2026年8月25日火曜日

真夏のバルセロナの祭典・浦和編 ノリコクラシックバレエ NEIGE 第12回発表会 8月11日(火祝)《さいたま市》




8月11日(火祝)、浦和の埼玉会館にてノリコクラシックバレエNEIGE第12回発表会を観て参りました。2024年以来2度目の鑑賞です。
新国立劇場バレエ団の渡邊峻郁さん、木下嘉人さん、東京バレエ団の宮川新大さん、フリーの益子倭さんらがゲスト出演。帰りの交通やお天気が心配でしたが無事帰還いたしました。

https://www.neige-ballet.com/


前半はバレエコンサートや創作集。木下さんの振付で木下さんとスタジオの講師の方が踊られたundiscoveredが、
光と闇の交錯にお2人の身体が溶け入ってはぽっかりと浮き立つ光景が立体的に描かれ、力強さと滑らかさを交互に放つ動きの面白さも目に残っております。
パリの炎を踊られた益子さんが、ジャンヌ役の生徒さんが気持ち良く踊れるよう心砕いたノリノリサポートが楽しく映り、
斜めから観るとお顔が熊川さんと瓜二つに見えかけるのは気のせいか笑?それはそうとパワフルでワクワクする後味良きパドドゥでした。

ラ・バヤデールより影の王国パ・ド・ドゥはコンパクトにまとめられ、まずは暗闇にすっと軽やかでふわりと飛び込んできた、
白い衣装に白鉢巻(ヘアバンドですが鉢巻と呼びたい笑)を装着なさった渡邊さんのジャンプの美と余韻に感激。
着地した後や振り返るといったふとした部分も背中や肩からの語りかけが止まらず、美しさを維持なさっているお姿にも再度見入った次第です。
抜粋であっても大後悔時代の大海原まっしぐらな痛恨の感情が醸し出され、ニキヤへのサポートはかっちりと決めどころも押さえていらして恐れ入りました。

くるみ割り人形からは2本抜粋があり、お子様達が踊ったくるみ割り人形の中国の踊りが、
大人数で可愛らしい上に陶磁器を模した丸みある袖の衣装がとてもお洒落。ハッと目を惹くデザインでした。

締め括りは古村先生、長瀬伸也さん、パントマイムの江ノ上陽一さん振付のドン・キホーテよりハイライト。
幕開けの行進曲からして3幕中心の展開かと思いきやキトリとバジルは1幕衣装で登場し、何やら珍味な面白さを味わえそうとこの時点で期待大でございます。
木下さんがエスパーダの格好でメルセデスとボレロをキレキレに踊ったかと思えば1幕部分の登場シーンもビシッと決めていらして、しかし闘牛土達は不在。
そこはなぜかバジルの渡邊さんとファンダンゴの宮川さんがカバーなさっての対応で、宮川さんはエスパーダ経験豊富だからかムレタ捌きも滑らか。
渡邊さんは少々苦戦!?そこがまた味わい増す効果をもたらし笑、闘牛士に憧れる床屋の青年として存在していた、設定といたしましょう。
他にも益子さんガマーシュも参戦してのジャンプ合戦やらエア大縄跳びやら業務量多し主要役陣でした。
ハイライトとはいえ全体の纏まりも強く、生徒さん達もかわるがわる登場しては場面ごとの展開もスムーズで皆楽しそう。
父親ロレンツォに反発し、ガマーシュ求愛断固拒絶なキトリのやり取りもエスパーダやファンダンゴも見守るハイライトならではの総出演1幕も弾む展開で
最後グラン・パ・ド・ドゥも勿論あり。ノリコバレエで学び、新国立の研修所、バレエ団出身の中村美月さんが艶と華あるキトリで魅せ、
1幕お転婆場面も美しさがまさっていましたが結婚式は更に艶やかに変身。振付はオーソドックスではなさそうでしたが(ヌレエフ版とも違いそうだが少し似ていた気も)
ロシアな勢いと広がりある振付よりお似合いだった印象です。渡邊さんは床屋さんからは打って変わって笑、洗練された新郎バジル。
浦和駅前ロータリーのサッカー電光看板にまで跳んでいきそうなジャンプの他、回転もドリル並みに素早い上に
音楽とも仲良しで、長身をいかにコントロールなさっているのか不思議なくらいです。
何よりキトリを大事に支えていらっしゃる上に、最後は国内のある団の参考演出なのかロレンツォへ床屋業務実践。
剃刀を持ったときのギラついた視線と気合入れるおまじないの仕草は謎めいていましたが笑、不安がるロレンツォを静止させて剃刀当てる業務は手慣れている熱血床屋でした。

