

8月3日(日)、鎌倉芸術館にて横浜バレエフェスティバル2025を観て参りました。今年は神奈川県民ホールが閉館してしまったため、鎌倉での開催です。
芸術監督を遠藤康行さんが務められ、もう何度も開催されている伝統ガラながら横浜バレエフェスティバル自体は初鑑賞。
毎回アステラスか何かと重なっていて行けず、今回はキャストの面においても楽しみに参りました。
https://shiver.jp/yokohamaballetfes2025/
第1部は冒頭はガラの出演者達全員が代わる代わる登場しては見せ場の一部を披露。
薄明かりの中で踊られていた為、本舞台の第2部、第3部への期待感を膨らませる効果大です。
そのあとだったか(順番や記憶自信なく失礼)、コンクール上位入賞者や有望な若手で組まれたジュンヌ・バレエの皆様が登場。
ヴァリエーション数本と『眠れる森の美女』パ・ド・シスが披露され、特に眠りは癖なく素直な踊りを皆さんなさっていて、今後が楽しみな方々ばかりでした。
第2部第3部はプロによるガラ・コンサート。トップバッターは元アクラム・カーン・カンパニーの高瀬譜希子さん「Last and First Man」より抜粋。
手に長い筒状な手袋を嵌めていらして随分と不思議な印象が前面に出た作品でしたが解説によれば英国の哲学者で作家のステーブルトンによるSF小説が原作とのこと。
壮大な大地を思わす映像を用いたりと演出も工夫され、また小柄ながらそれらに負けぬ身体能力で魅せて行く高瀬さんのセンスにも見入りました。
「サタネラ」のヴァリエーションは7月の新国立劇場バレエ・アステラス2025で
同作品のグラン・パ・ド・ドゥを踊られたドレスデン国立歌劇場ゼンパー・オーパー・バレエの中島耀さん。
顔立ちも衣装も踊りも麗しさ一杯で、コンクールど定番のヴァリエーションをそれはそれは悪戯っぽい表情や華やぎを添えて披露してくださいました。
クリストファー・ウィールドン振付『シンデレラ』よりパ・ド・ドゥはイングリッシュ・ナショナル・バレエの加瀬栞さんとロレンツオ・ロセッロさん。
流れ行くようなパートナーリングでスライディングや大なリフトも万全。
しかも音楽と優雅に溶け合うような踊りで満たし、決して華やかな衣装ではなくても2人の呼吸の合い方に満足度大です。
「リトルブライアーローズ』よりパ・ド・ドゥは新国立劇場バレエ団の木村優里さん渡邊峻郁さん。2021年に日本バレエ協会公演にて全1幕版を初演。
以後他のダンサーも踊ってはいらっしゃいますが木村さん渡邊さんは今回2021年以来久々のお披露目です。
音楽は前半は2幕オーロラ姫の曲、後半はローズ・アダージョの曲使用の構成でとりわけ後半の完成度の高いこと。
デジレ王子がゴロゴロと床を寝そべり回転しながら登場し久々に観ると何と複雑なパートナーリングの宝庫でしょう。
しかも抜粋で久々上演で、先月まではロンドンでジゼル主演、つい前日までは国際バレエアカデミアのシェヘラザードに2日間出演なさった直後であっても
瞬時にオーロラと王子が織りなす不思議な世界へといざなってくださいました。
しかも疾走感も抜群、よほどの信頼感や盤石な技術が備わっていないと不可能な振付満載でしょうにどうやったらあんなに完成度高い舞台に仕上げられるのか、頭が下がり続けました。
ローズアダージョの曲は本来大人数の貴族や国王夫妻、4人の王子、オーロラの友人達や宮殿美術装置に囲まれてオーロラが踊る世にも華々しいバレエ場面でありながら
たった2人で、しかも初見者には摩訶不思議な衣装であっても笑、壮大な音楽に負けぬどころか超越するほどに世界観を踊りで表現していく技量にあっぱれです!
快活なオーロラがメキメキと王子に恋してリードし、王子はそんなじっとしていられないオーロラをガッチリ受け止めて一段と2人の情感が沸き上がる光景の迫力よ。
衣装はオーロラ姫はテカテカのかぼちゃパンツなスカート、デジレ王子はいつの時代のアイドルコンサートかと見紛う上下銀色スーツで、
髪型こそ2021年と違って木村さんはウィッグは付けず三つ編み1本、渡邊さんは髪を銀狼怪奇ファイル(お若い世代の方はご自身でお調べください)状態にせず
お2人とも黒髪のままではあったものの、衣装が奇抜この上ない笑。
渡邊さん、前日前々日はシェヘラザードでキンキラキン、この日はリトルブライアーローズでギンギラギンでございます。
全1幕版は男性が踊るカラボスやセーラームーン並みに正義の味方な強い妖精達も登場し、筒状の装置が降下したりと
謎めいた沈黙や振付も散りばめられていた記憶はあれど、是非このお2人での再演を待ち望んでおります
プレルジョカージュ振付の『ロミオとジュリエット』は津川友利江さん(元バレエ・プレルジョカージュ)とローラン・ル・ガルさん組(バレエ・プレルジョカージュ)。
解説によればジュリエットは上身分、ロミオは支配される身分の設定らしい。ロミオの格好がみすぼらしいのはホームレスだからとのこと。
衣装にはまずギョッとしてしまいましたが、踊り出すと歓喜と不安のジェットコースターな変化を全身でぶつかり合いながら歌い上げるお2人でした。
小池ミモザさんはソロでマイヨー振付の「Opus40」を踊られ、黄色い鮮やかな短いスカート衣装で、
切れ味良くダンスの幸福感を体現。スパッと拓いて行く空間支配力もパワフルなこと。
影山茉以さん奥村康祐さんは『眠れる森の美女』第3幕より。この日唯一の古典のグラン・パ・ド・ドゥで
儀式に臨むに相応しい威厳ある姫君と朗らかエレガントに支え踊る王子であった印象。 オーストリアの農村を舞台に繰り広げられる『騎兵隊の休息』はもしかしたら私は初見。(来週あたりにも鑑賞予定)
東京バレエ団の秋山瑛さん二山治雄さんが素早いテクニックが盛り込まれた振付を純朴さはそのままに達者に披露されました。
フィナーレはみんなで踊ろうテーマとヴァリエーションな振付で大団円。横一列に並んで手を繋ぎながらテーマ歩きで前方へ行進してくる光景は
本来のテーマ、、、とはかけ離れた衣装が大半のため、ユニーク且つ壮観で、高瀬さんは確か筒状の手袋をなさったまま、
シンデレラも村娘もギンギラギンスーツ王子も、皆さん衣装はバラバラであっても足並みは揃えて行進なさっていました!
上演時間も若手やエキシビション含めてそれぞれの部も長過ぎず、古典からコンテンポラリーまでバランス良く組まれた構成で大変面白く見応えある公演でした。

