2025年9月1日月曜日

古典幕物や他ジャンルのダンスにも挑戦 BALLET NOW第18回発表会 8月22日(金) 《東京都府中市》








8月22日(金)、府中の森芸術劇場ふるさとホールにてBALLET NOW第18回発表会を観て参りました。
2019年以来、関係者のみ公開となった2020年を除いては毎夏恒例京王線癒し行事でございます。ゲストは昨年に続き、新国立劇場バレエ団の渡邊峻郁さんと速水渉悟さんがご出演です。
https://ballet-now.com/


第1部はバレエコンサート。まずは子供の生徒さん達による溌剌としたマーチで、赤青金色のチュチュで暑さも吹き飛ぶ明るい幕開けを飾ってくれました。
続いてフェアリードールよりトロワでは昨年にミュンヘンバレエ学校に留学され、現在夏休みで一時帰国中の斉藤紗菜さんと貝川さん川崎さんのご子息2人が披露。
皆憧れの優しいお姉さんと、はしゃぎたい盛りの男子2人のバランスが微笑ましく、息もぴったりなトロワでした。

次のガヴォットは4人で踊られ、1つ1つのステップをポワントできちんと丁寧に踊り続ける姿に拍手です。
のちのチャレンジセクションでも川崎先生からお話がありましたが、ポワントは10歳の秋からを目安になさっているとのことで早過ぎないチャレンジは好印象です。
そういえば2019年から観続けていても危なっかしい履き方踊り方をしている生徒さんがおらずレッスンでは履いてトレーニングはしていても、
舞台で踊るのはシューズで入念に行ってからの方針を持たれているのかと思います。
お次はワルツィングキャット。当方も幼い頃に踊りましたが人様には見せてはならぬ可愛らしさや健気さ皆無であった黒歴史の1つであるため
(習っていた頃の発表会はほぼ全て黒歴史なのだが汗)
幸いにもあちこちの発表会でこの曲で踊る生徒さん達を目にする機会が何度もあり、今回はバレエナウの生徒さん達のピュアな可愛らしさで更に上書きです。

『騎兵隊の休止』パ・ド・ドゥは8月初めの横浜バレエフェスティバルにて鑑賞し、また観てみたいと気になっていた作品で
バレエナウさんの舞台で鑑賞する機会に恵まれ嬉しい限り。近年はヴァリエーションがコンクールでも人気が高いようです。
アシスタント教師の方と速水さんが披露され、ホクホクと素敵な会話が聞こえてくるパ・ド・ドゥであると気づかされ、感じ入りながら鑑賞いたしました。
実は横浜バレエでは、勿論技術は高いものをお持ちでしたがそこまで2人からやりとりが伝わってはこなかったため、東府中では発見の連続です。

第2部はタップとジャズダンス。バレエナウさんでの発表会披露は初めてですがそうとは思えず、全員見事な踊りこなしです。
実は私は恥ずかしいくらいにバレエ以外の分野の舞台には殆ど足を運んでおらず、歌舞伎もミュージカルも演劇も観ておらず。
今年は珍しく7月末に舞台「となりのトトロ』をロンドンで鑑賞いたしましたが今年唯一のバレエ以外の鑑賞舞台となりそうな予感。(感想はまたいずれ)
そんなわけで、複数人数が並びながらのタップダンス鑑賞は初めてかもしれません。
色違いの水玉模様の衣装姿がお洒落な上に、ノリノリで身体もよく動いていて本当に皆さん上手い!
タップシューズは重たいでしょうに、軽やかにこなしていて何より楽しそうに踊っていて観ているこちらまでハッピーにならずにいられませんでした。
ジャズダンスは聴き覚えのある曲でSabtitle~ライラックと題されていたため
Official髭男dismとMrs.GREEN APPLEの曲と思われます。これまたお恥ずかしい話、プログラム記載の名称を読んでもSabtitle~ライラック1曲なのかと思い込んだりしており、
諸々違っていたらすみません。私の中では日本の流行音楽、2000年頃で止まっております汗。
後日検索して両曲を再度聴いてみると前向きに響く曲に思え、バレエナウの生徒さん達が踊る姿を思い出しながら聴いていたからこそでしょう。
そうだ、英国ロイヤルバレエの高田茜さんがインタビューでMrs.GREEN APPLEがお好きと仰っていたかと記憶しております。
それはそうと、クラシックバレエとは全然違った開放感ある動き満載で思い切り踊る生徒さん達の清々しいこと。
中にはタップとジャズ両方への出演者もいて、切り替える力にも脱帽です。
とりわけアシスタント教師の方が両作品にて共演の生徒さん達をさりげなく導いてあげていたりととても頼もしくリードされていて
日頃からたくさんの分野の舞台を観て学んでいらっしゃるのであろうと想像いたします。

第3部はくるみ割り人形より第2幕。幕が開くと、クリームたっぷりなケーキに覆われた背景が現れ、全員集合。とっても華やぐ始まり方です。
中央には金平糖と王子(渡邊さん)が手を取っている品位あるお姿なお2人と、楽しそうに周りを囲む各国の踊りや花のワルツの方々の笑みからこの時点でワクワク感倍増でございました。
金平糖は第1部でフェアリードールも踊られた斉藤さん。昨年夏頃はまだあどけなさもあった印象でしたがハッとさせる美しく大人びた堂々たる舞台姿でした。
元々の優雅さに花開くような自信が加わって、表情もキラッと明るくなって、風格たっぷりな女王様。ピンク色のゴージャスな衣装の着こなしもしっくりと絵になっていました。
斉藤さんの地道な努力による留学の成果は勿論のこと、パ・ド・ドゥ初挑戦時の2022年から毎年組んでいる渡邊さんが与える優しさや安心安全の信頼感も大きかったはずで
生徒とゲストではなく、金平糖と王子、としてお菓子の国を司り君臨していた光景にも感激いたしました。

渡邊さんも、毎年しかも成長期の生徒さんと組まれていて、上達だけでなく年々背が伸びたり、そして留学決定、と変化を手に取るように毎年ご覧になりながら臨まれていると思うと
喜びもひとしおでしょうし、先生方や保護者の方々からの信頼は相当厚く寄せられていると想像。
年月の積み重ねが刻まれて大輪の花が咲いたようなパ・ド・ドゥでした。
渡邊さんは前日に王子駅近くの会場にて、騙されてしまう王子とギラギラ流し目もやります奴隷、と正反対の2役を踊られたばかりのはずですが(ややこしい笑)
1日で魂が丸ごと生まれ変わったかのように徹頭徹尾気品と頼り甲斐に満ちた夢の中の王子様。
バレエナウさんへの出演も2019年から7回連続出演で紅白ベテラン歌手に近づきつつある回数に達し(何処まで更新なさるでしょうか。ずっとご出演願いたい)
先生方からも保護者の方々からも愛されていそうな雰囲気で温厚な空気感を漂わせて踊っていらした印象。
ふるさとホールはやや小さめのため会場前の広場の噴水まで跳んでいってしまいそうな勢いもありつつも全体を取りまとめるに相応しい統率力で締めてくださっていました。

