2021年9月20日月曜日

郷里で発揮された菊地飛和さんの振付手腕  久富淑子バレエ研究所65周年記念公演 『シンデレラ』  5月23日(日)《北海道札幌市》





遡ること約4ヶ月前の話ですが5月23日(日)、札幌市教育文化会館にて久富淑子バレエ研究所65周年記念公演
菊地飛和さん演出振付『シンデレラ』を観て参りました。新国立劇場からは渡邊峻郁さん、菅野英男さんも客演です。
札幌でのバレエ鑑賞は2007年に下村由理恵さんと山本隆之さんが客演された日本バレエ協会北海道支部全道バレエフェスティバル『ドン・キホーテ』全幕、
新国立劇場より飯野萌子さん、渡邊峻郁さんが出演され『眠れる森の美女』3幕より抜粋では
オーロラ姫とデジレ王子として締め括られた2018年のニトリホール(旧北海道厚生年金会館)閉館公演ファイナルバレエ、
そして一昨年の新国立劇場の『くるみ割り人形』札幌hitaru公演、昨年の『眠れる森の美女』同会場公演に続き5回目でございます。
http://hisatomiballet.com/topics/detail.php?cat=115&no=115


久富バレエさんのインスタグラム。皆様の終演後のほっとした様子を始め、素敵写真がたくさんです。
他の投稿には継母達に気に入られ困惑?それとも実は嬉しがっている!?王子や、レッスン熱血指導な継母も笑。





久富バレエさんのフェイスブック
https://www.facebook.com/Hisatomi-ballet-104206440060362/

5月29日の投稿には、インスタグラム以上に多くの舞台裏写真を公開してくださっています。
カーテンコールの練習?にて階段の裏側から出番を待つシンデレラと王子に、
舞台袖で衣装を着けたシンデレラとダウンベスト着用で立派な腕をくっきりと出した王子が回転場面の確認をしている光景や
馬車に乗り込み出発直前のシンデレラなど、興味をそそられる写真多数です。
https://www.facebook.com/104206440060362/posts/1148366822310980/



新規感染者数は減少傾向にあるとは言え現在もまだ不安定な状況は全国規模で続いておりますが、この時期は特に札幌市がトップニュースで取り上げられる日も多く
東京より足を運んだ者による鑑賞記を綴るのも如何なものかと思ったものの、新国立劇場バレエ団所属で2021/2022シーズンより登録へと移行される
久富バレエ卒業生の菊地飛和(きくちあすか)さんが生徒さんとゲスト双方から魅力を存分に引き出し纏め上げた手腕に唸る
素敵な記念公演でしたので月日がだいぶ経過した遅い時期ではございますが紹介いたします。
また札幌文化芸術劇場hitaruでは10月、久富バレエ卒業生である熊川哲也さん率いるKバレエカンパニーによる熊川さん版『シンデレラ』上演を控えており
その前にとも思いましたので(無理矢理なこじ付けで失礼)この場を借りましてアップいたします。但しいつも以上に記憶が飛んでいる可能性もありますが悪しからず。

研究所教師の成瀬由子さんの挨拶文によれば、当初は昨年2020年7月開催の予定が度重なる延期を余儀なくされ
キャストも2、3度の変更を経て今回無事上演に辿り着けたとのことで 今は公演であれ発表会であれ毎度思いますが上演できて良かったと心から喜びを表したい思いです。

久富バレエ主催の舞台は初鑑賞ですが、前記事の愛媛県西条市の舞台感想でも何度か触れた、2018年の北海道厚生年金会館ファイナルバレエにて
宝満直也さん振付作品Winter Danceを宝満さんご本人と共に大人数で披露なさるお姿を鑑賞。出演者は宝満さん以外は皆さん久富バレエの方々であったかと思いますが
題名からして冬の銀世界の想像の先行に意表を突く、春の息吹を思わせるカラフルな世界が広がり、踊りの瑞々しさや伸びやかさにも驚かされました。
それまで久富バレエと言えば、伝統ある研究所で大勢プロのダンサーを輩出、そして熊川さん一辺倒なイメージでおりましたので
宝満さんのコンテンポラリーを踊る姿に惹かれるとは新鮮且つ衝撃であり、好印象を持った次第です。
以降研究所の舞台を鑑賞する機会は到来するのか、厚生年金会館は閉館しhitaruが開場して早2年半
偶然!?にもゲストの変更により白河の関を越えて北の大地への上陸を突き動かす方向へと導かれ、ようやくその時が訪れたのでした。

