2025年7月3日木曜日

障子と長年の壁を突き破ってのオペラパレス討ち入り!!!東京バレエ団『ザ・カブキ』 6月29日(日)





6月29日(日)、新国立劇場オペラパレスにて東京バレエ団「ザ・カブキ」を観て参りました。
これまで東京バレエ団は中劇場では「ザ・カブキ」全幕、
『ボレロ』『イン・ザ・ナイト』『スプリングアンドフォール』のトリプル・ビルは上演していますが、遂にオペラパレス初見参です。
https://www.nbs.or.jp/stages/2025/kabuki/cast.html

※キャスト等はNBSホームページより

振付:モーリス・ベジャール
音楽:集敏郎
由良之助:柄本弾
直義:安村圭太塩治判官:大塚 卓
顏世御前:榊優美枝
力弥:小泉陽大高師直:鳥海 創
伴内:池本祥真
勘平:樋口祐輝
おかる:足立真里亜
現代の勘平:山下湧吾
現代のおかる:安西くるみ
石堂:宮村啓斗
薬師寺:後藤健太朗
定九郎:岡崎隼也
遊女:加藤くるみ
与市兵衛:岡崎 司
おかや:伝田陽美
お才:平木菜子
ヴァリエーション1:加古貴也
ヴァリエーション2:井福俊太郎







最初に申し上げておきますがお恥ずかしい話、鑑賞3度目であっても今ひとつあらすじ理解に至らず。
前回2024年10月公演も今回も2幕後半の討ち入り群舞を目当てに足を運んでおります。加えて今回はオペラパレス討ち入り。
ただ幕開けから終幕まで、歌舞伎の幕を用いながら場面を区切る緊迫感のある話の運びには引き込まれており、
電脳都市秋葉原を思わすテクノ系音楽や派手なネオン風色彩で彩られた幕開けは今回もインパクト大。
作品初演時の1986年のままでは今の感覚では古い時代に思えるためか、恐らく映像や人物描写は所々毎回アップデートなされているようで
新国立劇場の正面玄関の角張ったガラス製も屋根らしきもの、東京スカイツリー、スマートフォン上のLINE画面、舞台の上を電動ボードで走る人もあり。
一方で残されている映像もありそうで、営団地下鉄の表示は懐かしや。

バレエでタイムスリップが描かれての現代といえば、タイムスリップとはまた違うものの
つい先週まで同じ会場で上演されていたウィールドン版アリスもこの先30年40年と再演されていくでしょうが、
エピローグで登場する「現代のラジカセ」が今でいう蓄音機なレトロ機械としていずれはみなされるときが到来するでしょう。

今回、柄本さんの芸術選奨文部科学大臣賞受賞を記念した公演でしたが中日にはテクニックキレキレの宮川さんが同じ役でご出演。
柄本さんご本人は相当な重圧もあったでしょうが、お若い頃の勢いは抑えめにはなったものの力強さとさを自在に体現された由良之助で
タイムスリップしてどうしたら良いか路頭に迷うところからの取り憑かれたように覚悟を決めての討ち入りまで、生奥深く体現なさっていた印象です。
名物の三角隊形の討ち入り群舞の先頭に相応しい豪胆なオーラにも吸い寄せられました。四十七人(途中から24人構成?)の中にいてもすぐさま目に留まります。

榊さんの顔世御前も印象深く、歩き姿も仕草も嫋やかで静けさの中から滲む香りや物憂げで伏し目がちな眼差しにもうっとり。
全体をぐっと引き締めていたのが池本さんの伴内で、深く鋭く迫る踊り方や強弱をミリ単位で付けて見せる術もお手の物でした。
討ち入り前にも男性群舞の見せ場は多彩にあると今回ようやく気づかされ(過去2回何を観ていたんだ)、赤褌隊には仰天。
それから巻物を下手側端から滑らかに転がし、上手側端での待機者が足でぴたりと止める流れも強豪チームのサッカーのパスの如く無駄が一切なく行われていてびっくり。
その後皆で片手を床に突く光景がどうしても一世風靡セピアを思い出してしまいましたが(失礼、どの世代まで通じるでしょうか)迫力は壮観でした。
そして討ち入り。舞台後方の上手側下手側から交互に四十七土達が腰を落とした体勢で走り込んできて整列し、出来上がる三角隊形の見事なこと。

今回3階席で観たところ、『ザ・カブキ』及び東京バレエ団は文化会館の感覚でいたせいか新国立オペラパレスで観ると舞台と客席の近さに驚くばかり。
何度どころか年間50回程度は来ている新国立劇場であっても、
通常は他の会場で公演を行っている団をいざホームな劇場で観てみるといつもとは大きく異なる気分が生じて、まことに新鮮な体験でした。

何しろつい10年ほど前までは東京バレエ団による新国立劇場での公演開催なんて、太陽が西から昇り始めるくらいの天変地異がない限りあり得ぬことで
以前に理事を務めていらした佐々木忠次さんの新国立批評が強力な影響を及ぼしていました。
客席の少なさ、ハードは作ってもソフトの未熟さなど、紙媒体で定期的に刊行されていたNBSニュースのコラムは頻繁に新国立への批判な言葉がズラリと並び、
また著書でも相当な吠えっぷり。欧州からの歌劇団やバレエ団招聘の立役者であるのは紛れもない事実で、創立から数年でソ連や欧州での公演を成功した東京バレエ団の実績からすれば
長年の構想を経て設立されるも新国立という国立の名を冠するものの体制やダンサ一の雇用の面等々
言いたい不満は常時ヒマラヤ山脈状態だったのは致し方ないのかもしれません。(しかし痛烈だった汗)
中でも2003年に新国立が公演をNHKでテレビ放送したときの当時の芸術監督のインタビューについては猛批判をなさっていた記憶がございます

