2020年1月5日日曜日

アリス事件ー上巻ー

明日から仕事始めの方も多いことと存じますが天気にも恵まれた本日、皆様それぞれの1日をお過ごしかと思います。
昨年の今頃は祖母が亡くなり正月明け早々慌ただしい日々でしたが、今頃祖母は20年以上前からファンであった
木村拓哉さんのドラマを満喫していることと想像しております。

前回管理人の年末年始についても少し触れましたが、恒例のテレビ放送が抜けておりました。
新国立劇場が会場となっているだけの理由で楽曲や歌手ではなく舞台機構の生かし方や
ホワイエあたりからの中継が目当てで毎年視聴しておりましたレコード大賞は管理人、
昨年は仕事納めが30日であったため視聴叶わず。しかし翌日の紅白歌合戦は視聴し
益々見分けがつかなくなる新進気鋭の男性集団の存在に時代の経過を感じつつ
年越しは長年『ゆく年くる年』派であった私も近年はバレエの絡みが嬉しい東急ジルベスターに移行し
東京バレエ団による木星と第九を堪能。(第九チームは屋外でも披露していたため強風による寒さが心配であったが)
そして元旦はウィーンフィルのニューイヤー。ジョゼ・マルティネス振付による
バレエ場面が振付衣装ともいたくお洒落で良き幕開けな夜となりました。
しかし管理人、ウィンナワルツといえば昨年末から年初にかけて
有名どころを近所の某大手価格挑戦スーパーマーケットでの大音量店内放送。
買い物を終え、退店しようとするも『こうもり』序曲が流れ始めては最後まで聴かずにいられず
ああ、ローラン・プティ版『こうもり』を新国立劇場バレエ団にて再演熱望。
日本人ながらこれぞ伊達男色男と唸らせた大名演者の舞台が色褪せる日は到来しないでしょうが
恐らくは役所か銀行勤務の係長で部長と部下の板挟み状態であろう生真面目なる
新生ヨハンお父さんも鑑賞したいと欲が募るばかりです。新聞黙読や最後しょぼくれての帰宅もお似合いでありましょう。
序曲での中心のドレスアップした女性は関晶帆さんで決まりだろうか。妄想巡りが止まらずでした。
新国立劇場の2020/2021シーズンラインアップ発表まであと数日、
赤鉛筆耳にかけてのダービーに明け暮れるバレエ団ファンも多数でしょう。

長々とした前置きはこの辺りにして。新国立来期のラインアップ発表後すぐに控えている公演はニューイヤー・バレエで
バレエ団初演作品としてDGVが上演。旅と列車をテーマとした作品であり第1区、第2区、と走行区間を設定しているようで
新春の恒例であり今年は区間新記録が多発した箱根駅伝を彷彿。旅といえば管理人もここ10年以上は幸いにして
バレエを通して全国津々浦々出向く機会に恵まれ、2020年は初訪問が1県、13年ぶりの訪問が2県
そして昨年に続き北海道と九州両方を訪れる予定が立ちそうであり、今年も旅三昧な1年となりそうです。

さてここからが本題。昨年ゴールデンウィーク期間に発生した、何処かで紹介と書きながら結局書かず終いであった
英国バレエ史に刻まれる偉大な振付家フレデリック・アシュトン版『シンデレラ』鑑賞後に
TGVではなく日本産の高速列車東海道新幹線に乗車して出掛け
DGVと同じくクリストファー・ウィールドンが手がけ今シーズン再演される『不思議の国のアリス』も絡んだ事件でございます。
以下、文字数多量で更には事件と呼ぶには過剰であるとのご指摘もあるかもしれませんが悪しからず。

