2023年8月4日金曜日

観客参加型で台詞わんさか王子の美声三昧 新国立劇場バレエ団エデュケーショナル・プログラム『白鳥の湖』7月28日(金)13:00 29日(土)16:00









7月28日(金)13時公演、29日(土)16時公演の新国立劇場バレエ団エデュケーショナル・プログラム『白鳥の湖』を観て参りました。
昨年2月に予定していた『シンデレラ』が中止になってしまいましたので、初の企画公演です。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/educational-programme-swanlake/


舞台の様子。既に勝ち誇る艶かしいオディールにいよいよのめり込んでいく王子と心配そうなベンノ、怯えるイタリア王女、大使の姿も見えます。
そして直前に突然の発表があった、廣田奈々さん池田紗弥さんの退団は余りに寂しい。目に焼き付けました。






初日昼公演の様子が日テレニュースでも取り上げられました。王子の声は聞こえず涙。


オデット:米沢唯
ジークフリード王子:渡邊峻郁
王妃:楠元郁子
ロットバルト男爵:中家正博
ベンノ:木下嘉人

ナレーション:関修人
指揮:冨田実里
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団


従来の新国立子どもバレエとはだいぶ異なる演出で、観客参加型構成。ナレーターが登場し、
観客へ問いかけ子ども達から元気いっぱいな答えを導き出しつつオーケストラクイズやマイム講座を体験したのち、第3幕をほぼフルで上演する展開でした。
まず客電は明るいままにして1幕冒頭の曲が勇壮に演奏されたのち、最初に登場したのは劇団東俳Tプロジェクト所属でナレーターの関さん。
さすがは声のプロなだけあって子ども達の心の掴みも絶好調で幸先良い開演。
とにかく新国立劇場バレエ団の子どもバレエ史上、劇場内に最も声が響き渡る演出で
序盤は子ども番組の公開収録のような微笑ましい賑やかさに私も戸惑い新鮮な気分となりました。そうです、この企画の観客の主役は子どもです。
お誕生日の人いるかな??の問いかけに、ちょうど1週間前ならば私も挙手、と思ったのも束の間笑。(公演日程は獅子座の時期に入ってしまいました)
関さんが、僕の友達のジークフリード王子も誕生日だから皆でハッピーバースデーを歌って迎えようと声をかけ、観客斉唱するうちにやっとこさ王子ご登場でございます。

ところが王子は沈んだ浮かない顔をしながら登場し、関さんが大慌てで観客にも歌をやめさせます。
すると関さんが王子に話しかけ、回答はマイム或いは関さん自身が代理で声を出す流れかと思いきや、王子もたくさん喋る喋る。
好きでもない花嫁候補たちの中から結婚する人を選ばねばならぬ苦悩や、前夜に湖で出会ったオデットのことを
関さんが一時は聞き手に徹して王子が喋る喋る喋る。更にはミュージカルなどで使用される細い白いマイクが渡邊さんの口元に見え
台詞わんさかな点や、2ヶ月前に歌手や声優、宝塚系俳優と共演された『ラフマニノフの旋律』を鑑賞した経緯もあって
渡邊さんが2.5次元俳優に見えてなりませんでした汗。しかも、美声。ラフマニノフ、、、のときも喋りはありましたが
劇中の台詞ではなく最後の挨拶のみ。このときのスピーチは流暢とは言い難かったのですが
(失礼、でも周囲を立てる内容も一生懸命話していらして好感度大であったはず)
今回は渡邊さんの美声がオペラパレスに滑らかに響き、少々アニメの青年風な声色も魅力。尚且つ子供心を掴んだ関さんが作った空気を受け継ぎながらの会話のやりとりも
抑揚の付け方や、聞いて欲しいと強調したいときの視線の力強い向け方といいお手の物でした。

そして米沢さんも登場され、皆で出会いの部分のマイム講座を行い、向かって左に渡邊さん、右側に米沢さんが並び、お2人とも交互に台詞を言いながらマイム。
そこで客席を半分に分け、王子チームとオデットチームで交代でチャレンジ。
王子の場合はオデットが王女であったことを知ったときと失礼を詫びるマイムで、王冠をきっちりと表すのが意外と難しい。
加えて、失礼をいたしましたと渡邊さんが詫びるお辞儀がまことに美しく品が宿り、これは即座にはなかなかできません。
オデットは悪魔に白鳥に変えられてしまった悲しみを訴え、米沢さんの羽ばたく仕草が繊細でうっとり。そして声も優しく可愛らしい。
あっ、29日16時公演だったか、王子もちゃっかり一緒にオデットのマイムの参加していましたが笑。
そのあと、本公演式で踊りのみで出会いの場を再現。直前に見せてくださったお手本や観客自身でもやってみたマイムがバレエでいかに表現されるか
子どもたちも、大昔に子どもだった私も、一層興味を持ちながら鑑賞できました。

時間軸ずれますが、オーケストラ演奏説明や楽器紹介も子ども達の反応は上々。楽器を代表してオーボエとハープ紹介クイズでは前者はなかなか正解をもらえず笑
対して後者はクイズを出す前に当ててしまう子もいて、演奏家の方も大拍手。素直な反応が益々強まっていた気がいたします。
有名な情景の音楽を湖畔の場と、オディール登場時との聴き比べもソワソワ楽しく、
湖畔の場で流れるときのオーボエとハープの役目も実はこの日初めて知った次第。(オーボエはオデットの悲しみを、ハープは水面の揺らめきらしい)
何度も観ている作品でもまだまだ知りたい欲が増した、平均年齢を高くした客の管理人でございます。

そうこうするうちに手伝ってもらいながら関さんは儀典長の格好にお着替え。
続いて登場し、紹介されたベンノの木下さんもまたお辞儀や仕草が雄弁でとっても美しい。
そしていよいよ3幕が開幕。幕が開くと、特に28日(金)は大きな拍手が沸き、重厚な歴史絵巻な美術に圧倒された驚きに私も再び嬉しくなったものです。
本公演よりは人数は少なめであっても次々とそぞろ歩きで出てくるキャラクターの迫力は十二分。
花嫁候補が登場してちょこっとお披露目のみであったのが寂しく思えましたが、音楽の少々の省略はあっても民族舞踊はほぼ全部上演。
オディールと王子のグラン・パ・ド・ドゥはヴァリエーションは抜きで披露されました。
米沢さん渡邊さんともに互いに大胆な冒険に挑み品良くもダイナミックで、ベテランらしく完成度をぎゅっと濃縮。思えばお二人が白鳥の湖で組むのは初ながら、
力みなくされど高難度なテクニックやパートナーシップが冴え渡っていました。

その後オディールに愛を誓ってしまい、幕が下りると再び関さん登場。王子が騙されてしまったことを悔やみ嘆いていると何故だか王子が舞台を通過し、そしてUターンして舞台上へ。
突撃インタビューのように、心配そうに様子を尋ねると渡邊さん王子は走り込んできた直後もアスリートインタビュー以上に⁈綺麗な滑舌。
グラン・パ・ド・ドゥを踊りきった直後に舞台を袖から袖へ走ってからの台詞ですから、試合直後の放送席状態になったわけですが
息切れもさほどなさらずに、オデットの許しを得られた喜びを語ってくださいました。最後に結ばれた場面のポーズで締め、再び関さんの語りとカーテンコールで終演です。

