2025年5月13日火曜日

コンテも光る遠藤さん版全幕くるみ エンドウ・バレエ発表会  4月29日(火祝)《東京都杉並区》





4月29日(火祝)、セシオン杉並でエンドウ・バレエ発表会を観て参りました。主宰は遠藤康行さん、須永リエさん。2022年、2024年に続き足を運ぶ発表会です。
http://endoballet.com/

横浜バレエフェスティバルや新国立劇場バレエ団Dance to the Futureの監修を手がけられるなど
全国各地で幅広く活動なさっている遠藤さん演出振付の『くるみ割り人形』全幕の他、
バレエコンサートでは古典とコンテンポラリー両方を構成に入れていたりと特色がよく出た発表会でした。
ゲストに新国渡邊さん、岡本壮太さん、南條健吾さんを迎えての開催です。

バレエコンサートでは子供の生徒さん達によるデフィレで始まり、以前より生徒数が増えた印象。
音楽にのせて歩いてポーズ取って袖に入って行く一連の流れをきちんとこなしていて、協調性の備わりに拍手。(子供の頃の私、恐らく乱すと思います汗)
複数あったコンテンポラリー作品の中では12人で踊られたL'Éternité-アルチュール・ランボーの永遠より-の静かに湧き出る身体能力の高さや
光と闇のコントラストやバーを用いての立体感ある見せ方も面白く感じました。
男子生徒さんも何人もいて、生徒同士でパ・ド・ドゥができるのもとても魅力的。瑞々しいセンツァーノの花祭りのお披露目に心和みました。

『くるみ割り人形』全幕は小さなお子さん達も大勢出演して可愛らしい舞台が繰り広げられ、ドロッセルマイヤーは遠藤康行さんご本人。
多種のマジックを披露され、少々ひやりとした箇所はあれど笑、話の展開は分かっていても
次はどんな世界に連れて行ってくださるかクララと同じ気分で夢中になりながら鑑賞です。

パーティーは大人客人無しで全部子供達が踊る演出でしたが、クララの友達、女の子達、男の子達に分担して出入りの整理もしっかりとなされていて
大人の客人無しでもパーティー場面をしっかりと見せていた生徒さん達に今一度拍手を送りたい思いでおります。
クララ役の生徒さんの素直さや心の変化もよく伝わってくるフレッシュな表現力も魅力満開で、
フリッツとそのまま戦闘シーンのくるみ割り人形役も務められた男の子の生徒さんの、俊敏で軽快に駆け抜けていく踊りも目に残っております。

真夜中の場面は幼児さん達も大活躍な小ネズミさん達がとにかく可愛らしく、
チュチュでネズミ耳をして駆け回っているだけでも頬緩みっぱなし。癒しの時間に感謝でございます。
おもちゃの兵隊はハレルキン、コロンビーヌ、ムーア人が引き続き登場して機敏に動きながら担当し、
クリスマスパーティー場面からの繋がりが見える上に、ラッパ吹く姿勢の良さも褒めたい要素の1つと思う元吹奏楽部員の私です笑。

魔法が解けたくるみ割り人形とクララの出会いで出演者が入れ替わり、ここで渡邊さんと遠藤ゆまさんがご登場。
クララは短いユニークなデザインのチュチュ、くるみ割り人形は魔法が解ける前と同じと思われる詰襟白シャツ黒タイツとブーツで、ニジンスカの『結婚』を何処か彷彿。
この場はとことんコンテンポラリーな振付で、2人で紡ぐしなやかでユーモアにとんだ動きの連なりに見入りました。
ゆまさんと渡邊さんは昨年横浜で開催された中田恵子さん演奏のオルガンとバレエのコラボレーション公演にて披露された牧神の午後が今も忘れられず。
ゆまさんのあどけなくも大胆さを醸す魅力と、情熱を秘めながら包容する渡邊さんのワイルド且つ穏やかな力が絡まってのパ・ド・ドゥから目が離せない
予測不可能な身体能力での造形美なる競演でした。ゆったりした曲調の中で芽生える刺激の張り合いにも釘付けになった記憶がございます。
ですからお2人によるコンテンポラリーなパ・ド・ドゥは待ち望んでおり、
少し大人びたクララが美しく変身したくるみ割り人形に導かれたかと思えば大らかに心を寄せ合うように身体が解き放たれたりと、惹きつける要素満載でした。

雪達もコンテンポラリー振付で、シンプルなレオタードっぽい衣装で雪の女王、王、雪の精達が
自在に身体を操りながら、少人数構成であってもそう感じさせぬパワフルに繋いでいく雪景色も面白く新鮮です。