今回カブキ再演人気で、ただでさえ「座席が少ない」オペラパレスのZ席にあたる4階RL1列周辺は売らずの対応であったため文化会館に比較すると更に席数が減り千秋楽は完売。
文化会館ではバーミンガムロイヤルの『シンデレラ」公演中でしたが東京バレエ団側は全幕古典でない作品であってもキャンセル待ちの列ができており、
佐々木さんのご意見は間違ってはいなかったとも多少は思えますが。

しかし時代は変わり、最近では新国立ダンサーが上野の森バレエホリディ企画に登場したり、新国立ニューイヤーバレエ来場者向けに
ニューイヤーゲスト出演者が関連する来日公演のお知らせをNBSが配布したりと、徐々に壁は薄くなりつつありました。
物価高騰にホール不足問題が絡み、もう非難し合っている場合ではありません。協力体制を願います。

東京バレエ団好きな方から「討ち入りに来ました!」と挨拶され、こちらからは「ようこそ討ち入りへ!」と歓迎の回答をしたりと
思えばきわどい会話を繰り広げていたホワイエでしたが笑、元々ファン同士はいがみ合うことなく(多分)、相互理解してきた。わけです。
今後の舞台公演実施についても考えさせられた東京バレエ団オペラパレス初見参公演でした。

それから、人数多く毎回助っ人が欠かせないらしい四十七士群舞はもしかしたら助演に会場を本拠地とする新国ダンサー達が参加か、
いよいよ協力体制強化か?と微かな希望持って観ておりましたがそこは無し笑。
しかし誰よりも、ひょっとしたら東バ陣よりも⁈熱血鉢巻着物武士姿が似合う、
ベジャール作品経験ありのプリンシパルが初台におりまする。いつかチャレンジ機会あれば出陣願いたいところでございます。




オペラパレスに東京バレエ団がやってきた、討ち入りへようこそ!横断幕こそなかったが笑、新国立劇場バレエ団好きとしては大歓迎です。



大入!新国立シーズンガイドブックを販売している辺りでプログラムを販売。
プレゼント受付の横では東京バレエ団クラブアッサンブレ会員募集受付も行われていました。
新国立ファンからしても、アッサンブレは会費といい特典といい、かなりお得と感じます。非会員ですが、私も勧めたくなります。
新国立バレエの公演ではないため公演限定飲食メニューはなかったものの、新国立ホワイエ名物レギュラーデザートのシュークリームやカヌレ、
軽食のライ麦サンドイッチやハンバーガーも?販売しておりもしかしたら今回初めて召し上がった東バファンもいらっしゃるかもしれません。お口に合えば幸いです。

東京文化会館では公演限定飲食は恐らくは販売されていないため(様々な団体が使用しますから仕方ない) ザ・カブキならカブキ饅頭、カブキあんみつ、
カブキおにぎり、四十七土達が食べた説の有無は謎に包まれていますが、ちなんだメニューとして飲食店で見かける討ち入り蕎麦!
(新国立ならば大晦日くるみの定番化のおかげで蕎麦販売のノウハウあります笑)などあればより気分が上がりそう。ネタが色々浮かびます笑。



新国立バレエの上演時と同じ、額縁や設置場所に東バキャスト表。新鮮です。新国立の物品使用も嬉しい。



タイムテーブルも新国立のバレエやオペラと同じように設置され、カブキ!



任務を終えたハートのジャックはハートの女王様による斧持っての討ち入りから逃れるために笑!?
不思議の国の安全な場所へお帰りになりましたが、代わって由良之助パネルが出現!



写真つき説明。



写真付き説明。


ポワント・シューズ基金への感謝の言葉が並びます。柄本さん池本さん。



榊さん。



伝田さん。



帰りはオペラシティのお店へ。長年通っているエリアだがバレエ鑑賞帰りになかなか和食系のお店には行かぬためか初訪問です。



イワシの梅酢刺し、さっぱりと美味しい冷酒で乾杯です



つくね。タレがほどよく苦味があり、好みな絡み具合です。和食なお店ですが店内 のBGMはビートルズでした。アビーロードへの興味が強まってきます。



うずら。顔世御前が手にしていた花の枝に似ている気がいたします。 これからも新国立とNBS/東京バレエ団、仲良く協力体制で!

