇場は、先日のNHKニュースでオペラの再開は全く目途が立っていないとのことでしたが、
バレエの方は、ともかく次期シーズンの開幕が発表されて、少し安堵いたしました。
ライト版『白鳥の湖』が観られないのは残念ですが、5月に予定されていた『ドン・キホーテ』が
そのままの全キャストで上演されるのは、とても嬉しく思います。
勿論全日鑑賞予定でおります。
何はともあれ、息を潜めて10月を待ちたいと思っております。

管理人 さんのコメント...

ひふみ様

こんばんは。国外からの演者の招聘、準備がバレエよりも遥かに多いオペラは想像以上に大変厳しい状況に置かれているようで
大野監督のもと、スタッフの方々も策を練っている最中かと察します。
ひとまずバレエは開幕概要だけでも発表され、道筋が少しでも見えてきたことは嬉しいことですよね。
ドン・キホーテは再演を重ねていますし新国立初演の頃から約20年衣装や装置も変わらぬ伝統作品だからこそ
踊り込んでいるベテランから初挑戦の新鋭まで、全キャストが楽しみでございます。
仰る通りまだ予断は許さない状況ですから、私も感染防止に努めながら幕開けを待ちたいと思います。