2025年4月27日日曜日

上野の森バレエホリデイ2025








順番前後いたしますが、昨日4月26日(土)上野の森バレエホリデイ2025に行って参りました。
https://balletholiday.com/2025/venue/


現在上演中の東京バレエ団『眠れる森の美女』は4月25日(金)に観ており感想はまた後日。2日連続で上野へ行き、26日はイベント参加や買い物、見物でプラプラ散策です。
本日以降も開催しており、お天気にも恵まれそうですのでお時間の許す方は是非足をお運びください。東京バレエ団『眠れる森の美女』も上演中です。

さて、今回初企画として注目を集めていたのがジゼルの花占い体験。アルブレヒト役には
谷桃子バレエ団の男性ダンサー、今井智也さんと田村幸宏さんを迎えての本格志向です。
ちょうど他のイベント予約時間よりも早めに到着したため、見物は可能そうでしたので(野次馬ではない笑)ふらりと観て参りました。
会場は小ホールロビーで今年は小ホールでのイベントが例年より少ない傾向なのかやや静か目な雰囲気でしたので
また初企画ともあってボリュームある音量の音楽付きでの花占い体験は他のイベントスタッフも覗きにくるほどの注目ぶり。
隣で開催の工芸系のワークショップ参加者もまじまじと見つめていたりと、お気持ちはよく分かります。
今井さんの同僚で、他のトークイベントに登壇なさる三木雄馬さんも応援に駆けつけて一般客に混じってあたたかな視線を送りながら記録係をなさっていました。
谷バレエの皆様の仲良さそうな雰囲気も伝わってきます。

さて花占い企画は事前予約制で完売。どんな風に進行するのか観ているこちらもドキドキです。
あらかじめ参加者は集合列に並んでいらして、時間になると控室から衣装付きの今井さんが颯爽とご登場。既に村人には見えません笑。
参加者達の緊張は最高潮に達していたかと思いますがとにかく皆様一生懸命。
最初にスタッフの方による立ち位置やお芝居のタイミングの指導を受けながらの練習を1回、2回目は本番。
占い結果に落ち込むジゼルをアルブレヒトが慰め励まして花を投げたところで終了で、どちらもターララ ターララ~の音楽付きで行われました。
花は皆さん各自が本番で実際にちぎり、この日だけで何輪の花が乙女たちをときめかせたのでしょう??
小さなお子さんから大人の方まで、例え短時間であっても皆さんジゼルの人生を生きて演じる姿に付き添いの方だけでなく見物客達からも大きな拍手が送られていました。
当然参加者たちの緊張度、背丈等が全員バラバラであっても今井さんはそれぞれに合わせて心を寄せる、優しい純愛路線なアルブレヒト。
まあ、この場で記憶に新しい今月11日、20日に初台に出現した非純愛及び狡猾傲慢系のアルブレヒトであったら参加者怯えてしまうでしょう笑。
落ちた花びらを今井さんご自身が拾われるときもあって、その辺りは花占い場面抜粋限定の謙虚村人目線のハナブレヒトでした。

実は参加者の中によく劇場で会う方のお嬢様がいらしていて、お嬢様とは一度2年前に代官山で先に挙げた初台の某ブレヒトのレッスンでご一緒したことがありました。 魂込めてのなりきり度でジゼル思わすお洋服もばっちり。何より、ピュアな優しさや清楚さが表れたジゼルで、観ていて心洗われました。
レッスンだけでなく舞台を多数ご覧になっているだけあって立ち位置や顔の上げ方や仕草のタイミングもスムーズ且つ自然。落ち込む姿もいじらしくて。
初台のジゼル祭りもしっかり目に焼き付けて臨まれたのでしょう。
終了後お母様を介して2年前にご一緒できたことの感謝とお礼をようやく直接伝えることができ、
あの日の先生の尽きぬ魅力やきちんと行き届く丁寧な指導、クラスの組み立てについては
誰が見てもバレエ上級者なお嬢様も、容姿技量共に毎度最下層の私も、レベル関係なく共通な感想として話の花はいつまでも散らず咲き続けておりました。

さて恒例の出店、大阪府堺市のコンフィチュール店アンディオールさんの商品も購入。
バレエのキャラクター名が付けられた種類が豊富にあり、今回はジゼルにいたしました。早速朝食でいただき、さっぱりと果肉もしっかりとあるブルーベリージャムです。
バジルやジークフリートといった、男性キャラクターもあります。是非ともお立ち寄りください。
バレエホリデイでの購入は4年連続で、代表の西辻さんの朗らかなお人柄も素敵。ずらりと並んだ瓶詰めの景色も壮観です。
堺といえば大阪ですが、昨年9月開催の予定が悪天候のため本日に延期となった吹田市のメイシアターでの深川秀夫さんガラも成功しますように。
思えば昨年のバレエホリデイにてアンディオールさんでの買い物のとき、西辻さんに会いにいらしていた方が深川ガラの関係者の方で、
私がかつて就職面接に行った都内の衣装会社の方でした。生前の深川さんとの思い出話も聞かせてくださり、
観に行きますので9月に会場で会えますね!と話が弾んでおりましたが天候による延期は避けられず。
きっと数日前から大阪入りなさって会場準備も整っているかと思います。延期にあたり、出演者変更も生じて
私は他の鑑賞に出向くこととなりましたが、深川ガラのご成功も都内から応援しております!

それから同じく4年連続で参りました、武蔵野ルネさんの似顔絵描画。希望のバレエキャラクターとして描いてくださいます。
今年はジゼルをお願いいたしました。奇しくもすぐそばで行われていた花占いコーナーと同じ場面。
アルブレヒトからはきっと鼻で笑われている?とは知る由も無い、能天気なジゼルであると思います笑笑。
写実的に描くと指名手配犯な絵になってしまう我が容貌ですので、実物の1京倍良い風に描いてくださいました。
京や兆の桁数なんて国家予算やスーパーコンピュータの話題でぐらいしか用いないでしょうが、我が似顔絵には必須な桁数でございます笑。
資料として新国立アトレのコピーをNBSイベントに持ち込み、15年ほど前までだったら暴挙とも言われかねない行動でしょうが今は両者仲良くしていますから良いでしょう笑。
(ちなみに、東京バレエ団と新国立のファン同士は昔から仲良かったと思いますがな笑。何故か公演日程よく被りますよねと語り合っていた記憶ございます)
6月にはオペラパレスで討ち入り!東京バレエ団『ザ・カブキ』が上演されますので楽しみでございます。