シンデレラは3年前にWinter Danceにも出演されていた生徒さんで、1幕では素朴な可愛らしさと懸命さが目に映り
個性炸裂な笑、継母や義理の姉達による大胆な接し方にも誠心誠意応えている姿に自然と応援目線になってしまいました。
淑やかで癖がなく、とても素直な踊り方をしている印象で、きっとシンデレラと同様に内面も綺麗な頑張り屋さんな性格であろうと想像できます。
舞踏会に現れ王子に出会ってからもドキドキとした胸の内が手に取るように伝わり、いきなり麗しさを押し出す雰囲気ではなく
奥ゆかしい様子がそれはそれはいじらしく、王子もどうにか心を開いて欲しいと懸命に尽くすのも納得です。

王子の渡邊さんは登場から仰々しいファンファーレ以上に輝きを発散されながら後方の階段中央に颯爽と現れ
私が勝手に男性主役の高難度華々登場場面上位3本に入るこの作品においても難なくクリア。
ちなみにもう2本は『ライモンダ』2幕のマントでジャンの帰還、『パキータ』リュシアンのゆったり対角線登場で
前者は今年6月に当ブログでも『今夜も生でさだまさし』の上を行く勢いで延々語り綴り文字量過多で途中脱落者大勢であったもようで(申し訳ございません)
後者は1月にニューイヤー・バレエ配信もありましたがつい先日、生で目にする機会もあり
骨抜きにされるほど洗練と凛々しい美の凝縮でございましたのでそれはまたいずれ。
とにかく男性主役黄金なる登場作品を同年に3本制覇の不思議な2021年でございます。

札幌に話を戻します。シンデレラを迎え出会うときの眼差しの深さはダイソン製掃除機開発者も驚く吸引力で2階から眺めていても感じましたから
間近で見つめられているシンデレラはよく卒倒しないと感心の域に到達。最初シンデレラがだいぶ緊張していた様子でしたが
何か語りかけたのかその途端にシンデレラからふと柔らかな笑みが零れ、王子の心の解きほぐしの術にも長けた頼もしさや
日常とは別世界である宮殿に降り立った緊張が和らいで徐々に心を開いていくシンデレラの内面の変化にも重なり
少しずつ盛り上がりを響かせていく音楽の抑揚とも呼応して寧ろリアリティのある効果をもたらしていたと捉えております。
パ・ド・ドゥでは息もよく合った丹念な作り込みで、2人の愛情がいよいよ深まっていくさまを
高揚する幸福感と時折切ない響きも醸す音楽にも自然と溶け合って体現していらした印象です。

面白く惹きつけられた箇所の1つがパ・ド・ドゥ前、はぐれたシンデレラを探す姿で、あちこち探し回る様子も、客人達に心当たりを尋ねる表情もいたく真剣な目で
前日に弟君拓朗さんご出演の刑事物サスペンスバレエを横浜で観た影響を引き摺っているわけではなく
まさに聞き込みの刑事そのもので、警察手帳が見えかけたのは気のせいか笑。
ほんの20秒もない場面であっても、恋に落ちた姫を見つけられず不安に駆られる心理が短時間に濃くおさまっていて
だからこそ無事再会して始まるパ・ド・ドゥの安堵と幸せに満ちた空気感がより強まったのでしょう。
また聞き込み調査に惜しまず協力していた客人役の大人のクラスの生徒さん達のしっかりとした反応も宜しく、
謎の美しい姫を探し歩く不安そうな王子を心配そうに見送ったりと単に問いに答えて終わりではなく
前後の流れを汲むように、ぶつ切りにならぬよう心を込めて表現していた点もまた、シンデレラと王子のハイライト場面を一段と後押ししていたと思います。