この夏ドンキハイライトな上演は既に2回鑑賞しており(あと1回の予定)、工夫や組み合わせ次第でいくらでも楽しく見応えある展開が可能であると再発見。
浦和にて、真夏の祭典を満喫いたしました。ノリコクラシックバレエさん発表会の帰りは前回は翌々日の暴風雨予報による乗車予定新幹線の運休通知が来たり、 今回は帰宅時間に暴風雨迫る予報にヒヤヒヤしたりと、2回連続で自然現象による波乱に明け暮れる帰り道となりましたが、
そんな不安を覆い返すような楽しい余韻をもたらしてくださったことにも再度感謝いたします。




浦和到着!レッズの本拠地です。



案内所もレッズ!



サッカーで戯れる



前回より訪問時の37度よりは涼しい。



浦和駅近くのスペイン料理入口。



闘牛士ポスター眺めながら海鮮パエリア!



たこ発見!中にも魚介がたっぷり隠れていました。



深海の女王様思い出す、今夏はたこブローチも誇らしげなしらかわん。



サッカーマンホール!



さらば浦和!



無事帰宅、ワインで乾杯です。

2026年8月20日木曜日

秀逸で意表を突く台本 谷桃子バレエ団『シンデレラ』 8月9日(日)




8月9日(日)、谷桃子バレエ団新制作『シンデレラ」を観て参りました。谷バレエのシンデレラは1991年メッセレル版の高部監督主演公演を観て以来35年ぶりの鑑賞です。
https://www.tanimomoko-ballet.or.jp/2026cinderella/


シンデレラ:殿岡遥
王子:千野円句
母大蝶々(マザーバタフライ):永橋あゆみ
父バッタ男爵:檜山和久
継母:高岸直樹
義姉:今井智也
義妹:浅田良和
ダンス教師:中野吉章
王子の従者:昂師吏功 安田幹 二村康哉
てんとう虫:齊藤燿
トンボ:光永百花
スペイン女性ソリスト:高橋夏海
オリエンタル:大塚アリス
ロシア女性ソリスト:高谷麗美


殿岡さんのシンデレラは分かりやすく明るい、無邪気で愛嬌あるタイプではないが内側から朗らかさが滲み出る少女で、
仲良しだった頃の義姉達とのカード遊びもゴタゴタ争い合う姉妹を穏やかに見守り受け止める度量も持ち合わせた頼もしさすらありました。
眠れる森の美女のときも感じましたが見るからに麗しいプリンセスな容貌では決してないながら、アームスやステップ1つ1つがとにかく優雅。
シンプルなエシャッペ1つにしても爪先から花が咲くようにエレガントなムーヴメントにも驚かされ、惚れ惚れいたしました。
王子に対しても内面から出る愛らしさ優しさが響き、ただ懸命に快活に誘うのではなく
王子の寂しげな心を覗き込み、そっと触れるように丁寧に手を置きながら語りかけたりと思いやりに満ちて芯の通った美しさに包まれたシンデレラであった印象です。

千野さんは実は舞台を拝見するのも初で、お母様の千野真沙美さんの1980年代後半頃のインタビュー記事は頁に穴が空くほど読み通しておりましたため
ご子息のお姿、ようやく鑑賞が叶いました。勢い任せな踊り方を一切なさらず、癖のない素直でまっすぐ、ソフトで上品な踊りが貴公子にぴったり。
内向きで人前に出たがらない、少々鬱々気味な性格をしたこの版特有の王子像に頗る嵌っていた印象です。
登場時のお誕生会の主役ですかと突っ込みたくなる王冠にはまさか装着したまま踊り続けるのかと度肝を抜かれたが、
すぐさま不機嫌な顔で王位なんて嫌と言わんばかりに外してくれましてほっと一安心笑。
未知数であった殿岡さんとのパートナーリングも、しっかり者であっても何処かで夢を見ていそうなシンデレラと、
消極的な態度であったはずがシンデレラと出会って段々と行動力を付けていく王子の優美な慈しみ合いがとても新鮮に微笑ましく映りました。