お昼すぎには屋外で谷桃子バレエ団の三木さん、光永百花さん、中野吉章さんの登壇トークもあり
三木さんが司会進行でドン・キホーテのリハーサル話、バレエ言のTシャツも手がけられ今回はマルシェに出店なさっている中野さんはTシャツを手がけるまでに至った経緯や
アメリカと日本でのバレエへの取り組み方の違いなど、楽しいお話満載でした。
そういえば中野さんはご出身の大阪のエリートバレエスタジオでワールドドリームガラを開催していて、
中野さん始め東京バレエ団入団前の宮川さんも出演されていたりと10年前に大阪在住の方から聞いて初めて中野さんのお名前を知るきっかけになりました。
三木さんが聴衆への語りかけや進行もお上手で、中野さんは面白くも賢い関西人、
光永さんは笑い上戸で明るく、新天地での活動を思い切り楽しんでいるご様子も嬉しい限りです。

他にも金管楽器の演奏もあり、アルヴァマー序曲や春の猟犬はなくても(木管楽器も必要か。曲名にピンときた方は吹奏楽部経験者でしょう笑)
管楽器の演奏に聴き入り、終日楽しく過ごせたバレエホリデイ2025でした。



入口地面には宝石達の絵。サファイア!



金!



ダイヤモンド!



銀!



マルシェ、小ホールの坂から



大阪府堺市のコンフィチュール店アンデオールさんは今年も出店!



瓶がずらり。バレエキャラクター達のシルエットや色とりどりのコンフィチュールです。



バジルもあります〜



ジゼル衣装達。5月に上演されます。



ジゼル衣装アップ。ジゼル1幕は青が好きです。



秋山さんのポワント。



伝田隊長!サインが可愛らしい。



来日公演予定の皆様



ホールバーグ!クラスを指導する姿が美しく、ひょっとしたら現役時代より好きです。



眠り模型。



1幕のセット。薔薇の庭園が緻密!



ジゼルの歴史



ウラノワ。バレエフェスファニーガラで観たサラファーノフのジゼルはウラノワが乗り移ったかのような愛らしさでした。



金管楽器演奏!



ワゴン、パンダの杜。眠り特製ピンクとブルーのスパークリングワインや、オーロラソースをトルティーヤでくるんだ、眠り姫なサンドイッチもあったかも!



東バ眠り観て久々に行きたくなった上野の王城へ。



王城の天井。舞台のセットのよう!



いちごミルク。しっかり濃厚、質感も滑らかで美味しい。



眠りの色味と合う、いちごミルク。



帰りは御徒町の珍満。町中華番組で観て2回目。ビールの泡!チャーハンは卵とネギたっぷり!
私の中の日本三大餃子です。もう2店は新宿区の大陸の水餃子、福島県白河市の登の鉄鍋餃子です。



4年連続武蔵野ルネさんのイラスト。今月頭から、今年はジゼルにすると決めておりました!
写実的描画は指名手配犯になりかねず、良いふうに描いてくださりありがとうございました。今年はタイミングによってはすぐそばで花占い音楽が流れています。



アンディオールさんで購入、ジゼルのブルーベリージャム。 ああ思い出します、今月11日、20日のクールな中から弄るような魔力を醸して気づけばジゼルをみるみると恋の沼に浸からせていくアルブレヒト。
NBSさんのイベント後に申すのをお許しください。初台ジゼル総括2025はもう暫くお待ちください。


2025年4月14日月曜日

【速報でもないが】【おすすめ】新国立劇場バレエ団『ジゼル』前半




4月10日(木)に開幕した新国立劇場バレエ団『ジゼル』前半を複数日観て参りました。
2022年に新制作された吉田都監督の演出、アラスター・マリオットによる改訂振付版の再演です。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/giselle/


只今折り返し地点で4月18日(金)から後半日程の公演が始まりますので全体の感想は全公演終了後にまた綴って参ります。
現時点で4組観ておりますが、誰一人どのペアも似たり寄ったりな方々がおらず、別の物語を観ているかのような気分で満喫しております。
あらゆる作品の中で、出演者自身による役の解釈及び観客の捉え方や意見が最も多様に生まれているであろうと再度感じた次第です。
とりわけアルブレヒトは純愛系から悪い男系まで、今回も個性様々な◯◯ブレヒトが登場。全員前回と同じ布陣ではあっても変化があり、連日じっと見入っております。
また村人達と貴族達の身分差もより強調され、貴族達が村人達やバチルドに対して軽蔑する振る舞いは一層プライド高そうな仕草へ。
貴族達の奥様会も上下関係がはっきりしてそうな怖そうな会です笑。会長はきっと玉井さんでしょうか。
村人達の群舞は複雑な交差移動やフォーメーション変化も整理整頓されていてクリアに映っております。1人1人が村に息づく人間として、芝居量も豊富な印象です。
大概の版よりも舞台を目一杯使うハードなペザント・パ・ド・ドゥもエネルギッシュで見応えがあり、
ウィリー達の悲しみを帯びた柔らかな美しさや雲海の如く舞台を覆う霧、立ち並ぶおびただしい数の十字架の装置も息を呑みます。

少数派でしょうが私は2017年まで新国立のレパートリーにあったセルゲイエフ版も好きで、
リアリティを求める方々からすると庶民には有り得ぬインチキカラフル収穫祭やら即日対応の大型お墓職人を抱える墓地製作センターがあったのかと言われても仕方ないであろう
ピンクやエメラルドグリーンを用いた村人女性の衣装も、巨大で重厚なエレベーター付きのジゼルのお墓も村のおとぎ話な雰囲気でとても好みでございました。
ですからジゼル新制作と聞いたときは当初肩を落としていた管理人でございます。
吉田監督が携わるなら、ピーター・ライト版に近い、1幕は全体が茶色いジゼルになるのではなかろうかと。

しかしジゼルの衣装はブルー系のままで(これポイントなのです。茶色は苦手で笑。抑えたブルーとクリーム色の刺繍入りスカートで可愛らしい品があります)
村人達の衣装は茶系にまとめつつも地味過ぎぬ色彩で整えており、美術や装置が屋根やぶどうの房に至るまで凝った作りでめでたい収穫祭の光景を生き生きと描写。
殆ど踊らぬ立役の農民もいて、私が勝手にカールおじさんと名付けましたが舞台の下手側奥にいる麦わら帽子を被った男性にはつい注目してしまいます。
現時点ではペザント・パ・ド・ドゥの男性が日替わりで務めていらっしゃいます。
昨日は遂に、鷹匠の鷹の頭がヒクヒク動く瞬間も目撃!煙突の煙や月が消える場面など、自然風景の変化にもこだわって上手いこと取り入れて
リアリティを追求しつつも1幕は観ていて踊りも装置美術も華やぐ、2幕はウィリー達のスピーディーな振付と醸す幽玄さのバランスが取れた仕上がりと思える作品です。
7月にはバレエ団にとっては2009年モスクワでのボリショイ劇場『牧阿佐美版 椿姫』以来16年ぶりとなる海外公演
ロンドンでのロイヤルオペラハウス公演も控えており、練り上げに力が一層入っていることと思います。
18日(金)以降の後半日程、どうぞ足をお運びください。