工夫で唸らせたのは花のワルツにて、直前に踊っていた葦笛の2人が暫くそのままー緒に踊ったり、以降は順々に各国の踊りの方々が加わって踊る構成にしていた点。
6人くらいで7分ほどあるワルツをずっと踊るのは結構しんどいもので(チャイコフスキーの作品ではないが一応経験者笑)、
めくるめく展開に膨らんで観ていて華やぐ構成になっていた印象です。
エピローグとして、大団円が終わったあとは金平糖と王子が踊り続ける場面挿入も、優美な余韻を拡張させていくような効果があり夢見心地な気分で幕が下りました。
そうでした、トレパックが男子3人と速水さんで、速水さんもやってみたかったのではと思うしかないくらい大張り切り笑。
引っ張られるようにして生徒さん達もエネルギーいっぱいに踊っていて、発表会ならではの面白く貴重なものを見せていただきました。

第4部はチャレンジセクション。コンクール云々関係なくソロの踊りに挑戦してみる部門で、年齢やレベルに応じて根幹は残しつつも少しアレンジがなされていたり
先にも申し上げましたがバレエシューズでの参加の生徒さんが多く、ポワント履いて舞台で踊るのは 相当入念に訓練してからとの方針なのでしょう。
慎重に判断なさっていると窺え、好印象でした。生徒さんが自分で選んだヴァリエーションとのことで、選んだからには、やりたいといったからには
生徒さん達も一生懸命練習に取り組んできたのであろう素直さも伝わってきます。披露後の一言挨拶で大概誰もが緊張しながら話す中で
貝川さん川崎先生のご子息達は2人とも喜びの感情露わに出していて、強心臓の持ち主かもしれません笑。

お1人お1人の頑張りを観て応援しているうちにあっという間に終演。今年も楽しい癒しをもたらしてくださった、夏の京王沿線恒例行事でした。
冒頭の挨拶で川崎先生が、バレエナウの発表会ではリラックスして楽しく鑑賞して欲しいと仰っていたように 小さいお子さんから大人まで
バレエ、ダンスって面白いなと感じながら肩肘張らずに楽しんでいる様子も魅力の1つでしょう。来年も楽しみにお待ちしております。




カーテンコールは撮影可でした。全体が上手く撮れずすみません。ピンク色に覆われた夢見心地で甘美な世界観です。



振り返って生徒さん達に合図する渡邊さん。



お手振り。



7月末の新国立ジゼルロンドン公演ネタ小出しシリーズ。くるみ割り人形2幕にちなんでお菓子編。
ヴィクトリア&アルバート博物館のカフェにて。内装の壮麗なこと。
注文はレジにて。ケーキ迷ったためヴィクトリアケーキとピスタチオキャロットの2切れとも注文。
連れの分も一緒に購入と思われたか、まさか1人で2切れ食べるとは英国の店員さんも予想はなさらなかったか
注文時は1切れずつ別のお皿に載せて提供してくださいました。お気持ちはわかります笑。



お菓子もたっぷり満喫しました。オペラハウスのカフェ。



吉田都監督が現地でのインタビューにてお好きと仰っていた、カフェモカも。ついでにレモンチーズケーキも。
周りのお客様たちと席譲り合ったり声掛け合ったりと自然と会話が生まれるのも楽しさの1つでした。



ロンドン公演『ジゼル』の前の本公演としては6月に『不思議の国のアリス』を上演していた新国立。
ロンドンの宿泊地近くのスーパー、ロンドンの西友と私は呼んでおりますセインズベリー。あちこちに店舗がありますが
ホルボーン駅近くの店舗は広々。3種のジャムタルト各2個ずつ計6個入りで1ポンドくらいだったか。
甘さ控えめで美味しく、タルト生地はサクサクでおすすめです。但し個包装ではありませんのでご注意。私は滞在中に6個全部食べてしまいました。
後日お土産用にも購入したほど。



この日は8/18(月)や8/21(木)とは違って走らず、早退してゆっくりと会場へ。 何しろ毎年夏恒例の癒し行事です。平日昼下がりの京王線下り方面の車内の穏やかな空気、何だか好きなのです。



会場近くのカフェへ。以前にも訪れております。オレンジとくるみのケーキがメニューに貼り出されていたため入店。
大きなパウンドケーキにくるみたくさん、オレンジが爽やかに添えられています。



断面



窓辺に可愛らしいうさぎさんと楽器。



駅です。京王線!



帰宅後、フローラルな香り高いロゼワインで晩酌。花のワルツ、カラフル楽しい展開でした!

2025年8月28日木曜日

格式高い黒の饗宴 パークサイドバレエスタジオ 2025サマーパフォーマンス 8月21日(木)(北区)




8月21日(木)、王子駅の北とぴあでパークサイドバレエスタジオサマーパフォーマンス2025を観て参りました。昨年に引き続きの鑑賞です。
https://parksideballet.com/

仕事の都合で第1部の途中からの鑑賞となりましたが、プロ志望な方から大人の生徒さんまで基礎しっかり重視なレッスンを積み重ねていらっしゃると窺え、
どの方も踊りが1つ1つ無駄なく美しい印象。スタジオのホームページから、解剖学も取り入れたレクチャーも豊富に開催していると見受けておりますが
どう動けばどんな見せ方に繋がるか、或いは身体への負担についてもよく仕組みを把握して舞台に臨んでいると想像しております。

ゲストは新国立の渡邊峻郁さん、原健太さん、渡邊拓朗さん。到着後、受付にてチケットを引き取っていたら聴こえてきたのは「海賊』のアダージョ。
ああ、一歩間に合わなかったかと思うも、アダージョ後の拍手の合間にスタッフの方の親切な誘導で客席に入り、ドアに近い後方席にてアリのヴァリエーションから鑑賞です。
いきなり渡邊さんの水色ハーレムパンツ姿アリから鑑賞開始だったわけですが笑、ラピュタのシータと違い視力はさほど良くはない私が後方席から観ていても眼力の強さにまずびっくり。
前方席で観ているであろう友人達が無事でいるか心配になったほどで笑、どれくらいの強度だったかって?「天空の城ラピュタ』にて、
怒り狂うロボットがムスカの要塞の堅固な塔を次々と眼からの光線で斬り裂いていく、あの強度です。
よく分からない方、すみません汗。詳しくは映画をご覧ください。それはそうと、肩の窪みの見せ方や回転しながらの流し目アピールも恐ろしい力の入りようで、
パッションに溶かされて吸い込まれそうになったのは気のせいではないはず。序盤の屈み込みポーズの鋭さや視線の射抜きにも、四川省の山椒以上に痺れました。
それにしても、無謀にも自身をカール・ルイスと思い込んで可能な限り駅構内を全速力で走ってきた (せめてボルト等もう少し最近の選手名を挙げんかいとのご指摘は流します)
日頃典型的運動不足人間である私のずんぐりむっくりした身体も瞬時に冴え渡るような衝動をもたらしてくださいました。
メドーラの生徒さんは紫を重ねたチュチュをとても綺麗に着こなしていて、気品ある姿で端正な踊りにも心癒されました。ギラリとしたアリと対等に組んでいて、頼 もしく映った次第です。