もう少し踊りの場面もあればと思う節もあり。また王子の台詞が非常に多く、本来言葉を劇中では発しないからこそ従事なさる
声にコンプレックスを持つ舞踊家が配された場合どう対応するか、その辺りは気になった、
無声映画から有声映画に移り変わった頃の映画界を想像しつつ、子供の頃は映画館にて活動弁士の語りを聞きながらの映画鑑賞の疑念を抱かれたことは多々ある私でございます。

それはそうとこのエデュケーショナルは子ども達の反応が可愛らしく素直で、オーケストラのことなど大人の私も初めて知る事も多数あり。
何より渡邊さんの美声をたっぷり聞けた点も含め、予想外に楽しい企画でした。
尚、私は両回にて下手側の席であったため、(1回は王子椅子が近いからと舞台すぐそば、
もう1回は出先からギリギリ到着を想定していたためチケット切りの入口から近く、扉からすぐ着席可能なバルコニー迫り出し席を選択)
マイムは王子チーム配属。品格を維持しながら4階席の隅まで伝わるよう行うのがいかに難しいか、また男性パートを体験できたのも新鮮な収穫でした。





ホワイエにはピーター・ライト版『白鳥の湖』衣装を展示。



1幕ワルツ女性。模様のきめ細やかさ、重ね方に目を奪われます。



オデットと王子。王子の襷衣装もいつか展示を。観察したくなります。



オディール衣装、銀を基調に金も混ぜ入れた装飾の美しいこと。ゴージャスとはまた違う、手の込んだ内側から光る美でございます。



王妃様。威厳、重厚感を放っています。



オデットとオディールの頭飾り。オディールのデザインが細くも豪華な流線形でお気に入り、憧れます。装着できる日は、来ません!観るだけで楽しみましょう。



初日、マエストロへ。暑いのでスプマンテで、王子の台詞回しの如く爽快に乾杯!



平日ランチは前菜サラダはビュッフェ式。辛うじて綺麗に盛り付けたと思っております。



メインはランチでしか見ない!?特製ナポリタン。麺が太めでお肉もたっぷり。ミートソースに近かったか。
ライト版ナポリと同じく情熱的でエネルギッシュな味わいでした。



2日目は鑑賞前のお昼にオペラシティの難しい名称のお店へ。アボカドシュリンプトースト、レモンも絞って爽やかに。
こんもりニース風サラダもシャキシャキ美味しい。そしてビールをああごくごく。



レモンタルト。レモンの酸っぱさがしっかりと感じられる舌触り滑らかなタルトです。
コーヒーはカップが御茶碗型。ご飯茶碗ではない笑。友人はキャロットケーキを。
こちらの友人、米沢さん小野さんお2人ともお好きで新国立バレエの公演は大概1作品につき複数回はご来場。
昨年のジゼル10月23日公演にて、渡邊アルブレヒトの悪い男な造形にびっくりし、米沢ジゼルが余りに可哀想に思えて恨みが増したとか笑。今も話題になります。
まあ、2幕で改心したから安心したけれど、と後日ご連絡がありました笑。



情報センターのシアタールームにて過去の様々なバレエ公演上映。ちょうど立ち寄ったときは2019年シンデレラ、木村優里さん井澤駿さん主演映像上映中でした。
舞踏会パドドゥあたりから見始め、そうでしたこのときは渡邊さんが主演日以外はほぼ全て王子の友人役でご出演。夏の精カヴァリエとして大活躍でした。
プリンシパルの今はもうこういった、何処にでも出ます路線は無く、振り返ればプログラムに役名明記もない
ペトルーシュカでの途中から居眠りしてしまうお巡りさんは傑作なひょっこり役であったと記憶。またお目にかかれる日が到来しますように。
管理人、渡邊さんの美声の余韻に浸りつつ終演後はヘレナとハーミアの如く両腕を振りながらスタコラサッサとパリへ、ではなく上野へ移動でございます。


2023年8月1日火曜日

新エトワールとこれからの担い手達   オペラ座ガラ ―ヌレエフに捧ぐ― Bプログラム  7月29日(土)夜







順番前後いたしますが7月29日(土)夜、オペラ座ガラ ―ヌレエフに捧ぐ― Bプログラムを観て参りました。
これからを担う今のパリ・オペラ座の状況も知っておきたいと向かった次第です。
https://www.nbs.or.jp/stages/2023/opera-gala/


― 第1部 ― 「ゼンツァーノの花祭り」
振付:オーギュスト・ブルノンヴィル
音楽:エドヴァルド・ヘルステッド

パク・セウン、ポール・マルク

ヌレエフに捧ぐであるのにブルノンヴィル作品上演にやや疑問を持ったものの、
思えばヌレエフは西側への亡命以来キーロフの舞台に戻った1989年あたりに出演した作品が
ブルノンヴィル版らしきラ・シルフィードだったからかもしれません。(詳細覚えておらず失礼)
パクの楚々とした軽やかさから花開くような腕の使い方、マルクはどしっと受け止める安定感もあり、なかなか良きペアでした。
私がゼンツァーノを聴くときの勝手なポイントとして、コーダで男性が出てきたときの鉄琴の響きっぷり。
鐘の音のようなアクセントになって気に入っており、ここの部分が響いてこないと気持ちが上がりません笑。


「ナポリ」より第3幕のパ・ド・シス
振付:オーギュスト・ブルノンヴィル
音楽:エドヴァルド・ヘルステッド、ホルガー ・シモン・パウリ、ニルス・ウィルヘルム・ゲーゼ、ハンス・クリスチャン・ロンビ

ブルーエン・バティストーニ、イダ・ヴィキンコスキ、クレマンス・グロス、オーバーヌ・フィルベール、
 ダニエル・ストークス、アントニオ・コンフォルティ

構成が今一つなのかだいぶ長く感じてしまいましたが、同じような衣装で横並びで踊る箇所が多いためか踊り方の個性が見えてきたのは面白く
ヴィキンコスキの軸の強さから繰り出す回転は印象に残っております。


「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン ©The George Balanchine Trust
音楽:ピョートル・チャイコフスキー

オニール八菜、ジェルマン・ルーヴェ

オニールさんは以前スターダンサーズ・バレエ団で観たユーゴ・マルシャンとの『眠れる森の美女』グラン・パ・ド・ドゥでは大味な印象が残っておりましたが
年月を経てだいぶ変化。持ち前の華やかさの中にも緻密さや音楽と呼応ながらの広がりも覗けました。まずはエトワール昇格おめでとうございます!
ルーヴェは長い両腕を下ろす度に大きな花が咲いたような優雅さが光っていた点が好印象。


― 第2部 ―

「さすらう若者の歌」
振付:モーリス・ベジャール
音楽:グスタフ・マーラー

マルク・モロー、アントワーヌ・キルシェール

題名は度々目にしておりましたが、生で観るのは初。赤と水色?な異なるレオタード衣装を着た男性の個性の掛け合いが浮き立ち、モローは重厚、キルシェールは繊細。
様々なダンサーで観てみたいと思わせる作品でした。本では何度も目にした、イレールとルグリの共演舞台も今更ながら興味を持たせます。
フランス系のガラ、これまで全く行っていない私である。(ずっとロシア系或いはバレエフェスのような全般系に走っていた)


