
順番前後いたしますが8月20日(木)、世田谷区の昭和女子大学 人見記念講堂にてエスプリ・ドゥ・ラ・ダンスAプログラムを観て参りました。
ジル・イゾアールと教え子達からなる企画で、お世話になっている方の代理鑑賞のため、困ったときのル・パルク以外は
正式公演名称やプログラムも直前まで把握しておりませんでしたが、現在のパリ・オペラ座のベテランから若手まで
間近席で鑑賞する機会は貴重。一部演目選定を考えさせられる部分はあれど堪能いたしました。
オープニングは皆白っぽい衣装を纏って登場し、ピアノの調べにのせて舞うステージ。
ややぼんやりしてパッとしない印象がありましたが、普段私が触れない、パリの先端を行くシックなエスプリ文化であろうと捉えた次第です。
(捉えるしかなかったのだが)
今回の大収穫はブルーエン・バティストーニ。ドリーブ組曲と黒鳥ともに、理知的で上品、スッと語る爪先、
美しい型を重んじた硬質でエレガントな踊りに感激しきりでございました。
ドリーブ組曲は振付者本人と衣装デザイン者によるペアで20年前に観ており、その後何組も観てはいるものの今ひとつパッとせず辛口評価が続いておりましたが
今回は大満足。シルエットの登場からして顔つき、身体のフォルムが奏でる品の良さに、
そして踊り出すと音楽と慈しみ合うようにパを重ねていき、これ見よがしなくても洗練された世界観を描き出していました。ドレープ状のブルーチュチュも優雅でとてもお似合い。
あからさまに悪女っぷりを出さず、クールで近寄り難い、品格あるオディールも空間を大きく且つコントロールを効かせた踊り方で魅せ、
脚もむやみやたらに振り上げず、あくまで優雅さと抑制、規律正しさを重視。
ほんのり香らせるような微笑みにもすっかり落ちた私でございます。全幕主演や、或いはいつかグラン・パ・クラシックも観てみたいダンサーです。
両演目で組んだポール・マルクは何か事情があるのか単に酷暑対策なのかゴルゴ13な短髪に驚かされるも、踊りやサポートは大らかで安定。
黒鳥パドトロワにて若くも奇怪な眼差しや仕草で魅せたソガールのロットバルトも目に残りました。20年前の来日全幕思い出し、カール・パケットが過ぎったのはお許しを。
イネス・マッキントッシュとフランチェスコ・ムーラはジャン・ギョーム・バール振付のベルガマスクにて、淡いブルーを基調とした作風に似つかわしい爽やかさ。
ドンキは結局何版なのか半端な印象でしたが、首筋キスなど粋な要素も自然にこなし、テクニックもまずまず。
期待の勢いある若手として登場のリュシアナ・サジオロ シェール・ワグマンは勢いよりもかなり粗削りな印象受けてしまい、
ワグマンは枠からはみ出すぎた1人暴れん坊将軍なテクニックを繰り出し笑、経験積むうちに徐々にスマートになっていくでしょう。サポートも要精進!
サジオロは怪我しているわけではないならば、パリの炎は最初から16回転しかしないつもりなら別演目の方が望ましかった気もするが、
パリ・オペラ座ダンサーによるパリの炎は初めてかもしれません。いずれにしても、日本の観客ほどガラ王道パドドゥを見慣れた観客はいないでしょうから、
安易に披露せず他の作品の方が、公演名のエスプリに相応しい好印象与えたかと思います。
ドロテ・ジルベールとギョーム・ディオップはランデ・ヴーでは禁断な妖しさを、ル・パルクはお腹一杯な方も多いでしょうが
何度か観ていながらも間近で観るのは初の私は、これがフライングキッスかと案外楽しみ笑、遠心力の音までもが聞こえてきそうなパワーも感じつつ堪能。
それにしても、ジルベールが今年アデュー公演を控えているとは、時の流れは早い。
2006年、私にとって初のパリ・オペラ座鑑賞であったときには既に期待の新鋭と言われていたのですから当然か。
カン・ホヒョンとロレンツオ・レッリはパピヨンのパドドゥにて、ヴァリエーションが多めで時間も長かったものの汗、ホヒョンの軽やか脚捌きは見事。
イゾアール振付のヴィヴァルディ・パ・ド・ドゥはイエローゴールドな衣装は洒落ていたが、振付は可もなく不可もなく。
フィナーレはダイヤモンドより最終場面の曲にて全員登場。そんなわけで、突如舞い込んだ鑑賞でしたがベテランから期待の若手まで
エスプリかどうか疑問な部分は一部あれど一挙に何名ものパリ・オペラ座ダンサーを目にできて珍し新鮮な鑑賞となりました。

入口

チラシより

隣の特設カフェ外観

白鳥黒鳥
カフェ内部
リュミエールブランシェ。

パネルも豊富に。大学にて舞台を学ぶ授業もあるようで面白そうです。


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