2026年4月12日日曜日

公演中断から6年 ロイヤル衣装美術で濃密描写と再びのレスコー!! 新国立劇場バレエ団『マノン』3月19日(木)~22日(日)




3月19日(木)~22日(日)、新国立劇場バレエ団『マノン』を6回全て観て参りました。
前回上演は2020年。しかしコロナが流行し始めた頃で公演期間途中の2月26日に突然中止に追い込まれ(初台ニニ.六事件)、今回6年ぶり待望の再演です。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/manon/


マノン:小野絢子(19日21日)柴山紗帆(20日昼22日昼)米沢唯(20日夜22日夜)

デ・グリュー:福岡雄大(19日21日)速水渉悟(20日昼22日昼)井澤駿(20日夜22日夜)

レスコー:奥村康祐(19日21日)木下嘉人(20日昼22日昼)渡邊峻郁(20日夜22日夜)

ムッシューG.M.:中家正博(全日)

レスコーの愛人:木村優里(19日20日夜21日22日夜)山本涼杏(20日昼22日昼)

娼家のマダム:湯川麻美子(19日21日22日昼)関優奈(20日昼夜22日夜)

看守:小柴富久修(19日20日夜21日22日夜)渡邊拓朗(20日昼22日昼)

物乞いのリーダー:水井駿介(19日21日)上中佑樹(20日昼22日昼)石山蓮(20日22日夜)

高級娼婦:
飯野萌子 直塚美穂 川口藍 金城帆香 根岸祐衣(19日20日夜22日夜)
奥田花純 飯野萌子 花形悠月 金城帆香 内田美聡(20日昼21日22日昼)

紳士:
小野寺雄 原健太 森本亮介(19日21日)
李明賢 中島瑞生 小川尚宏(20日昼夜22日昼22日夜)

客:
宇賀大将 趙載範 山田悠貴(1幕)樋口響(2幕)太田寛仁 森本晃介(19日20日昼夜)
宇賀大将 趙載範 長谷川諒太 太田寛仁 森本晃介(21日22日昼22日夜)
老紳士:内藤博(全日)





舞台写真 米沢さん井澤さん組



小野さんのマノンは馬車を降りての登場からして黒い色香を醸し、吸い寄せられずにはいられぬヒロイン。
無邪気に走り出しても既にただならぬ危うい匂いを漂わせ、その場その場での判断も損得有無を瞬時に捉えて冷静沈着そうな、自身の強味を把握しているのは確かでしょう。
デ・グリューとの出会いもすぐさま愛するのではなく距離を置きながら眺めていて、自身に惚れているデ・グリューの初心な様子を暫し楽しんでいたかと観察。
それからダーツの達人なのか、デ・グリューが手紙書く手元の羽ペンを舞台袖へ真っ直ぐ水平に投げていらして、3人のマノン皆さん上手でしたが小野さんはピカイ チ。
例え平成にタイムスリップしたとしても一番欲しい高価な物を必ず手に入れると言わんばかりに狙い定めて、 1等のパジェロを当てたかと思います。決してたわしは当てません。
(お若い世代の方々、東京フレンドパーク、と入力してご自身でお調べください)

GMと並ぶと華麗なる毒蜘蛛な美しさで翻弄し、混沌騒然とした婚家に出現すると脅かすようなオーラで覆って空気が一変。
元々中家さんと小野さんが並ぶとドロッセルマイヤーとクララで共演したくるみ割り人形やバジルとキトリの恋人な関係性のドン・キホーテですら
健全さに欠ける雰囲気が立ち込めていましたが笑、濃密文芸作品となればお約束以上のダークな香りが充満です。
マノンは勿論踊る箇所は多くあるものの小野さんの場合は演じながら踊っているとは見えず。
余りに自然に映るためかステップ1つ1つから過剰なことをせずともマノンに宿る感情が沸々と表れ、
退廃した社会の闇のど真ん中で揉まれている秘められた強さといい、語りかけるカが圧巻でございました。

福岡さんのデ・グリューは過去2回の公演での初心な学生ぶりを観ていたためか今回は貫禄が増して学生にはやや見えづらかったものの、
鉄壁を超えた沼地のパ・ド・ドゥでのサポートには大拍手。2012年、2020年のマノンやその他多数の作品で組んでいる小野さんが相手とはいえ
遠方から無心で飛び込んでくるマノンを受け止めてから次段階にて高く掲げるポーズや回転へと持ち込んで行く過程も素早く、
マノンの空中歩行の自在ぶりも巧みに演出。且つ沼地での極限状況の苦しさを吐露しながらのパ・ド・ドゥ作り上げに驚嘆です。