2025年7月1日火曜日

満天の星空が流れ包み込む御伽話 英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団『シンデレラ』6月27日(金)




順番前後いたしますが6月27日(金)、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団「シンデレラ」を観て参りました。
https://www.nbs.or.jp/stages/2025/birmingham/


※キャスト等はNBSホームページより

音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
振付:デヴィッド・ビントリー
美術:ジョン・F・マクファーレン
照明:デヴィッド・A・フィン



シンデレラ:平田桃子
王子:マチアス・ディングマン
義姉たち:淵上礼奈、アイリッシュ・スモール
シンデレラの継母:ダリア・スタンチュレスク
仙女:イザベラ・ハワード
春の精:水谷実喜
夏の精:セリーヌ・ギッテンス
秋の精:ロザーナ・イリー
冬の精:ラケレ・ピッツィロ
ダンス教師:伊藤陸久
仕立て屋:カラム・フィンドリー=ミホワイト
理髪師:ルイ・アンドレアセン
かつら屋:メイソン・キング
カエルの者:トム・タイゼルビー
トカゲの従僕:イクサン・ロルカ・フェラー、マーロ・ケンプシー=ファッグ
王子の友人たち:ガブリエル・アンダーソン、エンリケ・ベヘラノ・ヴィダル、マイルズ・ギリヴァー、ウー・シュアイルン
執事:ローリー・マッカイ
ネズミのお小姓たち:東京バレエ団付属アカデミークラス

仕立て屋のアシスタント、お星さま、貴族たち、給:英国バーミンガム・ロイヤ ル・バレ工団

指揮:ポール・マーフィー
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団








10年前の来日公演でも観ておりますが、記憶の彼方な部分も多々あり。新鮮な気分で鑑賞に臨みました。
平田さんのシンデレラはクリアで細やかなステップを丁寧に操りながら踊られ、
これ見よがしなことをせずとも自然に感情を描き出しながらの滑らかな踊り方が好印象。
ベテランの域に達しても尚美しいどころか更に磨き上げられたテクニックにも見入り、職人な踊りを堪能です。
華奢で小柄であるがゆえに最初はか弱いシンデレラに見えかけたものの、箒で応戦したり、落書きして明るく振る舞ったりとめげない心が覗き見えました。
舞踏会の登場は内側からじんわりと光り輝くようにゆっくりと慈しむように歩み、階段で王子のエスコートのもとでポーズを取りながら悠然と歩み進む姿の愛おしいこと。
最後はややシンプルな白いワンピース衣装であっても飾らぬ美しさこそ魅力たっぷりで、王子と誠実に真摯に生きていきそうなシンデレラでした。
義姉達を女性が演じているがゆえず裸足で過ごしているシンデレラを食事中のスープボウルを頭に無理矢理被せたりとややきつめで、靴も履かせてもらえず、陰湿で痛々しい要素は目立つも
平田さんシンデレラが健気に強気で応戦しているためそこまでグサリとはこなかったかもしれません。
義姉達が舞踏会へ出かけてしまい、1人取り残されたシンデレラが箒に顔をお絵かきして王子様に見立てて観客の笑いを誘い、
一緒に踊るユーモアなアイディアには、苦境にめげないしたたかさが伝わってきました。
ダンスレッスン中も出る幕もなく、1人ひっそり暖の側に座っていたほど寂しそうな悲壮感が漂っていた分、そのギャップにも驚かされた次第です。

姉の1人が非常にふくよかな体型の設定であるのは気になり、元々は過食症の設定表記があったようですが、
恐らくは人間誰しも弱さや苦しみを抱えている負の部分を取り入れた設定で、太りイコール醜いとの捉え方ではないにしても
どうしても視覚印象が強まってしまい、首を傾げてしまいました。しかしこの姉役を踊られた淵上さんが吹っ切れた爽快さで満たし
ふくよかさ強調のための詰め物を何とも感じさせずに卓越した技術で軽やかに踊っていく様子がチャーミングで、
舞踏会ではせっかくのダンス真っ最中であってもカップケーキの山を持つ給仕を見るなり突進!憎めない可愛らしさです。
いちごらしきクリームがたっぷりのった見るからにキュートなカップケーキでもこれは美味しそうとお腹が鳴りかけた管理人でございます。
英国ですとカップケーキが主流になるのでしょうか。先日の不思議の国のアリスでも何度も目にしたお菓子です。フランスならマカロンか。

ディングマンの王子は親しみやすい風貌で骨の髄まで気品が染み渡っているタイプではなかったものの、確実なサポート、心寄せる優しさは良き要素。
ただ王子だけでなく王子の友人も含めて立ち姿が今ひとつな方が見受け、肩が丸まりかけている人もいたかと記憶しておりますが
初台でシンデレラを観ている回数が多いこと、また今年1月にはKバレエにおいても王子友人達もよく訓練された熊川版を鑑賞しており
見方が厳し目になってしまいました。殊にお伽話の理想の結晶として描かれる『シンデレラ』の王子様には
背筋首筋がスッと伸びた、教会の尖塔の如き美しい立ち姿、佇まい必須と求めてしまい
仮に財務処理に追われている帳簿とお友達な実務真っ盛りな王子様であったとしても、少なくとも舞踏会やシンデレラの前では美しい気品の維持を望んでしまいます 笑。

装置美術の魅力も大きく、灰色の壁の無機質な家が動き出して仙女が出現し、満天の星空がシンデレラを包み込むように導く美術は壮観。
四季の精やお星さま達だけでなく夜空までもが丸ごとシンデレラの味方となって舞踏会の大広間にも流れ込んで包み込む壮大な空間が広がっていました。
衣装もユニークなセンスで四季の精のヴィヴィッドでスタイリッシュな色合い、舞踏会客人達の紺系で統一されたシックに煌めく夜会衣装な色彩、
お星さま達のキラキラゴージャスなチュチュも目に残り、お星さま達が8の字を描いて行く振付や
舞台を覆う大きな時計とシンデレラの関係性も吸い込まれそうな演出です。12時の鐘が鳴るとシンデレラが大時計の中へと飛び込んでいく流れも迫力満点。

