
11月15日(土)、富山県魚津市で富山国際ダンスコンペティションを観て参りました。
午後に行われたアンサンブル審査とエキシビションを客席から拝見です。
富山県への訪問、鑑賞は新国立劇場バレエ団『アラジン』オーバードホール公演以来6年ぶり。
蜃気楼の街・魚津市の訪問は初で、コンクールの見学、審査当日に行われたエキシビションの観覧も人生初でございます。
https://idcassoc.com/
16日(日)には審査員に初挑戦された新国立劇場バレエ団の渡邊峻郁さんが、初日のエキシビションで 『ジゼル』よりアルブレヒトのヴァリエーションを踊られると
コンクール概要告知にて知り、コンクール公演、共に観覧可能の旨も書かれていたため足を運んだ次第です。
エキシビション司会アナウンスは富山放送のアナウンサーで、魚津市市長のご挨拶のあとにまず最初のプログラムである
魚津市ご出身の歌手チコさんと仲間のミュージシャン達によるステージ。
最終曲ユーレイズミーアップで針山愛美さんのバレエとの共演がありました。
その次の出番が渡邊さんで、チコさんのときと同じくプログラムに綴られた出場者へのメッセージやエキシビションへの意気込みが司会者によって読み上げられ、
普段の公演ではまずない演出で紅白歌合戦も脳裏を過ぎり、びっくり新鮮。しかし出場者でなくても心に爽やかに清々しく響くメッセージでございました。
そしていよいよご登場。いきなりのソロ1曲であっても、直前のプログラムがジゼルの世界観とは全く違った歌と舞踊のステージであっても
瞬時に空気を変える踊りに再び感嘆。高い技術の延長に苦しみを醸し出し、ミルタやウィリー達に許しを祈る仕草も訴えかけ、
1曲の抜粋で無背景であっても霊気漂う暗い森の風景が浮かび立つ舞台姿。今にも息絶えそうな倒れ込み方も美しうございました。出場者コンクール関係者の皆様にも響いたはずです。
踊り終えると真ん中で満面の笑みでレヴェランスなさり、両脇からカーテン下りてくるのも全幕公演やパ・ド・ドゥ抜粋でのガラでもお目にかかれない、
今回のエキシビションならではの珍しい特典演出でした
それにしても、当日の午前中にはワークショップにて指導も担当され、翌日には審査任務も抱えていらっしゃる中で
こうにも全幕さながらのソロをすぐさま披露なさっていて、再び恐れ入りました。衣装はもしや!?と思ったら、
渡邊さんも投稿なさっていましたが速水さんのお衣装で、紺色系のカチッとしたデザイン。
今年東京都調布市と京都府での発表会で観た覚えがあると思ったらたっておりました笑。
バレエ鑑賞歴はそこそこありながらも、コンクール会場へ入って審査を見学したのは初めて。
今年足を運んだ福岡シヴァ、名古屋シヴァガラ公演の会場で前日にコンクールが開催されていたため、
また上位入賞者のエキシビションが公演日にありましたので、バレエ用品店の出店ブースが設けられていたりと コンクール会場の様子は少し分かった程度でしたが、
審査当日に行って会場の中を歩いたり審査を観たのは人生初でした。CD返却場所や何かの申し込み等事務ブースの並びも初めて目にした次第です。
昨今全国各地でコンクールが増え続けていて、特徴は様々かと思いますが、富山国際はまだ新しく今回が5回目。
北陸地域からの参加者が大半で、更には魚津市内の企業が協賛し、街の名物が登場する当日の物販も豊富で、
小ぶりのお弁当や和菓子、ジュース等、物産展好きの目には欲が募るものも多数。
コンクールと街おこしの両方が合体した感もありました。入賞者への記念品の1つが特製蒲鉾であるのも富山らしい土地柄です。
(新国立富山公演時に食べた数種類の蒲鉾セット、美味しかった記憶あり)
エキシビション前に行われたロビーでの表彰式には市長さんや商工会議所の方のご挨拶もあり、プログラムにも市政に携わる方々の写真やお名前が多数明記。
エキシビション開演における市長さんのご挨拶においても魚津市訪問に対する感謝が含まれていて、街が一体となっての開催が窺えました。
審査員は舞踊界の重鎮な方々が集結し、坂本登喜彦さん、金森穣さん、アンドレイ・オルコフさん、針山愛美さん、そして渡邊さん。