マノンのジェットコースターな人生を丁寧に踊りで体現していたのは柴山さん。
お帽子が可愛らしく似合い、お兄ちゃん~!と呼ぶ声が聞こえそうな、レスコーに飛びつく無邪気な登場はこの後の波乱を微塵も想像させず。
しかし真っ新な分、GMのほんのひと雫な誘惑が半紙に墨汁が広がるかの如く瞬く間に黒く染め上がる変化を見せ、
とりわけデ・グリューと愛を交わした寝室にて、彼が郵便物投函お出かけ中にやってきたGMから贈られた首飾りが
僅かに肌に触れた瞬間に顔つきが変わり、欲の沼に落ちていく転落が見事。娼家での登場は別人と化した美で魅了して
ソロは誰も近寄らせない色気も謎めいた雰囲気に満ち、端正な持ち味の踊りにぐっと魔力が加わって身震いです。

今回の大発見の1つが柴山さんと中家さんの化学反応の面白さで、先に述べた通りGMのひと触れでマノンからたちまち欲深さが引き出されていったりと目が離せぬ変わりぶり。
バレエチャンネルさんによる中家さんのインタビューにて、柴山さんには仕掛けを繰り返して色々試してみたいと仰っていましたがまさに大効果。
中でもマノンがブレスレットをGMに腕に嵌めてもらい、高く掲げて装着に自分は相応しいと静かに確信する箇所からの
GMの膝に乗って抱きついて子猫のようになって甘える様子は、デ・グリューからしたら目を覆いたくなる状況であったでしょう。
1幕登場時は、それどころか柴山さんがここまで複雑に絡む魔力を放つとは良い意味で予想を裏切られた思いでおります。(褒め言葉です)

速水さんはほわっとした学生ぶりで、本持っていてもおっとりした様子が世間知らずな初々しさにぴったり。
前回の物乞いからのデ・グリュー昇格は珍しいのかは分かりかねるものの、レスコータイプではなかろう、とは言えども抜擢には当初衝撃が走ったわけですが
1幕にて腰掛けるマノンに求愛するソロからして初恋のような微笑ましい息吹をもたしていて、
片脚バランス盛りだくさんな振付の難しさを感じさせぬ伸びやかさ。忍耐の連続であろう軸足にも笑みが見えかけ、
マノンも久々に心和むひとときを過ごしたのか表情も場の空気もほっとあたたかくなる光景や交わす視線の糸がぶれぬ2人の表情にも見入りました。
それから上手側上階から観ていると2幕にて嵐が一旦過ぎ去った娼家にてGMの宝飾品に目が眩んでいたマノンを再度振り向かせようと
テーブルにて立ち尽くすマノンを座り姿勢で下から見上げて訴える顔つきが忠実でお利口な大型犬風の可愛らしさもあり、こういう表情もするのかと妙に新鮮。
速水さんを応援なさっている方がこの場面の顔に射抜かれたと仰っていたのも、マノンの心が再度揺れかけるのも頷けました笑。

柴山さん速水さんはペアとしても大化けした印象を残し、1幕の出会いは素直で穏やかだがその後は想定不可能な道を踏み外しての突っ走りが壮絶な2人。
ピュアで無邪気なマノンとおっとりにっこり温厚そうなデ・グリュー、変な道に逸れそうにない2人があれよあれよと周囲の騒動に巻き込まれながらも
2人でもがき、やがてはニューオリンズまで運命を共にする姿は鑑賞前の予想の何十倍も響いてきた次第です。
まことに失礼な話、当初柴山さんマノンと速水さんデ・グリューのペアが発表されたとき、物語の中のゲームよりも遥かに危険な博打か??と思った私でございました。
フィギュアスケートペア競技も仰け反るアクロバティックな超絶高難度サポート満載なパ・ド・ドゥがてんこ盛りで
2024年のバヤデールでお2人が組んだときの3幕影の王国にてパ・ド・ドゥの真っ最中にくっついているべき振付の箇所にて互いの身体がふわっと離れ離れになってしまい
だいぶ危なっかしく、4階の観客までもがおっとっと!と慌てふためく声を漏らしていたほどに冷や冷やデール状態に至ってしまったわけです。
またお2人ともクラシックの技術は高いものをお持ちですが表現力が頗る豊かなタイプでは決してなく、
大作濃密バレエの世界で、周囲もわんさか濃い面々で固められている中で主役として引っ張っていけるのか、実のところ心配でした。
ところが、いざ観たら予想に反する驚きの連続で嬉しい悲鳴。初回こそ寝室のパ・ド・ドゥ後半のマノンがデ・グリューに支えられながら脚を天井に向けて挟みのようにパタパタさせる箇所がもたついてしまった感はありましたが
マノンとデ・グリュー、立場は異なれど世間知らずな若者達が娼家でのすれ違いやイカサマも経てやがて看守を消してでも添い遂げようと逃亡する2人の心身の叫びが昇華し
沼地は放り投げサポートも走り込んでの抱擁もドラヌティックな音楽を超越して響かせる力がありました。
思えば昨年夏のジゼルのロンドン公演でも、端正な技術の美しさはそのままに味付けがぐっと強まってドラマ性の深まりに驚かされ、
恐らくはロンドンを機に何かを乗り越えたお2人であったのかもしれません。
柴山さん速水さんのロンドン公演ジゼルを現地で目にできた幸運を今一度感じる今日この頃でございます。