それからシンデレラが突如宮殿を後にして逃げるように帰ってしまう最中に落としたガラスの靴を拾って掲げ、必ずや見つけ出す決意を固めるところなんぞ
証拠物件を握りしめ一斉大捜索を陣頭指揮し捜査員を鼓舞する署長或いは出陣し探し出すまでは決して帰らぬと意思表示をする信念の強さで
熱血な幕引きでございました。それにしても、こんなにも真剣に愛を一身に受けるシンデレラの幸せなことよ。
菅野さん継母から好かれることに関してはそう嫌そうでもない!?どころか絡まれてもすぐに突き放さず興味を持って眺めているようにも見受け
接点によって小さな喜びをも節々から生じさせているとも思えた次第。 名前も非公開な王子で一歩違えば個性も見えにくい役柄であっても
優しくも真剣で、時にはシンデレラの継母達に翻弄され困惑するも一途に貫き通す信念の強さもあり、内側から多面性をも表していて
絵に描いたような貴公子ながらも人間味も備えた王子様でございました。札幌まで足を運んで良かったと今書きながら思い出しては再度感じております。

襷は付いていなかったものの白地に金のきらりと光を帯びた上着に胸元はレース状の装飾、中央には薄紫が入った衣装もお似合いで身体の線もよりすらりと見えました。
さて札幌でもやります、髪型観察。今回も二重丸で、前髪の整い方も自然で、今思えばほんのり明るめの髪色にもこの頃は見慣れてきた時期でした。

個性炸裂な継母は菅野さん。新国立劇場での『シンデレラ』では義理の姉は経験済みでいらっしゃいますが
そのときのような厚化粧ではなくよりナチュラルで、当時に実在した中産階級家庭を取り仕切る
ちょいと怖そうなマダムと言われても違和感皆無なほど嵌っていて驚愕でした。終盤の王子への靴試し履きアピールにおける
あと少しのところでシンデレラが持ち主と発覚した場面では、少しでも王子との時間を稼ぎたかったのか入り切らない靴が引っ掛かった足を左右に振ってじらし
王子の手に靴が渡らぬよう諦めぬ執念を見守りたくなる、愛すべきママっぷりでした。

姉妹は久富バレエ卒業生で東京シティ・バレエ団の石黒さんと久富バレエの教師もなさっている小野誠さんで
背が高く豪快な石黒さんお姉さんと飄々として夢見がちな小野さん妹の名コンビが楽しく痛快で、テンポの良いやりとりで嫌味がない、チャーミング姉妹です。
石黒さんは昨年2月でのシティ公演『眠れる森の美女』で見せてくださったゴージャスでノリノリなカラボスが未だ忘れられず
キャラクター系では最早安心感とワクワク感の両方を抱かせてくださるダンサーで、今回もやり過ぎずされど出るべき箇所では思い切り弾ける
絶妙な加減で何倍も面白みある舞台に繋げていらした印象です。
そういえば、2007年の北海道厚生年金会館での全道バレエドン・キホーテにて
エスパーダをなさっていた若き日の石黒さんを観ているはずが、この日ばかりはバジルばかりに注目してしまっておりました。
石黒さん小野さん共に、シンデレラに意地悪はしていても極端な陰湿は抑えめで
接し方は強気であっても何処かまろやかでソフトなところもあり、だからこそ見ていて辛い酷薄さは無かった点も好印象でした。

教師もなさっている方が務められた仙女は煌めきと透明感が合わさった神秘的な雰囲気が妖精のイメージにぴったりで、白と薄い青を重ねて輝く衣装や頭飾りもしっくり。
四季の精達も1人ずつながら各々のソロでは季節の特色を舞台一杯に表現していて見事で、ピンク、薄緑、オレンジ、淡い水色であったかと思いますが
じっと見つめるシンデレラも思わず頬が緩んで喜びを示し、加えて幼い頃の懐かしさをも思い出していたのかもしれません。