「コム・オン・エスピール」
振付:ユージン・ポリャコフ
音楽:ジョン・フィールド

オニール八菜、マチアス・エイマン

唸るような目新しさはなかったが、白い衣装を身に纏い爽やかに走り抜けるような2人。
今回エイマンが踊る姿を観るのはこの作品のみでしたが、弾力と優雅さが溶け合ったパの美しさを再度確認でき、喜ばしい限り。


「くるみ割り人形」より
第2幕のグラン・パ・ド・ドゥ
振付:ルドルフ・ヌレエフ(マリウス・プティパ、レフ・イワーノフに基づく)
音楽:ピョートル・チャイコフスキー

ブレーエン・バティストーニ、ポール・マルク

やっとこさヌレエフ振付登場、しかしくるみパ・ド・ドゥの文字が視界に入ると観る前から冷や汗をかくのはなぜでしょう笑。
生では5年前のウィーン国立バレエのガラでは観ておりますが、やじろべえのようなバランスといい
何をどうしたらこの振付になったかとヌレエフさんにインタビューに出向きたい気持ちに駆られた記憶がございます。
恐らくは本拠地公演でも使用されているであろうキンキラ豪奢な黄金衣装姿の2人を目にできたのは幸いで
バティストーニは終始表情が硬かったものの(そもそもこれをにこやかに余裕綽々と踊れる人、いるのでしょうか汗)
硬質な美が目に留まり、持ち味は舞台に活きそうな気がいたします。マルクは動じず威風堂々。


― 第3部 ―

「ライモンダ」より第3幕のグラン・パ
振付:ルドルフ・ヌレエフ(マリウス・プティパに基づく)
音楽:アレクサンドル・グラズノフ

オニール八菜、ジェルマン・ルーヴェ
ブルーエン・バティストーニ、イダ・ヴィキンコスキ、クレマンス・グロス、オーバーヌ・フィルベール、
アントワーヌ・キルシェール、ダニエル・ストークス、アクセル・イボ、アントニオ・コンフォルティ

今回の一番のお目当て。ヌレエフ版のライモンダはハイライト版では先にも触れたウィーン国立バレエガラでは観ており、アブデラムのソロもあったかと記憶
パリ・オペラ座の映像はドキュメンタリーDVDでしか観ておりませんので、楽しみに参りました。
また数年前の年末年始に視聴したトゥールーズ・キャピトル・バレエの配信における出来が
職人気質な踊り方の結集といい衣装の豪華さといい頗る上質であったのも忘れられず。

今回に関しては正直申し上げると、日本野鳥の会の皆様も宝飾品の合計個数のカウントに苦労するであろう豪華に重厚に彩られた
本家の全幕版衣装や頭飾りが観たかったのですが簡略版と思わしき衣装でございました。ただ女性は全員赤を基調とした鮮やかさがあり、まずまず豪華路線。
オニールさんの強気な踊りは主役感があり、ルーヴェは騎士には見えなかったが(バッサリ失礼。どうしても重視してしまう)気品や高貴な踊り方は目を惹きました。
跳躍多しのアレグロぴょんぴょこヴァリエーションを踊ったヴィキンコスキは
もう気持ち軽快さがあれば尚良かったかと思うものの床を踏み締めつつの弾けっぷりで
三角形パ・ド・トロワは隊形が少し崩れてしまった最後が惜しく、心残りは否めず。コーダは無事締め括れて一安心。

直後に始まる先輩方の別招聘ガラに押されてしまったか、私の鑑賞眼の欠如もあって総じて華やぎには欠けた印象が刻まれてしまいましたが
来年のバレエ団としての来日全幕公演ではまた変化を遂げていることでしょう。




帰りは東京駅へ。



久々にフランス系ガラを観たので赤ワインで乾杯。



パテ・ド・カンパーニュ。だいぶ大きめサイズでしたがワインが並々注がれていましたのでちょうど良い量でした。
そしてこの後、西側へ移動です。東京文化会館を出る前に、先月半ばの札幌への出発前日の東京シティバレエ団会場でお目にかかった、
関東圏劇場遭遇率第一位の方を始めとする顔見知りの劇場常連の方々が優しく見送ってくださいました。
(亡命ではありません。既に帰京しております)

2023年7月30日日曜日

滝澤志野ピアノリサイタル~バレエ音楽の輝き~




7月21日(金)銀座の王子ホールにて、ウィーン国立劇場バレエ団でバレエピアニストとして活躍中の滝澤志野さんのリサイタルを鑑賞して参りました。
https://balletchannel.jp/30394

滝澤さんが厳選されたバレエ音楽、或いは元はバレエ音楽ではなくてもバレエ作品に使用されバレエ音楽としても馴染み深くなった曲からの構成で
司会進行も全て滝澤さん自身でご担当。普段はスポットライトを浴びる機会がないため照明は極力暗くして欲しいと願い出たとのお話に思わず客席から笑いが零れたり
若手新人抜擢が多い『くるみ割り人形』での応援モードで見守っているエピソードには心に明かりが灯されるようにほっこりとしたりと
ウィーンでの日常が覗くお話もしてくださり、穏やかであたたかな口調で演奏にいざなってくださいました。

全ての演奏に共通していたのは元はオーケストラ音楽の作品であってもピアノ1台であたかも何台もの楽器を奏でているかのような多層的な音色で、様々な舞台を想起。
ショパンの三作ではワルツ14番となればロビンズのコンサートにて、舞台上の揃わないミステイクワルツのみならず客席の子供達が遠慮なく笑い声を上げていた光景や
ロミオとジュリエットでは爽やかな朝に始まり、ジュリエットの無邪気な様子からの婚期の迫りの戸惑い、夕刻舞踏会前の胸騒ぎやそしてバルコニーの夜、と
時間の経過をもピアノ1台で表現できてしまう腕前にただただ拍手でございました。勿論、あのロメオこのロメオ、と東西のお二方が浮かんでいたわけですが、
一見物静かそうでエレガントなお姿からは想像つかぬ力強いタッチにも圧倒され、休憩になっても暫く静かに座り続けていたほどです。

2部の最初はマノンの2曲。寝室は危うさを漂い浮遊しながら恋へまっしぐらな2人が浮かび、
沼地は滝澤さんの込める力に更に拍車がかかり、もう辺り一面茶色い沼地にしか見えず。(吊るし装飾も)
私が今までのバレエ鑑賞でたった4回涙したうちの1回である2012年6月30日公演と、これから観たいお方の双方が交差しながら回想と想像が巡りました。

くるみ割り人形は、私はとにかくボリショイの1989年映像が今もなお色褪せず。新鋭アルヒーポワと中堅ムハメドフが織りなす壮大な展開、時間旅行できるなら観に行きたいものです。
両手で覆った状態から顔をみせていく振付、ムハメドフに対してではないが、演出としてはときめきます。
葦笛も滝澤さんはとても躍動感のある弾き方をされ、思わず羊の滑車を用いたボリショイの葦笛が通過。
リサイタル4日前に札幌でジンギスカンを食べたばかりでしたが笑、ボリショイの羊さんの可愛らしさは反則ものです。
花のワルツでは長い燭台?を手にした箇所や、グラン・パ・ド・ドゥアダージオを聴くと花のワルツの男性陣も加わる大リフト、思い出します。
ボリショイのグリゴローヴィヂ版くるみ、子役無く壮大なスケールで描かれていて、今も好きでございます。