だいぶ造形を変えて臨まれていたと思わせたのは米沢さんのマノン。無垢な愛らしさを出していた前回と違って、最初からちょこっと悪どい味付けで臨んでいて
デ・グリューからの求愛もまずはじっと見据え、一歩踏みとどまりながら人物像を探っているように思えました。
(後にも述べますが、井澤さんデ・グリューがマノンの戸惑いや拒絶にもめげぬ春のパッション祭り状態で好相性)
2幕の娼家登場での一歩差し出す脚やふと両手を掲げる仕草、ソロは前回以上に踊りから翳の要素が漂い、ゆったり捻りを効かせた回転での妖艶な余韻も目に残っております。

くるみ割り人形では王子とクララでの組み合わせ共演であった渡邊さんとの兄妹もしっくりと映り
とことん悪事に手を染めるまではいかずとも、共謀してGM唆し作戦に挑む前の執念深そうな表情といい幼い頃から貧困だったであるう苦労が偲ばれます。
元は名家であったが兄妹が幼少期に破産して、親戚の家を転々としても良い扱いは受けられず納屋で生活して時には盗みも働き
それでも兄は賢く野心もあって近衛兵となり、あとは妹がいかにして幸福になるよう手助けするか云々、背景を想像せずにはいられぬ兄妹です。
惨い拷問の傷まみれで現れたレスコーが銃殺されると、それまでは何処か澄ましていたマノンが途端にあどけない妹に戻っての泣きじゃくりからも
苦しい中で手を取り合って生きてきた兄妹愛を感じるばかりで胸が痛みました。

前回配役されていながら公演期途中に中止が決まり、出演が叶わなかった井澤さんはどの場面も説得力ある嵌り役。
まずは6年越しのデ・グリュー実現を心から祝いたい思いでおります。お育ちの良さそうな優雅な見た目もさることながら、
物静かそうな学生がマノンに対して、戸惑いを見せられようが時に拒絶されようが全身で情熱を捧げる春のパッション祭りな表現にまずびっくり。
出会いのソロからして音楽を悠々と使って高らかに歌うような踊りで、音楽、感情、踊りの調和に迫りくる勢いがあり、
マノンが心奪われていくのも分かる気がいたしました。最初は澄まし気味で少し距離を取っていたマノンも出会いと寝室のパ・ド・ドゥにて
デ・グリューの深い広い愛に包まれ、目をじっと見つめながら心を開き始めている過程が劇的に浮かび上がっていた印象です。

娼家での泥酔レスコー介抱には笑わせられ、(井澤さんデ・グリューは、3レスコーの中で最たる酔いどれ部長なるレスコー介抱担当であった笑)
ついレスコーの泥酔ソロに注目しがちですが頭を抱えながら心配そうに見守るデ・グリューの存在もあってこそ、レスコーソロも引き立っていると再確認です。
3幕はオンボロ姿でもマノンもデ・グリューも魂を寄せ合いながらの歩行ですら深い愛情が感じられ
沼地は最後へ行けば行くほど体力の限界と逆行してドラマの膨張度の強さを3ペアで最も描き切っていたと思え、
はち切れんばかりの曲調に負けぬどころか2人が音楽と身体が恐ろしいまでに共鳴し合っていて、しかも役柄上ふらつきながらのサポートや飛び込みポーズも勢い衰えず、
生死を彷徨う状態であっても止まらぬ愛の高まりを体現。観ている側までもが魂差し出す思いに駆られたほどでございます。

レスコーも三者三様。皆全然違うアプローチが光り、連日大いに楽しませてもらいました。
奥村さんはレスコーはツンとした風貌でほんのりと怖さや悪さを貫き、GMとは闇取引な怪しさムンムン。
小野さんマノンと並ぶとチラリと匂い立つスッとした黒さがまた宜しうございました。
その昔、小林紀子バレエシアターでの『マノン』においても務められていましたがどうしても味わいが足りずであった印象が拭えず。
しかし今回はどんちゃん騒ぎな娼家での酔っぱらいソロの妙に愛嬌の良き踊りっぷりも
中家さんGMと小野さんマノンのカカオ85%以上の割合であろうダークな組み合わせの中に入っての寝室取引もさまになっていた印象です。