それにしても11日に観た渡邊さんアルブレヒトは少女の口説きに手慣れた自信を秘めた色男。
例え身分詐称と結婚詐欺であっても、冒頭でのピンポンダッシュの原型であろう自宅をノックダッシュされても
ジゼルからしたら束の間ではあっても一生分の幸せを味わえたと思えて許してしまいそうな魅力に満ちていらっしゃいました。
千秋楽も楽しみでございます。



綿菓子パフェ。ウィリーのチュチュをイメージしているそうです。ふわふわと舞いそう。サーモンのライ麦パンサンドもワインと合います。



綿菓子拡大!背景が夜で灯りもあり、2幕を彷彿。



お盆があり、オペラパレス定食な並びです。友人がプログラム持ちを、ありがとうございました!



五者五様のブレヒト



マエストロへ



森のようなサラダ



アスパラとパンチェッタのクリームソースパスタ。シュレッドチーズが霧或いはチュチュのよう。



デザートはガトーショコラ


2025年4月11日金曜日

目黒のスタジオにて作品誕生を見届け 東京バレエ団コレオグラフィックプロジェクト2025  3月30日(日)




3月30日(日)、東京バレエ団コレオグラフィックプロジェクト2025を観て参りました。
目黒の東京バレエ団スタジオでの開催鑑賞は2018年2月以来で7年ぶり。目黒駅から徒歩約20分、通り沿いの異質な宮殿風建築を目にするのもワクワクです。
https://www.nbs.or.jp/stages/2025/cgp-2025/index.html


行方
振付:宮村啓斗  音楽:Tak_mfk
宮村啓斗   陶山湘


teenage dream
振付山下寿理   音楽:フレデリック・ショパン
山下寿理


Sweet and Sour
振付:涌田美紀   音楽:アントニン・ドヴォルザーク
伝田陽美   中沢恵理子  山下湧吾


Juice
振付:山田眞央   音楽:Les Zeoles
山仁尚  青木恵吾


カプースチン組曲よりトッカティーナ
振付:木村和夫  音楽:ニコライ・カプースチン
足立真里亜  橋谷美香

Existence
振付:平木菜子  音楽:ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
伝田陽美  陶山湘

Dear…
振付:金子仁美  音楽:マックス・リヒター
金子仁美   髙浦由美子


おばあちゃんとおじいちゃんの夢の世界
振付:ブラウリオ・アルバレス  音楽:エドヴァルド・グリーグ
福田天音  小泉陽大


In the Memory of…
ブラウリオ・アルバレス  音楽:サミュエル・バーバー
中川美雪  榊優美枝  瓜生遥花  大坪優花  前川琴音


Waltz
振付:岡崎隼也  音楽:オリヴァー・デイヴィス
井福俊太郎


宮村さん振付の行方は若い男性のパワーの四方八方への躍動から目が離せず。お互いに存在を確認し合うような、時折縋るような、感情の交差も目に留まりました。
自作自演ソロの山下さんは、大人になろうとするもまだ青さやあどけなさがせめぎ合う複雑な心をしっとりとした踊りで吐露。
お洒落でユーモアなセンスも光っていたのが涌田さん振付のSweet and Sour。中沢さんがパリをモチーフにしたポストカードに描かれていそうな可愛らしさで、紫色のスカートに小さなハンドバッグ持つ姿や艶っぽい踊り方もうっとり。
山下さんは上は白シャツに黒いパンツで一見昼休みのクールビズサラリーマンに思えるも踊り出すと実にエレガント。
このギャップが面白いのかもしれません。2人の仲に分け入る伝田さんのスパイスもよく効いていました。
山田さん振付のJuiceは暗闇から抜け出すようにもがきながらひた走る男性デュエット。
木村さん振付のカプースチン組曲よりトッカティーナでのそれぞれ白いチュチュ黒いチュチュで
足立さん橋谷さんが競い合いながらハイテクニックをスパスパっと繰り出していく展開に息を呑みました。

最も舌を巻いたのが平木さん振付Existence。ヘンデルの流麗な曲と溶け合うように伝田さんと陶山さんの身体が舞い上がり、
伝田さんの研ぎ澄まされたライン、媚びない潔さの美しいこと。陶山さんの身体能力の高さにも驚かされました。

創作物ではバレエ団問わず人気が高いのであろうリヒターの曲にのせた金子さん振付のDear…は、当初はまたリヒターかと思ったのも束の間で、
柔らかな友情の交わしが伝わる優しさ溢れる2人組。フィナーレの挨拶にて髙浦さんがこの公演をもって退団と知り、
込み上げてくるものが止まらなかったからこそのデュエットだったのだろうと納得です。

ホロリとしかし笑わせてもらったのがアルバレスさん振付の『おばあちゃんとおじいちゃんの夢の世界』。
ゆったりと音楽の強弱とも呼応しながら静かにお茶を啜るおばあちゃんとおじいちゃんにふとスイッチが入り
身体がみるみると切れ味鋭くアクロバティックに踊り出す楽しさとエネルギーに満ちた作品で、床を使ってのスリリングな振付もお手の物。
そうこうするうちに再び静けさに包まれたかと思えば再び覚醒したかのように踊り出して終了。
まだお若いでしょうに福田さん小泉さんお2人とも見た目が絵に描いたような縁側でお茶と和菓子で日向ぼっこしていそうな老夫婦ぶりでございました。
アルバレスさん振付のもう1本のIn the Memory of…はひりひりとした危うさが漂うSFのような作風で、
白いパンツと上も白だったか白系の衣装で揃え、光を発し合うようにじんわりと踊り紡ぐ作品。寂しさや悲しみを帯びた4人の表情も忘れられず。
岡崎さん振付Waltzでの井福さんが気持ち良さそうに、身体を自由に高鳴らせていく姿から混じり気のない叫びが身体から充満していました。

