2024年12月1日日曜日

新シーズン開幕の壮麗な祝典  新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』10月25日(金)〜11月3日(日)昼









だいぶ遅くなった上に速報でもない速報と一部重複しており、もうどなたも待たれている方はいらっしゃらないと思いますが
10月25日(金)〜11月3日(日)昼、新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』を計7回観て参りました。
上演時間は約3時間20分で計12回公演。新シーズン開幕からボリュームたっぷり公演です。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/sleepingbeauty/


2024年10月25日(金) 18:30
【オーロラ姫】佐々晴香(ベルリン国立バレエ)
【デジレ王子】井澤 駿
【リラの精】米沢 唯*
【カラボス】直塚美穂
【エメラルド】奥田花純
【サファイア】東 真帆
【アメジスト】赤井綾乃
【ゴールド】木下嘉人
【フロリナ王女】五月女遥
【青い鳥】水井駿介
【長靴を履いた猫と白い猫】原 健太、益田裕子
【赤ずきんと狼】花形悠月、中島駿野
【親指トム】上中佑樹

【指揮】ギャヴィン・サザーランド

2024年10月26日(土) 13:00
【オーロラ姫】廣川みくり
【デジレ王子】速水渉悟
【リラの精】内田美聡*
【カラボス】山本涼杏
【エメラルド】飯野萌子
【サファイア】広瀬 碧*
【アメジスト】赤井綾乃*
【ゴールド】中島瑞生
【フロリナ王女】直塚美穂
【青い鳥】森本亮介
【長靴を履いた猫と白い猫】宇賀大将、原田舞子
【赤ずきんと狼】五月女遥、小柴富久修
【親指トム】山田悠貴

【指揮】冨田実里

2024年10月27日(日) 14:00
【オーロラ姫】柴山紗帆
【デジレ王子】福岡雄大
【リラの精】米沢 唯*
【カラボス】根岸祐衣
【エメラルド】飯野萌子
【サファイア】広瀬 碧*
【アメジスト】赤井綾乃*
【ゴールド】中島瑞生
【フロリナ王女】直塚美穂
【青い鳥】森本亮介
【長靴を履いた猫と白い猫】宇賀大将、原田舞子
【赤ずきんと狼】五月女遥、小柴富久修
【親指トム】上中佑樹

【指揮】ギャヴィン・サザーランド

2024年10月30日(水) 13:00
【オーロラ姫】木村優里
【デジレ王子】渡邊峻郁
【リラの精】内田美聡*
【カラボス】根岸祐衣
【エメラルド】山本涼杏
【サファイア】花形悠月
【アメジスト】金城帆香
【ゴールド】小川尚宏
【フロリナ王女】飯野萌子
【青い鳥】山田悠貴
【長靴を履いた猫と白い猫】菊岡優舞、東 真帆
【赤ずきんと狼】赤井綾乃、渡邊拓朗
【親指トム】上中佑樹

【指揮】冨田実里

2024年11月1日(金) 18:30
【オーロラ姫】小野絢子
【デジレ王子】奥村康祐
【リラの精】内田美聡
【カラボス】直塚美穂
【エメラルド】奥田花純
【サファイア】東 真帆
【アメジスト】赤井綾乃
【ゴールド】木下嘉人
【フロリナ王女】五月女遥
【青い鳥】水井駿介
【長靴を履いた猫と白い猫】原 健太、益田裕子
【赤ずきんと狼】花形悠月、中島駿野
【親指トム】石山 蓮

【指揮】ギャヴィン・サザーランド

2024年11月2日(土) 14:00
【オーロラ姫】柴山紗帆
【デジレ王子】福岡雄大
【リラの精】米沢 唯*
【カラボス】山本涼杏
【エメラルド】飯野萌子
【サファイア】広瀬 碧*
【アメジスト】赤井綾乃*
【ゴールド】中島瑞生
【フロリナ王女】直塚美穂
【青い鳥】森本亮介
【長靴を履いた猫と白い猫】宇賀大将、原田舞子
【赤ずきんと狼】五月女遥、小柴富久修
【親指トム】山田悠貴

【指揮】ギャヴィン・サザーランド

2024年11月3日(日) 13:00
【オーロラ姫】木村優里
【デジレ王子】渡邊峻郁
【リラの精】内田美聡*
【カラボス】根岸祐衣
【エメラルド】山本涼杏
【サファイア】花形悠月
【アメジスト】金城帆香
【ゴールド】小川尚宏
【フロリナ王女】飯野萌子
【青い鳥】山田悠貴
【長靴を履いた猫と白い猫】菊岡優舞、東 真帆
【赤ずきんと狼】赤井綾乃、渡邊拓朗
【親指トム】上中佑樹

【指揮】冨田実里


米沢さんの代役として新国立バレエ初登場のベルリン国立バレエ団の佐々さんはスケールある粋なオーロラ姫。
バレエアステラス2022にてアレクサンダー・エクマン振付『エスカピスト』よりクラシカル・パ・ド・ドゥでは鑑賞しており
ネオクラシックな作風でよく伸びる身体やパートナーを探すときの発生が綺麗だった点も記憶しております。
正直オーロラ姫の全幕、殊に1幕16歳の新国「迷物」白い衣装のお誕生日姿は想像がなかなかつきずにいたところ
登場の瞬間から潔く大らかな姿に驚倒。4階席どころか甲州街道へも届きそうな視線の広がりや磨き抜かれた技術の無駄のない美しさに仰天でした。
求婚者達の支えなくてもローズアダージョもバランス万全そうな安定感で、可憐な姫とはだいぶ違った造形も佐々さんならではでしょう。
欧州のいくつものカンパニーで主役を張ってきたキャリアにも納得な格好良さでした。
3幕はほんの静かな間も脚がすっと上がるときの軌跡もがぴたりと狂いなく、結婚式を取り仕切るように晴れ晴れとした美に見惚れました。

恐らくは新国立にてゲストと組むのはお初であろう井澤さんは、そうでした入団がちょうど10年前でイーグリング版眠り初演時。
現在の貫禄からは想像がつかぬ、初々しい青い鳥が思い出されます。(確か平日昼公演からの登場だったか。オペラグラス掲げる観客、多数であった)
佐々さんとは好相性でパワーのある姫君をガシッと温厚に受け止め、森の場面もエネルギーをたっぷりと互いに沸かせ、濃緑の妖精達に囲まれても圧倒する存在感。
井澤さんのソロも欧州で主役張り続ける佐々姫に負けぬ輪郭もあり、珍しくも見た目も踊りの質感もしっくりくる新鮮なペア誕生を見届けた思いでおります。
カーテンコールにて、手を握り合いながら肩を寄せ合い讃え合い、ちょこっと素に戻っての喜びようはシーズン開幕初日の重圧から解放された安堵感が滲み出ていて
看板プリマの米沢さんの代役を務められた佐々さん、佐々さんをしっかり受け止めてパートナーシップを築かれた井澤さん、両者に大きな拍手を送りたいと思います。

初役の廣川さんは天真爛漫な16歳から大人女性へ変化遂げるオーロラを上階まで届かせて描写。
この日は4階隅っこで鑑賞しておりましたが双眼鏡不要なくらい存在を大きく堂々と見せていて目線も上に向き、
舞台度胸からしてお見事でした。全幕大作の主役踊るには大重要です。
内面をはっきりと出しつつも、これまで少々気にかかっていた表情の作り過ぎもなくなって上体の動きが一層豊かに。踊りと顔つきのバランスも取れてきた印象です。