2幕は各国の踊りからグラン・パ・ド・ドゥまでスタンダードな展開で、幕が上がるとシュガーピンクのお菓子の国が出現。
細い線でお城が精緻に、レリーフに至るまで丁寧に描かれていてまさに甘い香りが花咲くような空間で
これまでにも色々な発表会で目にしている背景ですが(8年前に渡邊さんが板橋区で客演されたときと同じと分かって一段と喜び募りました)
夢見心地たっぷりなお菓子の国を演出してくれるデザインです。
1箇所珍しい演出と見受けたのがネズミ王と王子の対決。ネズミ王の再襲来でお菓子の国が危機に瀕していると、
王子、剣も何も持たずに颯爽と光沢あるピンク衣装でご登場。誰かが剣を手渡す様子もなく、まさか素手で立ち向かうのかと観察していると、
前半はリラの精のように腕を掲げ突きつけて追いやっていたかと思いますが、最後は静かで華麗な投げ技でネズミ王を撃退して決着でした。
この王子様、間違いなく合気道の達人です。ピンク衣装が白い道着と黒い袴に見えたのは、
お菓子の国が道場に見えかけたのは気のせいではないはず笑。お城の一角に道場を備えていて毎日鍛練にに励んでいてもおかしくありません。
それはそうと、花のワルツがソリスト男女ペア1組と生徒さん4人で踊り切っていたのも驚かされ、
結構長めの曲ながら舞台移動も巧みに行いながら披露していました。

バレエコンサートにもクラシックとコンテンポラリー両方が組み込まれ、古典全幕もユニークな箇所を持ってきて楽しませてくださり、
またパーティーにおいても子供の生徒さん中心の出演者の配置も工夫がなされ、見応えある楽しい遠藤さん版くるみでした。
もしかしたら、衣装からすると2年前に上演された、振付構成演出を遠藤さんが手がけられた
『チャイコフスキーの旅』でのくるみ部分も取り入れていらしたのかもしれません。
春うららかな季節に上演の、クラシックとコンテンポラリーが交差するくるみも良いものです。

ところで、プログラムやポスターデザインはYumaと記載があるため、もしかして出演者、金平糖と夢の中クララを踊られた方が手がけられたのでしょうか。違っていたらすみません。
プレゼントを開けたがっていたり、コーヒーを飲みたがっていたり、クララの下にはネズミ王、とチャーミングなネズミさん達や丁寧なタッチのお菓子達、
美しい眠り姿のクララに怪しげなドロッセルさん、となんてお洒落なセンスでしょう。ネズミさん達も本当はクリスマスパーティーに参加したかったのかな。
チケットはそのままお財布に入れたままにいたします!開けるたびに目にしたい絵柄です。





行きは代田橋駅から徒歩で会場へ。以前にバナナマンの日村さんの散歩番組にて代田橋から方南町へ歩く内容を放送していてやってみたくなりました。
また前回2024年も同じ会場でしたが代田橋駅からバスで向かったところひたすら直進で、
道は分かりやすいと判明。花粉が大量飛散の時期でしたのでバス利用で正解でしたが
今回は4月下旬、しかも当日は晴天。実行に移しました。



駅を出たら甲州街道方面へ、歩道橋渡ります。どちらにしてもバス停までは距離あります。



バス停付近へ来ると杉並区に。



前回はこのバス停から乗車。今回は徒歩で参ります。



方南町ビールですと!!



都庁が見えます。



更に直進、突然セシオンが出現。代田橋駅から約45分で到着!定期的な運動習慣なし、運動部での活躍経験もない私であっても
楽しくこなせましたので宜しければ散歩がてらなさってみてください。



開放感ある中庭。



まだ時間もありますので、おやつの時間。近年思うが、都内や東京近郊の会場に行ったときですら鑑賞前におのぼり気分で散策している気がいたします。
前回行った、杉並車庫近くのneigeさんがご予約お客様限定営業でしたので、引き返して歩いていたところ発見。ドイツっぽいお店でしょうか。



ほっくりしたジャーマンチーズケーキ。アイスはさっぱり、さくっと溶ける舌触りです。彩りも綺麗。
コーヒーカップには花柄とハッピーフラワーの文字も。



拡大



近くには公園。新緑が豊かに光っています。



噴水もございます。地元の方々の憩いの場のようです。



セシオン中庭の像。



杉並区のキャラクターがお出迎え



帰り、春らしいパスタとワインで乾杯です。4月の鑑賞はこれにて終了! 5月の一発目は海を渡っての鑑賞からでございます。
次回更新をお待ちください。但し写真が60枚超えそうな予感笑。GW明けでご多忙な方が大多数でしょう、お時間のない方は本文のみお読みください。



帰り道、なかなか余韻から覚めないため、ピンクなアイスクリーム購入。
王子、ピンク色衣装での華麗なる投げ技、まさかの演出でしたので今回一番印象に残った場面かもしれません笑。

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