コミカルなものからシリアス系まで、予想以上に個性豊かな作品が揃い、バレエ団が普段から使用しているスタジオに足を踏み入れて鑑賞できるのも大きな喜びでした。
多量の椅子の背もたれへの席番号や床の列案内表示貼り付けもきちんとなされていて、スタッフの方の案内もスムーズ。
最初から照明を落とした空間のため、また普段劇場として使用されている空間ではない特設会場ですから自力ではなかなか席に辿り着けそうになく、
スタッフの方のきびきびと丁寧な誘導にも拍手を送りたい思いでおります。
スタジオの玄関には黒いスーツ姿のすらりとした方がいらっしゃり、平木さんでした。
来場者1人1人にこんにちは!とにこやかな笑みで声をかけてくださり、蕩けました私でございます笑。
開演前には映画館でよく目にする映画泥棒の映像のバレエ版な注意喚起を出演者達自身が行う手法で披露され、
以前から恒例になっているのでしょう。皆さん手馴れていらっしゃいました。
次回の企画も心待ちにしております。




目黒駅から徒歩で会場に向かう途中、目黒川の桜。まだ五分咲きくらいでしたが前日とは打って変わっての晴天で花見客も多し。
中目黒付近はもっと大勢の人出だったかもしれません。おとぎの国を思わすお城が視界に入り、桜との共演がメルヘンチックと思ってよく見たら宿泊施設でございました。



帰りは目黒駅近くのカレー店ケラクへ。今年度最後の鑑賞、ハイボールで乾杯!数種類のカレーがあり、合いがけも可能です。
遅めの時間帯であったため季節限定桜鯛カレーは売り切れでサザンビーフの1種類にしたが十分な量。スパイスがガシッと結集していて美味しい。
ご飯はパラパラとしていて香りも良く、これのみでもスプーンが進みました。



拡大



アルバレスさん、1月の大和シティー・バレエ『西遊記』にて観音菩薩役のときと同じポーズなショップカード。

2025年4月9日水曜日

新国立劇場バレエ団『ジゼル』ゲネプロ 舞台稽古見学会






新国立劇場バレエ団『ジゼル』ゲネプロ 舞台稽古見学会に行って参りました。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/giselle/

開幕は明日からですので詳しい感想は控えますが、まず冒頭にて動きやすい服装でスニーカー姿の吉田都監督からご挨拶。
劇場、バレエ団支援への感謝、そして再演の今回は踊りは勿論マイムや表現にも力をたっぷり注いで臨んだお話がありました。

ゲネプロ主演は米沢唯さん井澤駿さん組で、米沢さんの初台全幕復帰を一足早くにお目にかかれてまずは一安心。
井澤さんの感情を身体にのせての表現、踊りともに充実したアルブレヒトで本番舞台も楽しみです。
バチルドとウィルフリードが2人とも初役ながら造形が非常に上手い!村人と貴族の格差の表現も前回以上に色濃く出ていた気がいたします。
演奏が時折迷走していましたが汗、本番には立て直してくることでしょう。
そして初演時に気づけず今回もまたもや見逃した、2幕の月はいつ消えた??ジゼル家の煙を始め、明日から一生懸命観察して参る予定です。
ウィリ達のおどろおどろしいスピーディーな追い詰めも不気味さ十分で、本番では一段と練り上げてくるはず。

桜がまだ咲き誇る時期にオペラパレスでバレエ団公演の上演は少なくとも21年前に私が通い始めてからは初めてかもしれず、何だか新鮮。
新国ジゼル2025、いよいよ明日から開幕です!!




案内板



中劇場への階段途中にパゴダの王子の衣装展示。さくら姫。新版として21世紀に制作されたとは思えぬステレオタイプな東西南北の王の描き方を改訂さえすれば再演可能かと。



パコダの王子、王子の着物衣装も。最後の再演から11年。竜宮の浦島太郎の名演も記憶に残り続けている髷が似合う舞踊家が只今在籍なさっています〜。



作品名は分からずでしたが、中国か、東洋あたり舞台の作品でしょうか。戦闘服も精巧な作り。こちらも似合いそうです



オペラパレス窓辺に鳩がいました。ジゼルを観たいと、白鳥の湖にて舞踏会を窓越しに眺めるオデットの如く訴えていのかもしれません。

2025年4月7日月曜日

前橋・コフレ!  ブリスバレエスタジオ第4回発表会  3月23日(日)  《群馬県前橋市》







3月23日(日)、群馬県前橋市にてブリスバレエスタジオ第4回発表会を観て参りました。群馬県での鑑賞は3度目ですが初回は2007年藤岡市での高崎沼田バレエスタヂオ、
2回目は2022年新国アリス高崎市公演と合わせての観光で沼田市でしたので前橋市へ出向くのは初。初めて伺うスタジオの発表会です。
https://www.blissballetstudio.com/

会場のベイシアホールは前橋駅からは徒歩約30分とのこと。ぐるっと観光しながら徒歩で参りましたので実際のところは把握できずでしたが
バスはあるものの決して好アクセスな会場ではありません。しかし東京文化会館を思わす重厚で堅固な立派な建物で、客席も広し。
ブリスさん発表会の約1ヶ月前には、人気のご当地キャラクターぐんまちゃんのお誕生日会が盛大に開催されました。
これまたゲストが豪華で、愛媛のみきゃん、千葉のチーバくん、埼玉県深谷市のふっかちゃんを始め、
私の中では昨年の世界バレエフェスティバルよりも心躍る顔ぶれかもしれません笑。



さて発表会に話を戻します。
出演生徒さんの人数約30人でゲストが小野絢子さん渡邊峻郁さん速水渉悟さんら新国立劇場バレエ団プリンシパル3名を含む13名が華を添える妙に豪華な発表会で、
以前から街の活性化も目的として生徒と大勢のゲストの共演舞台を開催されているようです。

第1部、第2部はバレエ・コンサートで子供から大人の生徒さんまで小品やパ・ド・ドゥ等盛りだくさん。第1部は可愛らしい生徒さん2人によるアレグレットで幕開けです。
10年ほど前から発表会の潮流になりつつあるのか大人の生徒さんによるパ・ド・ドゥも豊富にあり
(しかも新国立や谷の第一線でご活躍まっしぐらなダンサーをお相手に!)
技術の基礎や身体の引き上げ、軸の維持やポワントで立つ力が万全に備わってようやく先生からお許しがいただける選ばれし人が踊るものであると未だ考えている私が
随分と古い思考の人間なのかもしれず、時折猛烈チャレンジングにも見えましたが
ただ主宰の先生がしっかり指導なさっている教室の発表会ですので、そこは安心して鑑賞。
また第3部の眠り3幕も含めてですが小学生くらいの生徒さんのパ・ド・ドゥチャレンジも見受けられ、
身体は確かに軽量ではあると思いますが無理な負担がかからぬよう、筋力が十分についてからでも遅くはないかとも少々感じた次第。
踊れぬ素人が意見するのもどうかと思うのは重々承知しておりますが、ただ生徒さん達はとても楽しそうに、
そしてきちんと踊っていて真面目な練習の積み重ねが窺えました。ゲストの方々のサポートも温かで磐石。