速水さんは『人魚姫』千秋楽における人魚姫との出会いと婚約者との接し方の表情が同一で表現力の乏しさにありゃりゃ???だった印象もあり(失礼)、
王道の古典は心配もありましたが、狩の登場や物思いに耽る様子、1人での彷徨いもぶつ切りにならず、恋心伝わるデジレ王子でほっと一安心。
所々ノーブルな趣が欠けてしまい、ふとした瞬間に今時の若者っぽく見えてしまうも、デジレ王子が2幕序盤浮かない顔をしていたのは遊び疲れかなとも想像笑。
今年1月の『くるみ割り人形』以降、廣川さんと速水さんは物語バレエにおける相性は良さそうに思え
感情表現が濃いめの廣川さんがリードしながら土台を作っているところへさっぱりした速水さんが ふわっと染まって配分がちょうど良くなり、面白い築き方をするも馴染むペアであると思わせます。

柴山さんは初回はだいぶ緊張してしまったか指先の震えが散見されるも、今回分かったが手が非常に美しく指も長く
だからこそ2回目の森の場面で妖精達の間をかき分けていくときの滑らかさといい
3幕パ・ド・ドゥで自信持って踊ってポーズを決めたときは手の表情に至るまで澄んだ美しさを造形。(自信持って!!!)
2回目は随分と肩の力も抜け、ローズアダージョもぱっと花咲くように披露して、王子達からの語りかけに対する恥じらいも奥ゆかしくて可愛らしく映りました。
今夏のバレエ・アステラスでは井澤さんと3幕グラン・パ・ド・ドゥを、多摩センターでのエチュードバレエアカデミー発表会眠り全幕では
2幕3幕を渡邊(峻)さんと踊られ、とりわけエチュードさんでは森の場も幻影であっても
観ているこちらに目元も呼び起こされそうな優雅な儚さに目を見張っただけに本拠地での大作全幕の初役の難しさを感じずにいられず。

福岡さんは王子にしてはかなり貫禄があり、されど踊り出すと若々しさが爆発。相変わらず体力お化けです。
貫禄に唸ったのは大サポートで、初回初役の柴山さんがたいそう緊張してしまいグラン・パ・ド・ドゥもコーダで息が合いづらい箇所が多発してしまって
柴山さんの軸がずれてしまったか素早く激しく回転しながらの横移動にて真っ直ぐ回れずぐらついてしまったとき
その度に福岡さんが手の位置を自在に変えながら支え、時にはピットに落ちそうにも思えた柴山さんをサポートしながら救出。
客席もハラハラドキドキな空気が広がっていただけに、最後無事ポーズが決まったときはどれだけ胸を撫で下ろしたことか汗。
思えば柴山さん福岡さんが全幕で組むのは初めてで、なかなかスリルある冒険であったかもしれません。でも2人の並びはお似合い。
そうでした、福岡さんは舟旅にて添乗員リラと参加者デジレ王子1名の洞窟ツアーのような楽しさで溢れ(参加者1人でも決行するツアーの先駆者だったでしょう笑)、
何処へ行くのか問いかけ興味津々な王子に対して行ってからのお楽しみと言わんばかりに回答するやりとりが微笑ましく、米沢さんリラの手に旗が見えました笑。

2日目の夜公演を体調不良のため降板された小野さんは11/1に無事復帰。登場からにっこり溌剌可憐なオーロラ姫に安堵し、客席から大拍手で迎えられました。
軽やかに踊りながら庭園のバラを更に満開にさせるような愛くるしさで染め上げ、4人の王子達に駆け寄られるも
恥ずかしさと秘めた自信が共存し見え隠れするしたたかさも、あらゆる危険な物から遠ざけて愛されに愛された姫君としてナチュラルでした。
針に刺されたときの気の失い方も音楽と呼応し、足取りが危うくなっていくさまを小刻みな震えの音楽とぴたりと連動。

奥村さんは予想以上に覇気あるデジレ王子で、2幕登場時の若さ漲る姿にびっくり。狩を大満喫して貴族達を率いる張りの強さがある一方で
1人になると寂しそうに何かを見出したい様子を静かに描画。オーロラの幻影を見せられると
目覚まし時計が鳴りました状態な分かりやすさで恋い焦がれていたのも、怖いもの知らずな若さが表れていて説得力がありました。
前回2021年2月の眠りは当初はデジレ王子に配役されず、井澤さんの怪我により木村さんと組んでの登板であった奥村さんで
急遽とは思えぬ綺麗なパステル画の絵本を紐解くような描画力に恐れ入ったものです。
思えば奥村さんはイーグリング版眠りでは瀬島さん池田さん木村さん小野さん、と
組むパートナーが歴代一番多彩と気づき、どの相手にも合わせる術の高さに再度驚かされます。
小野さんオーロラ姫との結婚式は厳粛で雅やかなお2人。既に女王な風格ある姫と、心からお仕えする王子な並びで
小野さんのパッセ1つで一段と発光する美しさや奥村さんの活力溢れるソロも王家の再出発に相応しい踊りでございました。

木村さんは音楽をたっぷり使う伸びやかオーロラで花と宝石を湛えるような姫。観る度に体幹や軸が丈夫になっている印象を与え、
1幕はあどけない可愛らしさ満開。間延びしがちなローズのヴァリエーションにおけるゆったりしたポーズや
音楽と音楽の間の静まり返るタイミングであっても内側からの煌めき止まらず。
森の場では儚い幻影でありつつ王子が思わず恋せずにはいられないすっと香る麗しさが出ていて引き込まれる存在感でした。

※ちょいと長くなります。100年は要しませんのでご容赦ください。

渡邊さんのデジレ王子は威風堂々且つ翳り色気醸すお姿で登場。銃担いで羽根つき帽子を取りつつ、ハンターな眼から悩みを募らす佇まいも自然な流れの説得力でした。
舞台隅で繰り広げられる川口藍さんの伯爵夫人との怪しい絡みからも目が離せず。思えば伯爵夫人という立場ですから正式な相手がいるはずで
何故王子と睦まじく2人身を寄せ合って歩いているのか、鞭の手渡し方からして夫人のほうが身分は上にも見えたりと
私の中では謎に包まれているわけですが、手の取り合い方やゆっくりとした視線の合わせ方からして
品良くも艶かしい感情がそっと重なっていたと見て取れ、賑やかな村人達の祭りとは別世界を歩むお2人でございました。

