2025年12月12日金曜日

カルメンの誇り高い生き様 篠原聖ーバレエリサイタル『カルメン』11月20日(水)








11月20日(水)、新国立劇場中劇場にて原聖ーバレエリサイタル「カルメン」を観て参りました。
形式を変えながら再演を重ねている作品で全2幕版、NHKバレエの饗宴2015での約40分版に続き今回3度目の鑑賞です。
https://seiichi-yurie.com/

カルメン:下村由理恵
ドン・ホセ:今井智也
スニーガ:浅田良和
エスカミリオ:厚地康雄
篠原聖ー


下村さんのカルメンは奔放な強さと艶かしさを放つヒロインで年齢重ねても歯切れ良く色香漂う表現で魅了。 ホセでなくても落ちてしまう魅惑的な美しさです。
筋肉とりわけ背筋のしなやかさにもうっとり。暗闇での立ち姿の凛としたお姿で語りかける潔さに連れるかと思えば、
ホセとの一夜は官能的な要素にピュアで愛らしい恋する女性なオーラも充満。ホセに包まれ、初めて味わう心安らぐひとときであるう
鮮烈な感情の芽生えが噴水の如く溢れ落ちていた印象です。
今井さんのホセは命を削りながら捧げる勢いあり好印象。濃密な下村さんカルメンに恋い焦がれ、道を踏み外して行く生真面目軍人を、
カルメンと互角に渡り合いながら生々しく描き上げていらっしゃいました。
ホセの甘さをとことん追い詰めて押さえつけるスニーガの浅田さんの、見た目からは想像付かぬ鋭い攻撃性も得ましや。
エスカミリオの厚地さんの、ここ数年の間で最もキレキレに思える踊りっぷりで(篠原さんマジック効果か笑)、
髪掻き上げたりとキザな表現の気恥ずかしさ皆無。客席へ薔薇を投げる決めどころも、白いキンキラ衣装もバッチリお似合いでした。

タバコ工場の女工同士の喧嘩騒動やら、物語の設定上どうしても品良く描くのは困難でありながらも最初と最後に儀式的な場の設定の工夫光っていた部分の1つ。
薔薇の花々の中でカルメンがゆったり凛然と身体を起こして佇みながら観客を物語の世界へいざない、誇り高く生きたカルメンの生き様を見せるような
美しい余韻を持たせる演出が全体に厚みと洗練した趣を与えていて、目に心に響く演出でした。
酒場等の場面にて、木の棒を組み合わせて背景全体に広げ、明かりが灯されていた美術も洒落た作りです。

舞踊場面もたっぷり用意され、女工達の群舞の色違いのくすんだ色味衣装の配置や入れ替わりの滑らかさ、
立体感とメリハリに富んだ踊りが颯爽と連なりビゼーの骨太な曲調と溶け合いながらの展開は息呑む面白さで満たされました。
音楽は所々オリジナルな編曲も挿入し、スニーガに問い詰められるホセのやりとりは現代風な音楽で心臓の鼓動をそのまま鳴らすような音を発していて違和感も多少はあれど、
崩壊していくホセの様子を抉り出す効果もあり、直後のカルメンへの突っ走りにも説得力を生み出していたかと思います。

それからカルメンの運命を司る篠原さんも忘れられず。カルメンを背後から見つめ、共同体のようにユニゾンで歩んだりと怪しくも神秘的な存在感。
それにしても、ご年齢を考えたら変わらぬ締まった身体にシンプルな白シャツ衣装で舞台にお立ちになる篠原さん。驚異的な若さです。

約90分間休憩無し演出であっても冗長な箇所はなく、締まりある展開で瞬く間に終演。バレ工界の第一線で活躍する主役級キャストが団の枠を越えて集う豪華さに加 え
中劇場の2階からの鑑賞であったため奥も含めて全体をよく見渡せ、隙のない洗練された篠原さん下村さんの世界観を堪能できました。
篠原さん下村さんの、仲良くも互いを刺激し合う敬い合う関係は長年不変なのでしよう。
カーテンコールでは下村さんが舞台に1人佇んでいると、カルメンを始め何度も共演を重ねた佐々木大さんがサプライズで花束を持ってご登場。
また近年では珍しい、花束投げ込みもあちこちから笑。下村さんの根強いファン達の熱意が飛び交う光景でございました。

会場には篠原さん、下村さんを慕う、ご縁ある方々が全国各地から集結。同じ版の「カルメン」を嘗て上演した大阪の佐々木美智子バレエ団関係者や
関西でよくお目にかかる舞台写真撮影スタッフの方々、篠原さん作品上演や篠原さん下村さんも度々指導に出向いていらっしゃる
愛媛県西条市の板東ゆう子ジュニアバレエの方々等と一斉に初台にて平日仕事帰りにお目にかかれて喜ばしい限り。
いつもは夜行バスや新幹線に乗って会いに行く方々が揃って初台上陸。ホームへようこそ(誰のホームやねん!?と言われるでしょうが笑)な不思議気分でございました。

※NHKバレエの饗宴2015ではカルメンを下村さん、ホセを山本隆之さん、スニーガを森田健太郎さんが務められ、
このときの濃厚ドラマティックな布陣も刷り込まれております。群舞の中には徳永由貴さんもいらっしゃいました。




休憩なし!



互いを讃えあう下村さん今井さん



集合!



ソワソワなさる下村さん⁈



佐々木大さんからサプライズ!



喜び溢れるお2人です。



篠原さんも駆け寄ります。



再度皆でカーテンコール!



帰りは赤ワインで乾杯。カルメンの後は赤ワイン飲みたくなるのです。
首都圏時々北陸各地の劇場常連さんと(年間観劇300回超えていらっしゃる!?)、
鑑賞もレッスンも観劇旅にも励んでいる我が後輩が初めてゆったり語らい。2人とも喜びな会話が弾みっぱなしでした。





すぐ横上にビートルズのポスター。今年は私も、それから秋頃には実は妹もロンドンにて観劇三昧な旅をしており、
妹はビートルズグッズのお店へ、私はアビーロードも探訪。2人揃ってロンドンとご縁ある年になりました。

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