木下さんは快楽に溺れる楽しさから悲しみ訴える最期のギャップもまた目に残るレスコー。
1幕広場にて皆に目配せしつつ物乞いやGMとのキビキビした会話も、酔って大暴れしても何処かスタイリッシュに映るのは、
例えば村人のヒラリオンにおいても庶民らしさよりも誇り高さが目に留まる姿で舞台を引き締めてくださる木下さんならではの持ち味かもしれません。
酔いどれソロ、切れ味も大盤振る舞いでございました。そうでした、介抱不可欠なほどに泥酔していてもいくら金銭に執着しているとはいえ
取引話にはすぐ頭が冴え渡るのは不思議だが、木下さんレスコーは頭もキレキレ有能書風味に見えるためか納得です。

渡邊さんは皆から慕われGMの懐にもすんなり入る愛嬌がある一方、鋭い流し目で支配する色気に悩殺され、 娼家での酩酊は千鳥足でもぶっ飛んで沸かせ、
闇を超越して可愛らしい酔い方。人間の多面性光るレスコーで楽しませてくださいました。
前回はより尖った、突っ張った若さが出ていて例えばGMに笑みを湛えて交渉する場は見かけずであったと記憶しておりますが今回は一段と振り幅ある造形。
人間として何て面白い魅力に溢れるレスコーだろうかと目に心に残り、悪党と思われがちな役ですが決してそうではない、
嗅覚が鋭くやり手で、鋭利な刃思わすおっかなさや抗えない色気を放つ抜くも美しい色男な面と
酔うと日本の大衆酒場にいそうな(3月半ばのマノンから現在4月上旬にかけて日本は時節柄歓送迎会があちこちで開催)
新橋SL広場インタビューにおいても上機嫌に回答もしてくれそうなてれてれと情けない面、
そうかと思えばマノンとデ・グリューが束の間の2人きりで愛を確かめ合う場面の最中に頭を冷やして酔いが抜けたのか?
カーテンの奥から出てくると妹の作戦に協力する悪どい冷静な顔つきに戻るなど、場面によって天と地ほどある落差ある変化もまた魅力を増幅です。
しかもてれてれであっても愛人とは上下左右動きの距離を大きく見せながらのアクロバティックな攻めを維持してのパ・ド・ドゥ披露で会場を沸かせてしまう凄 技ぶり。
パ・ド・ドゥ後には並べた椅子にてぐったり眠る体勢には初めて気づき、ベッドやソファーではなく椅子並べての対応は仕事中に体調不良になったときに食堂で眠る自分を思い出した次第です笑。
怪我と隣り合わせであろうぶっ飛びぶっ倒れ連発や、1幕では手を上げていたとは思えぬしょうもない酔いっぷりで愛人に甘える姿で、度量のある木村さん愛人といるときは
今でいう外回りも機敏に行う営業戦士なレスコーにとっては貴重な休息時間だったのでしょう。
また距離縮める経緯は誰で観ても不思議だが、娼家での登場から入店お断り対象になるレベルに大泥酔していたのも
呆れながらも優しく受け止めてくれる井澤さんデ・グリューに安心感が募った上に、お酒の力には敵わないでしょうから笑
瞬く間に弱って行き、金銭で追い詰めていた相手であることを忘れ去っていたのかもしれません。
拷問受けたのち傷だらけ血まみれになった最期は、20日はGMへの憎しみよりもあと一歩のし上がれなかった自身への悔しさが強く表れているように、
22日は憎悪の眼を向け続けて視線を銃殺寸前までGMから逸らさず、恨みは墓場まで持っていこうと決意する怨念すら感じました。

時間軸戻って、井澤さんデ・グリューへの金銭握らせての追い詰め交渉は悪魔な凄みがあり、有無を言わせぬ狂気じみた眼つきといい震え上がる恐ろしさ。
だからこそ2幕娼家での登場のてれてれ泥酔への変化折れ線グラフが多忙を極め笑、
憂える寂しそうな眼差しで正面見据えて腰掛ける静かな幕開けから広場でのあらゆる人々との無駄のない交渉、
GMとの闇な取引、テレテレ大泥酔からのイカサマゲームがばれての最期の銃殺死まで、内面の振り幅が実に豊かな色男に心動かされ陶酔した2日間でございます。
前回の深緑衣装もシックで素敵な着こなしでしたが、今回英国ロイヤルからの1幕でのオレンジや赤の入った襟の大きな上着や2幕の黒や金で整えた衣装姿
(キラキラ装飾付きの黒いお靴が妙に可愛らしくもあった)も実に絵になり、
18世紀フランスの社会にそのまま迷い込んだ気分で見惚れてしまいました。

それにしてもレスコー、賢く交渉術にも長けて世渡り上手でしょうから現代であったら貧困から社長へ、と
サクセスストーリー成し遂げてプロフェッショナルやカンブリア宮殿に出演
或いは1幕後半デ・グリュー下宿での1枚1枚入念な硬貨鑑定の行動から、鑑定士としてなんでも鑑定団への出演や大手買取専門店を全国展開も夢ではないでしょう。
しかし18世紀のフランスでは、いくら頭のキレる営業戦略得意なレスコーであっても身分の壁に阻まれてしまい、現実の厳しさを突きつけられる結果となったのは残酷でなりません。

