2020年4月2日木曜日

【お茶の間観劇】食卓の椅子に着席してライブストリーミング開演 新国立劇場バレエ団DANCE to the Future2020コンポジション・プロジェクト 3月28日(土)

3月28日(土)、新国立劇場バレエ団DANCE to the Future2020
コンポジション・プロジェクトライブストリーミング配信を鑑賞いたしました。

https://www.nntt.jac.go.jp/dance/dtf/

https://www.nntt.jac.go.jp/dance/upload_files/DtF2020-livestreaming-program.pdf

https://spice.eplus.jp/articles/264453

音楽を手掛けられた平本正宏さんのツイッター。音楽の聴きどころや
リハーサルで振付作業に打ち込むダンサーたちと接しながらの作曲過程を丁寧に綴ってくださっています。
https://mobile.twitter.com/HiroHiramoto?p=i


ライブストリーミング配信映像、明日4月3日15時まで視聴可能です。



コンポジション・プロジェクトによる作品
音楽:平本正宏
アドヴァイザー:遠藤康行

Works from The Composition Project

「〇 〜wa〜」
グループ『DO/ 動』 衣裳:朝長康子
渡邊峻郁 木村優里 益田裕子 稲村志穂里 太田寛仁 関 優奈 徳永比奈子
中島春菜 中島瑞生 原田舞子 廣川みくり 渡部義紀 伊東真梨乃


「A to THE」 グループ『ZA/ 座』
柴山紗帆 飯野萌子 広瀬 碧 福田紘也 益田裕子 赤井綾乃 太田寛仁
関 晶帆 仲村 啓 西川 慶 原田舞子 樋口 響 廣川みくり 横山柊子


DO/動は小宇宙に鋭く斬り込んでくる連鎖を思わせ、テクノ系の音楽と融合してのせめぎ合いが迫りくる感覚。
暗闇の中で自在に変容していくすっきり時には混沌とした不思議なSF世界が現れた印象で
中でも渡部義紀さんのダイナミックに駆使する身体能力に驚かされました。衣装は全員淡いブルー系。
ZA/座は重力を引き摺るような趣で、西川さんのしっとり且つ訴えかけてくるソロを軸に展開。
女性ダンサーたちの黒いダボっとしたシャツと黒い短パンが眩しく映えるデザインでした。
どちらのチームもダンサーの案とアドバイザー遠藤康行さんの助言が上手く合体していたと見受け
目で追うのが面白い作品に仕上がっていた印象です。全員が振付家として挑んだ共同作品である以上
所々ばらつきや無理やり繋いだ感のある箇所もあったのは否めませんでしたが
本公演ではなかなか実現しないであろう斬新な人員構成やダンサーの新たな一面の発見も多々あり。
横山さんと赤井さんによる実はコンテンポラリーもお手の物な女性コンビ披露もこのプロジェクトならではでしょう。

振付家発掘はDTFの醍醐味ではあり、始動は2012年ですから年々ダンサーによる作品のレベルは上がりつつも
ここ数年常連のダンサーの名前ばかりが並んでいる状況は気になっていた点でもありました。
(そのため概要を掲載したチラシを初めて手にした際、振付者の欄に渡邊さんのお名前を見つけ
更には振付は初めてであるとアトレのインタビューでも仰っていたため二重に驚いた次第)
遠藤さんの助言を得ながら自身の構想を伝えて取り入れたり、
階級や契約登録関係なく意見を交わしながら新しい作品を仕上げていく作業は大きな収穫であったに違いありません。

公演中止は残念でしたが先行き不安なこの状況において一部だけでも配信してくださり
配信の環境を整えてくださった劇場に感謝するばかりです。
一方入念な準備を重ねながら公演中止を余儀なくされ、無観客の場での披露は
出演者やスタッフの方々の心情を察するに余りあるもので事態の早期収束を願うしかありません。

惜しまれるは我がパソコンは長年故障しておりタブレット端末は古いモデルのため動画鑑賞が不可能。
渡邊さんのベジャール版火の鳥主演リハーサル映像を連日再生していた頃はタブレット端末での鑑賞でしたから
約2年半前は再生可能であったのか。そんなわけで今回は携帯電話画面での鑑賞であったため
目に飛び込む範囲が格段に狭まり、新国立の鑑賞ながら珍しく短文であった点はお許しください。(むしろ良かったか)
尚映像配信であろうが携帯電話鑑賞であろうが新国立鑑賞には変わりなく
毎度の開演前アナウンスや幕間の一杯妄想はしかと行った管理人でございます。


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※残念ながら観客前でのお披露目は持ち越しになってしまいましたが上演予定であった団員振付作品。
毎回全作品胸躍らせて鑑賞に臨んでおり、次こそは上演を心待ちにしております。
6年前に映画『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』を鑑賞していた経緯もあり(加えて云々笑)「Seul et unique」は勿論のこと
バレエ団本公演では同じ役や曲で共演する機会がまずなさそうな個性豊か過ぎるメンバー構成の
「コロンバイン」も特に気になる作品の1本。髙橋さんがいかに取りまとめたか、披露を待ち侘びております。