紺色や紫でシックにお洒落に整った星の精達の活躍もシンデレラの出発や舞踏会、結婚式まで優しく付き添う姿が眩しく
胸元に時計が大きく描かれた時計の精達のキビキビと刻む踊りも可愛らしく、また時の巡りの早さをも真剣に伝えているのであろう表情も説得力がありました。

オレンジの精はソリスト1人とコール・ド8名構成で、お小姓が持って来てお終いでも良いのですが、舞台全体を使っての見せ場があるのは嬉しいこと。
全員チュチュ着用、ソリストのみレースなどで飾られた異なるデザインで、温暖な異国からの贈り物をもたらしてくれました。
宮廷内には柑橘の良い香りが立ち込めていたことでしょう。

そして菊地さんの手腕にも拍手。『シンデレラ』全幕を約1時間半に短縮しても物足りなさ皆無。
大掛かりな全幕をこうも短くしても満足度が高かったのは2020年の日本バレエ協会が上演した、2時間におさめたヤレメンコ版『海賊』と同様の衝撃でした。
アシュトン版と同じく王子による靴の持ち主捜索の旅路で出会うスペインやアラビアの踊りは無し。
1幕前半の継母達のドタバタ騒動も大幅にカットしたと思われますが、その分1箇所1箇所を濃縮させ観客を沸かせるよう工夫を凝らしていて
例えば義理の姉達のダンスレッスンでは上手くできぬ娘達に教師以上に的確なアドバイス及び体当たり指導を継母が潔く行い
継母実はダンスで度々賞を受賞していたかと想像させる教師な顔と手本の見せ方で
加えて菅野さんの日頃の名バレエマスターぶりも垣間見ているようでもあり笑、ほんの一瞬であっても客席が沸いたひと幕でした。

またガラスの靴試しする義理の姉達の場面は周囲の王子以外の周囲の人々が音楽に合わせて頭を振り振り。
小気味よく履こうとするも挑戦する本人達は苦戦するギャップを全体で面白く表現していたと見受けました。
それから前半の記述と重複しますが、最後継母が意地でもガラスの靴を履こうとするも持ち主がシンデレラと発覚したときの
靴を脱がそうとする王子交わしのための時間稼ぎと継母による繰り返しの足振りも継母の執念はひたひた伝わり、全編通して工夫が散りばめられていた菊地さん版でした。
(他にも多々あったと思いますが、我が記憶力の乏しさとお許しください)

菊地さんと言えば、2020年の福岡雄大さんによるインスタグラムライブ 通称「雄大の部屋」にて、平日でしたが自宅待機日で対談を視聴。
ずっこけそうなほど面白く明るい人柄にびっくりで、日頃はコール・ド・バレエを踊りながらもアラジン母に抜擢され
舞台にたった1人で立ったときの大緊張な心境を熱弁されたりと視聴すればするほど込み上げてくる笑いの音量ばかりはどうにも堪えきれず
ちょうど在宅勤務中であった家族も何事かと不思議そうにしていたほどでございました。
中でも好きな役や作品についての回答では菊地飛和リサイタルを考えてきたとプログラムを発表。
確か2部構成で、1部最初が『眠れる森の美女』オーロラの登場でローズアダージオは無し。
とにかく登場箇所をやりたい、出迎えてくれる友人役も募りたいと意欲を示していらしたかと思います。
それからアシュトンの『ラプソディー』。これは前在籍カンパニーの監督熊川さんと、そして福岡さんと日替わり希望だったか。
締めは最も好きな『ロミオとジュリエット』3幕のパ・ド・ドゥで、誰と踊りたいか問われ、暫く時間を溜めて「私の理想のロミオは、ウエインなんです」と回答。
今やだいぶふくよかになったイーグリングさんですが、1984年収録のアレッサンドラ・フェリとの『ロミオとジュリエット』時代を経ても色褪せぬ名盤であり
「ならば、ウエインに節制してもらおう」と福岡さんがぽつり。それはともかく菊地さんリサイタル、実現したら足を運んでみたい気持ちにさせられた対談でしたので
舞台の構想が元々お好きなのかもしれません。菊地さんが手掛けた、生徒さんとゲスト全員から魅力を引き出し作り上げる全幕を鑑賞できたのは幸運でした。