渡邊さんが今回デ・グリューとレスコーどちらに配されるかは発表前から周囲ではずっと話題になっており
前回レスコーが2回予定が1回になってしまい、またキャリア重ねた今だからこそ街の中心で人々を繋ぐ物語の要な、
尖った険しい顔つきや取引上手な賢さの裏に宿る、単なる悪人ではない奥行きある役どころをもう一度観たいと願う一方(私の大好物でございます、渡邊さんの怖いお顔は笑)
世論ではデ・グリュー登板を祈る声が多数であったかと思われます。
私は断然レスコーで観たいと願っておりましたので、今だから申せますが配役発表日の夜はひっそり祝杯あげていたものの、
デ・グリューに選ばれずで無念にお感じなった周囲に溢れていた絶望に近いお気持ちも理解いたします。
私も叶うなら両方観てみたい。古い本の束持っての歩き読書の登場も、3つのパ・ド・ドゥや娼家でのソロなんて特に。
そもそも配役知る前にデ・グリューではなかった悲しみの心境吐露するご意見が真っ先に情報として入ってきましたので、
レスコー再びに対しての喜びの声をあげたら私は命の危険も本気で感じておりました汗汗。結果、何てことありませんでしたが笑。

レスコーと物乞いリーダーコンビの妙もそれぞれ異なる味わいで、奥村さん水井さんは同格に近い関係構築で、摩訶不思議な回転もお手の物な水井さんの職人踊りも見どころ。
木下さんと上中さんはやや落ち着きのある2人で、互いに敬意を払い合う関係性にも見て取れました。
レスコーを心から慕うひたむきな表情や闊達な踊りで広場を盛り上げる上中さんが
次回公演ライモンダはアブデラクマンに配役され、これまでの役柄からは想像つかないからこそ、楽しみ増しております。
渡邊さん石山さんは、年齢の離れた兄貴なレスコーがやんちゃ坊主な物乞いを目に入れても痛くないと言わんばかりにとことん可愛がっている印象。
石山さん、レスコーのソロの前に預かった上着の匂いを嗅いでいた行動もツボで、兄者レスコーの良い匂いに包まれての至福のひとときであったと推察いたします 笑。
オンボロの格好でも、着飾った貴族達に囲まれていてもパッと繰り出す朗らかさが目に届き、
超絶やり手そうなレスコーの素早い駆け引きのテンポに難なくついていく賢さからも他の物乞いとは一線を画する存在と思えました。カーテンコールではいつの間にかGMから再び時計入手笑。
取り出しては観客にアピールするも、ちょっとだけレスコーから愛あるお叱りを喰らって最後まで良いコンビです。
ところで物乞い達にとっては、唯一軽蔑せず侮蔑せず避けることもせず、身分関係なく対等に目を向けて同じ人間として接してくれるレスコーは
さぞかし心強い存在で、生きる希望だったはず。レスコーの死はどうやって物乞い達に知らされたのでしょう。悲しみに沈んでいたに違いありません。

2人のレスコー相手に連日艶やかな輝きを放っていたのは木村さん愛人。
前回の初挑戦時はまだ初々しさがまさって踊るのに手一杯な印象がありましたが今回は一転。
初日から板に付いていて、妖艶な強さと、レスコー無しには不安が募る弱い部分もさらけ出しながら1幕ソロでの重厚な音楽の中で自在に繰り出す張りのある踊りに感激。
感情に過激な波があるレスコーのあらゆる部分を受け止める度量も感じられ、他の男性とお喋りしていただけで顔を引っ叩かれるなど
今なら暴力沙汰の事件で送検されるであろうレスコーの嫉妬深い面も、ドンと構えて受けていらしたように思えます。
娼婦達率いていてもトップな存在感は明らかで、客の扱いも手慣れた余裕すら漂わす高嶺の花な愛人でした。
泥酔したレスコーの介抱も、酔っぱらい相手であるが故の急降下も激しいリフト多彩な中での危なっかしいパ・ド・ドゥもポーズ1つ1つがスケールとスリル満点。
娼家での中盤、ゆったりしたワルツにて粘りのある踊り始めも、いよいよゴージャス超越の騒ぎに到達していく宴を艶っぽく色付けて場を彩っていました。

山本さんはどうしてもアリスの母や仙女、ダンス教師においても青さが目立ってしまう箇所があり、(もう少し若めの役柄のほうが個性が活きるのではなかろうか)
しかし踊りの安定感、愛人ソロ特有の捻りからのジャンプやくるりと振り向いての投げキッスも決め決め。
木下レスコーとの会話がパリッと弾むような酔いどれパ・ド・ドゥも痛快で楽しく映りました。