大人の生徒さんのパ・ド・ドゥも2本あり、フロリナ王女と青い鳥に渡邊拓朗さん、タリスマンに原健太さんがご出演。
基礎技術が万全な生徒さん達で、また相手と楽しそうに語らうように踊る姿も目に残っております。
近年、いったい誰が許可した!?と思うような大人の危険なパ・ド・ドゥ大会が乱立していて、
勿論きちんとした団体主催者もいるのでしょうが、相手の身体も関わってくることを踏まえての判断、大事でございます。

第2部は「白鳥の湖』より第3幕で、オディールはジョン・クランコバレエアカデミーに留学中の北見笑菜さん。
昨年個性が強烈過ぎる4人の新国王子求婚者達を相手に堂々と務められたローズアダージョのオーロラ姫を踊られたときは
初々しい可愛らしさが印象にありましたが今回は何とも色っぽく、強くも柔らかなバネから繰り出す踊りの滑らかなこと。
相当訓練を積まれてきた過程が伝わり、伸びやかであっても流されず1つ1つのポーズが美しや。

ジークフリート王子の渡邊さんはご登場から格式ある振る舞いで浮かない顔をしつつも玉座に座ると小さな生徒さん達の踊りをにこやかに見守る優しい王子様。
王妃との登場時から全幕を眺めている気分になったわけですが、1幕2幕が上演はされていなくても
湖畔で出会ったオデットが忘れられないのであろう王子の物憂げな眼差しや寂しさ秘めた様子も醸されていたからでしょう。
オディールとは相思相愛ではなくどちらかといえば敵対関係にあれど、ダイナミックな美を共に追求していく方向性はぴたりと一致していて
品あるゴージャスな舞台を構築なさり、瞬く間にオーラで充満していきました。
空間の軌跡の描き方が大きい王子のヴァリエーションにも見惚れ、またオディールと王子の衣装が何処か似ていて、黒地に大胆な模様が金色で描かれたデザイン。
そこへどう見てもデーモン閣下にしか見えない笑、しかし重厚な存在感で王子への追い詰めも見事な拓朗さんロットバルトが加わると黒い美の饗宴と化していました。
ロンドンから間を空けずに再び兄弟対決が王子駅にて実現です。
王妃は元新国立の横山柊子さんで、ドレス捌きやツンと澄ました横顔、首筋までもが凛とした美しさで惚れ惚れ。
民族舞踊の生徒さん達の踊りも格調高くまとめられていて、堀岡先生のきちんと基礎強化な理念が行き届き、全体を通して観ていて背筋が伸びる舞台でした。

先に到着していた友人からプログラム順序を教えてもらうも、おおよそ計算しても 海賊には間に合わぬか!? ここ最近ロンドン休暇やシヴァ半休等ございましたので、
目当ても目指す駅も「王子」と言わんばかりに過ちおかしてオデットを追いかけるお姿を浮かべながら定時退社後に走りに走り、
南北線と北とぴあが直結している立地とは電車内で初めて知りました。直結とはいえ出口まではなかなかの距離があり自称カール・ルイス、駆け付け鑑賞で
いきなりスタートが渡邊さんのパッション大魔王なアリでございましたが笑、尊い特効薬として味わった次第です。
アダージョは見逃すも、ひとまず路線検索よりも早くに到着してヴァリエーションからは鑑賞できたことについては、自分で自分を褒めたいと思います。





白鳥の湖第3幕の装置を眺めていると、国は違えど新国立劇場バレエ団ロンドン公演鑑賞滞在時に訪れたロンドン塔に重なるところがあり。 7月末のロンドンネタ、7/31東大阪での佐々木美智子バレエ団「ロミオとジュリエット』以降小出し紹介が続いておりますが来月末あたりまとめて紹介する予定でおります。



アーチ型の内部



ステンドグラス



帰りの一杯。ドイツ料理店ではありませんが気分はダンケシェーン。



黒胡麻担々麺。色味も美しい。麺は細麺と縮れ麺から選択でき後者を選択。しっかりコシがあり美味しくいただきました。丼の黒系な彩りも嬉しい。



拡大。ナッツの盛り付けも綺麗です。

2025年8月27日水曜日

堅実な指導の大切さ 徳永由貴バレエスクールおさらい会 8月18日(月)《板橋区》




8月18日(月)、板橋区立文化会館にて徳永由貴パレエスクールおさらい会を観て参りました。
https://yt-balletschool.jp/

発表会は2017年、2024年に足をを運んでおり、通常は2年に1回開催のようですが今年はおさらい会としてヴァリエーションやコンテンポラリー、創作、パ・ド・ドウ中心に開催です。
仕事の都合で第3部の2作品目から鑑賞いたしましたが、生徒さん達のヴァリエーションも何名か目にできたのは嬉しうございました。

過去2回観たときと同様に感じるのは、どの生徒さんもきちんと美しい振る舞い、仕草、立ち姿で爽やかな品があり、
観ていると清涼感溢れるミストシャワーを浴び続けている気分になるほど。
一般のお教室ならば当たり前ですが体型の条件も様々、皆が皆手脚長く細っそりでは決してなく個性豊かな生徒さんたちが集まっていますが、誰もが美しいのです。
コンクールも出場している人もいれば、出場はせずあくまでご自分の好きなペースで習っている生徒さんも多いはずでしょう。
きちんとできるまでは次の段階へ行かない、派手なことはさせない、ポワントも早過ぎるチャレンジはさせない、
それよりも癖がなく正しく品ある美しさを丁寧に踊り、表現できるようにしていく先生の確固たる信念、ご指導が窺え
まだまだ生徒数が少なかった2017年の第2回発表会(徳永先生もアラビアでご出演。清らかな美しさあるアラビアでした)から注目しておりました。