遡ること昨年の4月下旬の新国立劇場バレエ団『シンデレラ』初日、終演後はそのまま東京駅へ向かい
翌日の関西における午前中に開始の誠に贅沢な有酸素運動に備えた前泊のため新大阪へ。
本来ならばそのまま宿泊先に直行が望ましいのでしょうが、その日の新国立『シンデレラ』は最たる楽しみな主演者でしたので
人生初、公演会場とは異なる地方にて乾杯の1人打ち上げ。当時の記事には、地下鉄中央線に乗って移動と綴ったところ
荻窪や吉祥寺を通る中央線と思われた方もいらした様子。よくご覧ください、JRではなく「地下鉄」中央線。
つまりは関東圏ではなく大阪メトロの中央線を指していたのです。
翌日の目的地は地下鉄中央線上の奈良寄りの地域であるため宿泊地も同沿線の宿を予約。
夜に新大阪駅到着後、翌日の目的地最寄駅1駅手前の深江橋にて素敵なお店を見つけて乾杯いたしました。
それがこちらです。






















東京でバレエを観た帰りであると話しつつチラシを見せると「同じナベの字や!シュッとした男前な顔しててええなあ」と
気さくに嬉しそうに反応じてくださり管理人ニンマリ。当時はまさか約5ヶ月後に
子ども白鳥大阪フェスティバルホール公演にて地元出身者の代役で急遽主演務めるとは知る由もありませんでしたが
大阪の方々にもっと観て欲しいダンサーであると語る私の話にも耳を傾けてくださり、
金色の装飾に彩られ鮮度も抜群なお造り盛り合わせや酒粕チーズにご主人厳選の美味しい日本酒をいただき
東京での鑑賞後に大阪にて乾杯するという異例中の異例ながら大満足な1人打ち上げでございました。

しかしこのとき大阪に来た主たる目的は翌日の用事ですからここは『シンデレラ』に倣い
日付が変わる0時には初台の魔法を解いて頭を切り替えようと決意。
0時前には宿に到着してチェックイン、さあこれですっきり大阪色に覆われると何ら疑いもせず
部屋の説明を受けていたとき事件は起きました。所謂ユースホステル型施設で
部屋ごとに名前が付いていたのですが、フロントスタッフの方から言い渡されたのは

「お客様のお部屋は、、、アリスです」

思わず耳を疑いましたが手渡された用紙には確かにAliceとの文字が明記。
あくまで部屋の名称であると言い聞かせても思い出すのは、構想から4年かかっての大プロジェクト上演であった
前年11月のバレエ団初演で連日完売であったウィールドン版『不思議の国のアリス』。
まあ国問わずよくある名前ですし偶然であったと考えようと再度言い聞かせて部屋へ。するとその途中、事件再び発生。
廊下に掲示していたフロアマップに目をやったのがあかんかった。飛び込んできたアリスの部屋の上に記されていた名称は

Jack





















冷静になろうと管理人、ジャックもまた豆の木の話や映画『タイタニック』主人公始めよくある名前である。
どうしても新国立でのウィールドン版アリスが脳裏に浮かんで消えないのであれば
ここは大阪、Kバレエスタジオ出身の福岡雄大さんジャックを想像すれば筋が通った結果に至ると考え付いたのも束の間
常日頃の思考を瞬時に変換させるのは極めて困難であり、もう諦めるしかない。
こうなったら朝食は以前にも利用して手頃でボリュームもしっかりあり気に入った難波の喫茶店カヴァリエでモーニングや。
その日は前年と同様夏のカヴァリエであろうかと黄色い外観を見ても阪神タイガースが脳裏に思いつかず想像は瞬く間に膨らみ
(東京の方からの連絡によればやはり夏カヴァリエ友人で他日も鑑賞)


















結局午前10時には脳内を大阪色で塗り替え、本来の目的地へと向かった管理人でした。
毎度変わらず優しくしてくださる関西の方々には頭が上がらず、幸福極まりない時間を過ごしたのち
無理矢理ではあるが星の精と感じさせる夜行バスに乗車して帰京し自宅に戻り小休憩したあとは再び新国立劇場へ。





