中家さん全日、3人のマノンやデ・グリュー、レスコー相手に務められ、舐めるように嫌らしくも物語がっしりと支えるGMは賞賛に値するでしょう。
マノン、レスコーとのトロワにて、マノンの身体をレスコーと一緒に持ち上げながら宙ぶらりん体勢にして浮遊させ、
更にはひっくり返すサポートも終始音楽と共に円を描くようにスムーズな凄腕を発揮。
情欲が募り過ぎてマノンの脚に顔を埋める様子も呻き声が聞こえてきそうで、レスコーが止めに入るのも納得です。
出で立ちや振る舞いの堂々とした佇まいも全体に厚みを加えていて、金銭交渉の闇を1枚1枚捲るような取り引き披露はやましい行為であっても目が離せずでした。
日本風にいえば卓袱台返し(カードゲームにてイカサマに気づいてのテーブルをひっくり返し)での怒り頂点の暴れっぷりは星一徹や寺内貫太郎も仰天でしょう。
カーテンコールにて最後まで喝采の沼には浸からないプライドも愛すべきキャラクター。千秋楽はちょこっとだけ帽子を外してのご挨拶もありました。
娼家での硬貨ばら撒きも6回全て投げ上手で笑、娼婦達がほどよく拾いやすい場所に撒いての上機嫌な表情から
銭やー!!と聞こえてきたのは気のせいか笑。最高潮に達する宴を更に一段階興奮を高めていました。

復帰が話題になった湯川さんマダムの引き締めぶりも拍手。インタビューによれば、2015年の引退公演こうもり以来舞台に立たず、
新国立のスタッフとして指導の仕事一直線でこられたとのことでしたが舞台の勘は全く失われておらず
それどころか登場されると物語を雄弁に動かし、周囲との会話も滑らかで娼婦達を気にかける仕草もお手の物。
2003年と2012年はレスコーの愛人を踊られただけあり、トップ娼婦でもある愛人に対して深い愛情を注ぐ姿は先輩から後輩へとバトンタッチさえていく経緯が垣間見えて心熱し。
湯川さんとダブルキャストで選ばれた関さんのマダムも立派な仕上がりで、上体をたっぷり動かしながら扇子持って舞台を支配して行く纏め役も見事なもの。
娼家でのどんちゃん騒ぎでは椅子に乗ってレスコーとも大いに戯れたり、そうかと思えばあちこちで手招きしたり、
注文の多い客人男性達にも怯まず接したりと、宴をよく見て切り盛りする姿も窺えました。
せっかくマダムが整えた娼家が最後は凄惨な事件現場になってしまい、あのあと娼家はどうなったのか、見舞金は支払われたのか営業再開は可能であったのか行く末を案じております。

2幕娼婦達は時折スカートをたくし上げながらアピールするも嫌らし過ぎず、群舞の見せ場として歯切れ良く楽しそうに披露していて単なる乱痴気騒ぎには思えず。
2人の娼婦同士の喧嘩も、小気味良いテンポでアクセントを効かせながらバチバチに踊り合ったのち互いに倒し合って平手打ちの最後も音楽にぴたりと合い、
特に直塚さん根岸さんは笑ってしまうくらいにプライド高きゴージャスな争いと踊りでございました。
そうはいっても娼婦達が笑みを振り撒きながら指名してくれた客人男性と腕組んでカーテン奥へ行ったあとの行動を思うと、バレエで描かれているのは娼家の薄皮部分にあたる
ほんの一部の煌びやかな快楽要素のみかもしれません。身体を売って生きるしかなかった娼婦達の覚悟が胸に詰まるひと幕です。

2012年2020年公演からの繰り返しになりますが思わず目を覆いたくなる場面ながらこの作品を観る上で必ず注目する、マノンへの看守からの迫りにおいて
3人のマノンが皆わぎとらしさが無かった点も高評価。余りに残酷さのある行為をされた後では何もかも、魂までもが体内から抜け落ちた状態となり
もはや泣く気力もなんて微塵もない思うのです。仮に未遂であったとしても恐怖感に苛まれて身体の制も思うようにいかないでしょうし
ましてや未遂ではないのは振付からも見て取れますし密閉された空間ですから尚更なはず。大泣きすることもなく、横たわったまま目が虚るになっていた表情が自然な流れに映り
一瞬看守の身体が離れたときには微かに安堵の呼吸が零れていた様子もリアリティがありました。
ベルトを外していたパリ・オペラ座に比較すると看守の迫りは抑えられていて、ただ背筋に戦慄が走るような得ましさはしっかりと体現していた
小柴さん朗さんの両看守がそれぞれよく考え抜いて臨まれていた点も大きいかと思います。
小柴さんはふとした瞬間に不気味な笑みが出る恐ろしさ、拓朗さんは一貫して冷徹、タイプもそれぞれ異なる造形でした。
散切り頭でも他の囚人達とは違う、特異な魅力を隠せぬマノンに看守が目をつけてしまうのは分かるものの
この手の役柄は加害する側の役の演者も精神にくる役であろうと想像。どうか内面クリーンアップのフォローがなされていますように。