大トリは「くるみ割り人形』よりグラン・パ・ド・ドゥ。ローザンヌで入賞され、今秋からロイヤルバレエスクールに留学される
浜崎ほのさんと、常連ゲストの新国立の渡邊さんが披露されました。まだ新国立入団から1年少々経った頃で今と違い外部へのご出演が少なかった時期から
徳永バレエさんに渡邊さんは出演されていて、喜ばしい限りです。
金平糖と王子ともにスモーキーな銀色で揃えたお衣装がシック且つお洒落で、浜崎さんはどちらかといえば小柄かもしれませんが
そう感じさせぬコントロールカ、安定感ある体幹で大きく大らかに見せ、しかしやり過ぎなことはせずあくまで上品に纏め上げる踊り方も素敵。
渡邊さんのサポートもそれはそれは丁寧で浜崎さんが伸び伸びと踊りやすいよう心砕いての支え姿も美しや。 颯爽とカラっとした雰囲気のパ・ド・ドゥで締め括られました。
留学前の大事な時期の生徒さんの舞台のパートナーを、徳永バレエさんでは昨年にも務められた渡邊さん。
主宰の先生や生徒さんのご家族からの信頼もそれはそれは厚く寄せられているに違いありません。

フィナーレは星条旗よ永遠なれ。到着が間に合わずヴァリエーション等鑑賞叶わなかった生徒さん達が次々と登場してひと踊り披露している姿を目にできて和み、
ノリの良いアメリカンマーチであっても上品な趣は皆さん変わらず。これまた清々しい気分です。
ゲスト男性陣も勿論参加で、終盤の一斉大行進な曲調直前に登場した浜崎さんと渡邊さん。回転対決な振付だったか
王子の衣装云々以前に決して曲のカラーにぴったり合致とは言い難い(失礼笑)渡邊さんが熱血回転でマーチを彩り、
日本の夏がここまで暑くなかった時代に高校野球予選にて野球場での応援曲演奏や
同じスーザの曲なら、ワシントンポストならば定期演奏会で経験ある太古の昔の元吹奏楽部員として誇らしさすら募りました。
ふと思い出したがルグリと輝ける仲間たちのガラだったか、オレリ・デュポンとルグリがスターズアンドストライプスを踊っている写真がバレ工誌に掲載されていて
案外誰でも踊りたがる作品なのだろうかと不思議に眺めていた約30年前のことでございます。

話が逸れました。徳永バレエさんによる事前告知の通り、プログラムは掲示のみで大きな立て看板もなし。
あくまで生徒さん達が主役の晴れ舞台のおさらい会ですから、シンプルなご対応大賛成です。
そして次の発表会も心待ちにしております。徳永先生が振り付けられた、生徒さん達がお揃いのチュチュで大勢出演する
プロコフィエフ交響曲のようなシンフォニックな作品も再び拝見できる日が待ち遠しいばかりです。




帰り、大学の後輩と大山ハッピーロード内のイタリアンのお店へ。そういえば2017年の徳永バレエさん発表会帰りにカウンセラーな友人と来店して以来です。



後輩はパスタセット、私はアルコールセットで乾杯です。上品に盛られた前菜が並びます。



後輩は海老トマトクリームだったか、美味しいと頬張っていました。
私は単品で蟹クリームコロッケを追加。スライスアーモンドが付いていて、カリカリとした食感!



赤ワインも追加注文です。私よりも頻繁に海外へ行っている気がするが、優しい後輩はロンドン話も色々聞いてくれました。
性格良し、華やかで器量良し、バレエは鑑賞も好きである上にレベルは上級者でパドドゥ経験4回あり!
誰もがはっと引き寄せられるほどの羨む美貌と抜群なスタイルの持ち主でありながら、とにかく性格が宜しい。私の劇場友人の間でも大人気です。



楽しい夜を過ごしました、過去にも心潤う出来事詰まっている駅です。さらば大山駅!

2025年8月26日火曜日

珍しいペアゲスト出演 Iwaki Ballet Company&井脇幸江バレエスタジオ合同公演『ドン・キホー テ』 8月17日(日)




8月17日(日)文京シビックホールにてIwaki Ballet Company&井脇幸江バレエスタジオ合同公演『ドン・キホーテ』を観て参りました。
IBC関連の公演は2021年の『トスカ』初演『サタネラ』「Mozartiana」以来の鑑賞です。
『サタネラ」グラン・パ・ド・ドゥにて今回のキトリ役の奥田さんと新国立の渡邊さんが組まれ、艶やかなお姉様と恋に盲目な初心な青年なる構図は今も忘れられずにおります。


キトリ:奥田花純(新国立劇場バレエ団ファーストソリスト)
バジル:井澤駿(新国立劇場バレエ団プリンシパル)
ドン・キホーテ:梶谷拓郎
サンチョ・パンサ:藤島光太(バレエシャンブルウエスト)
ガマーシュ:梅澤紘貴
ロレンツオ:高橋竜太
エスパーダ:芳賀望
街の踊り子:瓜生遥花(東京バレエ団ファーストアーティスト)
メルセデス:原田舞子(新国立劇場バレエ団ファーストアーティスト)
ジプシーの女:井脇幸江


奥田さんのキトリはふわっと花々が香るような上品な愛らしさと盤石な職人芸が光るテクニック両方を兼備。
実に軽やかで、かといって妖精ではなく活発でチャーミングな女性として芯がしっかりと通った美しい踊りで魅了です。
奥田さんによる古典全幕主演を目にするのは初かもしれず、(全幕物としては11年前に新国立パゴダの王子での主演はあったが)
品格ある舞台姿や周りとコミュニケーション取るときの楽しみぶり、統率力もあって再び主演舞台を初台においても鑑賞できたらと思います。
ABTを思わす薄い朱色の襞状の衣装もたいそうお似合いで、夢の場の淡いピンク色のチュチュでのドルシネアも息を呑む端正な柔らかさ。

井澤さんは想像はしていたが床屋にしてはお洒落なバジルで、お店の待合室には猫脚のソファー、
窓辺にはレースのカーテンが揺らめき金縁の花瓶に薔薇の花が生けられてるであろう内装が目に浮かびました。
ただお茶目な魅力も光り、ロレンツオとの掛け合いのオロオロぶりや、そうかと思えばキトリ友人達との仲をキトリに見せつけるお調子者ぶりも憎めず笑。
テクニックも勢いと安定感ともに万全で、ぐいっと思い切りの良さも爽快。野営地場面では大概ジプシー達が踊る曲でのバジルのパートもあり
キトリを守るための踊り合戦に挑む形で描かれていて、これまた豪快な踊りっぷりで、キトリも隅っこで惚れ直していたとでしょう。
狂言自殺ではちゃっかり大急ぎで倒れ込んでからサンチョに耳打ち、作戦実行と口裏の合わせ方も面白く映りました。
奥田さん井澤さんのペアは外部公演では福岡にて組まれていますが新国立の公演ではそんなにはお目にかかっておらず、(何回か前のアラジン宝石であったかどうか)
しっかり者で美しくも強気なキトリとモテ男な床屋バジルの並びもしっくり。是非また観たいペアです。