プログラムに掲載されているとはいえ次々と登場なさるゲスト陣に、特に第1部と第2部後半は新国ガラかと見紛う順序で驚かされたわけですが
『ラ・シルフィード』での佐野和輝さんジェイムズの風を切るような跳躍やよく伸びる脚線、
速水さんが『タリスマン』にて、毎回誰が踊っても思う不思議半分マンな水色ひらひら衣装ながら笑、柔らかに突き抜ける高い跳躍やスルスル回転もお見事。
アダージョでは通常よく観る振付よりも増えたリフトも軽々とこなされ、パワフルなヴァリエーションを踊られた『パリの炎』の森本亮介さんも迫力がありました。

ゲスト同士のパ・ド・ドゥもあり、新国立の東真帆さんと石山蓮さん(李明賢さんの代役)の『グラン・パ・クラシック』は
冒頭でちょこっとタイミングがずれてしまった箇所はあれど寧ろ笑みの交わしが深まって肩の力も抜け
この作品にしては女性の提灯袖や男性のブラウス風なデザインがキュートでふわふわに見えるも、揃っての白い衣装姿や踊りも瑞々しく映りました。
東さんのふわっと香り立つポーズや、石山さんの優しげな語りかけとソロではぐいぐい攻めるテクニックも好印象。
ゼンツァーノを踊られた西一義さんの涼しげで端正な踊りや、パートナー生徒さんとの微笑ましいやりとりも爽やかでした。

渡邊さんは2本踊られ、1本目は『ダイアナとアクティオン』。白い斜め半裸な衣装でそして嬉しい鉢巻付き。ギラリとした目元を一層後押しです。
本来はヘアバンドか何か名称があるのでしょうが、渡邊さんがお召しになるとどうしても鉢巻に見えてしまい笑、周囲にも呼び名は浸透しつつあります。多分。
それは横に置き、渡邊さんのこの役を拝見するのは昨年夏の亀有以来2度目ですが熱血アクティオンで、ドヤ顔だけでなく豪快な飛翔の背中反りの造形美にも感嘆。
猟犬がいなくても1人で獲物を次々と捕えていそうな逞しい狩人でございました。
(白い衣装姿のためか時折ナルキッソスにも見えたときもあり、昨日家にある子供向けギリシャ神話本を開いたときに目に留まった挿絵によく似ていてバレエ版でのご出演観てみたい)
サポートも熱く美しく、ダイアナの生徒さんとも息が良く合っていてアダージョ中盤の同じポーズを取りながらユニゾンで移動する箇所も、
耳を澄ますような仕草の両腕の角度がぴったり。ギラギラ熱い狩人に竦むことなく対等に踊る生徒さんも頼もしく、
お2人でメリハリに富んだパ・ド・ドゥを作り上げていらした印象です。どの箇所のポーズもカチッと決まり、3部の眠り宝石でも目を惹く生徒さんでした。

2本目が『エチュード』よりグラン・パ・ド・ドゥでまさかのこの前週末に4回初台で耳にしたあの3本目作品の音楽で
ただ曲の順番は入れ替えもあり、所々組み合わせた構成でのオリジナル振付でした。
コフレ2025における叶わずであった我が願望の1/50は叶ったと思って良いのか笑。
それはさておき、いきなり終盤の木琴音連鎖の曲調で生徒さんと2人ノリノリで踊られるお姿を目にできたのは大幸運でございました。
男性ソロの部分としては本来は男性達が少しずつ斜めに出てくるマズルカドンドコ音頭な曲にのせて、
最初から繰り出す背中を反らせながらのパッション放つ垂直跳びの連続に口あんぐり笑。
他にも『ドリーブ組曲』のコーダにあるような内側バージョンのマネージュもこなされ、変わり種テクニックの宝石箱状態でございました。
衣装は生徒さんが社交ダンスのラテン部門風な黒っぽいスカートデザインで、渡邊さんは『サタネラ』或いは『エスメラルダ』パ・ド・ドゥの男性風。
何が始まるのか一見想像がつかぬ衣装もまた、後々の驚きに拍車をかけていた気がいたします。
一昨年開催された東京西部でのガラな発表会にて、エチュード終曲を用いたフィナーレを踊られる渡邊さんにはお目にかかっておりましたが
今回は様々な部分を組み合わせた構成でしたので、未だ不思議な喜びがじわりと押し寄せております。

第3部は『眠れる森の美女』3幕。発表会開演から約3時間40分経過して最後の最後、
小野絢子さんがオーロラ姫とデジレ王子のグラン・パ・ド・ドゥお披露目にて待ちに待ったご登場です。デジレ王子は速水さん。
外部公演では組まれる機会が多いお2人で、昨年1月に山口県防府市でのバレエとオーケストラ共演のガラで鑑賞する機会に恵まれましたが、意外にも相性はしっくり。
今回は徹頭徹尾威厳ある姫君と、物怖じせずにこやかに支える王子なお2人でございました。
ただスッとパッセでバランスを取るだけでも空気をより貴く一変させる、小野さんの格式高いお姿なことよ。
ベイシアが途端に、ロイヤルウェディングが執り行われる王宮に一段と見えたのは確かです。

時間軸戻って宝石達のチームワークも良く、新国立の小田那奈さんのダイヤモンドが精緻で空間の使い方の大きさにも目を奪われました。
金はダイアナ、銀はエチュード、サファイアはゼンツァーノを踊られた生徒さんがそれぞれ務められ、綺麗なまとまりが目を惹く4人です。
長靴を履いた猫は黒猫1匹と白猫達に変えて、猫じゃらしな小道具も登場!猫の集いを眺めているような楽しい光景でした。

さて、最大の見所と捉えたのが男性貴族。何と全員新国立ダンサーが務められ、渡邊さん趙さん森本さん佐野さん石山さん西さんの6人構成。
開場前にプログラムを開いた瞬間から目を疑い、眠りが開幕するまで信じ難い思いでおりましたが本当に渡邊さんも貴族姿でご登場。
この先々一生拝見できない役柄かもしれませんから、時間の都合上2部終了後に先に帰られた友人2人の分も、
第3部がもしかしたら一番面白いだろうにと思いつつ笑、2部終演後にチケットもぎり出入口まで見送ったのち、しっかりと観て参りました。
衣装は全員長い上着に膝丈長さのかぼちゃパンツ(呼び名分からず失礼)もお召しになっての貴族達です。