渡邊さんがこの中に入っていらしたのがこちらまで背筋伸びる思いがいたします。
予定よりだいぶ早目に到着でき、クラシックとコンテンポラリー両方のアンサンブル部門審査を見学し若い方々の頑張る姿を観ていると、
同じ年齢の頃何かにひたむきに励んだこと努力したこと、あったか?ないか、と自間自答。出場者の方々からの学びも多くありました。
コンクールを見学、エキシビションを観覧していながらお恥ずかしいのは重々承知の上で申し上げると私はコンクールの映像を殆ど観ておらず、
昨今はバレエ雑誌やネットニュース、動画サイトやSNSにもよく上がっているようですが全くと言って良いほど目を通しておらず
コンクール情報音痴な部類に入るかと思います。ローザンヌのテレビ放送をチラッと観る程度です。ローザンヌは出場資格が15歳以上だったか、
ある程度の年齢以上(そうはいっても全員お若い世代ですが)のコンクールですが
殊に近年は10歳に満たない子供対象の部門を有するコンクールが増えていて、いくらアレンジしているとはいえ本来は大人のプロのソリスト級が踊るために振り付けられた踊りを
8歳や9歳くらいのお子さんが踊って得点を付けられる、またその頃のお子さんというとまだ基礎の中のシンプルな基礎を繰り返し行うべきイメージも勝手に持っており
ヴァリエーションの練習が集中してしまうと癖が付いてしまわないだろうかと心配になることもあり、そんなことを言ってしまえばコンクールの存在意義を問われてしまいますが。
ただ今回実際に審査や表彰式、エキシビション等を観て思ったのは出場者の生徒さん達はとにかく一生懸命で、
この日のためにコツコツと練習を積んできたひたむきさが伝わり素直さが不可欠なのだろうと推察。
だからこそ、指導者の先生方は良い方向に導いて欲しいと思っております。
会場にて出会った、唯一顔見知り(と私が勝手に思い込んでいるだけかもしれません が笑)お方は
大阪府堺市からご出店のバレエを題材にしたコンフィチュールも多種製造販売なさっているアディオールさんのご店主。
よく上野の森バレエホリディにも出店なさっていて、富山国際を始めコンクールご出店機会も多いそうです。
今回はかぼちゃを購入、味見させていただいたところほっくり滑らかな舌触りや甘過ぎない味わいも気に入り、購入いたしました。
せっかくですから会場の土地ならではのお土産も購入し、魚津リンゴロールがしっとりふっくら美味しうございました。
2個購入したものの、日持ちがあまりせず、何より気に入ってしまったため1人で2個食べてしまいました笑。
オーストリアやドイツのりんごのケーキお菓子アプフェルシュトゥルーデルを小さくしたような味です。
魚津市のキャラクターのミラたんポーチ(蜃気楼のミラージュが由来)も記念に購入し、ロビ一からは立山連峰がすぐ近くに見えて大迫力でした。
そんなわけで、人生初のコンクール審査見学とお目当てのダンサーもご出演エキシビション鑑賞、初めて尽くしの新鮮な体験となりました。
振り返れば今年は渡邊さんによるアルブレヒトは全幕、パ・ド・ドゥ抜粋、ヴァリエーション抜粋、と形式は色々あれど
東京の全幕で2回、ロンドン公演の全幕で1回、福岡市のシヴァガラと名古屋市のシヴァガラでそれぞれ1回ずつ、そして今回の富山で1回、と計6回鑑賞。
国外も合わせて全国各地にて幸せいっぱいなアルブレヒトイヤー2025でございました。
※以下写真が50枚ほどございます。そもそも普段の観劇仲間も誰も行かずであった今回の魚津。
私が勇んで行った理由の1つが旅情ミステリーを読んで一度は行ってみたいと憧れていた黒部宇奈月でのトロッコ乗車でした。
最初、会場への交通手段を調べた友人が、東京から新幹線で行くなら黒部宇奈月温泉駅らしい云々と触れていて、まずそこに反応した私でございます笑。
吹きさらしなトロッコ車両を予約して念願叶って乗車。険しい自然が生み出す紅葉、壮観圧巻!
まさに急峻な山景色を眼前にしながらワイルドに駆け抜け、高所好きにもたまらない体験でした。