アンコールではジゼルのパ・ド・ドゥ2023年アレンジ版。ジゼルとアルブレヒトの心の絡みがより細やかに、涙の粒が零れ落ちるような繊細な調べを奏でてくださいました。
鳴り止まぬ拍手に何度も深々とお辞儀をして応えてくださる滝澤さんと、幸福に浸った観客の会話がいつまでも続き、花束贈呈には読売新聞の祐成さんが登場。
※祐成さんの取材記事https://www.yomiuri.co.jp/otekomachi/20230630-OYT8T50006/

そして終演後には新作CD購入者を対象に滝澤さんのサイン会を開催。上野にモナリザが来た頃の報道を思い出す長蛇の列で、サインや写真に気さくに満面の笑みで応じてくださいました。
机上には滝澤さんのお供、ぬいぐるみの羊さんマリアネロちゃんも佇み、注目の的でした。葦笛で羊が度々脳裏を過り、この4日前の札幌、と羊尽くしな1週間であった私です。

それから、今回リサイタルスタッフの方々や同じタイミングでチケット購入に居合わせたお客様のあたたかさにも助けられました。
鑑賞のきっかけは今年5月22日(月)の、私にとっては滅多にないCDレッスンにて使用されたのが滝澤さんのCDで、
エイフマン版アンナ・カレーニナやライモンダ2幕ソロ等思い入れの強いいたく好きな曲も含まれていたことや収録楽曲の並びに嬉々とする先生のお姿含め強い印象に刻まれたのでした。
私の中では少なくとも10年前からのレッスン再開以降(但しレッスン回数は年に3回あるかないか程度です汗)
音楽はピアノ生伴奏付きが95%を占め、踊れぬズンドコドッスンレベルな身にも拘らず贅沢な環境が当たり前と化して正直CDですと物足りなさを不安視しておりました。
しかし滝澤さんのCDは私のようなド初級者でも聴き取りやすいよう妙なアレンジはせずともメリハリや躍動感の味付けがくっきりでバレエで馴染み深い曲が勢揃い。
加えて先生が曲をかける度に鮮烈な喜びを示され、この日は急遽決まった臨時単発特別クラスながらリラックスした空気に自ずと包まれていった大きな原動力の1つであったと思います。
暫く経ってからやはり行きたい生で滝澤さんの演奏を聴いてみたいと欲が募りましたが鑑賞を思い立った時には東京公演は完売で譲渡も出ず
当日券が出ると発表されたのは当日午後。ひとまず事前に早退届を出して駄目元で夕方の指定時間に当日券案内場へ行きましたところ、4枚あるうちの最後の1枚。
思わずポロッと実は今日は、と切り出したところその場にいた購入者やスタッフの方々から大拍手で祝っていただき、鑑賞前から忘れられない人生節目日となりました。
本当にありがとうございました。次のリサイタル時は早めに購入いたします!




日中はカフェウィーンへ。東京にいながらウィーンを満喫。



ザッハートルテとメランジェ。ウィーンはカフェ文化の発祥地だったか。お冷やも出てくると本で読みました。



お祝いのメッセージもいただき感激。




銀座の銀座ライオンでシュニッツェル。ソラチビール1984で乾杯!1984年、確かダンスマガジン刊行年そして映画風の谷のナウシカ公開年。
バレエ界のメディア転換期、そして映画アニメ業界に大衝撃が走りました。
のちに金曜ロードショー等では見ましたが劇場公開時期には鑑賞できず、いつか大スクリーンで見てみたい。





ライオンさん。



余韻に浸りながら銀ブラ。夜風が吹いて気持ち良し!

2023年7月26日水曜日

節目2023

大変不要不急な内容ですが、先日管理人、人生の節目を迎えました。 メッセージ等をくださった方、ありがとうございました。
毎度この時期になりますと中身があるようで無いことをつらつら書いておりますが、
今年は節目のちょうど2ヶ月前に起こった不思議な珍しい出来事について書いて参りたいと思います。

5月21日(日)、渋谷の大和田さくらホールにて開催されたJewelsラフマニノフの旋律の鑑賞に足を運んだときのこと。
複数の分野の方々が集結した公演でどちらかといえばバレエファンは押され気味で、
声優、ミュージカル俳優の方を目当てにお越しになっていた方が大多数と見て取れる会場でした。
ですから当然いつものバレエ会場とは雰囲気は全く異なり、我々は独特の華やいだ空気に圧倒されてしまい、背を縮ませて会場内を歩いていたかと思います汗。
そして会場に入ると、誰よりも目立っていたであろう一際ゴージャスで麗しい、白いドレスのようなお召し物で色っぽい格好をなさった方が歩いていらっしゃり
きっとどなたか俳優さんお目当ての方であろう、何て端麗なお方であろうかと暫し見つめておりました。
するとどうやらある出演者へスタンド花を贈られていたようで、ご自身もお花の前で記念撮影をなさっていました。

お花も贈り主も誠に美しくゴージャスで素敵であろうかとつい観察していると、大変な事実が判明。その方、私と同じ名前(ファーストネーム)だったのです。
スタンド花には平仮名での明記でしたので漢字までは把握できずでしたが、この日チケットは受付預りで私の場合苗字は漢字、下の名は平仮名で書かれた状態であったため
余計に共通点の強まりを感じてしまったのでした。私の名前は大政奉還以降平成前の世代にはさほど浸透していない名前で少なくとも小中高大学を通しても同名者には出会っておりません。
同世代はキクさんやトメさんといった名が多いか否かは別として、当時としてはやや煌き系の名前に分類されていたかもしれません。
一方では司馬遼太郎さん原作の時代劇映画の登場人物名にも使用され、時代問わぬ名前であるとも思えます。
「名前だけ」見るとどうやら可愛らしい或いは綺麗そうな人が思い浮かぶと言われたことが昔にあり、
名前を書かねばならぬ事態になると極力苗字のみの記入習慣がついたのはこのためです。
つまり、この日のさくらホールで最もきらきらとした輝きを放っていた観客と、歩くコンクリート動く暗幕なる地味観客は、同じ名前であったのでございました。

そんなわけでXさんと仮定して、ゴージャスXさんと敬意を込めて心の中で呼ばせていただき
対するバレエ目当てのXはこんな廃れた人物で申し訳ございません、と平謝りしても仕方ありません。
心の中は常時花満開ですので、また、翌日の地味Xは年間数回の貴重な身体の線くっきりな膨張色着用日(但し約90分限定)でしたので
趣味趣向は人それぞれと捉えながら生きていきたいと思ったラフマニノフの夜でした。
ゴージャスXさんと言葉を交わすことはなかったものの、お目当ての芸術家を観に来場した点は共通ですから、分野は違えど話は弾んだかもしれません。
昨年6月に新国立劇場バレエ団群馬県高崎市公演にて、宿泊地で交流したB'zのコンサート来場者と、乏しいB'z楽曲知識な私とが楽しく話し込み
通ずるものがあると認識した滞在が思い起こされます。今だから申し上げてしまいますが、実は仲良くなったのは中浴場脱衣所で笑
初対面ながら色々な意味でお互い全てを晒して交流してしまった、夏の夜の高崎でございました。
そういえば、私が意気揚々と、知っているB'z楽曲の1曲として挙げた20年近く前の曲が先日から開幕した世界水泳福岡大会のテーマ曲として
約20年前当時と変わらず使用されていてびっくり。きっと名曲であるからでしょうか。