2幕の憂愁を帯びたソロでは片方の軸足を維持しながらの難しいポーズ1つ1つも絵を丁寧に捲るように決まり、これ見よがしでなく苦悩の中で美しい描画。
濃緑妖精達に囲まれても堅物感(褒め言葉)から恋に目覚める変化も耽美で、恋心はみるみると募るも
幻影のオーロラ姫を硝子細工に触れるように支えて見せていたこともあって
人間と幻の関係として距離感が近過ぎずされど我が物にしたい欲が音楽とすっと折り重なるように紡がれてたちまちドラマティックな膨らみも感じ取れた場面となりました。
22人構成だったか、妖精達は濃緑隊である上に観客が眠り客になりかねない最たるハードル高いぼんやり場面であることをすっかり忘れさせたほどです。
目覚めのパ・ド・ドゥは他の版にも入っている演出もあるため何も名物目玉と言わんばかりに入れなくてもと思っており
けたたましいファンファーレ目覚まし時計な目覚めの音楽も好きな私ですが
まだ夢うつつな状態のオーロラ姫を抱きながらのゆったり階段下りや、目覚めたばかりにしては疾走感や回転、自然な進行方向と逆行するような振付であっても
徹底して御伽噺絵本の世界観な雰囲気を崩さず且つ表現も美しいお2人で、観ていて長さを感じさせず。
盛大な誕生会を行ったわりにはベッドが簡素で100年経っても劣化しないどころかビジネスホテル並に綺麗で張りがあるのは益々謎が深まる一方ですが
(眠るオーロラの頭付近にコンセント差し込み口があっても違和感なさそうである)
渡邊さんデジレ王子による、オーロラ姫が掛けているお布団を捲るときの所作がまた慎重で丁寧で、子供を起こしにきたオカン状態になっていなかったのも好印象。
3幕絢爛な式典背負うパワーある品格で、白いさっぱり系衣装であっても重厚な装置背景に負けぬ存在オーラ。
結婚式らしいめでたそうな曲調ではない(失礼)ヴァリエーションも、雄々しい勢いを随所に付けて踊りそのものの表情の豊かさや立体感の祭典と化して、
構成上見出しにくい感じ取りにくい埋れかけている曲のメリハリも前面に押し出してくださっていた印象すら持ちました。
グラン・パ・ド・ドゥも登場や後ろへの歩き姿といった細かい箇所においても背中や肩の裏にも品が宿っていて徹頭徹尾王子様。
壮麗で戴冠式な格調高さのある3幕となり、とりわけ3日昼は大満足なマイ千秋楽でございました。

今回最も話題になっていたのは、体調不良のためオーロラ姫役を降板された米沢さんが医師の診断により許可が出てリラの精で登場されたことでしょう。
3キャストの予定が吉田朱里さんが怪我で降板され2キャストとなって米沢さんも予定より多数登板。
リラはグラン・パ・ド・ドゥやローズアダージョこそないが私の中ではオーロラもリラもかなり体力消費する、テクニックも必要な役と思ってきたため
またプロローグと2幕は舞台に出ている時間帯も長く、カラボスとの対決場面も長い。無事務まるか途中で離脱にならないか
8月の広島県福山市でのSSBガラにおけるガチョーク讃歌パ・ド・ドゥは愛くるしい元気な姿を見せてくださっていましたが
6月東京公演と7月札幌公演での『アラジン』2度の途中降板時の客席にいた身からすると心配もありました。
いざ初日、幕が開きシャンデリアに乗っての降下にカーテンコールかとも思う万雷の拍手が起こり、おかえりなさい!との気持ちが込められた幕開け。
混じり気のない、内面の奥底から慈愛や母性に溢れるリラで、妖精ソリスト達やお付き達を率いるときも笑みを絶やさず柔らかな腕使いも雄弁。
カラボスからの攻撃に対しても怒りではなく何もかもを洗い流すような清らかな優しさで対抗し
全てを包み込むように舞うヴァリエーションも、小難しいバランスや足運びも余裕綽々に披露。
宮殿の歴史を知り尽くした感すらある、悠然とした司り方で王家の人々を見守るリラでした。
オーロラが倒れ込み、悲しみに暮れている人々の前に出現したときの菩薩な微笑みに国王と王妃はどれだけ救われたことでしょう。
王子の導きはマイムがはっきり、急かす王子にはきっぱりと待機の指示も出して、ゆったりと先導なさっていました。

対する抜擢の若手、内田さんは見映えするクールで神秘的、エレガントなリラ。ロシアのバレリーナかと思わす、すらりと高い背丈や長い手脚を駆使して
妖精達を統率され、弧を描く腕と頭の間に自然と空間が出来上がる、抜群のプロポーションの持ち主です。
余りのスタイルの良さから容姿ばかりに目がいきがちですが、コントロール力や柔らかな包容力もあり
カラボスを突っぱねるときは結構おっかなく笑、美と威厳兼備の妖精リーダーでした。
細くも筋肉がしっかりついた体型で容貌も麗しく、無駄にこってりゴージャスフリル祭りの衣装にも負けずよくお似合いでございます。

カラボスは全員初役で三者三様。直塚さんは押しが強く、怒りと同時に自身が招待されなかった悔しさや疑問を必死に訴えていて、
手下達と並んで両手を左右に掲げ片脚を蹴り上げるポーズの大胆なパワーと強靭なバランスもお手の物。
しかしカーテンコールではひたすらリラに敬意を表していて、米沢さんが緞帳前に現れる前に両腕で花道を作るように招いていらした姿は、優しさが毀れていました。
根岸さんは高貴な王女っぽいカラボスで、爪先で蹴り上げる仕草すらさらりとした品もあって全編通して上品な造形。
山本さんはやや小娘な雰囲気がまさってしまった気がいたしますが、元々愛らしいお顔立ちな上に、盤石な技術の持ち主なだけあって
もっと踊る場面が設けられていたら尚良き印象が残ったかもしれません。
踊る場面の少なさについては、今回の3カラボスは皆様高い舞踊技術を備えているだけあって、例年以上に思えました。
カラボス号での乗車登場は皆様楽しそうで、悪女であってもお出ましにワクワクが止まらず。

新国立の公演は初登場であろうイ・ソンさんの国王は、すらっとした体躯に華やぐお顔立ちで
イーグリング版「迷」物の2幕赤白青のお帽子(上から見たときの形の多様な観察録が耳に入り、来年の大阪万博ミャクミャク説もありました汗)や
2幕の孫悟空な頭飾りも(ナポレオンをイメージした衣装とは思うのだが汗)さらりと着こなしていらっしゃいました。
プロローグにて、カラボスが招待客出席リストから抜けていたとの発覚時におけるリストの床への投げ付けは背筋が凍り付くほどに大音量が響き
1幕での糸車を手にしていた娘達への処刑言い渡しも眼光や腕の動きが非常に鋭く、歴代国王の中では最も恐ろしい形相であったかもしれません。
王妃はダブルで関さん。関晶帆さんは経験も積んでいらっしゃるだけあって、涼しげに澄ました顔付き、所作の優雅さも美しや。
関優奈さんは初役と思えぬ雄弁な仕草や仕切り、歩き方の上手さにも脱帽で、愛情たっぷりのお母さんな表情も印象に刻まれております。
国王王妃ともに、特に国王は摩訶不思議で着用者泣かせな衣装であっても、着こなして歩き、並ぶ姿はまことに颯爽と洗練されたお姿でした。

よくよく考えると結婚式にて何故にこんなにも別の物語キャラクターがわんさか登場するのか、もう深堀りはいたしませんが
親指トムでは上中さんが空気を一変させる取りこぼし無い身のこなしが見事。技巧の見せ方が俊敏でダイナミックで、
27日(土)は柴山さん福岡さんのグラン・パ・ド・ドゥコーダがだいぶヒヤヒヤで、緊張走る雰囲気がフィナーレにもなだれ込みかける中
瞬時に会場を沸かせて盛り上がりを取り戻してくださいました。本来は派手な技巧の見せ方は私はそこまで好まないものの
ぴたりとおさまる正確さといい、何よりこの日重たくなりかけていた空気にすぐさま変化をもたらしていて、大貢献であったと思います。
石山さんの、愛嬌を全身で振り撒きながら絵本からそのまま飛び出した感のある可愛らしさも好印象でした。