おはようございます。新国アラジン富山公演以来、6年ぶりの富山駅改札!寒うございます。
あいの風とやま鉄道に乗車。名称がロマンティック!右側に、山々越しに朝日が見えます。

左側には海見えます。しらかわんも勿論参りました!初めての富山探訪にワクワクしていて、山と海が近い地形に早速驚きな様子です!

会場最寄り駅の一つである魚津駅で乗り換え、やってきました宇奈月駅!そうです、黒部宇奈月トロッコに乗ります!!
改札開始である出発10分前に着きましたが大変な混雑で、30分前には着く方が望ましいらしい。
ただ、1人でしたので早歩きで移動し、まずまず観やすい座席に着席。車両は指定、座席は自由です。

鏡のような湖。車内案内放送は富山出身俳優の室井滋さん。トロッコからの景色についてはhttps://www.kurotetu.co.jp/spot_jyousya/#anchor-spot4

お城としらかわん。新柳河原発電所です。この日は地元の王子様が白鳥の湖に出演と思ったかもしれません。

山々の紅葉に見惚れるしらかわん。

カーブ、後曳橋

異次元な迫力ある紅葉に包まれた橋。

ダム

急峻な地形。

猫又駅。一旦降りて、少し休憩後に折り返します。

吹きさらしな車両です。

座ってみた。

峻険な崖の景色。
高所なカーブ!

吊り橋 猿橋。お猿さん達がお住まいだそうです。

猿橋

湖、エメラルドグリーン。宇奈月温泉辺りはオーストリアのザルツブルクに地形が似ているらしく、毎年モーツァルト音楽祭を開催。
そんなに似ているか⁈とタイムリーなことに映画公開60周年記念上映していたサウンド・オブ・ミュージックを先週観に行ったとき半信半疑で注目していたら
険しい稜線や湖の入り組み方は似ている気がいたしました。
本日はザルツブルクが生んだ偉人モーツァルトの命日。宇奈月を見たらどんな反応示すか気になるところです。

白鳥の湖が開演しそうな雰囲気。ジゼルも思い出します。このあとは、魚津市でアルブレヒトのヴァリエーションを観るのです。

まもなくゴールに。

トロッコ乗り場から近い足湯。かなりのスピードで吹きさらし状態だったため、興奮するも寒くなったため足湯で休憩。

宇奈月温泉駅前の食堂で白エビかき揚げ蕎麦。ご覧ください、白エビの存在感!衣は薄めです。

予習した、富山と翌日にも関わってくる2冊。 吉村達也さん作品は警察官の上司部下の人情味ある関係性やまさかの大どんでん返し、
そして舞台設定地域の歴史や背景文化の徹底した下調べに裏付けされた解説、仕掛けに驚かされております。
西村さん作品は2時間サスペンスドラマ化機会も多く、トラベルミステリーの金字塔でしょう。時刻表トリックの巧妙な罠には毎度唸っております。
両作品とも読んでいるだけで行った気分になれるのは共通で、写真や映像がないからこそ想像範囲も広がるのも楽しい要素。
中堅のキリッとした刑事さんが登場すると、先の初台シンデレラにて初日、10/19夜、10/25昼の2幕幕切れにて目にした、
大勢の捜査員束ねる、シンデレラ探し出し実行の気概に満ちた捜査本部長なお姿が記憶に新しい王子さまを当て嵌めては楽しんでおります笑。
勿論実際の事件発生は困りますが、あくまで本の中の出来事と思うと、旅情に浸れる参考にもなる作品です。
もう一つ、今回両作品において、黒部や宇奈月の山景色について表現の共通点がありました。
それは、急峻、峻険、と「峻」の字が複数回使用されていたこと。
常日頃から最も意識している漢字である一方日常用語ではなかなか登場機会はないため、喜びもひとしおでした。
実際にトロッコに乗って様々な角度から眺めてみるとまさに相応しい漢字。
黒部の厳しい自然環境や、尖塔の如く鋭く突き出た岩肌、標高が高い険しさが連なり崇高に聳える、
ただ高いだけでなく襲いかかってきそうな気迫ある山々の景色に似つかわしいと思わせました。
数年前のシーズンガイドにて、名前の漢字由来説明も脳裏をよぎった次第です。
名前が、漢字が、人物を語っていると納得でございます。
記念に、土曜日は宇奈月温泉駅にて、翌日は移動先にて撮影。偶然にも土曜日日曜日連続してのタイミング、こんな機会この先滅多にないでしょう。