それにしても例年にないような猛暑日が多い今年の夏。私が子供の頃なんぞ、32度でも吹奏楽部で行く野球応援が辛そう、炎天下の神宮球場かとぼやいており
野球部の監督もこのくらいの気温となれば随分心配してくださったものですが
ここ数日は32度が涼しい部類に入る、生命の危機とも思えて温暖化云々のレベルではない気がしてなりません。
明らかに、今の子供達の方が大変な思いをしていることでしょう汗。紅に染まる前に体調不良で熱に苦しみに染まらぬようお気をつけください。
そういえば、大手SNSがXになった旨が話題になっておりますが、諸々ついていけぬ私です。
また日韓ともに若年世代の芸能界活躍者の顔と名前が相変わらず不一致でございます。
しかし先日ある日韓の旬な芸能界活躍者に精通した同僚と、シンプルな業務経路に変更になった件の書類の話になったとき
同僚が「これ、もうGoで!」との言葉に対し、夏生まれにも拘らず夏に弱い管理人は暑さで頭がおかしくなったのか
思わず「ジャパン〜!」と返答。郷ひろみさんなら管理人も存じております。
ちょうどこの話になったのは先週末の札幌に行く2日前の金曜日。これからも日本のあちこち行脚するようにとのお告げであろうと前向きに捉えた、能天気な管理人でございます。

話が右往左往し、失礼いたしました。また1年どうぞ宜しくお願い申し上げます。
尚、節目当日は素敵なバレエ音楽の世界に浸って参りましたので、また後日。




今年も海の日近くに構想図を持参、作ってくださいました。夏の夜の夢、まさに今の季節でございます。
ああ、気高く凛とした妖精王を思い出します。夏生まれで良かったと一層思えた今年です。
森の中へもしぶとくついていくタニシとサザエです。失敗時のパックのように、何かやらかして怒られそうですが笑。



画伯な妹が描いてくれました。どうやらラッコとオーベロンを融合させたらしい。
英国ロイヤルの衣装写真を目にして、古くも美しい凝った作りに驚きを隠せなかったようです。
iPadでさらさらと描けてしまう、外見も絵心も可愛らしい芸術家でございます。真夏と夏、どちらが正しいか気になったそうです。
そして私、今までに妹からお姉ちゃん等とは呼ばれたことがなく、妹が最初に喋った言葉が私の名前だったのでした。永遠の自慢です。

2023年7月21日金曜日

16年前を起点に繋がった北海道とのご縁 昼は王子 夜は騎士  小泉のり子バレエスタジオ創立55周年記念発表会昼夜  7月16日(日)《札幌市》





7月16日(日)、札幌市のカナモトホール(hitaruの向かい、さっぽろテレビ塔からすぐの立地)にて
小泉のり子バレエスタジオ創立55周年記念発表会を昼夜観て参りました。
  札幌市での鑑賞は2007年2月全道バレエフェスティバルインサッポロ篠原聖一さん版『ドン・キホーテ』、
2018年9月ニトリホール(旧北海道厚生年金会館)ファイナルバレエ、2019年11月新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』、2020年11月同団『眠れる森の美女』、
2021年5月久富淑子バレエ研究所『シンデレラ』以来2年ぶり6回目でございます。(数え間違いありましたら失礼)
偶然なことに、前日都内で鑑賞した東京シティ・バレエ団と歩んできた年月が同じ記念舞台で、
プログラムにはトリプル・ビルが入っている点も、実際にはトリプルより作品が多い点も共通。東京と北海道、2日連続で55年を祝う企画に居合わせる運びとなりました。
http://koizumi-ballet.com/

第1部は子供から大人まで様々な年齢層の生徒さん達が登場。小品や古典からの抜粋など、皆さんとっても楽しそうで(発表会は生徒が楽しんでナンボです)
また聴きなれた音楽でも先生によって振り付けるテーマが異なったりと捉え方の発見の連続。子供作品も毎度懸命に観てしまう私です。
例えば何度もテレビで視聴していて耳に残っているNHKの旅番組『世界ふれあい街歩き』のテーマ曲にのせた作品もあり
まさかバレエで目にするとは思わず、ほんわかと可愛らしく踊っていた光景がとても微笑ましく映りました。

1点特に驚かされたのが、大人の生徒さんの多さと晴れ姿を披露するステージをきちんと用意しているスタジオの先生方の姿勢です。
約30人はいらしたかと思われ、大人は大人のカテゴリーが配され、全員集合のオープニング、プログラム3本
そして再び全員登場してのフィナーレ、と華々しく活躍する場が設けられていたのでした。
中でも『白鳥の湖』より花嫁候補達の踊りでは小野誠さんの王子が登場され、斜め対角線上に並んで全員が1回ずつはサポートを受ける流れもあり。
本来の作品からすると立候補者多数ではあっても、1人1人舞台にぱっと大輪の花が咲く瞬間の機会を与える展開と思うと納得な振付と思えたのでした。
もう2本はルースカヤ、仮面舞踏会。どちらも呼吸を合わせて踊る楽しさが伝わってこちらまで気持ち良くなり、
全員フィナーレは『ダイアナとアクティオン』コーダ曲。年齢を重ねても何かに夢中になり楽しんで学び続ける大切さに触れた気がいたします。

第2部は『くるみ割り人形』より第2幕。クララとくるみ割り人形の出会いのパ・ド・ドゥから始まり、
やがてピンクの美術に彩られたお菓子の国へ場面転換して金平糖や王子達が登場し(ねずみ王登場は無し)最後はクララが夢から覚めて終わる演出でした。
金平糖は小泉バレエの卒業生でポーランドのポズナンオペラバレエ団で活躍中の玉井千乃さん。
とても美しい技術をお持ちで軸も強靭、ポーズの見せ方も鮮やかでキラッと輝く主役オーラもあり、
小泉バレエさんの紹介によればポーランドでは『ドン・キホーテ』キトリを踊られ全幕の主役経験も果たし、エクマンやクルグ作品も踊っていらっしゃるとのこと。
今回のような機会がないとなかなかお目にかかれず、踊りを拝見でき、嬉しさで一杯です。
王子が新国立劇場から客演の渡邊峻郁さんで、悠然として優しい王子様。登場時から金平糖をエスコートする所作や歩き方の優雅なことよ。
思えば私が渡邊さんのくるみ王子を初めて拝見したのは新国立劇場バレエ団のくるみよりも前で
東京都内での発表会でしたが、当時はピンクに覆われた洋菓子の背景に今ひとつ合わぬ気がしていた頃から早6年。
今や骨の髄まで高貴な品が宿り、背景がピンクだろうが何処のとは言わぬが不思議なお城であろうが、舞台の格がぐっと上がるお姿に札幌でもうっとりでございます。
玉井さん渡邊さんのパ・ド・ドゥは品ある中にもダイナミックな技が冴え渡り、
フィナーレにおいても一瞬一瞬がぴたりと爽快感もあり。各国カラフルな大所帯を統率するに相応しいお2人でした。

