2024年5月14日火曜日

Dance Marché  池上直子さんによる新作振付作品『Eden』の公開リハーサル 5月11日(土)








順番が前後いたしますが、5月23日(木)に本番を控えたDance Marché  池上直子さんによる新作振付作品『Eden』の公開リハーサルを
田町駅の港区立男女平等参画センターリーブラホールにて見学して参りました。
アーキタンツのすぐ隣、図書館も備わった建物内にある綺麗で大変立派なホールです。
https://spice.eplus.jp/articles/328560

ダンサーズサポートさんによる詳細レポート。
https://www.dancersweb.net/post/5-23(木)開幕!池上直子の新作『eden』公開リハーサル行われる


先月池尻大橋で開催された第1回 BAJ 2023'最優秀ダンサー・振付家受賞式イベントにおけるオルガンワークスの平原慎太郎さんとの振付家対談にて
作品振付やダンサーを見るときの重視事項、コンテンポラリー界の課題等を熱量充満させながら、
コンテをそこまで多くは観ていない者にも理解しやすいように丁寧に語ってくださった池上さんのお話は記憶に新しいところ。
学園を舞台にタイムリープが展開する池上さんオリジナル台本による作品で、
オリジナルのコンテンポラリーで1人1人に役名がある、しかもSFな学園物語は珍しいかもしれません。
新作にも益々興味津々になった私の中では最良のタイミングでの公開リハーサル開催となりました。

受付時間になり客席に入ると既にリハーサルは始まっていて、これといって形式的な挨拶もなし。
すぐさま普段の練習風景や創作過程が眼前に現れたのは嬉しい驚きでした。そして座席もリハーサルスペースをすぐ目の前に見渡せる距離で非常に近く
リハーサルスペースの床にリノリウムを敷いた状態。客席は最初から段差ありで、恐らく可動式。高さのある位置に設置された構造でした。
ただ至近距離度でいえば忘れもしない、2017年11月の東京タワー隣スタジオ事件のほうが衝撃は強し、です笑。

創作過程を目にしていると、池上さんが池尻大橋での対談やインタビュー記事でも仰っていたように、
まずダンサーに声をかけて伝えつつ返ってくる反応から更に何かを引き出しながら振り写しをなさっている印象。
身体のみならず言葉のやりとりも活発に同時進行していて、意図を即時理解し体現するダンサー達の対応力にも感嘆するばかりでした。
また作品作りにおいて池上さんが池尻大橋対談で強調なさっていた、物語を大事にされながらの感情の紡ぎ上げやダンサーに対して考えを聞くスタイルも目撃でき
壁を作らずフラットな関係性の中で出来上がって行く清々しい空気に包まれていたように捉えております。
コンテンポラリーも振付家によって指導は様々でしょうし、中には軍隊のような厳格な指導で心身を追い詰めて
限界を超えさせながら精度を上げていく教え方をなさる先生もいらしたとの話は耳に入ってきたことがありますが(令和だったら完全アウトです多分)
池上さんはあくまで穏やかに朗らかに、そっと掬い上げるような指導を通してリハーサルを展開していく方針のようです。

ダンサー間でも意見交換や確認作業が次々となされていき、特に八幡顕光さんの声が度々よく響いていて積極的に声かけしながらリードしていらしたかと思います。
劇中では先生役を務められますが、リハーサルにおいても安心感ある存在感を示していらっしゃいました。加えてお声がよく通る!

そしてどうしても主人公タイキ役の渡邊峻郁さんに釘付けになったわけですが(最大の目当てでございます)
新国立劇場での公演ではコンテンポラリーの上演が少なくなった現在、リハーサル風景を眼前で拝見できるとはまたと無い貴重な機会。
池上さんが描く意図が吹き込まれて身体が生き生きと躍動していく姿や、上下左右に至るまで
しなやかで立体的な動きを自在に繰り出していく様子に瞬き厳禁な観察をしておりました。
全員で走る場面が多々あり、これがどのようにタイムリープとして舞台上で表現されるのか、注目したいと思っております。

後半は池上さんと出演者全員が並んでのトークタイムもあり。1人1人が務める役柄の紹介をされ、
寄せられた質問にも簡潔に回答してくださり、出演者同士のマイクの受け渡しも実にスムーズ。皆様の賢さ、気配りの細やかさや知性の豊かさに恐れ入った次第です。
そしてどうやらキーワードは「テイ!!」らしい笑。
それから、何か話そうとするも暫く黙り込んだ直後に何だっけ??と1発ふわりと笑わせてくださった渡邊さん笑笑。
それはそうとタイムリープの展開について、繰り返されるためどう変化していくかも見所のようで渡邊さんの説明がとても分かりやすく
個性豊かな生徒達が織りなすエデン学園を舞台に、優等生な主人公タイキが壊れていく変貌も含め、本番が一層待ち遠しくなりました。
ダンスマルシェの皆様、楽しい企画をありがとうございました!



※撮影タイムがあり、集合写真撮影いたしました。しかし我が撮影技術があまりに劣っており失礼。実際には皆様は写真の何倍も素敵な方々です。



ダンスマルシェさんのインスタグラムに、登場人物紹介として写真と説明が掲載されています。
タイキの渡邊さん、現在の朝ドラに出演なさっていても違和感が無いであろう古式ゆかしい雰囲気や知的な顔つき、翳りを湛えた容貌が美しうございます。




Edenのチラシを読んでいて、タイムリープとの解説から随分前に図書館で借りて読んだ、高校生が時空を冒険する小説を思い出し、久々に借りてみました。
新国立劇場開場の年に佐藤藍子さん主演で映画化もされ、映画では分かりかねますが小説内には私と同じ名字の人物が登場するのも嬉しい。
以前は新書版であったはずだが、最近文庫版も出版されたらしい。
読み進めていくと、公立の進学高校に通う主人公の翔香が何度も曜日を飛ばしたり記憶が丸々抜けてしまい大混乱に陥っていると
クラスメイトの男子生徒が冷静に理路整然に向き合い状況を解明してくれる場面が度々あり
読んでいてもカレンダー眺めながらでないと管理人、全く整理ができず。
ダンスにおいては果たしていかにしてタイムリープを表現していくか、タイキがどんな時空冒険へと繰り出すのか、更に楽しみな今日この頃です。



田町駅。アーキタンツ以外の用事での下車は初。レッスン関連荷物なくこの駅へ来るとは、不思議な気分です。



帰り、田町にて乾杯!嬉しい公開リハーサル企画に感謝でございます!毎度のアーキ帰りのオアシス鮮魚バルが入っているビルは点検のため早々に閉館し、北側まで行ってみた。



乾杯はビールです!



面白いさつま揚げや、カナッペのような大葉の天ぷら盛り合わせにびっくり。じっくり味わいました。

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