義姉義妹はバレエ界のトップを長年走っていらっしゃる今井さん浅田さん、この2人が揃って姉妹役で共演とは誰も想像つかなかったことでしょう。
裏打ちされた技術、舞台経験が生かされ、シンデレラと並んでいるときは変に目立ちすぎず、
しかし見せるべきところではびしっと見せるメリハリが舞台に心地よい刺激を与えていました。
今井さんは美貌のお姉さん、浅田さんはお茶目な妹さん、メイク方法もすっきりな姉と派手めな妹、各々全く違っていて特徴を強調。
2人ともポワントで踊られ、しかもダンスレッスンがポワント初級なレッスンに重なる内容で笑、怪我せずずっこけながらこなすのも高度な技術不可欠です。
露骨な意地悪はせず、例えばシンデレラを呼び出したと思ったら美しい爪先を見て欲しかっただけであったりと
お茶目な部分を前面に出して険悪な空気は極力和らげていた演出と見て取れました。

継母の高岸さんはゴージャスなスターな存在感。しかし高岸さんもまた舞台経験の豊富さが窺える立ち回りで
シンデレラより過剰に目立とうとはせず立ち位置をよく把握なさりながらの振る舞いは好印象。
加えて3人に求められたのはただ笑いを取る、シンデレラに意地悪するのみならず、群舞と一緒に踊る力量。
舞踏会においてはバタバタ劇を描くだけでなく、群舞と一緒にダイナミックに踊りながら王子の登場を盛り上げるなど調和力も求められ、やることもりだくさん。
高岸さん今井さん浅田さんの動けるベテラン実力者が揃ったからこそ、魅力が物語を楽しく彩り、光っていたと捉えております。

そして両親(生まれ変わり?)が物語の大きな要として君臨。とりわけバッタ男爵(父親)はひょっとしたら王子よりも踊る見せ場多き役で、スタイリッシュな紳士として描写。
馬車の御者やシンデレラの宮殿エスコート、またいくつもの場面と場面の橋渡しにて軽快に舞っては楽しませたりと大活躍です。
鋭いジャンプも多用され、檜山さんの綺麗な足捌きに爪先、そしてシンデレラへ愛情深い包容力、興奮と安心感双方で会場を満たしてくださったように思えます。
大蝶々の永橋さんは装置転換時に中央から艶やかにご登場。ヒール靴でのお露目で、これといったバレエのテクニックはあまり含まれず
つい最近まで全幕バレエ公演に主演なさっていた永橋さんには踊り足りない印象にも感じたものの(同役ダブルキャストの大女優さんに合わせたのか真相は分からぬが)
この世の者とは思えぬ神々しいオーラと母性に感嘆。父親も母親もシンデレラの舞踏会の最中も、舞踏会から戻ったあともそっと見守り続けていて
すぐさま助けるだけでなく試練も与えながらもシンデレラの味方としてずっと見守り、観る側からしても救われる存在です。

高部監督のオリジナル台本として意表を突く要素もいくつもあり。まず、幕開けはシンデレラと義理の姉妹達が仲良くカード遊びに夢中になっていて、父親は健在。
つまり、義理の親子関係も連れ子同士も上手くいっていた家庭だったのです。シンデレラも可愛らしいワンピースを着用していて姉妹達とは対等な関係を構築。
しかし父親が船で出張中に亡くなり、知らせが入った途端に継母の意識がどこか歪んでしまい、家長になろう、威厳を持とうと頑張り過ぎてシンデレラに当たってしまい、
ついにはピンクのワンピースにシャベルで灰をかけると一瞬にしてボロ服に早変わり。
シンデレラがいかにしてボロ服を纏うようになったか、経緯までもがしっかりと描かれていたのは舌を巻いた次第です。