「Seul et unique」
【振付】渡邊峻郁
【音楽】ニコロ・パガニーニ
【出演】中島瑞生、渡邊拓朗

「Contact」
【振付】木下嘉人
【音楽】オーラヴル・アルナルズ
【出演】米沢 唯、木下嘉人

「福田紘也2020」
【振付】福田紘也
【出演】速水渉悟、宇賀大将、川口 藍、原田舞子、福田紘也

「アトモスフィア」
【振付】木下嘉人
【音楽】ルドヴィコ・エイナウディ
【出演】福岡雄大
【ピアノ演奏】蛭崎あゆみ

「神秘的な障壁」
【振付】貝川鐵夫
【音楽】フランソワ・クープラン
【出演】米沢 唯

「コロンバイン」
【振付】髙橋一輝
【音楽】ソルケット・セグルビョルンソン
【出演】池田理沙子、渡辺与布、玉井るい、趙 載範、佐野和輝、髙橋一輝

「accordance」
【振付】福田圭吾
【音楽】峯モトタカオ、アルヴァ・ノト
【出演】小野絢子、米沢 唯、福岡雄大、木下嘉人、五月女 遥、福田圭吾

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帰り、ではなく視聴後は冷蔵庫に手を伸ばして家呑み。
寝床はすぐそこ。日本酒にウイスキー、白ワインを並べ鑑賞後はちゃんぽんだ笑。
金水晶さんは今週から放送開始された、朝の連続テレビ小説『エール』主人公のモデルである
福島県出身の作曲家古関裕而さんに因む限定ラベルも製造。次回呑んでみたいと思っております。



明後日鑑賞予定であった新国立劇場バレエ団山形公演『白鳥の湖』は来年に延期。
新国立にとって初の東北公演、来年こそはお目にかかれますように。
舞台のみならず現地で温泉や銘酒、米沢牛も堪能する気も満々でございます。
気になるのは当初の予定通り牧版か、それとも10月11月のピーター・ライト版上演後の白鳥となれば山形もライト版か
新たな概要の発表を待つのみでございます。
⇒ピーター・ライト版での上演予定と本日発表。
https://yamagata-bunka.jp/news/2020/04/02038323.html

→ライト版上演延期に伴い、当初の予定通り牧版上演。

2 件のコメント:

さくらもち さんのコメント...

こんばんわ 小さい画面でご覧になったのですね、ちょっとわかりにくかったかもですね。
高画質版はテレビに映してもキレイでしたのでお見せしたかったです。
二つの作品がまったく色合いも違うのが驚きでしたし、色々なメンバーをまとめすぎず、粗削りな部分も残したパフォーマンスであくまでも「プロジェクト」なのが良かったです。
渡邊峻郁さんが中島瑞生さん、木村優里さんと踊るところはたぶん渡邊さんの振付だと思いますが、手数が多く素早い展開でとても楽しめました。
初振付でいきなり会話のノイズや雨の音だけで作るのもスゴいですが、遠藤さんの采配だったのでしょうか。
ファンなのでもちろん超贔屓目でございますが、渡邊さんかなり作れる人になりそうだと申し上げておきますわ。
パガニーニも見たかったですが、次の機会も非常に待ち遠しいです。

夜明けはいつだ、の状況で暗い毎日ですが、今回のストリーミング配信はとてもありがたかったです。
あのマノンからひと月ちょっとですが、また初台で楽しい時間を過ごしたいものですね…。

管理人 さんのコメント...

さくらもち様

こんばんは。コメントお寄せいただきありがとうございます!
テレビやパソコンなど大きな画面で見るとまた印象が違ったと思えてならず笑、
こればかりは日頃の機器のメンテナンスをしっかり行っていない怠け者な自身をどうにかせねばと感じております。

そうですね、綺麗にまとまっているだけではかえって味気ないものとなっていたでしょうし
個々の特性が強く出ていたからこその面白味は大いにあったように思えます。
何しろ初の企画ですから思い切り大胆に挑んで正解でしたよね。

あの3人でしゃがんですたすたと歩く箇所も恐らくは渡邊さん案でしょうか。
友人は真似をしてみたそうで私は足腰を痛める結果が目に見えていたため眺めるにとどめましたが笑
秒刻みな流れで次はどう展開していくのか、瞬きに気をつけながら見入っておりました。
渡邊さんといえば昨年のDTFでの即興(ああ懐かしいですね…)で度肝を抜かれて即興に対するイメージを覆され
音楽を聴くと空間を意識しつつ瞬時に作り上げる力に長けていらっしゃるのでしょうね。
中島さんはコンテンポラリーはとても素敵だなと鮮烈な驚きを与えられたこともよく覚えております。

仰る通り、光がなかなか見えぬ状況での新国立のライブストリーミングは心の底から嬉しい喜ばしい配信でした。
同時に当たり前のようにほぼ毎週末劇場へ行き鑑賞を堪能していた行為が
いかに恵まれていたことか、そして舞台の開催は奇跡に近いものであるかと身に沁みて感じております。
早いものでマノンからもう1ヶ月が過ぎましたね。(水曜日のレスコーを思い出しております〜)
初台にて過ごす楽しく幸せな時間が一層愛おしく思え、再びその日が訪れますように。
またさくらもちさんとも劇場でたくさん言葉を交わしたいと願っております!