舞踏会へ行くシンデレラのお支度を手伝うカエルさんやトカゲさん、ネズミのお小姓さん達がお洒落な着ぐるみでぴょんぴょん跳びはねたり
カエルさんは秋の精のソロにて腰掛けて眺めていたところパッションに圧倒されてひっくりカエル状態も(失礼)。
カエルさん、トカゲさん、ネズミのお小姓さんも、四季達の贈り物儀式にも参加する、王室から派遣されたにふさわしい品をる立派な動物仲間達です。
通常はトンボの踊りとされる軽快な音楽にのって踊る場面があり、飛び跳ねつつもあくまで抑制の効いた折り目正しさで魅了。お辞儀も丁寧でございました。

仙女と継母は役柄こそ異なれど2人とも締まった美があり、仙女は白、継母は黒い口ングドレスを纏っていて
ライト版「眠れる森の美女』のリラとカラボスな並びを彷彿。そういえばリラと仙女はどちらもジュディ・オング系の白ドレスで、
今回バーミンガムの眠りは観ておらずですが(2011年、2018年は鑑賞)決してたくさん踊る場がなくても
マイムや仕草、歩き姿それぞれに観る者は魅せられていくのでしょう。ハワードの謎めいた包容力ある魔法、たいそう吸い込まれました。


カルロス・アコスタ芸術監督の挨拶文を読むと古典だけでなくコンテンポラリーも力を注ぎ、底上げを図っていると見受けられ
嘗ての絵本をじっくりと捲るようなゆかしさよりも、よりモダンな雰囲気が強まっていると思えましたが、監督の指針や時代の流れ双方の結果なのでしょう。
今のバーミンガムロイヤルを、そしてビントレー版「シンデレラ」のリアリティと夢世界のめくるめく展開を
10年ぶりに目にでき楽しみつつも考えさせられたBRB来日公演でした。
王子役ゲストとして来日予定でいらしたブレイスウェルさん、どうかお大事に!







馬車拡大!精巧繊細な作りです。



主役変更のお知らせ。眠り(コジョカル)もシンデレラ(ブレイスウェル)も、両演目でゲスト降板でした。



帰りは駅前のパブへ。



ギネス認定!ギネスと言えば大晦日の紅白けん玉、今年もまた開催するのだろか。



ギネスビールで乾杯です。





東京で夜にいただくイングリッシュブレックファスト。ややこしい笑。メニューにも説明があった通りお酒に合うものばかり。
夜にも適したメニューで味濃いめです。ベーコンは元々苦手な食材ですがカリッとした焼き上がりなら好きで、嬉しい焼き加減です。
本場はこの他にブラックプディングやきのこのソテー、パンは食パンにジャムボターたっぷりなのでしょう。朝なら紅茶も一緒に、ですね。

2025年6月30日月曜日

80分間カルメン全幕 バレエミュージカル「カルメン』6月26日(木)




6月26日(木)、バレエミュージカル「カルメン』を観て参りました。
https://balletartsjapan.com/

https://www.dancersweb.net/%E8%A4%87%E8%A3%BD-top-interview-2


構成演出振付:上島雪夫
音楽:笠松泰洋
振付助手:稲葉由佳利
歌唱指導:蛭牟田実里

カルメン:寺田翠
ホセ:菊地研
エスカミーリョ:秋元康臣
スニガ・トレアドール:吉留諒
ミカエラ:吉田早織

現代の恋人・オンブレ:東山光明(歌手)
現代の恋人・ムヘール:noyori(歌手)
街の女・ジプシー:佐藤彩未 テッラコーネ沙夜 長谷川未紗 中村優希


寺田さんのカルメンは研ぎ澄まされたラインが引き立つ艶かしいヒロインで
ウクライナやロシア圏の地域の大きなバレエ団にて長らく主役を張ってこられたキャリアを思わすオーラと身体能力、揺るぎない技術のすぐさま虜となりました
少し顔を上げての視線の向け方や余韻を残しながらすっと香りを放つ色っぽさといい、同性でも沼に落ちてしまいそうな危うさを宿すヒロインです。
寺田さんはこれまで3度舞台を拝見しておりますが2013年と2017年の新国立劇場バレエアステラスでのダイアナとアクティオン、
2016年大阪でのMRBスーパーガラのパリの炎、と全てガラで、しかもどれも超絶技巧お披露目路線パ・ド・ドゥの鑑賞。
幕物作品での主演が今ひとつ思い浮かびづらかったのは正直なところでした。
ところが、序盤にてシルエットが見えた瞬間から身体での語りかけに魅せられ、踊り出すとこれ見よがしなことをせずとも脚線や肩の使い方にも見入り、
色っぽさはありつつも磨き抜かれた職人気質な踊りに圧倒されっぱなしに。これはホセもエスカミーリョも心持っていかれるのも頷けました。
プロフィールを拝見するとモスクワ国際バレエコンクール入賞やノヴォシビルスクオペラ劇場の経歴しか書かれておらず、文字数制限等あったのかもしれませんが
実際にはタタールスタン歌劇場バレエやウクライナのオデッサ歌劇場でも主役級で活躍されてきた豊富なご経歴も掲載していただきたかったとも思っております。