カーテンコールには久富先生もゆっくりとした足取りで登場され、何度も何度も観客に感謝を表しながら嬉しそうな笑みを浮かべていらした表情も忘れられず。
65年の長い歴史の中でも、開催できるか否かぎりぎりまで決断を迫られる舞台は研究所開設以来初めてであったかもしれません。
現在はお孫さんでいらっしゃる成瀬由子さんが主宰なさっているようで、決断に悩んだときにはいつも久富先生が背中を押してくれた心強さを挨拶文に綴っていらして
長年研究所で多くの教え子を持ち、プロのダンサーも多数育て上げた久富先生の偉大さが感じられます。
全幕物は7年ぶりの挑戦である上、制約がある中でオンラインも駆使してのレッスンや振り写し
度重なる変更発生、延期後の本番当日が近づくにつれ世間の状況も再び雲行きが怪しくなる中、舞台に関わる方々全員が団結しての発表会公演双方の実現に
成瀬さんもどれだけの安堵で胸を撫で下ろされたか計り知れません。無事に2日間終えられ、心から祝福を申し上げたい限りです。
長年の伝統を引き継ぎ、これからもバレエを愛する生徒さん達が大勢集う研究所として発展していくことと思っております。






2018年北海道厚生年金会館ファイナルバレエ、2020年新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』に続いて3度目
ここ数年前から最早儀式と化している、札幌で心から大好きなダンサーの舞台を観た後に飲むサッポロクラシックは格別の美味しさ。
今回はホテルの部屋にて1人しんみり乾杯です。


※以下は、多量写真記録です。お時間のある方のみどうぞご覧ください。
ホテルすぐそば、或いは会場や帰りの通り道に絞っての1人飲食日記中心でございます。
多忙なシルバーウィークにそんなもの読んでいられぬとのお考えの方は恐れ入ります、次回更新予定これまた関東以北北海道以南日記をお待ちください。



時間軸戻りまして、前日の土曜日に横浜にてDAIFUKUを鑑賞後、会場最寄りのJR石川町駅からそのまま羽田空港へ向かい、新千歳空港へ。
空港から札幌方面へのJRに乗り換えたまでは良かったが、あろうことか鹿が追突して一時見合わせに。遭遇は初めての出来事で
そういえば滅多に邦画を観ない私が珍しく鑑賞した『ハナミズキ』にて、北海道が舞台であった冒頭で
同じ原因による運転停止場面があり、映画や物語の世界でしか起こらぬ話と何処か思っていたのかもしれません。
以下余談、なぜ観に行ったか。主役の新垣結衣さんがありきたりではない私と同じ名前のヒロイン役であった為で、
約2時間一定の空間にて決してよくある名前ではない我が名が飛び交う面白体験をしてみたかったからでございます。
新垣さんのような容姿がいたく美しいお方のお名前として捉えるともう響きが全然違い笑、煌めくような名前に思えるのですから不思議。
当ブログと同様で新垣さんとは正反対に、幼少期から存在感埋没な人生を送り続けている管理人もそう不自由はして参りませんでしたが
映画を目にし、容姿はあらゆる要素を左右すると再確認です。
ちなみに母親役が薬師丸ひろ子さん。(好きな女優さんの1人で、嬉しい配役)
そしてヒロインを巡って火花を散らし合うのが、若くひたむきな青年を生田斗真さん
立ち居振る舞いも洗練された大学の先輩に向井理さん。お2人に挟まれる展開でございました。(まあ、悪くはないか。失礼な物言いお許しを)
喜劇では全くない純愛作品のはずが、生田さん向井さんが新垣さんヒロインしかも下の名前を敬称略で呼ぶ度に管理人
摩訶不思議な感覚に襲われ笑いを堪えていた記憶がございます。複数の殿方に同時に好意を寄せられる状況なんぞ
このとき以前も以降もそして生涯無縁であるのは目に見えておりますから、束の間の異次元体験でございました。
しかし理想の板挟み状況といえば、このとき2021年5月下旬はまだまだ余韻に深く浸っていた新国立のプティ版コッペリア配信千秋楽キャストに
敵うものは無いと思い浮かべてはニンマリ。北の大地に来てまで何やっているんだか笑。妄想に耽るうちに電車は運転再開、少し遅れて札幌へ。