夜はトリプル・ビルで『グランドステーション』『ロミオとジュリエット』パ・ド・ドゥ、『ライモンダ』3幕、『真夏の夜の夢』の構成です。
最初は小泉しづかさん振付『グランドステーション』。駅で繰り広げられる騒動や出来事を笑いに満ちるミュージカル風に描いた作品で
これがとびきり楽しくお洒落な喜劇。冒頭に少し映像も入り、ドイツのフュッセンの駅を題材かと思いきや
色っぽい女性達、小泉しづかさんが踊るスター女優に付き人、修学旅行生達が賑やかにやってきたりと色々混在。
しかし一見バラバラな要素が構成の中でうまくまとまっていてゴージャスなショーダンスを観ている気分に。小泉さんの振付センスに大拍手です。
そして駅員さん達も登場し、衣装はどうやって入手されたのか気になって仕方ないほど
最寄りの大通駅からダンス歴のある現職の駅員さんが助っ人として仕事の合間を縫って駆け付けたかと目を疑うしかない
舞台上で指差し確認していても何らおかしくない駅員ぶりでした。いたずらする子供を連れ出したり、そうかと思えば器用に踊り出したり楽しい駅員さん達です。
選曲も面白く、修学旅行生達がはしゃぎ回るも校長先生からぴしゃりとお叱りを受けつつ最後は皆で記念撮影を行うオチへの流れは
『ジゼル』のジゼルの友人達のギャロップ部分で(アルブレヒトの身分暴露の修羅場直前の曲)、
弾ける若者達のダンスと、突如哀愁あるゆったりしたテンポになったときの校長先生のお説教ともに音楽の起伏とぴったりで
再び賑やかな曲調になり潔く終わるところで皆で記念撮影するオチも後味良い終わり方でした。校長先生も内心は生徒達と弾けたい気持ちで溢れているのでしょう。
それから記憶が正しければ、オシャレ泥棒の子供達が踊っていた曲がフォッシーの曲で、
風変わりでデコボコとした曲調とダンスの溶け合い方がいたくユーモアに映りました。

もう1箇所、女優からきつく扱われていた女性が突然銃を突き出し、駅で事件かと大緊迫する展開になりそうと観る側も冷や汗が出かけた頃に
カチンコを手にしたアシスタントらしき女性がカットの掛け声をかけるようにして結局映画撮影であったオチも面白く
事件発生と思い込み、ブリッジであったか、びっくりポーズを取りながら逃げ惑う益子さんにも笑えました。
時間軸戻りますが、主軸として𡈽田麻美さんによる恋する女と成田梨花さんによる妹の美人姉妹が登場し(お2方とも小泉バレエ所属)
そこへドヤッとやってくるのが色男(役名)の益子倭さん。もう益子さん以外に考えられないぐらいの嵌りっぷりで
ポーズの決め方が熊川哲也さんに似てしまうのはキャリアからするとごく自然な流れなのか
宿泊地へ向かう道すがら、札幌時計台向かいの酒場てっちゃんの看板を目にして一段と感じたわけですが笑。
最後は集合しての総踊りで締め括り、駅を舞台にしたオリジナル作品でこんなにもお洒落で楽しいダンスを見せていただけるとは、心高らかになる1作目でした。

2本目には『ロミオとジュリエット』よりパ・ド・ドゥ。小泉バレエ卒業生で米国のユージンバレエでプリンシパルとして活躍中の八島こあつさんが
同団の山口浩輝さんと披露され、瑞々しいスピードや溢れるときめきを体現され
パ・ド・ドゥのみの抜粋であってもドキッとする出会いや胸を高鳴らせながら再会を夢見る光景等、前からの流れも浮かぶパ・ド・ドゥでした。
小泉バレエさんのフェイスブックページにて紹介されていた、現地で『リトルマーメイド』の主演を果たされた
八島さんの写真がとてもゴージャスで美しく、貝殻と真珠、珊瑚を組み合わせた頭飾りをつけたご様子も目に残るお姿です。

『ライモンダ』3幕は前回15年前の40周年記念と同様に監修は新国立劇場バレエ団で長らく活躍されてきた千歳美香子さん。千歳さんは都内でも指導力に大変定評があり、
我が後輩曰くレッスンの予約が取れないほどの人気だそうで、出演者ではなくミストレスが千歳さんだから公演の鑑賞に行く熱心な支持者もいるとか。
上演団体によって様々である幕開けの音楽は新国立と同じ歯切れ良く重厚な行進曲ファンファーレで、
幕が開くとグラン・パ・クラシックの女性アンサンブルの出演者が確か三角形の集合体で立ち
ハンガリアンポーズと呼ぶのか片方の手のひらを頭に、もう片方の手を腰に当てるポーズでの勢揃い光景が視界に入ってこの時点で既に壮観。
チャルダッシュも幕開き顔見せ場面に一斉登場し、グラン・パ男女4組チームも現れて更に壮観度上昇し一呼吸置いたところで主役2人もいざ登場。
ここで一層高貴な空気となり、グランドステーションではキュートな恋する女であった𡈽田さんが一変して凛とした艶っぽい気高い美女へ。
そして渡邊さんが昼の優しい王子とは別人で、歩く姿や佇まいからして 3幕では描かれていない決闘経緯も見える勇猛そうな凛々しい騎士。
グラン・パ・クラシックの中においてもお2人揃って隙が寸分もなくいたく意志も強そうで、笑みは少なめで時にぞくっとする流し目使いで魅せる方向性も一致。
試練や命懸けの大修羅場を経ての結婚に、また近年は世界情勢を鑑みてか版によっては恋敵が命を落とさない演出もありますが
大概は三角関係になり決闘でジャンに敗れたアブさんの犠牲の上で執り行われる結婚式である設定に
説得力をもたらし、夢一杯花一杯とは大きく異なる、非常に厳かで重みある式が繰り広げられていた印象です。

何度か当ブログでも申しているように、数あるバレエ作品の中で、音楽にしても振付にしても最も好きであるのが『ライモンダ』で思い入れは実に強く、
例え抜粋であってもジャンが騎士に見えなかったら即座に閉店ガラガラとする私で
これまでに「本日の営業終了」の札を突き出した回数は数知れず笑。(寛容欠如な客である)
しかし今回の渡邊さんは一昨年のバレエ・アステラスに続き難なくクリアで、品性はありつつパ・ド・ドゥにしてもソロにしても
跳び方を始め技の入れ方にふわりとは全く違った逞しい質感が宿り視線も鋭く、
肩書きだけ騎士ではなく精鋭部隊に属し激戦地で揉まれてきた感のある騎士でございました。
願わくは再び全幕『ライモンダ』にて鑑賞し、帰還時のマントと剣でジャン!のお姿も目に焼き付けたいものです。