菊地さんは見るからに優しそうなホセで、任務中は上官から何度も優しさに漬け込まれていそうな真面目青年。薄いブルーの軍服も雰囲気後押しです。
カルメンの誘惑に負け、純朴勤勉さがみるみると剥がれ落ちていくさまをおどろおどろしく体現され
カルメンに恋い焦がれて酔いしれて、遂には刃物を手に取るほどに凶暴化していく変わり様も内側から沸き上がるような熱を帯びて斬り込んでいらした印象です。
菊地さんの舞台は直近ではバレエ教室の記念発表会全幕『ドン・キホーテ』でのタイトルロールで
それはそれは上品で優しげな風を吹き込んで場を引き締めてくださいましたが、今回のような幕物の踊る主要役もまだまだ観たいと思わすホセでした。

エスカミーリョの秋元さんは出番少ないのが惜しく、されど短時間にぎゅっと詰め込まれた場にて花形闘牛士な空気を流していらして、
エルビス・プレスリーも仰天しそうな地にキンキラキン衣装もしっかり着こなしていたのも丸。
スニガとトレアドールで変幻自在な活躍を見せていたのは吉留さん。冷酷そうな鋭い上官スニガと、エスカミーリョを支える一歩引いた感のあるトレアドール、
一見別の人が出てきたかと思うほど、衣装だけでなく表情も見せ方も大きく変えてくる即座対応でこなす腕前でございました。

ただ清楚で一途な部分にとどまらない描き方でハッとはせられたのは吉田さんのミカエラ。
可愛らしいブルーの村娘風ワンピースな衣装でそれはそれは恋するピュアな愛くるしい娘である一方、罪に手を染めたホセを変わらず信じて励ます強さが光りました。
目を見張ったのはホセがカルメン刺殺後のシーンで、ホセだけでなく彼に関わってきた人々が
続々と心理崩壊していく展開をミカエラによるリードで描写。罪を犯したホセ本人のみならず
周囲をも悲痛の奥底へと突き落とす行動をホセが取ってしまったかを重たい余韻を引き摺りながら描き出す、印象深いひと幕でした。

今回80分間休憩なし1幕全幕仕立てでしかも少人数構成。ぶつ切りな面も出てくるかと思いきや
街の女やジプシーのダンサー達が役を変えながら間をスムーズに繋げて場面転換を後押しし、先述の通り吉留さんの即時対応活躍も大きな貢献であったでしょう。

それから最大の関門、歌との融合。本来言葉を使わずして伝えるバレエの中でどう描いて行くのか当初は心配でしたが笑、始まってしまえばしっくりとした仕上がり で
東山さんとnoyoriさんの穏やかな語り口で物語のドアが開いて19世紀のセビリアへ。
歌も多過ぎず、お2人とも出しゃばらずあくまでダンサーを引き立て一緒に呼吸するような歌唱で好印象でした。
「カルメン」の曲が余りに有名で、またあらゆる振付家によってバレエ化もされており
オペラは2年に1回観るか観ないかの頻度の私でさえほぼ全曲把握しているくらいですから
所々ロックな編曲や日本語歌詞での披露に全く違和感を覚えなかったわけではありませんが、よく纏まっていたと思います。
そうでした、2年前に歌やミュージカル、朗読とバレエの共同公演にて上演された別団体主催のラフマニノフの生涯を描いた作品にて
帝政から共産主義に変わる頃のロシア、ソ連の歴史内容も取り入れたりと台本はきちんと書かれていて学び多き面日さであったものの
劇中でラフマニノフとチャイコフスキーが坂本丸さんの名曲を熱唱する時空超過にもほどがある場面を目にしてからは
どんな構成でも受け止め可能になりました汗。今回の「カルメン」にはラフマニノフのときほどの腰抜かす衝撃場面はありませんでしたので、一安心。

最後は上島さん、そしてミュージカル風に一部の出演者によるご挨拶もあり。(ミュージカルは毎回そういう挨拶習慣があるのでしょうか)
バレエダンサーも例外ではなく笑、皆さん普段なかなか生の声を聞くことないですよ~と観客に対して上島さんが声かけなさっていたほどで
NHKの工作番組『できるかな』における、無言を貫いてきたノッポさんが最終回になって初めて声を出したときのような珍しさでしょう。
寺田さんと菊地さんが代表して挨拶され、特に菊地さんが、言葉無き芸術を日々追求し続けている身からすると当初は抱かずにはいられなかった歌との融合への不安は
バレエダンサーならば、またバレエ愛好者なら誰もが思うであろうことを誠実に代弁してくださり
しかし、リハーサルが始まってみると歌の感情にも乗せられてよりも入り込んで踊ることができた喜びを晴れやかに語ってくださいました。
上野の森バレエホリディでも感じましたが菊地さん、言葉の選び方といい聞き取りやすい口調といいお話がとてもお上手です。
そういえば、ラフマニノフ及び翌年のバレエやミュージカル共同企画公演にて終演後に挨拶なさった
男性プリンシパルバレエダンサーは校長先生風な口調で役柄とかけ離れた感がそれはそれで貴く思えたものです笑。
終演後の演出は今回のカルメンも、以前に鑑賞した別団体主催のラフマニノフや翌年の同主催団体によるプッチーニ企画もバレエとミュージカル合体型公演では
どちらかといえばミュージカルの手法が重視されている感がありますが、異文化体験を楽しんだ私でございます笑。

そんなこんな、バレエとミュージカルで名作文学を描いた公演、堪能いたしました。
バレエ芸術推進協会さん主催公演は、昨年のGENJIや2021年2023年のロックバレエと、所属団体を越えた共演企画も毎回面白く、次回も心待ちにしております。




※カーテンコールは写真撮影可でした!