札幌駅に到着、しかし飲食店の閉店時間を過ぎ、ひとまず困った時のセイコーマートへ。
昼に鑑賞したDAIFUKU1人打ち上げ用の北海道産小豆使用の大福や、翌日終演後部屋に戻ってから乾杯するサッポロクラシック缶ビールその他家族へのお土産も購入です。
そしてチェックインすると驚き、コッペリウスの鍵にそっくりなレトロな部屋鍵!
羽田発の飛行機で津軽海峡春景色を越えても尚、益々余韻に浸ってしまうではないか笑。
配信千秋楽の、所作が洗練且つ自然なコッペリウスに敬意を表して、ティッシュでくるんでみたり
5月の感想でも触れたが、コッペリウスとはシャンパンパーティーを楽しみ、しかし結局は頬をツンツンしてくれたフランツの元へ帰りお姫様抱っこまでしてもらう
世界一幸せな小野さんスワニルダの気分で握って掲げてみたが、さまになるか否かはやる人によると反省。



午前中の大通公園。晴れ間が覗き、花々も咲き誇って散策が気持ち良い公園です。これまで寒い気候日
或いはファイナルバレエは9月の晴天でしたが日帰りであった為早歩きで公園内を通過。初めて春の木漏れ日を浴びてのゆったり散策、良い気分です。



今回も飛行機とホテルのパックでの北海道でしたが、幸いにしてお手頃な価格帯に惹かれほぼ即決したホテルから
徒歩2分圏内に必ず行きたいと計画していた飲食店があり。そのうち1店が、札幌に来たら外せないひげのうしのジンギスカン。3年連続の来店です。
ただ過去2回訪れていたすすきのの店舗がこのときは休業中で、また公演終演後は夜の営業時間に間に合いそうにないと思い、時短に伴って開始されたランチで本店を訪問。
ランチ時のメニューは3種類で、夜メニューのお気に入りであるおひとり様プランは無しでしたが
それでも3種を鉄板で焼いては味わうこの作業が幸せでたまらん笑。ボリュームがありそうであった為、注文時ご飯は少なめにしていただきました。



この後は今年の日本バレエ協会の異例プログラムであったクラシックとコンテンポラリーで紡ぐ眠れる森の美女に倣い、
グルメで紡ぐシンデレラストーリー。(呑気なことばかりに頭を使っている旨、ご了承ください)
2019年以降ジンギスカンの後はパフェと決めており、ホテルから徒歩2分圏内に必ず行きたいと計画していた飲食店その2 幸せのレシピ スイート。
締めパフェとして従来は夜以降の営業であった店舗も13時からの繰り上げ営業で対応していました。
注文にて、口にするのもちょいと恥ずかしい名称「季節の果実 舞踏会のパフェ」、シンデレラを彷彿です。旬の果物がたっぷりと盛り付けられています。オレンジもあり!
ヨーグルトのような爽やかなアイスも入っていて気分もすっきり。そして入店してこれまたびっくり、一角はお伽話の窓ガラスでシンデレラもあり。
開店直後で空いており、好きな席へどうぞと言ってくださった為すかさずシンデレラ前に着席です。
このあと、札幌教育文化会館で王子を目にできるのだ、と更に期待を膨らませていただきます。



グルメで紡ぐシンデレラストーリー  味の時計台ラーメン。時計台すぐそばです。時計が描かれた子供の生徒さん達の衣装がとてもお洒落でした。
そしてシンデレラの魅力は勿論のこと、あの12時が刻一刻と迫る慌ただしさもあったからこそ
王子は大捜索を指揮する刑事の如く凄まじい使命感を持って真剣に探し出す行動へ即座に踏み切ったのでしょう。
バターは味噌のスープに、私は王子に一段と蕩けました。