IBC公演で馴染み深い東京バレエ団OB達もご活躍で、高橋さんのロレンツォは見かけはそこまでおっかなくなさそうだが怒ると怖い怖い笑。
ただどこかまろやかさもあり、娘の幸せを一番に考えている根は優しいお父さんと推察。
昔何処かの団体で星一徹(お若い世代の方々、ご自身でお調べください)並みのど迫力メイクな亭主関白ロレンツオを観たことがございまして迫力はあったが、
キトリの継父か?血筋違いもあろうか?等と考えが巡ってややこしい事態となり笑、バランスも大事です。
その点、品ある高橋さんロレンツォと奥田さんキトリは納得いく親子ビジュアルでした。

梅澤さんはプロポーション綺麗なガマーシュで、異質ではあっても目で追ってしまう魅力あり。
結婚式ではロレンツォと、特にバジルのヴァリエーションではちょこっと嫉妬や厳しさも光らせながらしかし優しい眼差しで見守る様子も微笑ましいもので
またゴロンとした体型である設定ながら実は高度な身体能力の持ち主であるサンチョの藤島さんとの回転対決も会場を沸かせました。

主宰者・団長の井脇さんはジプシーの女でご登場。東京バレエ団時代キャラクターダンスの名手としても名高かった井脇さんのスペインものは
今観ても肌がざわつくような感覚がもたらされ、吸い寄せるパワーと哀愁の混ざり具合も絶妙でございました。
思い返せば東京バレエ団のブルメイステル版白鳥の湖以前の衣装が、いくら恐らくは昭和の頃からのプロダクションとはいえども
どうしたらこうにも垢抜けないデザインの連なりになるのかと仰天した記憶あり。ロットバルトのアップリケなど名物(迷物?)も語り継がれていましたが、
そんな中で井脇さんスペインの背中の柔らかさや颯爽、洗練された引き締めにどれだけ救われたことか忘れもいたしません。

今回バレエスタジオも合同公演にあたり様々な年代の生徒さん達が登場。とても幼い生徒さんは街の賑わいに親子として登場したり、
子供と大人の生徒さん達それぞれの見せ場を作って溶け込ませたりと工夫も盛りだくさん。
IBCのダンサーの見せ場と上手くバランスを図りながらの演出でした。夢の場は小さなキューピットさん達も可愛く活躍です。

全体通してコンパクトにまとめつつ見応えある仕上がりで、面白い工夫と思わせた演出の1つがバルセロナの街並みから野営地への舞台転換。
当然一瞬では転換できず、しかし休憩入れず観客の集中維持のまま実行するために舞台転換の最中にキトリとバジルのアダージョを追加。
暗闇な雰囲気のため転換にもちょうど良く、キトリとバジルがいよいよ大人ムーディーな空気へとまっしぐらな濃密感も時間軸として描写するうちに
野営地へ到着そして転換終了。とてもスムーズな工夫でした。
結婚式はキトリもバジルも白地に赤や金色が入ったABT風な衣装で、爽やかな華やぎが麗しいばかり。
最後は台の上に2人が乗り、子供達にも囲まれて紙吹雪がたくさん撒かれての楽しいおめでたいお祝いで締め括られました。

カーテンコールはまず代表の井脇さんが登場して中央に立たれ、以降は順々に敬意を払いながら出演者達を呼び寄せて立ち並ぶ光景が壮観。
カラフルな衣装の雲海がよく見渡せ、色鮮やかさを目に焼きつけながらの終演となりました。
ゲスト、IBCダンサー、幅広い年代の生徒さん達それぞれが楽しく活躍できる場面を盛り込んで一体感のある公演で、予想以上に満喫。気持ちよくシビックをあとにいたしました。




文京区のキャラクターです。目がキリッとしています。



終演後はキトリやバジルと同様に酒場へ。しかしスペインから英国へ!?両国の気分で、もしキトリ達が登場したらお馴染みの手拍子を取りながら迎えつつ飲みましょう!!



各劇場での遭遇率が高く、そして英国通なお三方と。うち、お2人は先月末に新国立ロンドン公演へ出向かれ、私もお世話になりました。
事前にパブ文化の魅力については話をお聞かせいただき、さぞ私も好むであろうとは想像しておりましたが期待以上。
とにかくパブでの過ごし方が性に合い、1人でも複数人数でもとでも居心地が良いと思えた次第。
ロンドンにて1人で2度も行ってしまうほど好きになったホルボーン駅近くのシェイクスピアヘッドについても語ってしまった。
アナザースカイに出演時は紹介したいくらい。いや、放送の影響で混み合ったらどうしようか。ご安心を、出演する機会なんて巡ってきません笑笑。
8/23にちょうど千と千尋の神隠しに関連してロンドン特集が放送されていました。



辛口な溶けるチーズ入りチップスを見せてくださった。味わってみるとワイン止まらなくなります。ドンキ並みに盛り上がる酒場であった。


2025年8月24日日曜日

SHIVER紀行・名古屋編 SHIVERバレエコンサート名古屋 8月8日(金)




8月8日(金)、名古屋市にてSHIVERバレエコンサート名古屋を観て参りました。十津川警部並みの全国行脚でございます。
名古屋での鑑賞は、鑑賞前に味噌カツで胃もたれ起こした2007年BALLET NEXTドン・キホーテ、
年齢重ねる度に胃が丈夫になり味噌カツ、チキンカツに加えて滞在3日間で海老フライ7本食べた笑、2023年新国ドン・キホーテ以来です。
https://shiver.jp/shiverballetconcert2025/


福岡編が豚骨ラーメン以上に濃厚こってり文字数になってしまったため、名古屋編は味噌カツなボリューム感にならぬよう、きしめんの如きあっさり感を目指します)

出演は小池ミモザさん(モナコ公国モンテカルロ・バレエ団/プリンシパル)、加瀬栞さん(イングリッシュ・ナショナル・バレエ/リードプリンシパル)、
木村優里さん(新国立劇場バレエ団/プリンシパル)、 水友香里さん(ブルガリア国立スタラザゴラ歌劇場)、 森岡恋さん(谷桃子バレエ団/ソリスト)、
渡邊峻郁さん(新国立劇場バレエ団/プリンシパル)、ロレンツォ・トロセッロさん(イングリッシュ・ナショナル・バレエ/ファーストソリスト)、
二山治雄さん(東京バレエ団/ソリスト)です。