集合ポーズ



決めポーズ!



色々な角度で撮影タイム。



バレエとの共演の楽しさを語るNoyoriさん。最初はダンサー達に圧倒されてしまったそうです。



お話上手な菊地さん。



寺田さんも、感謝を丁寧に語っていらっしゃいました!



亀有といえばこち亀。リリオに来る度に記念撮影しております。漫画に疎く、こち亀も漫画自体は読んだことありませんが、何故か撮影したくなるキャラクター達です。



赤ワインと生ハム等で乾杯です。プログラムも合わせて赤で統一!

2025年6月27日金曜日

新国立劇場バレエ団不思議の国アリス休演日バックステージツアー




6月23日(月)、新国立劇場バレエ団不思議の国アリス休演日バックステージツアーに参加いたしました。
2020年に企画されるも中止になったアトレ会員向けのイベントの代替ツアーとして実施されたとのことです。公演は8回観て参りまして、感想はまた後ほど。



初日カーテンコールの様子



休演日のバックステージツアーは2006年以来?約19年ぶり参加。ただ当時は500円支払う有料企画で、平日開催は変わりありませんがアトレ非会員でも参加可能だった気がいたします。
特に公演期間中ではない時期で、高所にてバトンの仕組みを見学したり、
大道具エリアにはセルゲイエフ版ジゼルの重厚なお墓やワイノーネン版くるみ割り人形の舟が置かれていた記憶もございます。

今回は技術スタッフの方の案内で、アリスの衣装や小道具、凝った装置の数々、特別仕様なオーケストラピット、客席の音響や搬入口に組立場、奈落等、大充実なツアーでした。
舞台の床は柔らかく、タップで音をしっかり響かせるのは至難の業でしょう。マッドハッターの皆様、職人です。組立場や搬入口も巡り、迷路を旅する気分で見学。

アリスの衣装や小道具を間近で観察できたのも幸せで、ジャムタルトは刻んで敷き詰めたルビーのような光沢、
ハートの女王号な乗り物の想像以上のサイズ、折り畳まれたトランプタワー、クローバー4も倒れ込むトランプ階段、女王と王の椅子もよく観て参りました。
舞台の背景奥側には小道具等を入れるトランクが並び、オーストラリアバレエ団に返却するための準備も万全。とにかく衣装数、小道具数が大量の作品のため、
返却漏れがないよう細心の注意を払いながらの作業に臨むスタッフの方々に頭を下げ続けたい思いでおります。

特殊メイク系部屋にも入り、フラミンゴや亀の鬘の作り、メイク落としの数も壮観。
廊下には名札付きで衣装がずらり!翌日もご登場予定と思わしきタルトクローバー4のお衣装前も通り、拝まずにいられませんでした。

終了後の質疑応答も活発で、一つの舞台作りにどれだけの人員、労力が注がれているのか再確認です。またあらゆる作品の中で装置転換や早替え多く映像もあり、裏方の働きのめまぐるしさはどれだけ忙しいことか。
白ウサギ以上に⁈時間と安全に神経を使いながらの作業に明け暮れていらっしゃると思うと、スタッフの方々の尊さが以前にも増して思えてきました。
大充実ツアー開催に感謝、ありがとうございました。またの企画を楽しみにお待ちしております。

ノートも記念にいただき、以前2022年ジゼル時期にいただいた物と同じかもしれませんが、中央に写る立ち姿と眼差しの美しさに見入る写真ですので何冊でも大歓迎!
会場入口は公演期間中、24時間体制でハートのジャックと白ウサギが管備にあたっていました。おつとめありがとうございます。




休演日も見守り警備任務にあたるジャック。キリッとした騎士です。



休演日も白ウサギさんがお出迎え。



入口



客席を撮影。4階隅までよく見渡せます!



吸い込まれそうな奈落。高所から撮影!



帰り、いつもの店に寄り道。オックスフォードの絵の席で。



苺のカクテル片手に乾杯です。



ノート、吸い込まれそうな深い眼差しと美しい立ち姿。



この先の再演時も指先脚先視線まで美しいファーストジャックパネル、出現しますように。
変わり種衣装も何でも似合う整った身体のラインの持ち主で、端正で知性光るお醤油顔です。

2025年6月23日月曜日

青山さんの全幕ラストステージ   牧阿佐美バレヱ団『ジゼル』6月14日(夜)





6月14日(土)夜、牧阿佐美バレヱ団『ジゼル』を観て参りました。牧バレヱのジゼルは初鑑賞です。
https://www.ambt.jp/pf-giselle2025/