いざ鎌倉!小田急線で藤沢駅まで行き、始発で江ノ電へ。高校生以来の乗車です。 眩しい陽差しを背に走り出す街の中を想像しながらいざ乗車。

車窓から江ノ島が見えます。車内は意外と空いていると思いきや、鎌倉高校前で一気に大増加。
『不思議の国のアリス』新国立初演時にて現代ジャックのスニーカー音があまりによく響いていたがためにすぐさま脳内を巡った
湘南地域を舞台にしたバスケットボール漫画は私が想像する以上に世界規模で人気が高いと知った江ノ電車内でございます。
世界が終わるまでは、バレエ鑑賞から離れることはないであるうと、あれこれ思考が旋回です。

ロンドンと大阪以降、更に旅を愛するようになったしらかわん。鎌倉にも行きたがり、大仏さんと記念撮影。

大船駅前にて、大船海鮮食堂。

マグロ丼、いただきます!身がしっかり、食べ応えあります。暑日のためビールもいただきます。
アラ汁も量多めで癒される味わいです。ビール含めて1300円程度だったかと思います。並びますがお勧めです。

鎌倉芸術館玄関。青空が広がる1日でした。
冒頭で申し上げた通り横浜バレエフェスは今回初鑑賞ながら、派生のシリーズ公演はこのあと立て続けに2本観て参りました。
2本のうち1本は海を越えております。(ロンドンではありません)遅くならぬうちに更新投稿の予定。久々に「バリカタ」と発音した用事も合わせて紹介して参ります。