18時からはまず、YBCバレエコンクール名古屋にて上位入賞されたジュニアの方々のエキシビション。
近年は三大バレエのヒロインや海賊が少ない傾向なのか私に馴染みがないだけで
コンクール界隈では有名なのであろう曲も多種あり。これまた学びとなりました。

第1部はThe Class。芸術監督の遠藤さんによる名前と所属の読み上げでダンサー達がご登場。音楽構成や振付は福岡と同じですが出演者が少し変わりましたのでとても新鮮で
7人で行いますから全員が目立ち、順番がすぐ回ってくる光景も観ている分には楽しく観察。女性ダンサー達は髪飾りやヘアスタイルも第2部のガラ作品用に整え、
男性は二山さんはアクティオンヘアバンドを装着なさっていました。
名物!?遠藤さんによる司会進行解説はその場に応じて変わってきますから、仮に47都道府県全てで同じ構成で開催したとしても飽きずに鑑賞できそうです。
何処かの箇所だったか、二山さんが思わず少しつっかえてしまい、「間違えちゃった」と口になさると、
プロのダンサーも人間ですから、うっかり間違えてしまうことも勿論ありますと遠藤さんが優しく解説。

遠藤さんの小話も益々好調で笑、バレエのパの1つであるフォンデュの説明時、チーズフォンデュのフォンデュで溶かす溶けるという意味であるが、
チーズフォンデュって英語とフランス混ざっている、フランス語でチーズはフロマージュですので覚えてくださいと豆知識を。
言われてみればそうです、英仏混合メニュー名が定着しており、フロマージュフォンデュなんてどこの店のメニューにも記載は無いかと思います。
遠藤さんのユーモア発言に対してその都度出演者も楽しい反応を見せていましたが、
福岡と同様にタンクトップのムキムキ姿でやる気満々に燃えていそうな渡邊さんが
特に顔が一気にクシャッと笑みが零れて眉毛がハの字に垂れ下がって笑、その度に癒された私でございます。
男性3名で踊るジャンプは迫力満点で、二山さんの柔軟性に富んだ跳躍に端正なトロセッロさん、形は美しくも内側からも熱く飛翔する渡邊さん、と個性も様々。

プロですから個々の調子に合わせてダンサーによっては場合によっては参加を控える箇所もあり、
ただ少人数ですので遠藤さんにはすぐ分かり、あれ??人数足りないかな??と問いかける場面も笑。小池さんのみ終盤のジャンプはなさらず待機なさっていたの した。
それは福岡でも同様でしたが名古屋で違っていたのは、遠藤さんが人数の件や誰かやっていない人いるかなあ?と問いかけていると
やってない!!と正直に声をあげていた子供の観客がいたこと。勇気ある発言には出演者も笑みを見せて讃えて会場の空気も更に解れ、一番驚いていらした小池さんも
びっくりなさりつつもよく見ている証である反応が返ってきてなんだか嬉しそうな表情。
そして遠藤さんは正直な発言をまずは褒めつつ、プロだから身体の調子に合わせてやらないときもある旨を丁寧に説明なさっていました。
観客も一体になっての公開レッスンだからこその面白さに触れた思いでおります。

休憩挟んでお次はガラのプログラム。森岡さんのアルレキナーダは頬が緩んでしまう愛らしさに蕩け、
しかもどこを切り取っての軸がピタリと定まっていて難しいバランスを行っていると思わせず。
よくよく耳を澄ませると結構悲しい雰囲気の曲ですが(恐らくは映画ミッドナイトスワンの影響もあろう)愛くるしい魅力全開で魅せてくださいました。
水さんのエスメラルダはポーズを取った瞬時にパワー漲る世界へと引き込むオーラやパリッとした部分からのソフトな流れも緩急付けての見せ方にも拍手。
加瀬さんとトロセッロさんのシンデレラは鎌倉に引き続いて2度目。一層スムーズな流れが描き出されて、変形なリフトや
突如振り下ろされる脚線の振付も音楽と調和し、シンプルな衣装であってもじっと見つめてしまうパ・ド・ドゥでした。
小池さんはマイヨー振付のCore Meu。あとのシヴァトークにて、漁へ出る漁師の夫との別れと描いた作品との説明があり
深いブルーを帯びた衣装や海と心を寄せ合うような寂しげな仕草といい、すっと見入る作品でした。
二山さんは逞しい美しさよりも柔らかで何処までも伸びるようなテクニックが光るアクティオン。

木村さんと渡邊さんは福岡に続きジゼル2幕より。まず今回は衣装トラブルもなく一安心笑で(渡邊さんのことです。心配しました笑)
木村さんの儚くもまだあたたかみが残る精霊としてアルブレヒトを助けたい思いで優しく語りかけてくる踊りが目に残りました。
福岡でのシヴァトーク時に渡邊さんが仰っていた、全幕を観ているような気持ちにさせるポイントは何処にあるのだろうかとより注視しておりましたが
周りを歩いたりする細かな部分まで、ウィリー達の列に沿って歩くように戸惑う視線や角度を見せたり
ミルタに追い詰められていく様子も含めてくっきり描画なさる積み重ねがあってこそでしょう。
例え無背景無装置であっても、森の木々や墓地、蝋燭、ウイリー達の隊列が目に見えてくるのです。
ヴァリエーション時の回転の引き伸ばしもぐっと強まっていて、ただ強めるのではなく苦しみ藻掻く感情の延長線に見て取れる造形であったのも好印象。

さてジゼルが終了すると休憩挟まずそのまま遠藤さんが登壇。暫し講話を続けるも今回は福岡と違って早めに切り上げて再び幕開け。シヴァトーク開始です。
早めの開始のため木村さんと渡邊さん以外の方々が既に並んでいて、揃ってお好みでジゼルに関するポーズで静止。
水さんの、ひざまずいて考え込むアルブレヒトの図が凛々しく映えていました笑。
途中からは木村さんと渡邊さんも準備が整ってレッスンウェアに着替えてご登場です。

森岡さんからは福岡でも披露されたポワントケンケン(ジゼルやドルシネアのソロでの見せ場の1つ)を再び踊ってくださり、脚の保ち方など説明。
そのとき二山さんがマイクを持って森岡さんの説明サポートをなさっていましたが、披露時はケンケンの音声を拾うために
脚元にマイクを近づけて付いていく手段で一同大笑い。しかし二山さんは一生懸命です笑。
二山さんの不思議っぷり個性は続き、小池さんのアシストを受けてアクティオンの回転がさっき上手く嵌まらなかったからと再チャレンジ。
何と3回もやりまして汗、遠藤さん小池さんがしっかり仕切りつつ、出演者達で歌いながら、観客には手拍子で音頭を取ってもらいながら3回チャレンジでございました。
出演者達が歌う様子が、マイクが2本しかないため皆で身を寄せ合いながら共用していたためか紅白歌合戦でのフィナーレにて皆で蛍の光を歌う光景を想起させていました笑。