2003年のバレエ団初演は観ていないため英国ロイヤル・バレエ団からの装置衣装版にて初台で観るのは初。
陰ある渋くも細やかな色彩感や凝った質感に感嘆し、上階から観ていると大型美術書を捲る気分、1階で観ていると動く博物館美術館の中に迷い込んだ心持ちに。
沼地の装置には目を疑い、前回前々回の垂れる巨大天日干し海藻の羅列から直線のふさふさ切り込みなる七タまつりに変化。
いずれにしても沼地らしいかと聞かれたら首を縦には振れず笑、ただマノンの回想と現実を遮断する効果は十分にあり。
中でもGMとマダムが七タまつりな簾越しに腕を出してカードを見せつけるようにして娼家でのイカサマを思い出させる箇所はマノンを更に死へと向かわせる追い詰め方でございました。

それから前回前々回と最たる違いと思えたのは全体の生命力。今思うとこれまでは上品ななぞり書きが抜けておらず、
オーストラリア・バレエ団の新しめな衣装やパステルカラーデザインの効果もあったのか広場にしても娼家にしてもさらっとした味付けの記憶があります。
しかし今回は見違える仕上がりで貴族から物乞いまで、あらゆる階級の生活がそれぞれ色濃い描写。
貧困であっても金銭を求めて懸命に生きようと縋ったり、愛人の重厚なソロでは演奏隊として端で参加する姿を含め物乞い達の様子もこれまで以上に生活感が強く出た描写で、
隅っこの見えにくい場所であっても何かしら行動を起こしていてぼんやりな人が一切おらず。
一方貴族達も決して安泰ではなく、宝飾品で身を固めていてもいつ生活が崩れるか襲われるか分からぬ状況下であったはず。
しかし強がって見栄えを良くプライド高く歩き回る姿で身分差の厳しさをこれでもかと見せつけ、物乞い達を避けたりあしらう侮蔑の仕草も怖い怖い。
様々な階級の生活が同時進行の展開にてこれまで以上にくっきり描写されていて幕開けから驚かされました。
娼家での男性客達の快楽に目を眩ませる様子や、中でも宇賀さん客人の変人級の興奮ぶりや真ん中を囃し立てる役割、
意外にも小川さんが娼婦の要望出すときヤラシイ表情が開花していて目が行きました。
娼家でのワルツ最中にGMがばら撒く硬貨に群がる娼婦達に対し、呆れ果てる客人女性達の傲慢な反応も縁を彩り、互いの立場をはっきりと体現し合っていた印象です。

金欲、性欲、情欲、裏切り、貧困、人身売買、強姦、と不道徳な欲や犯罪、現代も他人事ではない問題が渦巻く作品で
入場口手前には最後の砦としてタイムテーブル横に注意書きが掲示されるほど。
ただ、人間のありとあらゆる負の部分が結集した作品ながら鑑賞後ぐったりするようには不思議と重たくはならず。
身分や立場問わず命題けで生きる人々の叫びがマスネの音楽と溶け合い、ドラマテイックな美と化して導いてくれるからでしょう。
どの場面もギュッと絞り込んでの描写でダレる箇所が一切見当たらず、幕開けから終幕まで全編大集中して全6回鑑賞いたしました。

音楽の組み合わせの妙には連日聴き惚れ、切り貼り構成全幕バレエの中ではクランコのオネーギン、エイフマン版アンナ・カレーニナに並ぶ、
新たな書き下ろし作品にしか思えぬ構成です。全場面において人物達の会話のやりとりや感情の迸り、
場面展開の抑揚が音楽と怖いくらいに噛み合い過ぎて、今回も唸るばかりでした。
序曲やマノンのテーマは旋律がさざなみのように寄せては返す語らいが危うさが揺らめく余韻を繊細に引き摺り、どこまでもロマンが続いていく気がしております。
また娼家の賑わいが最高潮に達していくときのワルツも、いよいよGMの手の内に入っていく、欲望に駆られたマノンの心情を引き継ぎつつ始まる妖しげ流麗な旋律で、
娼婦達の群舞とそこへ押し寄せる人々の欲望が集約して騒ぎ立てながら昇華、GMの金銭ばら撒き、そして一難去ってから1人我に返るデ・グリューの苦悩と
マノンへの変わらぬ愛情の訴えへと繋がり、息つく暇もない展開と再確認です。