宇奈月温泉駅を出発。トロッコと、この電車も隣になった方と暫し話し、富山訪問一番の目当てについて申し上げると当たり前だが驚いていた笑。
しかし、ロンドンよりは富山は近いとの発言には納得なさっていたご様子です。そりゃそうか。

レトロな駅あり。

新幹線乗り換えの駅、黒部宇奈月温泉駅。往復ともに大勢が乗り降りする駅です。
黒部宇奈月温泉、宇奈月温泉、宇奈月、と似た駅名が色々。最初は混同しておりました。魚津駅まではもう少し。

魚津駅到着!

広い、視界も良きロータリー

青い市民バスです。ミラたん柄。
ミラたん、爪先立ちでバレエなポーズを取る絵柄もあり。バレエ観てみたいのでしょう!

行きは松倉ルートで行くためピンクの市民バス。マイクロバスな車体でした。1回200円、お釣りや両替不可です。新川文化ホールへ行くにはメガドンキ前が最寄りです。

約30分でメガドンキ前に到着。やや遠目からでも巨大な会場、文化ホールは目立ちました。

看板後ろに立山連峰!

ロビーから、紅葉と山々。

大阪府堺市からアンディオールさん出店!店主の西辻さん、いつも気さくで親切です。

シェヘラ!何故か渡邊さんの写真はシェヘラザード金の黒奴でした。
アルブレヒトからはだいぶかけ離れた役柄写真ですが私は蕩けるほどに虜になった役柄の一つのため、また出回っている写真も少ないはずで喜びひとしおです。

魚津名所が可愛らしく描かれたミラたんポーチ、チケットもカラー。

りんごロールとアンディオールさんのカボチャコンフィチュール瓶を掲げて記念写真。天気も良くあちこち散策したいところですが。

熊警報、この辺りも出ていました。お気をつけください。宇奈月温泉は、私が着く2日前の朝方は熊が走っていたらしい。

ロビーの表彰式の台。富山らしい風景が一緒に入ります。
ドンキバス停。会場から近いはずが、道路渡ろうとしても歩道が真っ暗で分かりづらく、歩かれる方はお気をつけください。そもそも皆さんお車でご来場なのでしょう。

青いバスで魚津駅へ。

魚津駅前に、ミラたんマルシェ!

あいの風とやま鉄道で富山駅へ。この日初台ではバレエ研修所コンサート開催で、常連さん達観に行っていらしたもよう。
車内から富山特派員は渡邊さんの勇姿を仲間に報告!

富山駅到着!駅すぐそばにて、さあ締め括りです。

海鮮問屋のお店にて、まずは富山地酒で乾杯、その名も立山!思い起こされます、ああ立山連峰秋景色〜。

お寿司、ネタが大きい鮮度抜群!!店員さん達が皆さんさっぱり朗らかな雰囲気も素敵でした。
拡大!今年の渡邊さん観劇旅のフィナーレ、富山駅のお寿司で締め括りました2025年でございます。
東京以外では福島県白河市、前橋市、さいたま市、鎌倉市、富山県魚津市、
名古屋市、岡山県矢掛町、福岡市は春夏2回、そしてロンドン、もれがあったら失礼。十津川警部もびっくりでしょうか笑。
山本さん観劇旅も合わせると???総括でじっくりやります笑

地酒がずらり〜!

さらば富山県、また会う日まで!!!このあとは帰京、とは言っても東京ではなく西の京へ。
行き先は少し異なるが富山から京へと考えると、越中出向もしていた大伴家持に思いを馳せたくなる中での移動でございます。
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