福岡でも観客反応がどよめいた古典とコンテポラリーのパ・ド・ドゥ比較実演説明では、福岡と同じく男性側によるずらしときっかけの極意を渡邊さんが説明しつつ
再び披露された木村さんと渡邊さんのジゼル、 野心的なオーロラ姫のリードを木村さんが説明してややこしく絡むようなパートナーリングを披露されたリトルブライアローズ、
そして名古屋ではネオクラシック作品の例として加瀬さん、トロセッロさんによるシンデレラも加わりました。
遠藤さんの説明と、加瀬さんの解説でウィールドン振付特有のスライディングや大胆なリフトを通常よりもゆったりめのテンポでわかりやすく実演。
音楽無しのため床を擦っていくシューズの音もよく響き、ゆったりテンポですからトロセッロさんのサポート負担もかなりかかっていたかと思われますが
そう思わせぬどころか実演説明を通して観客が喜ぶ様子に優しい笑みを見せて反応していらっしゃいました。
小池さんからはマイヨー作品の特徴の説明があり、基本正面をあまり向かず、常に人物同士会話をしているような、映画を観ているような気持ちになる振付と解説。
ガラ作品を思い出しても、ソロではあっても夫を想いながら心寄せる踊りや仕草がちりばめられていましたから納得。今後マイヨー作品観る上で注目したいポイントです。

最後、観客からの質問としてあがった、舞台に上がる直前に舞台袖ではどんなこと を考えているか過ごしているか。
1人1人順番に聞きましょうと遠藤さん。加瀬さんは感謝を胸に新たにする、トロセッロさんは舞台が終わるのを楽しみにする笑、二山さんはクリスチャンでいらっしゃるためお祈り、
水さん森岡さん木村さんは余 計なことを考えずリラックス、だったか。小池さんは観客との会話を堪能、楽しもうと考える。
「1人」を除いては皆さんら朗らかに笑いも含めたりしながら回答なさっていました。
渡邊さんは「気合を入れています!!!」と公開レッスンやトークで時折見せていたふにゃっとしたハの字眉と垂れ目な笑みは消え去って
出演者中で唯一目眉が逆ハの字と化して時代劇の決めどころ風な表情でのご回答でした。舞台袖待機時から熱そうです笑笑。
フィナーレは福岡と同様ジャンケンでの勝利者から踊り始める皆で踊ろうダイアナとアクティオンのコーダ。 これまた渡邊さんが勝利してトップバッターを務められ、
水さんはブンブンとパワフルに回転したり木村さんが男前なマネージュもなさっていたかと、ジゼル髪型のまま笑。
小池さんが渡邊さんに、二山さんが叫び声あげつつも遠藤さんにリフトされてピルエットサポートまでしてもらい
ガラの中でダイアナとアクティオン両役割務めたダンサーって初めてでは笑。そんなこんな賑やかに終演です。

駆け足で綴ってしまいましたが、記憶違いな箇所ありましら失礼。きっとどなたか 詳細を綴っていらっしゃる方がいるでしょうから探してみてください笑。
初めて鑑賞のシリーズ公演にて横浜バレエフェスティバルに加えてSHIVERも2回鑑賞。鎌倉公演、福岡公演、途中東京に戻ってから名古屋公演と行脚。
西村京太郎トラベルミステリーの十津川警部並みな短期間全国移動を行い、大満喫。とりわけSHIVERの少数精鋭出演者だからこその公開レッスンやシヴァトークはまさかの楽しさそして学びも凝縮でございました。
来年も、横浜バレエフェスティバルならば日程合えば出演者問わず、SHIVERは出演者によっては!?、
舞台袖で気合入れて舞台温度上昇に大貢献なさってい熱くなっていそうなお方が出演ならば笑、観に伺いたいと思っております。
暑さを情熱で吹き飛ばす鎌倉・福岡・名古屋フェスSHIVERバレエルート2025、これにておしまいです。




東京駅出発!この日からは夏休み繁忙期とのことでのぞみは全席指定と当日に知り、昼休みに確認したところ残席はまだ余裕がありそうでホッ。
前日、つまりは福岡から8/7午前中に帰ってきてそのまま午後は出勤したのですが昼頃にある沿線で倒木事故が発生し、
夕方にかけて運休範囲が拡大し当方も帰宅に影響があって名古屋準備意識が全部飛んでしまいました汗。それにしても夕方になってもホームは暑し。



16:00の列車に無事乗車。勿論しらかわんも同行です。
7月最終日に乗車した乗り物と似ているなあと思ったかもしれません。同じ東海道新幹線!同僚がくれた沖縄土産で楽しいおやつ時間。



名古屋駅到着!



鳥羽水族館の看板!メイちゃんキラちゃん、こんにちは。
会場最寄駅金山まではJRなら乗り場もすぐ。どうにか18時少し前に到着しそうです。



ロビーではバレエグッズ多数販売。



無事鑑賞。こちらの会場、ホール名変更前の2007年9月に大きいホールにてBALLET NEXTドン・キホーテ全幕を鑑賞した会場でした。
当時は中京大学の名称が入っていたかと思います。振付は市川透さん、主演は山田繭紀さん山本隆之さん。
森の女王に当時まだ高校生くらいであっただろう現新国立バレエの原田舞子さんが抜擢されていました。



帰りはお楽しみの再訪酒場、ふみ屋。栄駅すぐそば、ドン・キホーテの裏側です。
2023年新国立ドン・キホーテ名古屋公演鑑賞前日に訪れるもその日のお昼遅め時間に巨大なシャチホコ丼(海老フライをシャチホコに模して2本立っているボリューム丼。
味噌カツ、チキンカツも入った揚げ物トリプルビルで美味しく完食)を味わってお腹がなかなか空かず
しかし夜ご飯無しは寂しく、何より店名が心惹かれずにいられませんでしたので軽く一杯利用いたしました。
今回はたっぷり空かせた状態ですので、名古屋グルメしっかり堪能する気満々!