次行きます。



グルメで紡ぐシンデレラストーリー
翌日帰り札幌駅へ向かう道中にて、寿司店の四季花まる。四季の精達の場面展開、音楽含めて何度観ても好きです。



前日久々にたっぷり食べてしまい朝はコーヒーのみにしても昼は少し空腹になったぐらいでしたので単品で注文。
2階建帆立(確かこういった名称)、カニ、北寄貝。ネタが大きく、鮮度も良し。



札幌駅の駅舎。時計に星々が瞬き、その名も「星の大時計」とのこと。紺の色合いも合わせて星の精達が紺色系の衣装であった久富バレエシンデレラを想起。
駅ビル名はステラプレイスで、なるほど星のような場所、の意味のようです。
そして今夏は2年ぶりに新国立劇場でのバレエアステラスへ「熱心」に両日行き、理想を絵に描いたような騎士に再度うっとりしたわけでございます。



この時期旬のライラック。大通公園のあちこちで見頃を迎えていました。東京五輪のマラソン競技等の準備の為芝生が剥がれているのが何とも複雑でしたが
それよりも夏の札幌も暑く、東京でのコースも既に決まり暑さ対策も日々練られて準備も進んでいたはずが、
誰かの一声で札幌開催になったとされる経緯はどうも(以下略)。
2019年の新国立くるみ札幌公演時に北大を訪れた際、ちょうど札幌でのマラソンや競歩開催が決定した頃で、
事務総長がコース選定に来ていたところへの遭遇も忘れられません。ホテルで視聴した当日午後のどさんこワイド(北海道で放送の情報番組)でも大特集でした。
一番納得していなかったのは偶々ネットニュースを開いて知った瀬古さんであったようですが、そりゃそうだ。



帰り、新千歳空港で1つ購入したお菓子。ピスタチオクリームの文字に惹かれて急いで購入いたしました。
帰宅して食べようとよくよく見ると、あら??もう主語は省きますが笑、きりっとやや鋭い目眉が特徴が何処となく似ていらっしゃいます。
和菓子職人の格好もぴったりです。洋も和も絵になる稀少人物でいらっしゃいます。



グルメで紡ぐシンデレラストーリー 東京編
札幌では時間が足りず、札幌から東京にも進出したサムライカリーにてスープカレー。
つい最近までは所謂刀を持った侍の意味かと思いきや、運営会社の代表者川端さんの出身地北海道士別市が標津と響きが同じため
サムライシベツと親しまれていることに由来するらしい。所用で下北沢へ行った際に立ち寄りました。
大振りのかぼちゃが目を惹きます。それにしても毎度思いますが、かぼちゃを軽々運搬するシンデレラの腕力、なかなかです。
そしてアシュトン版シンデレラの馬車を2008年のバックステージツアーにて間近で目にした体験は宝で自慢でございます。



戻りまして帰りの上空。機内でのお楽しみ、座席備え付けのプレーヤーでの音楽鑑賞。早速クラシック一覧を覗いてみると、ストラヴィンスキーの『火の鳥』を発見。
渡邊さんが踊る一番好きな映像がトゥールーズ時代のベジャール版『火の鳥』リハーサル場面で、4年半前のお正月に見つけて以来何度再生したか数知れず。
タイムスリップできるなら上演当時の5年前へ観に行きたいほどです。しかも、飛行する機内で聴くのは格別でして、自身が鳥になってダイナミックに飛翔している気分を満喫。
機体が傾くと尚更で、飛行機で聴きたい曲や旅を空路を使っての旅を思わせる曲としてしばしば名が挙がる米米CLUBの『浪漫飛行』或いは
飛翔気分に間違いなくなる渡辺真知子さんの『かもめが翔んだ日』に並ぶ名曲であろうと聴き入った次第です。
次の北海道上陸はいつになるか。さらば、札幌また会う日まで!!


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