リハーサル



バレエチャンネルさんリハーサル映像より



ジゼル:青山季可
アルブレヒト:清瀧千晴
ミルタ:土川世莉奈
ヒラリオン:米倉大陽
バティルド:久保茉莉恵
クールランド大公:京當侑一籠
ウィルフリート:石田亮一
ベルト:諸星静子
ペザント パ・ド・ドゥ:秦悠里愛  𡈽屋文太
ドゥ・ウィリ  ズルメ:高橋万由梨
ドゥ・ウィリ   モイナ:西山珠里



青山さんのジゼルは物静かで内気で、喜びをそっと示す淑やかな少女。最近は全公演には出演なさらず
以前観たとき以上に細身でいらしたため体力が心配になりかけたものの
ニコッと微笑みながらのポーズや、いったんひと呼吸してから紡ぐおっとりした仕草に残る余韻がたいそう美しく映りました。
アルブレヒトも、ジゼルに会うたびに彼女が醸す穏やかさに心和んでいたであろうと想像いたします。
ガラス細工に少しずつヒビが入ってやがてほろほろと崩れ落ちるような悲しみに暮れる狂乱も響き
そういえば、近年ジゼルを多々観ていると狂乱にて余りに情熱的表現に走る人をみかけなくなり
昔は髪の振り乱し姿が映画『リング』の定子か、或いはロックのコンサートかと思わす人もいたかと記憶。近年は自然な描写路線であるのかもしれません。
精霊になった2幕は空気にすっと溶け込み、ジゼル出現前に舞台後方を飛翔するベールを被ったウィリーらしき人形?とよく似た透け感を表現していて
腕の動きががチュチュの動きとそのまま連動しているほどに見える柔らかさにも注目せずにいられず。

清瀧さんはアルブレヒトデビューとのことで、恐らくは純愛寄りと思う造形で初披露。
ジゼルを愛してはいるが決して許された愛ではないことは分かっていそうな慎重ぶりで、恨めしいタイプではなかったと思います。
少なくともクズではなく笑、ジゼルとの時間を円やかに過ごす御坊ちゃまなマロブレヒト。
2幕でのゆったり足の裏を大切に踏み締めながらの歩き方が綺麗な軌跡で、ジゼルに再会して抱こうとするもすれ違ってしまう戸惑いや苦しさもしっとりと体現。
終盤、役柄の設定上はミルタの命令によって散々踊らされて大疲弊しているはずが、疲労困憊を見せつつも
高級裁ちバサミで裁断大移動しているような力強さに目を奪われました。強固なテクニックを誇示せずされど見せ場ではしっかり示していた印象です。
『ジゼル』で組むのは初であっても長年あらゆる作品で組んできたお2人なだけあってパートナーリングは観ていて安心感があり
とりわけ2幕パ・ド・ドゥでの静謐な中で丹念に描き出して行く許しへの懇願はスッと引き込まれる魅力がありました。

ヒラリオンは衣装がむさ苦しくない(笑)デザインで、見方によっては眠りの四人の王子にも思えそうなすっきり品ある装い。
ジゼルへの接し方もそこまでしつこくなく、スカートへの顔埋めもなく(これはアウト行為と思います汗)
だからこそ、哀れな最期と思わす説得力もありました。米倉さんヒラリオンは力強く迫るもジゼルが怯えるほどには近寄らずであった印象です。
ウィリに踊らされる箇所での大ジャンプの軽やかな鋭さにもびっくり。
いよいよアルブレヒトの正体を暴こうと貴族を呼び寄せるときに貴族の角笛を使うと、駆けつけた狩の隊長から怒りを買い
すぐさま没収される振付は初めて観ましたが、高身分者達の持ち物を無断使用した罰は大きいでしょうから納得な演出です。

ペザントはバレエの饗宴で2幕オデットデビューされた気鋭の秦さんと𡈽屋さん。品良くも若さ弾けるパワーで盛り上げました。
ウィリ達の交差はバヤデールの影の王国のような顔を下に向けてのアラベスク交差で
隣同士足並みを合わせているとはいえ、進行方向が見えぬ状態であってもよく揃った仕上がりでした。
青山さんと嘗ては何度も組んでいた逸見智彦さんや京當さんが貴族やクールランド大公で出演され、
青山さんのラスト全幕をどんな思いで見守っていらしたことか、胸に迫るものがあります。

カーテンコールは長く長く続き、第一線で主役を張ってこられた青山さんを讃える拍手がいつまでも鳴り響きました。
現在はミストレス仕事も始めていらっしゃるようで、幅広い作品経験を丁寧に次世代へ伝えていってくださることでしょう。





青山さんの主役デビューを観ております。2006年6月、ゆうぽうとでの『白鳥の湖』でした。



サイン入りポスター。ローマ字で一生懸命書かれたカワイイはパリ・オペラ座からのゲストのブルーエンさんでしょうか。
牧バレヱへの客演を楽しんでいらしたなら何よりです!



上野ではべらぼう企画。



帰りは白ワインで乾杯。青山さんの新たなステージに幸あれ~。


2025年6月16日月曜日

新作バレエミュージカル『カルメン』上演!