それから先述の通り王子が内向的であるのもリアリティがあって面白いと思えたと同時にシンデレラのほうが幾多の困難を乗り越えていて、
更にはあとにも触れますが両親からたっぷりの愛情注がれて自然豊かな場所で伸び伸び育った経緯も描かれている上に、
父親からは長旅の話を聞かせてもらいながら冒険心を育んでいたと想像。
宮殿へやってくると戸惑いよりも新しい世界への飛び込みにワクワクと胸を高鳴らせるのも納得。
そうはいってもずっとシンデレラが王子を助けてばかりではおとぎ話の根幹が揺らいでしまいますが、最後シンデレラがガラスの靴の持ち主と判明するも
出しゃばる継母がシンデレラに再び灰をかけようとすると、王子が立ちはだかってシンデレラを守り、あろうことか王子が灰かぶりに。
しかし王子は動じず、シンデレラとの再会を堂々と喜び合う展開は甘酸っぱい乙女心の欲求もきちんと描かれ、流れのバランス配分にも感心いたしました。

シンデレラの変身を手伝うのは飾られている絵の中から飛び出してきた虫たち。てんとう虫の齊藤さん、トンボの光永さん中心に雲、風、花、草の精たち、子役たちも加わるも、
どの役もあくまでしっかり踊る役として描かれているため子役わんさかな印象は薄く、シンデレラを導く支える頼もしいお友達な存在として活躍でした。
全体の人数は多めで、しかしよく練られた振付でシンデレラの周囲がみるみると変わっていく過程をよく表していたと感じております。

最初に映像が出てきたときは、映像に頼ってしまう展開かと不安が過るもそうではなく、短い時間で実は幼い頃に蝶々を通して王子との接点を持っていた過去をさらっと描き、
愛情深い両親と自然に囲まれて伸び伸び育ったシンデレラと、正反対であろう窮屈で孤独に育ったであろう王子、それぞれの子供時代を分かりやすく伝える映像でした。
映像といえば、ガラスの靴持ち主大捜査線にて、王子の世界捜査の様子は世界の名所を盛り込んだ映像も用いて巧みに描き
セットも最小限ながら回転式でお次の国へと乗り込む様子もごく自然。工夫が練られた演出でした。

一部動画においては私生活を露わにする内容や降板者の挨拶など過激な配信は抑えめにはなってきたものの
練習風景はほぼ全時間密着型と思われ、しかも視聴側は画面1枚で済むが、実際にはカメラや音声など
制作スタッフ複数名で撮影に臨んでいると思うと、撮られる側の心身に負担がかからないか心配も。
一方チケット入手大困難になるほどの人気バレエ団になったことを考えれば密着取材はなんてことはないのか、気にはなってきます。

感心したのは運営側のセンスで、千葉県民会館や東京文化会館では広いスペース生かしてイベント会場さながらの雰囲気でしたが
今回の新国立劇場では物販は極力ロビーではない、入場前の広い場所で開催。
そのためホワイエは落ち着いていてマエストロの軽食やデザート購入してゆったりお過ごしになる方も多数。
会場の規模に合わせての対応力に感心してしまいました。
カーテンコールでは再びワルツが演奏されると舞台上の出演者達が髙部監督筆頭にはばたき始め、
ブルーの蝶が天井から客席に何羽も舞い降り、幸福が飛び交う演出に観客大喜び。観客の心掴む大フィナーレでした。




満員!殿岡さんポスター



殿岡さん千野さん



殿岡さん



千野さん



赤野さん



ホワイエにて。



新国名物マエストロの軽食やケーキも変わらず販売。パリブレストです。



拡大。並べられたケーキやサンドイッチを見て美味しそう!お洒落!と谷バレエファンの方々から声が聞こえて買いに行くお姿も多々見かけ、嬉しい限りです。



タイムスケジュール。



手を掲げてポーズ!