さて、忘れもしない前回マノンの2020年2月26日。あの日1回のみ渡邊レスコー鑑賞が叶い、帰りに似た色と形の瓶のウイスキーを飲み、今後を不安視しながら10分で解散。
数日後にウェブ記事に掲載されたワインボトル持って爪先脚先真っ直ぐ揃えて高く浮遊し、鋭さと酔いどれが入り混じった眼力を放つレスコー写真を何度も眺めては救われました。
何て逞しい凛々しい写真!と観に行けずであった友人からも反応。
その2020年2月26日以降新国立劇場は一部オンライン配信もありましたが観客入れての公演は軒並み中止になり約5ヶ月間閉館。バレエ公演再開は7月下旬の竜宮でした。
現在は予定通り公演が実施されていますが、当たり前ではないと思い起こしながら鑑賞した新国マノン2026でした。

次は『ライモンダ』。しつこく綴っておりますが2004年、私にとって人生初鑑賞時の新国立劇場バレエ団公演の演目で、
2004年は公演期間中1回のみの鑑賞でしたがそれ以外は全公演、初台のみならず大阪、新潟、ワシントンD.C.公演含めて行っており、作品には強い思い入れがございます。
コールデンウィーク期間中ほぼ全公演通う予定でおり、今から待ち切れません。
我が一番の楽しみは、そりゃ渡邊さんのマントでジャン!!の帰還です。




観劇前の警告、最後の砦。



マクミラン版マノンの初演地のロンドンへ昨年夏に行ったしらかわんも一層誇らしげです。ユニオンジャックSキーホルダー、ずっと装着し続けています。



前回のレスコーを見つめるしらかわん。今思うと、少しまだ若さが残っていました。当時は尖った表現をたっぷり目にできて喜び一杯でした。



米沢さん井澤さん。レスコー渡邊さんが太腿をパタパタして2人を讃えていらっしゃいました。



集合全体!



レスコーと愛人。娼家の宴そのままま雰囲気で緞帳前へ。



手を当ててご挨拶。



マダムとGM、緞帳へ。美しいお辞儀のマダムと、ふてぶてしいGM笑。



物乞いリーダーが再び入手してアピールする時計を不思議そうに指して質問責めにするレスコー。



仲良しです。



キャスト表初日



2日目夜キャスト しらかわんも来ました!!! デ・グリューデビューの井澤さん、プログラムにデビュー印の記載漏れがあったため特別仕様で短剣印を。
最後の最後、看守刺にちなんででしょうか。
学生らしく、本の印でも良かったのでは笑??



マエストロ1回目。6年ぶりの再演に乾杯!!ミネストローネ。



赤ワインが似合う作品です。こってりチーズのペンネ。



カリッと焼き色香ばしいクレームブリュレ。



柴山さん速水さん、緞帳前へ。



柴山さん達集合!



抱き寄せ合う柴山さん速水さん



小野さん福岡さん。



小野さん福岡さんと、皆集合!



小野さん福岡さん拡大



対立する看守と物乞いリーダー!



マエストロ2回目。マノンようやくの再演を祝して。シャンパンも美味しい。



お米と魚介のサラダ仕立て。こんもり面白い作りです。



鰯と新玉ねぎのトマトソーススパゲッティ。果肉多めなトマトソースにザクザク食感な新玉ねぎ、鰯がたっぷりです。



鶏もも肉のソテー エルブド プロヴァンスの香り 次のライモンダへとバトンを繋げるメニューです。赤ワインは渋みが滑らかな味で、ブルゴーニュ産。
しかしライモンダ、今回のチラシからはジャンがベルギー王の家臣と書かれていて、ハンガリーは何処へ????
チャルダッシュの位置づけは????あっ、アンドリュー2世はドリ伯爵夫人のお友達である関係だけ??
4月は500回くらい唱えていると思います汗。



ブリュレと赤ワイン!デザートとワインの組み合わせも好きです。



しらかわん、地元の王子様のレスコーが余りに楽しみで、幕開けのマント姿を真似てみた。円形に床を覆う置き方は非常に難しく、職人技が必要です。



チャリンチャリン。実際はチョコレートです。包み紙は管理人がはがしてチョコレートを噛み締めました。



3/20夜と3/22夜公演、1幕終盤のレスコーによる追い詰め交渉とデ・グリューの懸命な拒絶がぶつかり合い、重厚な対決でした。
全幕作品において井澤さんと渡邊さんの共演はなかなかなく、今回は珍しい機会。
プリンシパル同士の火花の散らし合い、大迫力でした。
所変わって、マノンを振り返るも賭け事ではなくイカサマもせず、正規ルールで遊ぶうち お互いに地元ゆかりの王子様のカードを引き当てたしらかわんとぐんまちゃん。
「平和なトランプ」です。






ブレブレで失礼。レスコー、目に心に残り続ける役柄です。

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