フロリナ王女と青い鳥では初役初ペアとなった五月女さんと水井さんが鮮烈な職人なお2人。
どちらかといえば共に小柄であっても、今にも塔の上まで飛び上がって舞っていきそうな、クリアで軽やかな踊りで滞空時間の長さもある水井さんと
ポジションの組み方も気持ち良く、空間を大きく立体的に使いつつ巧みで可愛らしい足運びな五月女さんで、息もよく合うペアでした。

宝石は精巧に磨き上げられていたベテラン職人達、特に奥田さんエメラルドの隅々まで研ぎ澄まされた踊りが目に残り
一方で若手組の、極太金模様衣装をも覆い返す煌めきも宜しく、中でも花形さんが全身から光る喜びを発していた印象です。
またゴールドの小川さんが音楽と調和した伸びのある美しさで沸かせ、駆けながらの移動の後ろ姿の肩辺りや腕運びも滑らかな品が崩れず、目を見張りました。

4人の王子は皆様貫禄揃いで王子ではなく国際会議出席の国王達にも見えたものの笑、特に渡邊拓朗さんによるスコットランド王子が
両腕重ねた格好も迫力あり、様々なタイプな姫の肩乗せもスムーズで見事でした。
尚、いつの頃からかお国の明記がなくなりましたが、イタリア(全身白系で帽子にふわふわ羽根)、ドイツ、ロシア(韃靼風)、スコットランドでございます。
せっかく衣装センスも素敵な華やぎがあり、誰がどの国との疑問もあちこちで聞こえましたため、次から明記再開を望んでおります。
しかしながらこの場面観ると必ず思い出してしまいます、2017年2018年に登板された、
韃靼風の衣装にやや切れ長の凛とした目元を備えた容貌が笑ってしまうほど自然な絵となり、
馬に跨り草原を駆けて来たであろうと容易に想像がついた渡邊(峻)さんのロシア王子でございます。懐かしい。

群舞の振付も、上から観ていると隊列の組み方や変化の仕方がなかなかの複雑さで踊り手泣かせに思えるも
ガーランドワルツにて次々とリフトされながら登場彩る冒頭は毎回気分上がりワクワク。
森の場にてパノラマ後半、いよいよ王子とリラが宮殿へと近づく道のりを作っていく妖精達の隊列移動も、濃緑葉っぱ衣装に反して笑
さらさらと優美で、ただ揃っているだけではなくほんのり息遣いまでもが伝わる機械的ではない統制の取れ方も見所の1つでした。

それからプロローグ妖精ソリストの中で、ヴァリエーションを2番目に踊る(色が皆同じだから例えにくい笑)優美の精が今回から元気の精に訳変更。
そもそも優美な旋律でもなく、ロシア系の版の訳で馴染みあるのは元気である印象もあり、どれが正しいかどなたかご存知の方はご教示ください。
ロシア系の版での振付に比較すると移動距離も終盤まで殆んどない上に音楽も平坦で魅せるのが難しいと思われ、
またどれを踊りたいか人気投票をしたら恐らくは上位には入ってこなそうな、これといって華やぐ要素もないソロですが
加えて先述の通りリラを除く妖精ソリスト6人は皆同色チュチュで、初演時は大混乱笑。まさかこの人達がこれからソロを踊るのかと目を疑ったものです。
つまり色に頼らず踊りのみでの勝負が問われ、下手すれば全体がペッタリ整列黄色部隊とした印象になりかねない中
頭から指先脚先まで神経を行き渡らせながらの匠の技術に拍手。特に、先にも挙げたこれといって華やぐ要素がない上に短時間で終わってしまう
元気の精の木村優子さんが明朗とは言い難い音楽の歯切れ良さを出しながら顔はいたくにこやかできちんと元気なイメージを届けてくださり
飯野さんが爪先指先で弦をしっとり弾くように舞う寛容、奥田さんの正確な鋭さで音楽を操る職人な技術と気高さが光る勇敢も痺れっぱなしになりました。

衣装については摩訶不思議博覧会開催真っ盛りに変わりないものの、今回は何点かは改善されました。まずリラの頭飾りがすっきりして昭和のスイミング帽脱却、
青い鳥の上半身の羽が追加されて鯉のぼり脱却、頭飾りの羽は減らしてガンバ大阪を脱却。
カバリエ達の青いデザインは飛翔も着陸も揃って行うから、ではないがブルーインパルスではあるものの、胸元に布が足されて開き過ぎからは脱却。
脱却ばっかりだ笑。

ちなみに衣装デザイン者の名誉のために申すと、素敵衣装もが多々あり。妖しげな緑と蜘蛛の巣なカラボス、
先にも挙げた4人の王子の華と品とお国柄出たデザインやオーロラ友人達のパステルなブルーグレー、
ガーランドワルツ女性のピンクとブルーの組み合わせや花輪の頭飾りも素敵です。
3幕ポロネーズ貴族達の金色や光沢のあるクリーム色で彩られた女性衣装も煌びやかで、そぞろ歩く姿の連鎖の優雅なこと。

美術はプロローグと1幕の繊細な初夏な宮殿風景、森の場の木々がそよぐようなエメラルドグリーン、3幕のがっしり重厚で天井画までこってり豪華な宮殿、と総じて絢爛。
ただどう考えても衣装と背景のバランスがちぐはぐで、初演時いかにして制作を進行していたのか10年経過した今も知りたいところです。

前回の全幕眠りは2021年2月のトリプルビル代替公演で、4回公演のみ且つ今や懐かしいが東京都の発令で観客の動員を定員50%以下に抑える対応で開催していた頃でした。
S席が大半で、B席やC席が非常に手に入りにくかった記憶がございます。そもそも上演前日も当日も、幕が開くまで開催できるのかすら常時不安に駆られていた頃。
その頃からすれば12公演も打ちながら連日ほぼ満席で完売日もあり、後半が過密日程であったのは改善を望みますが
2024/2025シーズンは華々しい開幕でスタートを切った新国立バレエでございました。
ところでまだだいぶ先々の話ですが100年の年月について考えたときふと思いました。新国立開場100周年記念公演も眠りでしょうか。
開場時の1997年、100周年の2097年、両方の時代を生きることができた方がいらしたら、何てめでたきことでしょう。
管理人は相当頑張れば、医療が更に発達していたら、100周年記念公演を観に行けるかもしれません。その前に、50周年があるか笑。





青空に聳える新国立劇場とオペラシティビル。



淡い色ですが、ロゼスパークリングワインです。泡がシュワシュワに弾け飛んでいます!!



晴天の文化の日。



1日(金)夜、秋のオペラパレス定食。夜景を背景にパストラミビーフのサンドイッチとカヌレ、ともに赤ワインと合いました。
プログラム持ちしてくれた友人にも深謝。



帰りの夜景、27日17:30頃。



2日終演後、マエストロ2回目!眠りですからロゼで乾杯。



お花が咲き誇るお庭のような水茄子と魚介のカルパッチョ。



渡り蟹のトマトクリームソース。もっちりとしたリングイネに、蟹の味が濃厚に絡んでいます。蟹の身も頑張って解していると、集中のあまり無言に笑。



真鯛のヴァボーレ デュグレレ風ソース。真鯛はふっくら、ソースは少し辛めでさっぱりといただけました。



仔羊のマルサラ煮込み。すっと解れるお肉でソースもしっかり染み渡り、ブルゴーニュの渋めの重厚な赤ワインが進みました。
デザートは速報でもない速報時と同じ、栗とアーモンドのセミフレッド。
ほっくりした刻み栗と温まっているチョコレートソースと合わさり、ほわっと落ち着く味でございました。



プログラム裏。清涼なガーランドワルツ、そしてシーズンガイドブックの一部を紹介。



宮崎からお越しになり、久々約5年ぶりに新国立バレエ観劇が叶い、11月3日昼公演を鑑賞した友人
(プロローグから感激し、2幕デジレ王子登場から、風格増した美しさに驚嘆したようです!)と
眠り期間中の別日に久々に訪れたこちらの焼餃子、癒されるお味です。



水餃子!あっさりされど澄んで深みある餡と肉汁でございます。紹興酒も欠かせません。



こちらはワイン進むアヒージョ!