ブルーのカクテルで乾杯。シンデレラと王子のブルーと白、銀色のグラデーション衣装、たいそう美しいデザインでした。



35年前のチラシ。



夜のポスター


2026年8月14日金曜日

愛と執念の週末 兵庫・秋田バレエルート(秋田編)第3回Akitaエトワールバレエスタジオ発表会 8月2日(日)《秋田県由利本荘市》




8月2日(日)、秋田県由利本荘市で第3回Akitaエトワールバレエスタジオ発表会を観て参りました。人生初・秋田県上陸です。
https://www.akitaetoileballetstudio.com/

前日に兵庫県西宮市で貞松・浜田バレエ団ドラゴンクエストを鑑賞していたため大阪から飛行機利用での秋田入りとなりましたが
てんやわんやありつつも笑、関空に行くことなく無事秋田上陸いたしました。

秋田県の前向きなイメージと言いますと幼い頃から愛食のあきたこまち、お酒、肝っ玉母さんモモと活発で天真爛漫なモモ太の白くま親子の生活映像を楽しませてもらっている男鹿水族館、
巨大な目玉焼きがのった横手焼きそば(横手高校、敦賀気比の猛攻に負けてはしまいましたが公立高校の台頭は地域間わず嬉しい)、
何年か前に秋田空港でご当地キャラに声をかけられた英国ロイヤルバレエ団の3名がポーズを取った写真が出回って話題となったこと、といった事柄がぱっと浮かびます。

後ろ向きイメージは、、、以前の秋田県知事が愛媛県の名産じゃこ天を小馬鹿にする発言が問題になり、度々愛媛に行っては
間食やおつまみ問わずじゃこ天のお世話になっている私からすると口から火が出そうな気持ちだったわけですが、
秋田から注文殺到していますと、足を運んだ松山市のじゃこ天専門店が大忙しで駆け回る報道が目に飛び込んできて、
結果としては良かったのか?じゃこ天ときりたんぽ合体鍋メニューまで開発されたとか?
それはそうと今回を機に秋田の印象は急上昇いたしました。

さて発表会は『パキータ』等のバレエコンサートと『白鳥の湖』ほぼ全幕の構成。
『パキータ』はグラン・パのアンサンプルにも小さなお子さん達が多数出演していてなかなかチャレンジング。
ポロネーズとマズルカは更に幼い生徒さん達で頑張っている姿を目にするだけでもほっくりした気分になりました。

さて、お目当ての『眠れる森の美女』よりグラン・パ・ド・ドゥに新国立劇場バレエ団から木村優里さん渡邊峻郁さんがご登場。
宮廷装置や美術がなくても脚を一歩踏み出した瞬間からく品格あるオーロラ姫とデジレ王子が現れました。
踊り1つ1つの要素は言わずもがな、さりげない仕草や次の位置への移動といった部分や後ろ姿も含めて隙なく気品が宿り
クラシックバレエはこうにも美しいのかと唸らせるお2人でした。衣装は決して装飾てんこ盛りではないデザインながらお2人の生来の美が引き立ち、麗しさが視界を覆いました。
木村さんはセミクラシックの髪型で大きめなティアラ 、メイクはいつもより濃いめだったか、近い席から見るとそう思えただけかもしれませんがやや古風な造形がまた華麗さを後押し。
この1週間前までは連日タコのドレスで初台の海を賑わせた渡邊さんは、タコで登場されたらどうしようか或いはタコ味が残っていたらと
強烈なタコクイーンこと深海の女王様を観たばかりである上に発表会前日には土地柄タコの料理や絵をあちこちで目にする大阪地域に滞在していたため自ずと過ぎったわけですが笑
(しかも伊丹空港の保安検査通過後エリアには、ANA寄りJAL寄りそれぞれにたこ焼き店舗があり、両脇からたこに送り出される気分なのです。まさに貝川さん版の人魚姫状態。)
タコ味は一切消え去って真っ白で颯爽とした王子様を披露されました。
踊りはエネルギーに満ちて、跳んでいくうちに羽後本荘駅前の食堂都(みやこ)に到達しそうな勢いすら感じさせ、
されど粗削りな箇所はなくあくまで綺麗な弧が繋がって描かれていくような滑らかさで客席も沸き立ち、盛大な拍手で讃えられていました。
紫色のラメのない、ナチュラル路線メイクもご無沙汰で笑、それだけ深海の女王様の印象が強烈だったわけです。

