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4月14日(日)昼、マシュー・ボーン版『ロミオとジュリエット』を観て参りました。シネマは観ておらず、予備知識ほぼ無しで鑑賞に臨みました。21日(日)まで上演中です。
https://horipro-stage.jp/stage/mbrj2024/
ロミオ:パリス・フィッツパトリック
ジュリエット:モニーク・ジョナス
ティボルト:ダニー・ルーベンス
マキューシオ:キャメロン・フリン
バルサザー:レオナルド・マッコーキンデイル
ベンヴォーリオ:ユアン・ガレット
ロレンス牧師、モンタギュー夫人、看護師:ケイト・オリンズ
モンタギュー上院議員、看守、看護師:アラン・ヴィンセント
物語の舞台設定を中世のヴェローナから近未来の反抗的な若者の矯正施設へと変えた大胆な解釈で、
舞台装置は半円形の監獄。男女の接触がされないよう2手にわかれた部屋への入口があり、原作が好きな者としては果たして楽しめるか不安もありました。
またバレエではないが、国内での公開から明日でちょうど28年が経つレオナルド・ディカプリオとクレア・デインズ主演で現代に置き換えた映画『ロミオとジュリエット』にて
アロハシャツのロミオの受け入れがし難かった私でございます。(加えて世間の声に反してディカプリオがそこまで美男子と思えずでございました。失礼)
しかしボーン版のバレエでは音楽の入れ替え方に違和感もなく、また問題の根本部分は時代問わず変わらぬと思わせ、若者達の叫びが放つエネルギーにたちまち覆われた印象です。
例えば序盤から「騎士たちの踊り」の音楽を用いた一斉の肉体躍動が力強く物語を展開させ、
施設で抑圧された内面と有り余るパワーを解放していくさまを身体で訴えかけ、音楽の強弱や変化ともぴたりと合致。
統制が取れていた点もまた、禁止事項多数であろう施設の窮屈な規則を厳守しながらの生活まで窺えます。
ある公演日には修学旅行生たちが来て鑑賞していたそうですが、仮に初めて舞踊公演を観たとしても、内容の細かな部分までは把握できずでも
開演早々から生の身体表現が作り出す迫力の連鎖に圧倒されたであろう光景が自ずと目に浮かびました。
鉄格子の無機質な音が楽器の仲間と化していたのか閉鎖的な環境をより色濃く描写する効果を与え、加えてプロコフィエフの音楽ともよく合う響き。
ふと考えを巡らせていたところ、プロコフィエフの作品でソ連の工業化発展に光を当てた『鋼鉄の歩み』にて
カンカンと鳴り響く工場機械の音が強烈で(実際は鐘を使って演奏していると思うが)脳裏を過ぎり思い出してしまったからかもしれません。
フィッツパトリックは内気なロミオで、服を脱がされた状態でおどおどしながら壁へと寄りかかる姿がとても哀れ。
ロミオの親は議員で、しかしロミオは捨てられ面会も何だか寒々しく映り、
対して父親は選挙活動で名誉を守り保身に走る様子が上っ面な人間への風刺にも思える行動と見て取れました。
ジョナスは最初から物怖じしない勇気あるジュリエットで、看守のティボルトからの嫌がらせを果敢に跳ね除ける強さのある少女。
しかしティボルトは病に苦しむ面も持ち、歪んだ欲や不穏な心がそのまま暴挙な振る舞いに繋がっているのかもしれないと思うと、孤独で哀れな身にも思える設定です。
中盤、ダンスパーティーは唯一男女の接触が許される場として開かれ、そこでロミオとジュリエットは出会うわけですが
ミラーボールを用いて客席も照らし、舞台上では仲間達にリフトされた2人が向かい合い浮遊するように互いを知る振付や
ティボルトの監視から逃れるようにして対面する箇所も音楽の流れによく乗った演出。
ハイライトでもあろうその後のパ・ド・ドゥでは音楽に身を委ねるようにして繰り広げられるうねりを効かせた振付で、高揚感も十二分。
2幕での集団生活を覗き見るように並べられたベッドを使った群舞も音楽を生かした振付で、
瞬時に上に乗っかったかと思えばすぐさま下に潜って入れ替わりを見せたりと訓練された身体能力や反射神経が不可欠な後半の幕開けでした。
まだ公演期間中ですので終盤の詳細は控えますが、正直観ていて胸が痛くなる場面はあってもはち切れんばかりに迸る若者達のエネルギーが説得力をもたらす展開です。
日曜日昼公演でも空席が非常に多かった点が惜しく、ロミジュリの何かしらの要素がお好きな方は是非シアターオーブへ足をお運びください。
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キャスト表
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開演前、2階席近くの広々としたホワイエ。開放感があり過ぎるのがかえって寂しいが。(つまり空席が多かった)
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東京オペラシティが見えます。
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陽光差し込む空間
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パーティーでの出会い
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カーテンコールは撮影タイムありでした!
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帰り、ヒカリエのアジアン料理店へ。赤星が鮮やかなビールです。
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携帯電話会社のクーポン利用でのお得なセット。ボリュームございます。トムヤムフォーの辛さが爽快でした。
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