まず冒頭の行進曲にて(ポロネーズ?)で舞台後方の台の上に、3人ずつ語らいながら登場して中央正面の階段を下り、
3人並んで片腕を水平に、もう片腕を腰に当ててポーズを取りながら配置につく流れでしたが
先に趙さん森本さん佐野さんが登場。お三方とも端正にきちっとした表情、振る舞いで着席。
良い意味での問題は次です笑。続いて渡邊さん、石山さん、西さんがご登場。石山さんはにっこり爽やか、西さんは涼やかな折り目正しい表情でしたが
渡邊さんは1人気迫ある流し目ドヤドヤ決め顔。チャイコフスキーの音楽に、アニメや時代劇で時々見かける
悪党退治等ここぞという場における、シャキーン!と効果音が彩られていました笑。
ごく普通の立役座り役貴族にはならないと予想はしておりましたが、的中以上の衝動の連鎖。
管理人、どんなトレーニングよりも腹筋が活発に動いていたのは言うまでもありません。
尚、貴族達の席はコの字を描くような散らばり型でそれぞれ貴族女性たちと組まれたペアごとに長椅子に着席され
下手側手前が森本さん組、正面後方の舞台下手側に趙さん組、中央寄りに佐野さん組、渡邊さん組、
正面後方の舞台上手側に石山さん組、上手側手前に西さん組、だったかと記憶。(違っていたらすみません)

さて、貴族ですから3幕の開始から登場しておとぎ話の招待客達を登場から見守って最後まで袖に入らず。例えば宝石時も、赤ずきんと狼やフロリナと青い鳥、猫達、
そしてオーロラ姫とデジレ王子のグラン・パ・ド・ドゥ時もずっと舞台上にいらっしゃるわけです。ずっと定点観測せずにいられませんでした。
冒頭での赤ずきんと狼が登場すると、よく日本での獅子舞祭りで1人お獅子に気に入られた見学客が
ずっと噛まれ続けている様子を映像でご覧になったことがあるかもしれませんがまさにその光景が出現。
着席している渡邊さん貴族を狼が襲撃し、愛情込められながらパクパクと噛み付かれていました。
しかし怯えて絶叫して救助を求めるかのように、確か脚もバタつかせながらわなわなと抵抗しつつもお笑いにとどまらなかったのは
隣に座るパートナーの女性貴族を一貫して守ろうと身体を張っていらしたこと。
女性が襲われぬよう片腕で押さえてながら身を呈しての守備任務にあたる騎士道精神に胸がときめいたのは言うまでもありません笑。
笑っちゃう一方で乙女心をくすぐる要素も備え、観ていて忙しうございました。
おとぎ話キャラクター達の踊りのときも実に楽しそうで、赤ずきんを心配しながら見つめるも、狼の中村文哉さんがバネある身体能力を駆使したジャンプに対して
頭を後方にボインボインと振りながらご反応。効果音が聞こえてきそうなほどに跳ね返りっぷりでした。
極めつけは速水さんデジレ王子のヴァリエーション最中で、誰よりも熱視線を送っていらしたのは明らか。
大きく頷いては誇らしげに見つめ、デジレ王子のご学友かなとも想像しながら楽しく観察いたしました。

念のため申し上げますと、決して渡邊さんが1人別方向へ突っ走っていたのではなく
貴族の皆さんそれぞれに様々な反応を向けたり、パートナーの貴族女性とお話ししたりとなさっていてどの組もとても素敵な振る舞いをご披露。
意外と言ったら失礼ですが、森本さんは幕開けすぐに登場したアテンド役?の生徒さん達と
腰掛けていらっしゃり、にっこりと優しげに語らっているご様子がとても新鮮に映りました。
ただ贔屓目を差し引いても、渡邊さんの着席時の姿勢の美しさや貴族女性との会話の自然に花咲くような立体感、
(パートナーの貴族女性も渡邊さんの情熱に圧倒されるままにならず対等に堂々と振る舞っていらして拍手)
肩や顔の向け方や所作の気品といったちょっとした部分にも隅々まで優雅さを行き届かせての立ち居振る舞いは頭一つ抜けた輝きがあったのは事実。
変わり者貴族であると同時に、全体を引き締めて厚みを加えてくださる貢献者でした。
貴族学級委員長なお立場なのか、一斉起立のときはさりげなく目配せして促したりと、まとめ役としても大活躍。
まさかプリンシパルに昇格されてから渡邊さんの貴族役を拝見する日が到来するとは、加えて眠りで笑い過ぎるとは夢にも思いませんでしたから
本当に珍しいものを見せていただき、存分に楽しませていただきました。
帰り、中央前橋駅近くのホテルへの約10分間の道中、大通りながら人には全く会わずすれ違うこともなかったことは幸いで
熱血鉢巻狩人やエチュードの音楽と流し目ドヤ顔貴族が脳内を延々旋回して笑い止まらず。また終演後は四万温泉へはバスも終わって間に合わないからと前橋市内泊にしたのも結果として正解。
ボリュームある且つ濃密な眠りで締め括る約4時間に及ぶ上演でしたから、当日の帰京も不可能ではないもののまずは会場近くでの休息が望ましい内容とスケジュールでございました。

これだけのゲスト結集は地域活性化には十分な成果があるでしょうし、主宰の金仁京先生の企画力や指導、そして勿論生徒さん達の頑張りにも心から拍手を送りたい思いでおります。
前週の本拠地公演でのコフレがそのまま続いて前橋コフレなる発表会を満喫です。

それにしても熱血鉢巻狩人、変わり種クラシック、濃厚貴族。初台ではなかなかお目にかかれぬ渡邊さんの魅力に触れられたのも
満開の桜を眺めるよりも心弾む春爛漫な上州の夜でございました。当日は興奮のあまり落ち着かぬまま朝を迎えましたが
ホテルから見えた浅間山の大らかな姿が、前夜に前橋市内の大ホールで味わった幸運の余韻を更に引きのばしてくれた気がいたします。




※それでは、お待ちの方はいらっしゃらないと思いますがお待たせいたしました。旅の写真記録でございます。
群馬県での鑑賞は3度目ですが初回は2007年藤岡市、2回目は2022年高崎市と観光で沼田市でしたので前橋市へ出向くのは初。
土地勘皆無でしたが道は広く、歩行者用自転車用道路も整備されていて天候は晴れ。徒歩移動しやすいと感じました。
(道路整備が良好なのは総理大臣を輩出している県だから?)
しかし自転車も歩行者も晴天の日曜昼下がりですら殆ど見当たらず。移動の度に車社会であると思い知らされました。
加えて前橋市を訪れる観光客は少ないようで、どこへ行っても公園以外はゆったりのんびり。
鑑賞日には1泊して翌日は四万温泉へ。『千と千尋の神隠し』及びビントレー版『アラジン』プリンセス達のお風呂の世界観を満喫いたしました。
写真多量でございますが、忍耐力の鍛錬に勤しみたい方は以下ご覧ください。