さて、続いて『白鳥の湖』はほぼ全幕網羅したスタジオオリジナル版。舞台美術がルパン三世やベルサイユのばらの頃を思わす、
セル画製作時代の懐かしいアニメのような柔らかなタッチの投映背景がノスタルジック。近年よりも昔のアニメ画を好む私には嬉しく映りました。

オデットは主宰の山田智子さんが儚げに踊られ、オディールは生徒さんが初々しくも誘惑の表情もきらりと決めたりと頑張っていて、
1幕の王子は高校生くらいの生徒さんが舞台の取り纏め役に湖畔の場はオデットのサポートも、2幕3幕はロットバルトを務めていて恐るべしな活躍でした。
生徒数が決して多くはないスタジオであるためか生徒さんたちはあらゆる役で各幕出演していて、
白鳥達のコールドも少人数であっても立ち位置や揃え方をしっかり守っての集中ぶり。子供の頃の私を振り返ると到底できません。

そして渡邊さんのデジレ王子と同じくらいに楽しみであったのが一部の曲を地元の伝統ある由利吹奏楽団による生演奏でのお披露目であったこと。
高校時代吹奏楽部に属しており、通常は管弦楽で演奏される白鳥の湖を管楽器のみでどう編曲、演奏されるか、随分と前から聴いてみたかったのです。
早速序曲と幕開けの導入部が吹奏楽で演奏され、弦の素早いテンポの部分を木管楽器が上手いことカバーした編曲で、
クラリネットやサックスは指が攣りそうなトリルも盛りだくさん。実は高校時代、バレエの音楽を吹奏楽版で演奏したら、との話題が出たとき
『白鳥の湖』は弦が大重要だからどう頑張っても管楽器ではカバーできないし成立困難、とある先輩が仰っていたのだが、
由利吹奏楽団さんの演奏を聴いて欲しいものです。ライモンダやバヤデールは
吹奏楽コンクールや演奏会でも割りと定番で(現在は分かりかねるが)CD化もされていたりしますが
今回白鳥の湖を一部とはいえ生で吹奏楽版にて聴けたのは大幸運でした。

何と言っても由利吹奏楽団のレベルがとにかく高水準で、チューニングのときから只者ではないレベルな予感がしておりましたが、
パワフル且つ格調高い演奏に仰け反りそうになったほど。小さな白鳥(四羽)での繊細な音刻みといい、ファンファーレのはち切れんばかりの高らかな響きといい
スペイン、ナポリ、ハンガリーの民族舞踊は3本全て吹奏楽版で、息切れしないナポリトランペットの余裕ある音色の尊さよ。
また一部を吹奏楽演奏のため、例えばオデットと王子、オディールと王子のアダジオはヴァイオリンソロの聴かせどころであるため管弦楽録音音源でしたが
オディール達のコーダは吹奏楽版であったりと、管弦楽演奏の録音音源と交互に聴こえてくるのも今回ならではの面白さ。
しかし違和感なくすっと耳に入り、管弦楽版と吹奏楽版の両版を同じ上演の中で味わえ、得難い体験となりました。

最後、大フィナーレには木村さん渡邊さんもご登場。黒鳥コーダに合わせて眠りのコーダの一節を踊る何とも麗しき珍味で、
更には登場時には渡邊さんがひとっ跳びして再度沸かせてくださいました。カーテンコールは楽しい余りに興奮気味なお子さんの生徒さんもいて微笑ましく、
渡邊さん、視線が合うと身も屈めてそっと優しくフォローなさるお姿は保育士王子なお姿でもありました。

新国立プリンシパルペアの眠りパ・ド・ドゥに吹奏楽版白鳥の湖の演奏、Akitaエトワールバレエの皆様ありがとうございました。
また思いがけず話が弾み、プリンシパルデジレ王子目当てに東京から初めて秋田に観に来た、
ロンドン公演にも行った旨を聞いてくださった県内在住の隣席のお客様の優しさにも感謝いたします。
人生初の秋田、大満喫です。