リラ号の舟を思わすお皿。



ナポリタン!ケチャップ味付けではなく独特のクリーミーな味でワインとぴったり。



友人は不要とのことで、蜂蜜が好き過ぎる私が全部かけていただきました笑。プーさんの気分!



蜂蜜といえば、タイムリーで同時期の上演くまのプーさん。どんな舞台だったのでしょう。蜂蜜もたくさん登場するのでしょうか。



4日、上野からオネーギンの音楽脳内旋回しつつ帰りは初台へ行き友人と合流。12公演無事終了でき安堵です。
期間限定のロイヤルハイボールで乾杯。シールが貰えました。何処に貼ろうか。
職場のロッカーにアルコールデザインなシールは相応しくないかもしれませんが、格調高い絵柄です。
ちなみに管理人、職場のロッカーには10年以上前にチャコットでの買い物時にいただいた
棒キャンディーを持った淡いピンクチュチュ衣装の葦笛トリオの立体シールを貼っております。私のロッカーとは誰も思わなそうですが笑。
それはそうと2007年の最後のセルゲイエフ版眠り上演時や、2021年にトリプルビルの代わり演目としてのイーグリング版眠り公演回数は
たった4回だったことを考えると12公演もよくぞ成し遂げたと思います。



かなり濃いめのハイボールでしたが、ロースビーフやフィッシュアンドチップスと一緒に味わうと進みが早い。



2杯目はロック。ボトルデザインも格式高くロイヤルブルーも美しいので記念撮影。店員さんより快く許可いただき、ありがとうございました。
ああ、どの日も楽しかったが3日昼のデジレ王子、美しく凛としていて格調もあり、惚れ惚れするばかりでした。
この日は上野にて時折オネーギンにもお姿を重ねてしまい、冷徹で傲慢な前半からの急転落な人物造形をいつか観てみたいと願っております。きゃっ。


2024年11月25日月曜日

京都の永楽屋のディアギレフ&マレの手拭い




話が再び前後いたしますが、一昨日京都での観劇前にディアギレフ&マレの手拭いを見るため烏丸御池駅近くにて取り扱っている永楽屋の店舗へ行って参りました。
先月のアーキタンツでのバレエ史講座にて芳賀直子さんが大宣伝なさっていて京都大阪周辺への訪問時には必ずや行きたいと思っており、
また先週11月17日(日)に千葉県の南柏での江藤勝己さんによるセミナーでストラヴィンスキー作品、バレエ・リュスについて学び
永楽屋さんのバレエ手拭いも話題になったため、良きタイミングで足を運ぶことができました。

永楽屋について。京都にて約400年の伝統を誇る、日本最古の綿布商です。遡れば織田信長の御用商人を務めていたとか。
https://www.eirakuya.jp/

https://www.diaghilevmare.com


社長でいらっしゃる十四世細辻伊兵衛さんは、ディアギレフ&マレのブランド誕生とともに発足した
一般社団法人日本バレエ・リュス&バレエ・スエドワ協会の代表理事もなさっています。
元々は自動車会社勤務で学生時代は卓球の全国大会にも出場する等、異色な経歴の持ち主で、永楽屋へは婿養子として入り、後を継いだようです。
美しくも伝統にとらわれぬ手拭い開発企画に積極的で、バレエ・リュスやスエドワのデザインを取り入れるとは、よくぞ閃いてくださったと再度感激でございます。
バレエ以外にも伝統にとらわれない、クリスマスや計算機をもデザインに取り入れ、されど品よくお洒落な手拭い、風呂敷を多種販売しています。
https://www.eirakuya.jp/view/page/about#contents03

https://www.japan-ballets-russes-ballets-suedois-association.com/#sec01


ディアギレフ&マレの手拭いはこちらの細辻伊兵衛美術館の2階のお部屋にて販売されています。
美術館のような内装、展示販売です。実物を手にとって触り心地や質感を確認することもできます。
※ディアギレフ&マレの手拭いの販売エリアへの入場において料金は発生いたしませんが、ミュージアム入館には入場料が必要です。
部屋が隣り合っていたりするため、チケット未購入のままうっかり入室なさらぬようご注意ください。
https://hosotsuji-ihee-museum.com/





立地は京都市の中心部である烏丸御池駅からも徒歩3分程度で近いながら路地を少し入った場所にあるため周辺はとても静か。
私は京都河原町駅近くから徒歩で向かい、四条通りの繁華街とは正反対な閑静な環境に驚きました。
町家のような建築と西洋建築が混在していて洒落た飲食店も何軒もあり、ゆったりとした散策も楽しそうな街です。
目を惹く外観で、ガレージ?には十四世細辻伊兵衛さんのお顔の絵が大きく黒い太字で描かれています。
四条通りにある他の店舗のシャッターにも描かれ、この日清水寺へ行くときに通りかかった早朝、視界に入ると一気に目が覚めたほどです。
店舗/ミュージアムのスタッフの方より、内部の撮影及び掲載を許可いただきましたので、紹介して参ります。
もうこちらの説明は不要であろう、丹念に染め上げられ、視覚に訴えてくる鮮やかな色彩に溢れる美しい手拭いの数々をご覧ください。



























※店舗の同じビルの5階にバレエ関連貴重コレクション展示スペースのバレエルームがあり、貴重原画も展示されています。
尚、5階バレエルーム見学は予約が必要で、ご担当者の在勤の関係で現在は平日中心で見学を受け付けているようですが時々休日も受付可能のようです。
私はうっかり前日に電話を入れたため今回は残念ながら見学叶わず。ご希望の方はお早めに連絡を!

https://www.diaghilevmare.com/pages/access
京都市営地下鉄「烏丸御池」駅 4-1 出口から徒歩3分 営業時間10:00〜19:00 TEL:075-256-0077



ところでお店を出て、再び大繁華街の四条通りを歩いていると、何やら聴き覚えのある音楽が耳に入りました。
有線か何かでバレエ『くるみ割り人形』より、2幕序盤の王子とネズミ王再対決の音楽が大音量で流れていたのです。
いかにして選曲されているのか分かりかねますが、行進曲や葦笛でもなくトレパックや花のワルツでもない箇所で相当なバレエ通でないと馴染みない部分でしょう。
福寿園へ、しかも後日に詳細は紹介いたしますがお茶やお花、お菓子を目で舌で味わう目的で向かう道中
くるみの曲、とりわけ街中で流れる曲としてはレアなバレエ音楽に興奮がおさまらずでございました。

2024年11月18日月曜日

ステージバレエアカデミーで江藤勝己さんのバレエ音楽セミナー ストラヴィンスキー




順番前後いたしますが、11月17日(日)千葉県柏市のステージバレエアカデミーにて開催された、
江藤勝己さんが務めるバレエ音楽セミナーを受講して参りました。今回のテーマはストラヴィンスキーです。
https://www.stageballet.net/