おはようございます。7時前には新宿駅到着。普通列車でいざ、まずは高崎へ。
前日、電車の事故等で帰りが日付変わった頃になってしまったのだが、すっかり元気でいるのは観劇の目的があるからこそでしょう。



一部車両はボックス席もあり、旅情気分が高まります。いったい何をしに群馬へ行くのか疑われそうですが。
しかし先頭方向最前車両に乗っていたら籠原駅で分割するそうで、後方車両へ移動です。西村京太郎ミステリーでもよく出てくる、列車切り離しでしょうか。



高崎到着。懐かしい、3年前に新国立アリス公演で訪れて以来です。機関車車輪模様が美しい駅看板。



上毛線に乗り換えて、前橋駅到着!早速お土産物屋さんでぐんまちゃんを購入。今回の旅のお供です。
地元群馬の教室とプロの多数のダンサーが共演するバレエを観るのを楽しみにしているそうです。
ちなみにお土産屋さんにて、会計後に梅グミ掴み取りサービスがあり、ごっそりいただいてきました。
しかし私は手が小さいため、大きい方はもっとたくさん掴み取れたかと思います。



歩道橋前でぐんまちゃん。



まずは群馬県庁へ。前橋駅からは徒歩15分程度。初夏のような気温、晴天で歩いていると気持ち良い。
道は広い、歩道も自転車専用道も整備。しかし、歩行者も自転車利用者も見かけず。皆さんお車移動なのでしょうか。



県庁が見えてきました。立派な建物。色合いからして世田谷区のキャロットタワーに似ていそうです。



ぐんまちゃ~ん!県庁で並んで撮影。何かと出払う機会は多いでしょうが、ぐんまちゃんの仕事場の拠点かと思います。県職員?のはず。



県庁玄関。ぐんまちゃんファミリーが整列。



展望室へ。群馬県の形をしたさちの池を眺められます。



展望室から眺めたさちの池の隣を通って臨江閣へ。和洋折衷な建造物です。入場無料で見学可能。



大広間!宴会や催しで使用されたのでしょうか。



通路



廊下も手入れがなされて綺麗に保たれています。



中庭の渋みある雰囲気も良き。日本版『不思議の国のアリス』の庭師ジャックが存在したら
ここで首に手拭いかけて造園名が記された羽織ものを着て鋏を持って庭の手入れに打ち込んでいそうです。
何しろ私は日本の江戸時代のからくり人形文化隆盛期に置き換えたコッペリア『唐繰人形和蘭競舞宴』
を30年前に観ており、フランツは若き人形作り職人の設定で、着物な衣装に藍色の鉢巻していたかと記憶。和製版アリスも実現不可能ではないはず。



前橋公園の中にて、花づきが豊かで、青空の下、ぐんまちゃんもお花から離れた位置にてお花見。



山口県防府市と前橋市の繋がり。防府市ならば昨年行き、バレエ団の枠を越えたバレエとオーケストラ共演の企画バレエ!バレエ!!バレエ!!!に小野さん渡邊さん速水さんも出演され、鑑賞。
今回は前橋にも御三方ご出演。防府もまた行きたい街で天満宮や、終演後に移動しての下関でのフグ、瓦そばを味わいそして巌流島もまた訪れたい。



歩いて県庁方面に戻り、前橋中央通り商店街へ。入口にローズアベニューとも書いてあったかも。広島県福山市と同様、バラが名産なのかもしれません。
福山市は昨年8月の佐久間奈緒さん座長ガラに渡邊さん速水さんが出演されていて観に行きましたが、
お2人は揃っての外部舞台出演が多い気がいたします笑。兄者、頼りにされています笑笑。

それはそうと、飲食店から生活用品関連まで賑わっている商店街です。
https://maebashi-rose-avenue.com/shop
長細い商店街で、県庁通り付近は賑わっていて行列の飲食店もありましたが、場所によってはおとなしめな空気のところも。
まずは訪れてみたかったカレー店、月の鐘へ。



群馬産麦豚のヒレカツをトッピング注文した、群馬産野菜の盛り合わせ付き季節限定2種類カレー。
グリーンカレーはさらりと辛め、お店伝統の欧風カレーはスパイスがぎゅっと濃縮。キャロットラペは細かな千切りで柔らかな舌触りでした。



ヒレカツ拡大。さくっと、変な脂っこさもなく厚切り3切れも気持ちよくいただけました。



そして、もし来店されたら必ず注文して欲しいのがプリン!ねっとりした弾力ですが絹ごし豆腐のような繊細な滑らかさを包んでいて、
恐らくは今までに食べたプリンで一番好きかもしれません。前橋駅からも中央前橋駅からも歩きますが、是非召し上がって欲しいデザートです。



ぐんまちゃんバス!



少し県庁寄りに戻って、前橋カトリック教会。1905年にフランス人司祭によって建てられた天主堂が出発点らしい。
http://maecato.org/index.html



礼拝堂は1932年に作られたとのこと。吸い込まれそうなアーチが壮観。



回廊横から。



横壁のステンドグラス。



百合の紋章。年月刻んだ意匠がまた重みを増しています。



下から見上げる。雲一つない青空に向かってスッと伸びています。



再び中央商店街を通り抜けて広瀬川方面へ。この場所からベイシアはまずまず近そうです。まずはホテルに荷物を置きにベイシアとは反対方向へ。
萩原朔太郎の道。考え事しています。



前橋文学館のカフェ外側。ぐんまちゃんがカウンターにいます。何を注文したのでしょう。ケーキセットかな?



朔太郎の絵!アートイベント最中でした。萩原朔太郎所縁の地域で、短歌が並び、柳が枝垂れる川沿いです。日曜日晴天の昼下がり、歩行者ほとんど見かけません。




川沿いを歩いていくと前橋中央駅前に着き、宿泊先に到着。しかし中央前橋駅は一度も利用できず。ベイシアへの案内看板もありました。
ひとまず荷物を預けてからベイシアに向かいます。道中にレトロ建築なキャバレーもありました。



ぐんまちゃん工事中!



ベイシア道中。歩行者に会わず。しかし道は綺麗に整備。



ホテルから徒歩約10分、ベイシア外観。到着までに歩行者は見かけませんでしたが、住宅街の中に突然現れます!



外に大看板。



中も広々。歴史刻まれた重厚な内装で東京文化会館に似た造り。何しろ開催1ヶ月前にはぐんまちゃんのお誕生日会を行った大会場!
前橋駅で購入し旅のお供になったぐんまちゃんを会場にて東京から来た方々に見せて、可愛がってもらいました笑。



消毒液もぐんまちゃん!