秋田空港から秋田市内行きのバスに乗ること約15分、卸センター入口で下車。宿の最寄りバス停です。
そうはいってもホームページ等には記載されておらず、夏休み期間の土日で1万円代の宿しか検索してもなかなか表示されない中で5月末あたりだったか、
6000円程度の宿として表示され発見。秋田駅からは離れているが、秋田空港からのバスルート図を眺めていたら、宿の周辺地図と似た場所が表示され、
むしろ空港から向かうには便利そうと思えた次第です。旅行会社のクーポンを使用して4000円程度で宿泊できました。
道もバスが通る大通り沿いを5分程度直進するのみで、周りのそこそこ建物もあり、ビックカメラは営業時間は終えているものの建物目印としては分かりやすく
ボーリング場やスポーツ、ゲーム施設も賑わい、夏休み期間中のためか少し遅くまで遊んでいた子供達の集団が自転車で走っていたりと
人っ子一人いない暗闇を歩くはめにはならず一安心。遊び帰りのお子様達ありがとうございました。
ボウリングとピンと私達。勝手に脳内を巡りました。今週末楽しみにしております。
それにしても寒い、秋田!西宮や大阪と13度くらい差がありそうでした。



お世話になった宿。スーパー銭湯に宿泊施設が入っています。夜鳴きそばサービスや隣のフィットネスジム無料サービスまであり、時間の関係で利用できずでしたがサービス充実しています。



お部屋。鍵付きですが吹き抜けになっていて、完全個室ではないが鍵のかかる漫画喫茶の拡大化なお部屋です。
多少周りの物音は気になれど、温泉入ってそして関空戻りの危機を脱した安心感からか瞬時に熟睡。
伊丹から秋田入りした同乗者の皆さんも同じような状態で即熟睡だったかと思います。寝心地良いベッドです。



受付から見える風景。昔ながらの温泉風ですが、清掃も機能も行き届いていて過ごしやすい宿です。例えるならば、現代風版千と千尋の神隠し。
作品がお好きな方、道後や銀山、四万のような凝った伝統建築ではないものの、世界観は似ていますので是非どうぞ!



休憩場所も広々。左手赤い大きめの椅子はノイマイヤーの椿姫にて設置されていそうな椅子です。
浴室はジャグジーもあれば季節限定温泉まで何種類ものお風呂が沸いていて、好みで選びながら入浴できます。
目的地に到着できた安心感からか、一層極楽なお風呂時間でございした。
女性湯にはサウナも2種あり、ミストサウナを初体験。繊細な粒が身体をじゅわりと熱くしていきました。しかしサウナは5分が限界だー。



おはようございます。休憩所でゆったり。部屋は広いとは言い難いが、休憩場所には出やすく、朝からこんな状態に笑。
女性の館内着は千尋の仕事着の色そっくり。ドラクエの復習そしてこの日2026年8月2日は天空の城ラピュタ公開からちょうど40年。
しらかわん、飛行石を装着です。私の旅観劇用リュックに何年も入れっぱなしにしていたのだが笑。
少なくとも、2023年秋にジブリパークへ初訪問した新国立ドンキ名古屋公演時には既に。



バスで来た道を戻るようにして直進し少し道に入ったところにある羽後牛島駅。
昔ながらの駅舎、極力保存してほしい。宿から徒歩12分くらいです。
コイン精米ができるのか。米糠は自由に持ち帰り可能らしい。



乘車!





