新国立劇場バレエ団『不思議の国のアリス』初日を観て参りました。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/alice/
初日カーテンコールの映像もあります。Gパンジャック、爽やかでございます。
🎥本日のカーテンコールより
— 新国立劇場バレエ団 The National Ballet of Japan (@nntt_ballet) June 3, 2022
舞台写真:📸長谷川清徳
Alice's Adventures in Wonderland©︎ by Christopher Wheeldon pic.twitter.com/sgNbFlihcS
公演は群馬を含めれば今月中旬まで続きますので簡単に。
2018/2019シーズン開幕作品としてレパートリー入りし、一昨年2020年には早くも再演が決まっていながら全日程が中止に見舞われ、待ちに待った上演となりました。
米沢さんは活発で好奇心旺盛で要所で濃いキャラクター達のリーダーシップを取りながらもジャックに包まれたときの可愛らしさといったら蕩けそうな少女っぷり。
全編通してほぼ舞台に出ている大変なスタミナを要する役であってもジャック救出大作戦をそれはそれは鮮やかな踊りで描き出し引き込んでくださいました。
そして主役であっても影が薄い、個性が乏しいと言われがちなジャックを場面ごとに見事な色付けで見せてくださったのは渡邊さん。
冒頭の勤勉労働者な庭師では階級社会に生きる厳しさとアリスとだけは打ち解けて心の安らぎを得ていたのであろう青年、
紅白歌合戦紅組優勢な組み合わせである衣装の着こなしも罰ゲームにならず寧ろ身体の整った線から繰り出すテクニックの隙の無さ美しさに見入りっぱなしに。
更に変則だらけなパ・ド・ドゥも実に滑らかで感情を自然にのせてアリスを優しく解していく様子に心を動かされ
カオスな裁判を浄化させる誠実味と勢いが覆い尽くす終盤のソロもただただうっとり且つ奥底まで沁み渡りました。
英国ロイヤルの来日公演で初めて鑑賞したときは、展開を目で追うことで精一杯であった点を差し引いても
エンターテインメント要素は強いがバレエ作品としては如何なものかと思っていた私も、渡邊さんジャックをきっかけに作品に対する印象が大きく変わったのでした。
無罪を証明できずアリス宅を泣く泣くあとにする帽子とジャケットを着けて鞄を持った姿は小津安二郎映画の青年を彷彿させる古き良き趣き労働者な庭師から
紅白ぱっくりハートの騎士、ブラウス、Tシャツとジーパンまでどれも絵になり、ジャックコレクション2022今回も堪能でございます。
職人肌に加えて吸い寄せるオーラと全体を締める活躍にも目を見張った木下さんの白ウサギや
マダムオーラの迫力や大胆に魅せる力も増した益田さんのハートの女王、大掛かりな仕掛けの数々からも目が離せず、ご来場の皆様どうぞお楽しみに。
タルボットの音楽がアリスの楽しくも機知に富んだ物語を緻密に描き、特に幕開けにおけるミステリアスな打楽器音から始まり徐々に音色がじわりと重なって厚みを増していく中で
アリス達が現れる流れは、本のページをゆっくり捲りながらヴィクトリア朝時代にタイムスリップしていく心持ちとなり、胸躍る幕開けです。
アリスとジャックのテーマ曲を始め繰り返されるフレーズも耳に残ります。
詳しい感想はまた東京公演が終了してから書いて参ります。
※忍耐力に自信のある方は、前回の新国立劇場バレエ団『不思議の国のアリス』総括感想です。
http://endehors.cocolog-nifty.com/blog/2018/11/post-084e.html
今年もキャラクター達のパネル登場。ジャックとアリス、3幕の舞台装置模型。
公演特別デザートとしてタルト登場。いちごジャムとブルーベリーの2種がセットです。
こってりな甘さではなく、お酒にも合います。ブルーベリーの果肉が特にしっかり生きています。
ここではタルトを食べても追い出されはしません。ご安心を。
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