発表会で3幕上演はよくあれど眠りやくるみ、コッペリアほどの多さではない印象で、御伽噺ではなく実際に起こった戦争を題材にしている上に流血を伴う争いの果てに迎える、満面の笑みに満ちる幸せな結婚式場面ではないため
されど葬儀ではありせんからただ悲しみを引き摺るように踊るのとも違いますし、バランスを図りながら形に仕上げるのがなかなか難しいのかと思われます。
ただ小泉バレエの皆さんは角度の保ち方やポーズの入れ方、表情の付け方、細かな箇所に至るまでびしっと決まっていて
私はいたく気に入っている魅力である、甘美とは言い難い哀愁や渋みを帯びたグラズノフの旋律と一体化した、それはそれは締まりある格調高い仕上がりを披露。
千歳さんの指導要求に応え続けてきた出演者全員の努力の成果と見て取れます。

ちなみに私は8歳の時に発表会にて『ライモンダ』3幕チャルダッシュをやりましたが、(少人数教室であったため8歳児も出動)
小泉バレエさんのような格式のある踊りには程遠く、今回拝見しながらチャルダッシュの出演者の皆様にも頭が下がりました。
私なんぞ厳粛な結婚式の前座に相応しいとは言い難かった出来でしたが涙、最後にはグラン・パの上級生やゲストの方々と全員なだれ込みギャロップフィナーレもやり
少人数構成でしたが今思い出しても踊っていて一番楽しかった作品です。思えばちょうど◯0年前でございました。
それはそうとこの夏は『ライモンダ』3幕部分の鑑賞がこのあとも相次ぎ、今月末と来月中旬にも予定。
今月末は面識もなく在籍時期も重なっておりませんが同じ小中学校ご出身の方による主演公演、来月中旬は心の支えとなってくださった方がヴァリエーションを踊られるもよう。
小泉バレエさんによる高水準な上演によって作品に対する壁は更に高まる一方ですが、心待ちにしております。

最後は『真夏の夜の夢』。今春のゴールデンウィークに同名のバレエは英国の伝統ある版を東京の初台にて7回全公演を鑑賞いたしましたので
懐かしくもどうしても厳しめな視線になるかと思いきや(カナモトホールの一角に着席していた3人客、渡邊さんのオーベロンを4回全て観た強者トリオ笑)
意外と言っては失礼だがオーベロンの益子さんが支配力や威厳、パックとのやり取りも雄弁でなかなか宜しかった印象。
タイターニアの成田さんがはらりと香りが舞うような優雅さがあり、クールな中からチャーミングな光も覗く女王様で
首筋やデコルテも美しく、すらりと透き通るような魅力も備えていらっしゃいました。
また妖精達のコール・ドも揃っているだけでなく妖精らしくふわっと舞う揃い方も見事。
お花や鳥、ハチ、リスさんと子供の配役が可愛らしく、ほのぼの楽しい仲間達も集う森の中を覗かせてもらった気分でおります。

それから今回はチケット申し込み時から年月を超えたご縁に感謝するばかりな出来事がありました。
小泉しづかさんは私が16年前に観た全道バレエフェスティバル・イン・サッポロ『ドン・キホーテ』にて
(下村由理恵さんがキトリ、山本隆之さんがバジル、元東京シティの石黒善大さんがエスパーダ、谷バレエの馳麻弥さんやKバレエの栗山廉さんが子役で出演)で
ロマの女を踊られ、全身から情熱をぐっと迸せながら踊る姿は今も覚えております。
今回発表会のチケットは道新プレイガイドウェブ版では取扱がなく、現地での購入が困難な場合はスタジオに問い合わせるよう道新の方より案内いただき
いざ電話で問い合わせ申し込むとき、もしやご本人かなと恐る恐る切り出したところ小泉さんご本人!
大喜びしてくださり私も嬉しくなりました。他に、2018年に観たニトリホール(旧北海道厚生年金会館)ファイナル公演での
篠原聖一さん率いる大御所眠り3幕サラバンド出演話等賑やかに話し込んでしまい、
このご縁の起点は間違いなく16年前の山本さんであり、続けて渡邊さんが繋げてくださったものです。ありがとうございます涙。
ゲストダンサーそれぞれ誰が何をやるか等の質問にも快くお答えくださり、勿論その後の会話の展開で今回の目当ては伝わりましたが笑、
チケット申し込みの事務的な会話よりも16年前、5年前の話に花を咲かせた印象のほうが上回ってしまう喜ばしい時間となりました。
電話口にて遠方からの鑑賞に驚かれたことはこれまでにも何度もあり、慣れてはいるつもりでも、こうして話が思いがけず弾むと嬉しさもひとしおです。
16年前の当時は札幌市へ降り立つのも初。札幌駅に着き、雪が舞っていたため傘を取り出してみるも誰もさしておらず、北海道の雪文化の洗礼を早速浴びたこと、
なぜだか札幌駅から厚生年金会館へ徒歩で向かい、盛り雪な場所で転倒し大の字の人型を付けるもサラサラな雪質で服の乾きの早さに驚いたこと、
宿泊先のすすきのへ行くとホテル自体は小綺麗なビジネスホテルながら立地が見るからにネオン街ど真ん中で場所の確認怠りを猛反省した記憶が今も頭を過ぎります。
その頃は多少は臆病な部分もあったのか笑、夕食を食べにも飲みにも出かけず(今では考えられぬが)、
閉館数年前であった百貨店ロビンソンで購入したケーキだけホテルの部屋で食した私でございます。
2泊予定が能天気な性格は当時も変わらずその翌日分の宿は取っておらず、
一夜考えて小樽行きを決め、小樽の宿は当日に予約を完了する大胆な旅でございました。洋館を改装した宿で、窓の茶色い格子から見える雪景色に思わずくるみのクララ気分になったものです。

そんなわけで小泉さんとのご縁や鑑賞の旅にしてもあらゆる事柄の起点となった
札幌での篠原聖一さん版ドンキですが、奇しくも今月末に再び鑑賞する予定でおります。
2007年以降も篠原さん版ドンキは愛媛県西条市で2回、ハイライト版と全幕版を1回ずつ観ており、久々の鑑賞です。
今度は東大阪の佐々木美智子バレエ団による公演で、札幌とも西条市とも風土がだいぶ異なるこってりドヤドヤ(良い意味で)な土地柄で
様々な団体からの参加ではなく子供の頃からともに過ごす時間がたっぷりとあるのであろう佐々木バレエ団としての公演ですから、違った面白さに出会えそうです。
2007年の札幌ではバジルを踊られた山本さんが今月末の東大阪ではドン・キホーテを、山本さんと同世代の佐々木大さんはガマーシュ、
主演は佐々木さんのご令嬢夢奈さんとご子息嶺さん。同じプロダクションであっても再演を重ね年月を経ていけば当然務める役柄も変わり、
そして世代交代して受け継がれて行く様子を見届けその場に立ち会えるのは誠に幸いで、だからバレエ鑑賞の旅はやめられません。
16年前の雪まつり直後の時期開催であった札幌ドンキも思い出しつつの鑑賞となることでしょう。
これを書いている最中にとうとう◯0代最後の年齢に達し、(50代か、60代か、ご想像にお任せいたしますが)まだまだ旅は続きます。