車窓から海景色。千と千尋の終盤場面のよう。帰りは夕焼けを帯びた色合いでよりロマンチックに。
この日は、ラピュタ記念日だが、新国立シーズンガイドブック記事や映像インタビューでも
好きな映画として千と千尋を挙げていらしたお方の舞台鑑賞に向かう電車ですから良きタイミングではある。



羽後本荘駅到着。電車の時間要注意。



ごてんまりポスターが華やか艶やかに迎えてくれます。



1階にある観光資料室にて、伝統息づくアート。


駅舎はモダンである。



会場に向かう道中に、お食事都。前日に新国立劇場バレエ団の来期の人事が発表され、前夜は余裕なくゆっくり読めずであったためこの日の朝に確認。



駅から約5分、カダーレ到着。



県内ではラピュタ彷彿なお祭りをこの日も開催らしい。映画公開からちょうど40年に相応しい!
それにしても、東北のお祭りは大掛かりな灯篭が主流なのかポスター見るだけでも大迫力。



カダーレ内部。右側がホール入口、左側は図書館。綺麗な文化施設で、近所在住ならはほぼ毎日通いそうです。



迷宮な作りもユニーク。あちこちにフリースペースなテーブルや椅子があり、若い世代の方々もふらっと寄って自習などで活用していそうです。羨ましい設備!
より大規模とはいえコミネス白河と似た路線の施設かもしれません。
バレエ鑑賞のみならず、会場内の施設をあちこち巡れたのも今回幸運でした。



ある~日、なんてもう気安く歌えません。遭遇は御免だ!



お昼は行ってみたいと思っていた、カダーレ裏手から本荘公園のお堀沿いに歩いて5分ほど。とんかつかつ㐂へ。

開店と同時に老若男女問わず次々とお客さんが入ってきます。地元の方から愛されているお店で、カウンターもあるためお1人利用の方も多し。
今日はカツ重で、等と常連さん達のリラックスした楽しそうなお声があちこちから聞こえました。
太い木組みの吹き抜け内装、清潔感が行き届き、和洋折衷な建築です。



まずは胡麻をスリスリ。



昨年夏にロンドンのピカデリーサーカスにてドイツ料理を出す英国式パブで食した
チキンシュニッツェルのサクサクとした美味しさが忘れられず若鶏カツ定食も考えたが
(なかなかじてもらえないが1週間滞在して高級店には一度も行かずともロンドンでは美味しいものにしか巡り合わなかった)
珍しい具材の組み合わせが目について蟹入りメンチカツ定食を選択。
結果、大正解!大きめのみじん切り玉ねぎとお肉、蟹の配合バランスが良いのかメンチカツなのにすっきりジューシーな後味でした。



断面でございます。美味しそうでしょ。



お堀にお花。小雨模様でこのときの体感気温は23度。うう、前日の西宮市と15度くらい差がありそう。半袖で歩いていると寒うございました。



会場出てからは直進で駅へ。鳥海山の階段。



いなほ号のパネル、運転手席。



千と千尋の神隠し終盤の場面彷彿、電車の窓から海景色。



秋田駅にて秋田犬と。東北犬仲間!



駅ビルのかまくらへ。



高清水ときりたんぽ、ハタハタ寿司で乾杯!



兵庫県西宮市と秋田県由利本荘市、2日連続東西の二大貴公子さまを拝見。
2024年の暴風雨接近による関東の交通大混乱を乗り越えて西日本へ向かい、午後半日で広島県福山市で渡邊さん、大阪府堺市で山本さんハシゴ鑑賞や
2025年札幌で新国立シンデレラ初日観てそのまま東京へ戻り一泊して岡山県経由で愛媛へ向かったときよりは
大阪から直行で秋田入りした今回はだいぶゆったりスケジュールでしたが笑、このたびも西村京太郎さんもびっくりでしょうか。



NewDays秋田駅前改札の店舗、コーヒーマシンならぬ日本酒マシン!レジにて支払い、カップ受け取り、セルフで入れます。締めの一杯!



秋田駅東口側の駐車場の高速バス乗り場へ。広大な敷地にぽつんと2台。新宿バスタや大阪の梅田モータープールに比較すると随分と台数が少ない気もしたが、
私の中で基準となっている新宿や大阪が抜きん出て運行本数が多くタイムスケジュールが過密なのででしょう。
人生初訪問の秋田、満喫いたしました。次は男鹿水族館にも訪問できたらと思っております。
しろくまの肝っ玉母さんなモモと常時面白いネタを考えて生きていそうな息子のモモ太の親子のダイナミック微笑ましい暮らしを見てみたいものです。
さらば秋田、また会う日まで!!!