ビールとお通し。このお通しの手作り豆腐は是非味わって欲しいもので、モッツアレラチーズのような不思議な食感。
とにかく味濃いめの料理が多い名古屋ですので嬉しいさっぱりお通しです。お醤油等つけずにまずはいただきます。



来ました、海老フライ!!
2本、立体感あるアートな盛り合わせです。タルタルソ ースもいっぱい付けます。さっくさくでああ美味しい。



続けて手先!カラッと唐揚げにしていて、いわゆる甘辛いタレ三昧なものとは一味違います。
パリッとした香ばしい食感や濃すぎない味付けも丸です。ああ、大好きなダンサーを名古屋で観た後に食べる海老フライと手羽先の美味しさは格別。
この2日前には福岡で拝見して、その後のとんこつラーメンも沁み入る美味しさてございました。



手羽先拡大。カリッとした揚げ上がり、伝わりますでしょうか。
しかし店名が目に留まる度に、この日金山の会場でアルブレヒトを踊られたお方が「気合い」十二分に鉢巻を締めて、
真剣な眼差しで額に汗光らせながら熱い魂込めて手羽先作りに勤しむお姿が目に浮かんでしまい。
似合いそうですよね笑。



中部ミライタワーも熱い。しらかわん、地元のヒーローの熱い魂に誇りを感じているようです。
この辺りの広場はゆったり雰囲気で夜風も気持ち良く、エヴァンゲリオン歌いながら歩き回ってしまった笑。



宿はこちら。カプセルですが、大変サービス充実なお宿です。
恐らくは値段から考えても、これまでの旅鑑賞で最もサービスてんこ盛りなお宿かもしれません。
曜日や季節にもよりますが今回1泊4000円程度で宿泊でき、女性フロアも完備でセキュリティ万全、サービス充実で5杯まで無料のアルコールバー(5杯も飲めば十分だ)、
23:00までならラーメン1杯サービス、大浴場、サウナ、岩盤浴完備、朝食無料、立派な部屋着、タオルも自由に使用可、と値段不相応なくらいにサービス多彩。
日本が頑張りすぎているのかロンドンが高すぎるのか、福岡に続き色々考えさせられた宿泊でございましたました。

今回挑戦してみたかったのがサウナ。別料金ではなく大浴場に込みでした。また元々苦手で何年か前に大浴場横の部屋サウナに入ってみたものの数秒で退室笑。
しかーし、ここ最近新国男性陣のインタビューでしばしばサウナが話題になっていた旨が気になり、せっかくの機会。
浴室にサウナ体験方法も掲示されていたため大浴場と合わせて入ってみました。
結果、ととのいました!には至れず笑笑
熱い暑いだけでなく、浴槽に浸かっているときは気にならぬ、自身が布一枚たりとも一切身に着けていない状態がサウナ室にて腰掛けていると視界に入って気になってしまい汗汗。
テレビがついていたものの、シヴァトーーーク!には及ばすとも面白い対談番組でしたが集中できず。
もしNHK映像の世紀ならばテーマ曲流れたらもう画面から離れられなくなるため1時間じっと視聴するでしょうが(それは危険か)負けず嫌いな性格とは程遠いため、5分で退散です。
サウナ好き発言されている方々はいかにして満喫なさっているのでしょう。掲示通りその後は水風呂にも浸かってみたが、ジゼルではないのに心臓に負担がきそうでああ。
まあ、私のように日頃運動習慣皆無に近い人間には刺激強すぎる整え方法なのでしょう。
5秒で退散です笑。アルコールバー利用に備え、体調崩しても困りますのでほどほどに体験終了。
しかし体験できたのは良かった、そして今回は偶々1人きり利用でしたが例えば大人の男性が複数、
しかも日頃から力強い肉体鍛錬をなさっている方々が入室したお部屋はそれだけでも室温上昇しそうな予感。ましてやパッション溢れるお方ならば笑。
それはそうと、栄駅のドン・キホーテ近くにある、立地も良きお宿です。名古屋へお出かけの折には是非ととのっていらしてくださいませ。



それにしても、鎌倉での横浜バレエフェス、福岡、名古屋と私も移動して駆けて参りました。
初めて鑑賞する公演で勇んで無料メール会員にもなったため全公演同じような席を購入してしまったが、
まさかSHIVERでは公開センターせず。結果として舞台近く席で良かった。シヴァトーーク!!まであるとは予想もせず。



2杯目は、センターレッスンで日本でのウイスキー作りの歴史を描いたマッサンの主題歌が使用曲にありましたからウイスキーをロックでいただきましょう。



ロンドンの文字には今も胸躍ります。



宿近くにて。宿に向かってドン・キホーテ前を通り過ぎていきますが、夜間はキャッチセールスが多く、男性の方はお誘いの声かけがたくさん飛んでくると思います。
私は女性のためか何も声かけられず、シャキシャキ目的地へ。



おはようございます。名古屋の鑑賞とセットにするのは、ジブリパーク! 3回目の訪問です。
写真が大量のためほぼ割愛していきますが、魔女の宅急便に登場するパン屋さんグーチョキパンにてお土産購入ができました。
前回2024年に行ったときにはモナリザが日本で公開されたときの国立西洋美術館前の行列並みの混雑で断念。しかし今回は待機列も殆どなく、すんなり入店。
店名を眺めていると、実はジャンケンがお強いと分かったアルブレヒトを思い出してしまいます。



詰め合わせが3種類の販売でアンバターセットを購入。やはり映画で登場したようなイギリスパンを買ってみたかったのです。
そういえば、ロンドン行ってもイギリスパンは食べなかったかも。
アンバターの瓶とメロンパンも入っていて、結構な重量です。



ハウルの動く城のテーマ曲にのって動くメリーゴーランド。
お馬さんではなく、ジブリ作品のキャラクターや乗り物で揃えています。
アトラクションはラピュタのフラップタターと合わせて2つありますが、千葉県浦安市の夢の国と違ってどちらも毎回空いている気が。皆さん是非乗ってください~。



ほうき



ハウル



しらかわんも満喫!



マスタートトロの相談



そしてこちらも外せません、喫茶店コンパルの海老フライサンド!
2023年新国立ドン・キホーテ名古屋公演時に食べて好物の仲間入りに。翌年の名古屋訪問時(京都での鑑賞の前日に立ち寄った)もいただきました。
サクサクの海老フライが3本!!食欲そそるソースもたっぷり挟まれています。



その後はのんびりと栄駅近くのオアシス21周辺を散策。懐かしい、新国立ドンキ名古屋公演思い出します。
特に2日目、古めプロダクションなのに鮮烈なボリショイ息吹を与えてくださったバジル。
全幕復帰間もないキトリを支え、初役若手友人達をも引っ張ってくださった姿、
そしてちょいとヒヤリな居酒屋テーブル事件も忘れられません。



いつのまにか夜に。船形建築の上の水辺風景も涼しげです。



ナゴヤ!



次々と名古屋名物食が点灯されるときも。エビフライで締め括り。この後はミライタワーすぐそばの栄駅バス乗り場から夜行バスで帰京です。
名古屋駅発の場合、バスの種類によっては駅から更に7分程度移動して乗車する便もあり、
栄駅の場合は駅近で駅地下街入口もすぐそばで便利に感じております。
あっ、今回台湾ラーメンなどが名物の味仙に行けず。次回は参りたいと思っております。さらば名古屋、また会う日まで!!!