ステージバレエアカデミー通信。スタジオの生徒さんや卒業生、先生方の活動、活躍がまとめられています。
https://www.stageballet.net/pdf/ballet_communication.pdf#zoom=100

バレエ・リュスとストラヴィンスキーの関わりや、主に『火の鳥』『ペトルーシュカ』『春の祭典』の曲構造や
作曲エピソード等を教えていただきつつ、映像を鑑賞しながら学んで行きました。
また新国立劇場バレエ団を始め、『火の鳥』や『ペトルーシュカ』はリハーサルピアニストとしての経験を踏まえた江藤さんのお話も興味津々で
大編成オーケストラによる曲をピアノ1台で奏でる難しさは話を聞いているだけでも卒倒しそうな作業の連続。
古典バレエと違ってレベランスもないためピアニストは休む間もない体力勝負な曲であったようです。
しかも高難度でカウントも複雑な構造の曲ばかり。延々長距離マラソンに取り組んでいるお心持ちであったと察します。
お持ちのピアノスコアを拝見すると、寿司詰め状態に記された音符や符号の羅列に目眩がしそうになり、暗号にしか見えず。
書き込みや譜面めくりの跡もあちこちに残っていて奮闘の軌跡が窺えました。

『火の鳥』における驚いた初耳逸話として、ロシアの物語バレエを制作したいと考えていたディアギレフは
当初他の作曲家に音楽を依頼していたが仕事が遅く、そのためストラヴィンスキーに電話依頼したようです。
万一の事態に備えてストラヴィンスキーに予めチラッとは話はしていたようですが、いざ正式依頼すると既にほぼ完成していたとか。
10年前に放送終了した某長寿番組のテレフォンショッキングな依頼がバレエ界クラシック音楽界において
何十年も早い段階で行われていたかと思うと(それは違うか笑)、とにもかくにもストラヴィンスキーの仕事のスピード、恐るべしです。

ペトルーシュカは流れに沿ってではなく様々な要素を貼り付けるようにした作りが特徴の1つと知り、
そういえば注意深く聴いていると突如音色が弾け散りながら変化して次々と四方八方から飛び込んでくるように聴こえます。
弦楽器と管楽器が全く異なる音を出しながらハーモニーを作り上げているからこその面白味ある曲調へと繋がっているそうです。
ペトルーシュカもそこまで私も回数は観ておらず、主役達よりもあろうことか
プログラムにも未明記の少しとぼけた味わいあるお巡りさんが1番印象に残ってしまった2019年の新国立劇場バレエ団ニューイヤーや
2006年と2014年の東京バレエ団、2006年の東京小牧バレエ団(現国際バレエアカデミア)くらいです。
飛び出すロシアの民話絵本を開いたかの如く色彩感豊かな装置や美術にはっと目が冴え渡り、人で埋め尽くされた大所帯ぶりにもワクワク。
音楽も変化に富んでいて人形達の登場の軽やかなお喋りのような曲調といいロシアのお祭り騒ぎな様子の賑やかな部分は耳にも残りやすいと再確認。
しかし上演頻度は低く、その理由もチラリと明かしてくださいました。加えてこれは私個人の意見ですが、ムーア人の描き方も現代では工夫を問われそうな気もいたします。

『春の祭典』はリトアニア民謡を取り入れていると今回初めて知りました。作品の最たる特徴は変拍子で
しかしさほど不自然に聴こえないわけをより事細かにカウントを分解してのご説明に納得でした。
この3作品中私が最も覚えられない曲でもあり、東京バレエ団や小林紀子バレエシアターでも鑑賞していながら未だに歌えません汗。
失礼ながら初鑑賞時は大地の雄叫びを好き勝手に並べただけ?と思ったほどで、初演時に暴動が起きたのも分からなくもないと頷けましたが
(結果として話題性も強まって翌日以降は完売したもよう)
よくよく聴くと、そしてバレエも一緒に観ると纏まって見えるので不思議なものです。

先月アーキタンツで開催された、バレエリュスのお話も多々含まれていた芳賀直子によるバレエ史講座から、今月は江藤さんによるストラヴィンスキー講座。
しかも江藤さんの音楽セミナー受講のきっかけにもなったレッスンが開講されていた
(2022年10月に受講した初級クラスが江藤さんでした。下部の映像にて主役の火の鳥を務めている講師のときしか行かず、 レッスンは多くて年4、5回の私からすれば偶然に偶然が重なってのご縁です)
アーキタンツにおける珍しい座学講座受講からの繋がりが続いていて嬉しさもひとしおでした。

今回はスタジオにスライドを設置して映写しての講座で、お堅い雰囲気はなく江藤さんの説明に度々笑いが起こっては
映像の感想や意見をあれやこれや発言が活発に飛び交う和やかな講座で、楽譜やバレエ・リュスの衣装図鑑も楽しく閲覧。また是非とも受講に伺いたいセミナーです。
それから来年は新国立劇場バレエ団にて干支1回りぶりにフォーキン版『火の鳥』が上演されますので、
今回の講座内容を頭に置きながらより楽しく深々と鑑賞したいと思っております。
その前に、バレエ・リュスやスエドワの手拭いを見に永楽屋へ行くのは今週末。お値段は張りそうですが、多数の商品の実物を眺めてみたいと夢が膨らみます。




南柏駅。この日は季節外れな温暖気候で23度くらいまで上昇していたかもしれません。汗ばむ陽気でした。



入口、大きな看板がお出迎えです。1993年に設立、Jリーグ開幕の年です。当時からスターだった三浦知良さんが今も現役とは。




2017年お正月、酉年幕開け及び下の映像発見記念にりんごの木に似た植物と撮影。新国立フォーキン版火の鳥チラシ、その4年前に神戸のロシア雑貨店で購入した民話絵葉書と。




それにしても火の鳥、音楽の完成度といい畝る高揚感や摩訶不思議で研ぎ澄まされた厳格さといいストラヴィンスキーの中でも大傑作と思います。
2017年お正月に良い意味で私の一気に人生狂わす⁉︎衝撃与えたリハーサル映像思い出し、ベジャール版火の鳥主役をいつの日か拝見したい願いはずっと持ち続けております。
曲中で私は、このパキータと合わせた2演目ハイライト映像で流れているジャン!と中盤から曲調が歯切れ良く威厳に満ちた展開に大変化するあたりが特に好きな部分です。

2024年11月11日月曜日

喜怒哀楽の襞をも描き切る選曲 シュツットガルト・バレエ団『オネーギン』11月4日(月祝)







順番前後いたしますが11月4日(月祝)、シュツットガルト・バレエ団『オネーギン』を観て参りました。シュツットガルトの『オネーギン』全幕鑑賞は9年ぶりです。
https://www.nbs.or.jp/stages/2024/stuttgart/onegin.html


宣伝映像



※キャスト等はNBSホームページより

アレクサンドル・プーシキンの韻文小説に基づくジョン・クランコによるバレエ


振付: ジョン・クランコ
音楽: ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
編曲: クルト=ハインツ・シュトルツェ
装置・衣裳: ユルゲン・ローゼ