このときのバスでは殆ど眠れず約2時間睡眠であったにも拘らず睡魔にも全く襲われずむしろ目は冴え渡るばかり。
我ながら、中高大学時代よりも現在の方が体力があると思うのは実に疑問な不可思議な身体であると思いつつ
それはそうと素敵で渋い魅力ある夏カヴァリエも登場され、平成最後に鑑賞した新国立公演及びバレエ公演となりました。

ちなみにアリス事件、もう1発ございますが今回思いの外長い内容になってしまったため下巻としてまた後日。
我が親族も絡んだ呑気過ぎる事件ですのでお忙しい方は読み飛ばしいただき、その後は
新国立劇場2020/2021シーズンラインアップ発表における、毎度の当ブログ恒例
独断と偏見ばかりな意見繰り出しをNHK今夜も生でさだまさしの如く行う予定でおります。
勿論さだまさしさんのように機転の効いた言葉巧みな語りには管理人、到底及びませんが
私の中では年1回の大行事。『防人の詩』や『関白宣言』を流しながらあれやこれや綴って参りたいと考えております。
もう少し祝福感のある曲を選ぶべきとのご意見もおありでしょうが、
さださんの曲、管理人世代にて分かる曲は限られておりますのでご理解願います。

6 件のコメント:

さくらもち さんのコメント...

ブログお引越しおめでとうございます。
アリスにジャックのご宿泊先がうらやましい~
「こうもり」はぜひ見てみたいものですねえ。フランスで踊っていらしたころ、なぜかプティには縁がなかったようで、退団されてからバレエ団のレパートリーに入っているのを見てあららと思ったものです。ドゥニ・ガニオのような雰囲気が出せるのではないでしょうか。
わー失われた時を求めてとかも見たくなってしまった。今年もよろしくお願いします。

管理人 さんのコメント...

さくらもち様
引越し先にもお越しいただき誠にありがとうございます。本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
まだ手探りしながらの更新ですが、昨年書きそびれた内容ながら最後までお読みいただき大変嬉しく存じます。
アリスに加えてジャックの文字が目に留まってしまい、
ゴールデンウィークのため東海道新幹線格安宿泊付プランがない時期で旅費を抑えたいと予約したはずが
まさかの展開に驚くしかありませんでした笑。

失われたときを求めては国内ではなかなか上演される機会がなかったと記憶しており
25年ぐらい前にオールスターガラでリュドミラ・セメニャカさんが囚われの女の場面を踊っていらしたか(曖昧ですが)
作品の雰囲気は合っていそうで、観たくなります。モレルとサン・ルーのパドドゥは官能的過ぎるかもしれませんが興味が沸いてきます笑。
こうもりのヨハンは今の新国立の男性ダンサーたちが再挑戦者も含めてどんな役を作り上げるか関心がありまして
ガニオとはまた恐ろしい色男なお名前を挙げてくださりありがとうございます!壁は高そうですが、近いものは見せてくださるかもしれません。
(私の中では、ヨハンといえば山本さんでございます)

そういえば、3年前に東京バレエ団にて上演されたアルルの女鑑賞記を読んでくださり同公演をご覧になった方から
フレデリ役が観たいとのご要望が寄せられ、ストライクなご想像に思わず声をあげて反応してしまったほどでした。
これから様々な役の経験を更には積まれるのは間違いありませんから、夢は広がるばかりです!

あき さんのコメント...

「失われた時を求めて」、かつて素晴らしい映画がありましたね。
夜空に飛んで行く、山本ヨハン、大好きです!

管理人 さんのコメント...

こんばんは。失われた時を求めて、映画はまだ観ておりませんが教えていただきありがとうございます。
きっとしっとり素敵な作品であると想像いたします。
羽をパタパタさせながら飛んでいく山本さんヨハン、今も脳裏に焼き付いております。同じ思いです!

匿名 さんのコメント...

あわせて、アラジンの間の悪さも面白く、思い出されます

管理人 さんのコメント...

引き続きありがとうございます。覚えております!3幕にてなかなか黒装束に着替え終わらず冷や冷やでしたよね。最後は滑り込みで間に合わせる術にさすがと唸らせ、忘られぬ舞台です。