16時開演で終演は20時過ぎ。会館ホームページ記載時間より30分程度押しましたが、楽しい濃い舞台でした!さらばベイシア〜。
宿泊先までは徒歩約10分のはずだが、住宅街抜けるにも夜道で分かりづらく、
大通りには出ても歩行者いよいよ不在のため、方向感覚が危うくなったときも。時折出現する怪しげなパブの派手なネオンに救われるとは汗。



ホテルすぐそばの酒場gooへ。飲食店は何軒もあり、夜は賑わっている界隈です。まずはビールで乾杯!
朝に前橋駅に到着以降は一切公共交通使わず、運転免許も持っておりませんのでレンタカーも利用せず1人で徒歩移動して過ごしてしまった笑。



前橋市の銘酒と県産冷やしトマト、そしてお店の看板メニュー給食のからあげ。前橋市内の小中学生にはお馴染みの味らしい。
しっかり漬け込んであり、揚げ上がりはカラッと。元々は5個入りですが個数は少なくすることも可能です。日本酒にも合います!
ホテルに戻ったらNHKバレエの饗宴放送を途中から、英国ロイヤルの前田紗江さんのあたりから視聴。
3回連続、饗宴放送時は都内におらず出先のホテルで視聴している管理人でございます。2022年秋は大阪、2024年は博多、今年2025年は前橋!次回はどうでしょう?



おはようございます~。エレベーターホールから山の稜線が見えて、前日のイロモノ・コフレ・イン前橋の余韻にまだ浸っている朝でございました。
チェックアウト時間ぎりぎりまでホテルでゆっくり。
そして第2部終了後に帰京した友よ、すまぬ!前夜大浴場に極楽気分で浸かって部屋に戻るとすぐさま就寝してしまい濃厚貴族レポートが朝になってからに汗。



ホテルを出たら右折左折もなく、大通りをひたすら直進して前橋駅へ。30分程度かかるかと思いきや、速足なら10分少々で到着。駅のお土産屋さんにて、貝川さん版人魚姫の王子の若さ弾ける溌剌としたソロの曲が流れていました!
渡邊さんの王子、卓上カレンダーも数日前のバレエ団投稿映像も、何で横たわる姿なのでしょうか笑。



中之条駅へ。これから四万温泉へのバスに乗車。電車内は春休みでの卒業旅行と思わしき若い世代が多く乗っていましたが
中之条下車の乗客は10人もいなかったかと。草津温泉に向かうのだろうか。



バスにもぐんまちゃん!車内は定員の半分くらいの乗客。



到着、積善館!古い建築と赤い橋がノスタルジックな雰囲気。映画『千と千尋の神隠し』のモデルのなったとも言われています。



ぐんまちゃんも渡ってみたいそう。背中とたてがみも語るぐんまちゃんです。



渡ったところから。元禄の湯は日帰り入浴も可能。日帰り入浴セットもメニューにあり。タオルが付いてきます。
温泉の紹介文を読むと大正浪漫といった表現がなされていますが、私は写真を見た瞬間からビントレー版『アラジン』プリンセス達の浴場にそっくりと衝撃を受け、
アーチ型のいくつかの窓から陽の光が差し込んでくる光景も、実際に浴槽に浸かって眺めていてもよく似ていると確信。
脳内はアラジンでの浴場テーマ曲が延々と流れておりました。ターララーララーララーララーララー~。
途中から貸切状態でしたが内部は撮影不可のため気になる方はご自身で入浴してお調べください。



橋を渡ったら、まずは左側の入口から、お食事処へ。軽食やデザートもあります。
うどんと薬味豊富なセットで、千尋が温泉で配膳していそうな彩りです。
唐揚げは赤城鶏。まいたけ天ぷらも!



山々



温泉街。平日とはいえ賑わっているとは言い難かった。人とすれ違うことが滅多になく、あったとしても別の場所で見かけた方々。
群馬県のガイドブックを読んでも、表紙からして草津や伊香保にページを割いていて、四万は5の次くらい。前橋は9の次くらい汗。
草津や伊香保のほうが華やぎある賑わいなのでしょうが、四万は渋く、ゆったりできておすすめです。



積善館内部。



積善館内部。梁や床に年季が入っています。



積善館廊下。



昭和初期に創業の老舗楓月堂にて、温泉まんじゅう2種類と抹茶のセット。こしあんと粒あん両方セットです。
しっとり薄い皮にほっくりしたあんこでああ美味しい。ぐんまちゃんはお抹茶に関心があるようです。



温泉浸かるぐんまちゃん。



パンをテイクアウト。一見ピザ屋さんですが、群馬県の食材使ったピザは勿論、群馬県産小麦を使ったパンやケーキも作っています。
せっかくですのでくるみとレーズンパンを購入。噛み締めるほど味がぐっと出て香ばしく素朴で、美味しいパンでした。
バレエでは描かれていないが神話の中では鹿に変身させられる(或いは猟犬に鹿と思い込ませる)アクティオンしかも熱血鉢巻姿を
前日に県内で鑑賞していましたから鹿柄のパンも買ってみたかったが大きいサイズで断念。



終点の中之条駅までの帰りのバス。空いていました。バスの乗務員ぐんまちゃんも貼ってありました。群馬の山々とはお別れのぐんまちゃん、これから上京です。



高崎駅で乗り換え。湘南新宿ラインでいざ新宿へ。



上り方面は空いており、ボックス席にて。ぐんまちゃん、いよいよ上京です。
さらば群馬、また会う日まで!!!



帰宅後、ぐんまちゃんを出迎える福島県白河市のしらかわんと奈良の鹿四郎。
まずはしらかわんに白河市の花でもある梅のグミとプリントクッキーをプレゼント。するとお煎餅と思い込んだ鹿四郎がやってきた笑。
しかしお煎餅云々よりも、白河市所縁のヒーローによる熱血鉢巻アクティオンの話に興味津々。
バレエでは描かないが鹿に変えられた或いは鹿になったと猟犬達に思い込ませて、
ダイアナの入浴姿を見てしまったアクティオンは悲劇の死を迎えてしまう物語にも関心あるもよう。鹿と犬が登場するお話ですから。
鹿の姿ならば、奈良やったら神の遣いとして重宝されるねんなあ、と鹿四郎。
それはさておきぐんまちゃん、燃え盛るような熱血鉢巻アクティオンと変わり種テクニック満載エチュード、
そしてただ腰掛けている立ち並ぶだけにとどまらない濃厚貴族の目撃談を前橋コフレと題して今日も一生懸命に語っています笑。