世界初演:1965年4月13日、シュツットガルト・バレエ団
改訂版初演:1967年10月27日、シュツットガルト・バレエ団

オネーギン:マルティ・パイジャ

レンスキー(オネーギンの友人):ヘンリック・エリクソン

ラーリナ夫人(未亡人):ソニア・サンティアゴ

タチヤーナ(ラーリナ夫人の娘):ロシオ・アレマン

オリガ(ラーリナ夫人の娘):ヴェロニカ・ヴェルテリッチ

彼女たちの乳母:マグダレナ・ジンギレフスカ

グレーミン公爵(ラーリナ家の友人):クリーメンス・フルーリッヒ

近所の人々、ラーリナ夫人の親戚たち、 サンクトペテルブルクのグレーミン公爵の客人たち:シュツットガルト・バレエ団


指揮:ヴォルフガング・ハインツ

演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

協力:東京バレエ学校



フォーゲルやバデネスは出演しない、失礼ながら出演者は誰一人存じ上げず若手中心配役ながら
強いエネルギーが集中して見応えあり、パイシャとアレマンのまだ青いからこその
まっしぐらなドラマ描写、パ・ド・ドゥの痛烈な情感といい鑑賞後は放心状態になりました。
アレマンのタチヤーナは床に伏せて読書に耽る姿や横顔のそこだけに靄がかかっているかのような空想真っ只中の脳内が表れていておっとりした行動も慎ましい。
本を持ったままオロオロするも、椅子に腰掛け再び読書に戻るのもナチュラルで所作も美しく、育ちの良さが窺えます。
オネーギンとの出会いはすぐさま雷光に打たれたのではなく謎めいた風貌に戸惑い衝動を抑えながらも惹かれて行く様子を丹念に表現。
3幕は公爵夫人として現れると振る舞いに節度はありつつも誇り高さを内側から放っていて、決意に満ち毅然とした視線にもぞくっとさせられました。

パイジャのオネーギンはツンとして冷淡な風貌で登場。タチヤーナに対して過剰に嘲笑うこともなく
ゆったりとした顔の動かし方から住む世界が違うと言わんばかりの無言の圧力をかけていた印象です。
クランコ版におけるオネーギン名物であろう、本人を目の前にして見せつけるタチヤーナからの手紙破りも
残酷極まりない行為ながら、若さゆえの容赦ない見せつけなのか思考回路が気になる姿でした。(タチヤーナが可哀想であるのは変わらないが)
3幕、公爵夫人となったタチヤーナに対しては後悔や悲しみよりも理解できぬ苛立ちをも募らせていて、自業自得ではあるはずなのだが
オネーギンの捻くれた性格は不変と感じて不自然さは無し。
アレマンのタチヤーナが涙目になりつつも気高く突っぱねる強さが入り乱れていただけに、
年齢は重ねてもオネーギンの傲慢さや幼稚さが最後まであとを引く幕切れでした。

エリクソンのレンスキーはまさに若い、オリガとは睦まじい仲であり、純真無垢で青春真っ盛りそうな青年でオネーギンとは正反対の太陽のような笑みで行動。
その分怒ると噴火が止まらず、オネーギンからの挑発に一瞬で激情に駆られる様子は別人のような変わりようでした。
ヴェルテリッチのオリガは華々しい愛らしさ満開。多少軽率な発言しても許されてしまいそうな愛嬌といい憎めぬ魅力が備わっていて
レンスキーと愛し合う関係であってもちょこっと調子に乗ってオネーギンとの仲を強調する行動にも頷けます。

何と言っても音楽の構成が秀逸で、些細な感情や喜怒哀楽の奥に潜む襞をも音楽が完璧に描き切る選曲の妙が光り
何度観てもこの作品のために書き下ろしたとしか思えず。オペラの『オネーギン』以外の曲からの貼り合わせとは到底信じ難い構成です。
帝政ロシア下の華麗さの陰での人間関係の歪みが覆う何度観ても迫りくる作品でございます。

ガラでもお馴染みなパ・ド・ドゥも、とりわけ鏡のパ・ド・ドゥはタチヤーナの手紙執筆における抑えられぬ恋心と、
オネーギン出現の妖しさが密に絡まってなんとも言えぬ情感が沸騰。現実では冷たくぶっきらぼうな(笑)オネーギンが、夢の中では優しく紳士的な面と、徐々に露わになっていく危うさへの膨らみをタチヤーナにこれでもかと見せていくわけで
またタチヤーナからすれば夢を超越した、単なるときめきに終わらぬ摩訶不思議体験でしょう。
首筋への口づけ等、官能の雨を降らせていくオネーギンの魅力に益々取り憑かれていく弄るような凄まじさをも音楽が緻密に饒舌に語り、
吸い上がるようなリフトを維持したままでの移動もスリリングな恋を一層雄弁に描写していて、振付と音楽、感情の一体化が見事とこの度も膝を打ちました。
ガラではよく目にするパドドゥですが、寝たふりをしながらの乳母とのコミカルなやりとりの後に観ると
タチヤーナへの感情移入も気持ち良くできて、全幕で観る幸運に特に感じ入った場面です。

2幕での、オネーギンによるオリガとの仲のアピールからレンスキーの嫉妬を煽り、タチヤーナは不安の沼に落ちていく下りも、
音楽の一音一音が軽薄さや心の痛みをそのまま台詞にして発し、会話しているような流れで、遂にレンスキー激昂な展開もごく自然に映りました。
チャイコフスキーの様々な楽曲から成る全幕バレエは何本もあり、私が観た中でもエイフマン版『アンナ・カレーニナ』やマクミラン『アナスタシア』、
バレエシャンブルウエストの『タチヤーナ』といくつも思い浮かびますが、場面ごとの余韻を持ち越すような自然な繋げ方といい
全人物の心情を細やかに汲み取るような選曲といい『オネーギン』は別次元な完成度の高さであると捉えております。

ユルゲン・ローゼによる繊細で抑えた色彩美の衣装美術、舞踏会の優美な内装も注目。目を凝らして双眼鏡押し当てて細部に至るまで観察し、だいぶ年季も入っていそうですが大事に踊り継いできたからこそ滲む長年の伝統をも思わせ、一層大切に目に胸に保っておきたい衣装の数々です。
カーテンのレース模様の緻密さや、3幕邸宅での舞踏会場面の美術は一見色が濃厚であってもキツさはなく、あくまで上品な色合い。
幕が開いた瞬間、衣装や装置の余りの華麗なる並びから歴史映画を眺めている心持ちになりました。

今回の『オネーギン』日程は全て新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』と重なり、しかし2018年公演においても新国立の『不思議の国のアリス』
そして私の場合京都バレエ団公演『屏風』『京の四季』の鑑賞とも被っていたため鑑賞を断念。しかし今年こそは欲望がまさり、新国立眠り千秋楽はお預けにして
上野における3日間限定帝都ペテルブルク最終日へと参りました。結果、大正解。
勿論眠り大千秋楽に居合わせたい気持ちもあったものの元々好きな作品である『オネーギン』全幕を本家本元による上演での鑑賞は格別なもので
会場で会った方々や鑑賞後に友人と合流するために出向いた初台駅改札口やオペラシティで遭遇した
新国立常連の方々からも、1回は上野に行くであろうと思ったと言われたほどです。
行くなら『椿姫』より『オネーギン』であろうと私の好みの予測も容易についたらしい笑。
しっとり静けさ湛えたショパンより、華麗で劇的で郷愁感を誘うチャイコフスキー音楽に聴き惚れている点も当たっております。