6月26日(木)27日(金)かめありリリオホールにて、 主催・企画制作 一般社団法人 バレエ芸術推進協会(BAJ)/ダンサーズサポートによる
新作バレエミュージカル『カルメン』が上演されます。 主演に寺田翠さんを迎え、主要役には主役級キャリアのダンサー達が集結。
ミュージカルな要素も加わっての、大変興味惹きつける公演です。
寺田さんはガラで何度か拝見しており、ダイアナとアクティオンでのスパッと伸びる身体や軽やかな踊り方に度肝を抜かれましたが、全幕ではどんな表現をなさるのか気になるところ。
国内メジャーバレエ団で主役を多数踊られてきたたダンサーや歌手の方々の歌声がどう絡むのか、演出方法にも関心が高まる企画です。
以下、様々な媒体にて掲載記事や動画等紹介して参ります!
https://balletartsjapan.com/


各メディアにてリハーサルレポート含め、告知がなされています。
https://balletchannel.jp/44763

https://theatertainment.jp/feed-allow-post/139376/


寺田翠さんのインタビュー
https://www.dancersweb.net/%E8%A4%87%E8%A3%BD-top-interview-2


-------------------------------------------------- 新作バレエミュージカル『カルメン』上演!

国内トップバレエダンサーとミュージカル俳優・歌手の共演が実現します。
カルメン役には、世界3大バレエコンクールの一つ、モスクワ国際バレエコンクール シニア女性部門・銅賞受賞歴の寺田翠が主演します。
オペラ「カルメン」の物語をベースに、ビゼーの名曲とオリジナル楽曲で描く、ミュージカル界の上島幸夫の演出・振付による新たなエンターテイメントの誕生にご期待ください!


≪あらすじ≫

舞台はスペイン・セビリヤ。奔放で魅力的な女性カルメンは街の男たちを魅了する。
婚約者がいる実直な衛兵ドン・ホセがカルメンに恋に落ちてしまったことから、ふたりの運命が狂いはじめる―。
 

「一度は本気で愛した男、ホセ。彼ほど私を愛した人はいない。
でも私はもう、彼を愛していない。ホセに殺される運命ならそれを受け入れよう。
それでも、誰も私から自由を奪えない。私はどこまでも自由。それがカルメンだから」


  〔出演者〕

寺田翠/元ロシア国立ノヴォシビルスクオペラ劇場ファーストソリスト(カルメン)

菊地 研/ 元牧阿佐美バレヱ団プリンシパル(ホセ)

秋元康臣/元東京バレエ団プリンシパル(エスカミーリョ)

吉留 諒/東京シティ・バレエ団プリンシパル(スニガ・トレアドール)

吉田早織/元Kバレエカンパニー・ソリスト(ミカエラ)

noyori/歌手(現代の恋人・ムヘール)

東山光明/歌手・俳優(現代の恋人・オンブレ)

佐藤彩未/バレエダンサー(ジプシー)

テッラコーネ沙夜/東京シティ・バレエ団所属(ジプシー)

長谷川未紗/俳優・ダンサー・シンガー(ジプシー)

中村優希/Somatic Field Project(ジプシー)


〔演出・振付〕上島雪夫

ミュージカル作品の振付多数。延べ251作品以上に携わる。
新国立劇場バレエ団の作品提供「DANCE to the Future ナットキングコール組曲」。二期会オペラ「椿姫」の振付。
バレエ映画『踊れ!昴』のダンス監督 「ダンス・オブ・バンパイヤ」「42nd street」 
「マイ・フェア・レディ」「サウンド・オブ・ミュージック」「アルジャーノンに花束を」演出・振付など。


  【寺田翠プロフィール】

2008年モスクワ国立舞踊アカデミーに留学。2017年に世界3大バレエコンクールの一つ、モスクワ国際バレエコンクール シニア女性部門・銅賞受賞。同年、文化庁長官表彰を受賞。
2018年からロシア国立ノヴォシビルスク・オペラ・バレエ劇場にファースト・ソリストとして活躍後、2022年日本に拠点を移す。

受賞歴/2004年 「YAGP日本予選」PC部門 第1位。2005年「OsakaプリコンクールJ2部 第1位 / 「NBA全国バレエコンクール」小学生の部第2位、
2008年「NBA全国バレエコンクール」ボリショイバレエアカデミースカラシップ受賞。
2009年「埼玉全国舞踊コンクール」Jr.部 第2位。2010年「ジャパングランプリ」JA女性部門「The Ailey Scool Full Year scholarship」 /
「The Young Ballet of the World by Grigorovich in SOCHI」ジュニア女性部門 第1位。
2012年「ペルミ国際コンクール:アラベスク」女性部門第2位 /「ガリーナ・ウラノワ賞」/「エカテリーナ・マクシモワ&ウラジミール・ワシリーエフ賞」 /
「The Young Ballet of the World by Grigorovich in SOCHI」シニア女性部門 第2位。
2016年「クラスノヤルスク国際バレエコンクール」シニア女性部門第1位、2017年「モスクワ国際バレエコンクール」女子シニア部門銅賞受賞、「文化庁長官表彰」(国際芸術部門)「豊中かがやき大賞」受賞。



集合写真



ハバネラ



リハーサル



寺田さん。脚線が美しや!



秋元さんと吉留さんのジャンプ!!













  新作バレエミュージカル『カルメン』

2025年6月26日(木) , 27日(金)かめありリリオホール

(JR亀有駅南口下車徒歩1分)

http://confetti-web.com/@/balletmusicalcarmen