それから記憶から遠ざかり驚きを覚えたのは上演時間の短さ。全3幕構成の休憩2回込みで2時間15分で、
1幕3幕終盤で披露される要となるガラでもお馴染みなパ・ド・ドゥへの辿り着きも早い!
例えば全2幕の『ジゼル』、『くるみ割り人形』もトータルの上演時間は2時間弱ですから
ひょっとしたら数ある全幕バレエの中で休憩を抜いた上演時間は一番短いのではと思います。とにかく幕ごとにぎゅっと凝縮していてダレる箇所が一切無いのです。
群舞の見せ場や配し方も工夫がなされ、主要人物達の崩れ行く人間関係をハラハラ見つめつつも進行する2幕の舞踏会といい
時間軸戻って1幕中盤は村人達の群舞が主役ともいえる見所もあり、すっかりオネーギン名物となった舞台袖から反対側へ男女ペアで突っ切る疾走感は何度観ても胸躍る場面ですし、
ここの躍動感があるからこそタチヤーナとオネーギンの不思議な関係性が更に引き立っていくと思わせます。
シュツットガルト通な方の中にはもう飽きてしまっている観客もいらっしゃるかもしれませんが
私としては振付、選曲、構成どの要素も噛み合って完成度が高い『オネーギン』上演は誠に喜ばしうございました。今もまだ音楽の脳内再生が止まらずにおります。
パイジャとアレマンのペアにとても満足している一方、フォーゲルのオネーギンも観てみたかった興味は消えず。
舞踊生命は長そうな予感はするものの、この先まだチャンスはあるでしょうか。




幕間に、赤ワインと新宿中村屋のピロシキ。先日待ち合わせで中村屋の地下入口前へ行ったとき目に留まり、購買欲を刺激。エッグタルトも美味しそうであった。
中身の写真撮りそびれましたがピクルスが蓋のように刺さっていて、口直しにもちょうど良しです。



解説。ロシアの詩人ワシリー・エロシェンコと中村屋の創業者のご縁が関係しているそうです。キャベツたっぷりで、後味もしつこくなく美味しくいただきました。


2024年11月7日木曜日

【アーキタンツで座学】芳賀直子さんのバレエ史講座





※もう明日に迫っていますが、芳賀さんと日本最古の綿布商「永楽屋」十四世 細辻伊兵衛さんによるトークイベントが2024年11月8日(金)に渋谷ロフトで開催されます。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000026246.html



10月19日(土)、アーキタンツで芳賀直子さんのバレエ史講座を受講して参りました。
http://a-tanz.com/ballet/2024/10/16211747


レッスン道具持たず、一切の緊張もなくアーキタンツへ行くのは初めて。開講前は震えている(ときもある)私ですが笑、
今回は『座学』!!!どんなに上級内容でも大丈夫、と申したいところですが座っているだけでございます。
また座学や鑑賞中心から実技へは、技術の基礎や容姿や体型の条件やら柔軟性、即座の順番記憶能力も求められる等特に私なんぞバレエは最も向いていない芸術分野の実技なわけで
すぐさま対応は難しいものの、逆、つまり実技が問題なくできている方は即座の記憶力や対応能力に裏打ちされた賢さは万全であると思いますし
全身での反応を示すわけではありませんから座って聞く分には上級レベルも難なく受講可能かと存じます。

講師は芳賀直子さん。バレエリュスの研究などの第一人者でいらっしゃり、歴史を紐解くバレエ書籍執筆も多数。
今回はバレエの誕生から現在まで、講座の2時間で400年、イタリアからフランス、ロシア、ヨーロッパ各地、と世界各地を駆け抜ける速度で進行されました。
ルネサンス期からその場で生きてきた感ある逸話も織り込み、芳賀先生実はカトリーヌ・ド・メディシスの侍女をなさっていてフランスへの嫁ぎに同行なさっていたか
或いはルイ14世王政時代にベルサイユ宮殿に勤務なさっていたか、バレエ・リュスの広報担当をなさっていたかと思うほどに
その時代をずっと生きてこられたかのような臨場感あるお話が満載。政治と舞踊の関係、裏金ならぬ裏舞踊な駆け引きや
女性振付家が誕生しかけるも悲劇な事故に見舞われて振付を断念してしまいその後途絶えてしまった経緯、
バレエ・リュスが大胆なロングラン公演を決行し、財政は厳しくなったが結果として現在に至る大カンパニー創設のきっかけになったこと等
歴史に翻弄されてきたバレエ史の逸話が噴水の如く溢れ続ける講座でした。あと5時間くらいは聞いていたかったほどです。

受講者の中には中高生くらいの世代の方々も多く集結し(バレエ史学ぶこと、大事です!)
バレエに限らず歴史、世界史を学ぶときに大切なことを芳賀さんが語りかけてくださったり、バレエの話と合わせて当時の風習や習慣も交えて説明してくださり
バレエと世界史を同時進行で勉強している気分となってボリュームあれど聞き入ってしまう講座内容でした。

それから芳賀さんも強調されていた要素として、スウェーデン貴族のマレが立ち上げたバレエ・スエドワの存在も衝撃。
全く存じ上げず、研究者はまだ非常に少ないとか。詳細はこちらをご覧ください。
https://www.japan-ballets-russes-ballets-suedois-association.com/

https://www.japan-ballets-russes-ballets-suedois-association.com/#sec02

先端なアートの共演な作品が多々あったと思われ、知れば知るほど公演の現場に居合わせてみたい気持ちにさせられました。

そんなわけで芳賀さんの講座初受講、大変実りある世界史バレエ史400年を同時研究な内容でございました。講座終了後には芳賀さんとお話もさせていただき、
気さくで面白い、カラッとしたお人柄に触れて一段と楽しいひととき。
永楽屋の手拭い(後に紹介)も見せてくださり、現物を目にすると京都の京都市営地下鉄烏丸御池駅近くの店舗に益々行きたくなった次第です。
(今月京都観劇前に行く予定どすえ)
アーキでも何処でも、また講座受講したいと思っております。芳賀さん、ありがとうございました!


https://www.diaghilevmare.com/
リュスとスエドワの手拭い多数。ディアギレフ&マレ 永楽屋のサイト。

https://www.diaghilevmare.com/collections/all
手拭いオンラインショップ。色鮮やかでお洒落なデザインの数々です!商品紹介は芳賀さんが手掛けていらっしゃいます。

店舗の同じビルの5階にコレクション展示スペースのバレエルームがあるそうです。貴重原画も展示されていて、電話で事前予約すれば見学可能とのこと!
https://www.diaghilevmare.com/pages/access
京都市営地下鉄「烏丸御池」駅 4-1 出口から徒歩3分 営業時間10:00〜19:00 TEL:075-256-0077



帰り道



近未来な田町



許可いただき中身掲載、芳賀さん監修冊子ディアギレフ&マレ 紹介



永楽屋紹介ページ



眠れる森の美女 サルビアの精。赤装飾がキュート!



シェヘラザード。黄色い衣装のためか、今年2月の国際バレエアカデミアの金の黒奴が思い出されます。
来年8月にも再演予定、色気や野性味、ギラギラ眼光に射抜かれた同じキャストで観たいと熱望。



藤田嗣治もスエドワにて活躍し、のちの帝国劇場での白鳥の湖全幕日本初演に弾みつけるきっかけになったらしい。



田町駅すぐそばのmsbビルは1階にも店舗多数。お寿司屋さんでなみなみスパークリング!



お寿司、旬のネタ系。



田町駅。隣の高輪ゲートウェイは未上陸です。