※お待たせいたしました!!(お待ちくださっているのはお2人ぐらいかと思いますが)
以下、写真が多数ございます。2021年の久富バレエさん以上に飲食満喫旅となりました。
今回は1泊しかしておりませんが、1食でも多く食べられるよう
前日に浜松町に宿泊して朝早いモノレールで羽田空港へ。帰りは遅めの便を選択。(翌日出勤ですが祝日がありましたから4日行けば休み、何とかなりました)
当初は15日の東京シティ・バレエ団終演後そのまま札幌行きを検討しておりましたが
韓国国立バレエ団の作品が追加になり、(しかも予想通り好みなコンテンポラリーであった)
ならばバタバタ慌てて行って日付が変わる頃に着くよりは早朝の便で行った方がよかろうと計画変更。
家族や友人から今回ほど札幌行きを羨ましがられたことはなく、16日17日は災害級の危険な暑さに見舞われた東京の連休を知らずに
16日は日中も30度に届かず夜は肌寒く冷房要らずで、17日は13時の時点で気温が25度と電光温度計に表示されていた札幌市中心部でした。
市の中心部は思っていたほど混雑しておらず、街歩きも落ち着いてのんびりできました。

では以下、お時間の余裕のある方のみご覧ください。連休の暑さに生命の危険をお感じになったなど体調の優れない方は無理に目を通そうとなさらずに。



おはようございます。早朝のモノレールで羽田空港へ。レインボーブリッジから見える朝日が眩しい。



空港着。今回の往路は赤い鶴さんです。空港内での放送時に流れる、パン~パン~パン~パアーン~~の音を聞くと旅立つ気持ちがはやる私です。



もうじき出発!


北海道行きは久富淑子バレエさん以来2年ぶり。



富士山と東京都心部の饗宴。経済ニュースの背景映像に出てきそうな景色です。



何しに札幌へ行くのですかと聞かれそうですが、バレエ鑑賞です。小泉バレエさんから郵送されてきた封筒を大事に持って向かっております。



北海道。曇りなお天気。



はーるばる来たぜ札幌。朝は二条市場でラーメン。元祖な札幌ラーメンのお店です。



札幌ラーメンと聞くと味噌の印象が強くありますが、こちらの醤油はさっぱり美味しく、朝にも向いております。麺は自家製麺です。
知人でピーターライト版の白鳥の湖が苦手と仰る方がいて、理由の1つが3幕の大使の1人が赤いだるまさんにしか見えないからとのこと。
この丼やお箸入れを見ると、納得。



なぜか毎度撮りたくなる時計台。



お昼は狸小路へ行き、タラバ蟹・いくら・天然帆立の海鮮トリプル・ビル!
ちょうど今の時期は蟹座の季節、7月生まれの誕生石はルビー、私はもし海の日に生まれていたら
名前がほたてになっていた説もあり(仮にそうなっていたら妹は巻き添えであわびか笑)
そんな強制こじつけ組み合わせにも見える海鮮丼です。
蟹が肉厚で旨味も食べ応えもあり、帆立はふっくら、いくらはしょっぱ過ぎない漬け方。
札幌の地酒と一緒にゆっくりといただきました。



狸小路。150年の歴史があるらしい。



カナモトホールへ。ロビーは照明を落とし気味な、美術館のような雰囲気。



時間テーブルが細かい!!



夜はもっと細かい笑!!!だいぶオーバーしましたが、楽しかったのでそれで良し。



昼は王子、夜は騎士、舞台で満腹になるも飲食は別腹です笑。一昨年久富バレエさんの舞台の翌日のお昼に訪問した時計台すぐそばの四季の花まるへ。
2年ぶり、札幌で大好きなダンサーを観た後に飲むサッポロクラシックは格別の美味しさ!
これが言いたかったのだ。2年ぶりにようやく!しかも2年前はホテルで缶ビール版でしたので(セイコーマートが大重宝)今回はひときわ美味しく感じました。
グラン・パ・クラシックを生で舞台近くの席で鑑賞した後に喉を伝うサッポロクラシック生でございます。もう何だかよく分からなくなってきた。



お寿司のセット。ネタが大きく分厚い。東京から来た3人、大満足!



夜のカナモトホールとさっぽろテレビ塔。



札幌に来たらこれも欠かせません、締めパフェ。2019年の新国立くるみ割り人形hitaru公演時に本店は訪れており、
極力余分なものを削ぎ落としたであろうさっぱりと上品な甘さ、多過ぎない量のパフェもあり、
何軒か開拓もいたしましたがこちらもまた訪れたいと思っておりました。今回は支店へ。
友人は私が4年前に食べたキャラメルピスタチオ。カクテルグラスがお洒落です。
私は抹茶と烏龍茶、柚子、ライチを使用した東洋風のパフェを選択。作り方がとても丁寧、繊細で、時間は少々かかりますが待った甲斐のあるパフェです。
木彫りの熊さん達があちこちに飾られていますので待ち時間に是非観察を。



ちょいと夜遊びしてしまった笑。夜遊び、今流行っています。それはYASOBIです。曲は何も存じませんが。それにしても肌寒い!冷房入れずに就寝いたしました。
(東京から怒りの矢が飛んできそうですが)



おはようございます!スープカレーも食べたいがグルメシフトの都合上、朝しか行けそうにない。
探したところ朝営業店もあり、午前0時から午前10時まで(9時半ラストオーダー、但し早まる場合もあり)すすきののシャララへ。
ガイド本では目にしないお店ですが、地元客や夜勤、早朝勤務を終えた方がよくいらっしゃるのかもしれません。
スパイスが強すぎず、体内がすっきり目覚めるスープで、良き朝食となりました。チキンはほろほろ裂けて美味しい。ぞうさんの置物も可愛らしい。



ホテルへの帰り道、カナモトホール。



ホテルのベッドのスイッチ。なかなかアンティークな趣味である。



なぜか持ってきたチラシを並べてみた。今回電話にてチケット申し込みの対応をしてくださった小泉しづかさんを初めて拝見したのは16年前。
2007年2月雪まつり直後に開催された全道ドン・キホーテでのロマの女(当時の表記はジプシーの女)役で今も印象に残り続けております。
次が2018年のニトリホール(旧北海道厚生年金会館)ファイナルバレエでの眠り3幕における大御所集団サラバンドとしてご出演。
何しろ踊りながら率いる国王役が篠原聖一さん!北海道の舞踊芸術の総力結集なプログラム構成でした。
そしてこの度の小泉バレエさんの鑑賞。申し込むときの電話での会話がとにかく楽しく、申し込むことよりも16年前、5年前の話に花を咲かせて
賑やかに話し込んだ気分が上回っておりました。このご縁は間違いなく、山本さん、渡邊さんがもたらしてくださったものです。



チラシ表



東京と札幌、2日連続で55周年記念舞台を鑑賞。東京シティの会場で会った、関東圏の劇場では遭遇率1位の方と次の鑑賞予定の話題となり
翌日に札幌で昼は王子、夜は騎士ですと回答。これが言いたかった笑。



行ってみたかったサンドイッチ専門店さえら。店名からして気になっていたが、タラバガニサンドイッチのシャキッとした食感、塩気がやみつきになる。
もう1種はスモークサーモン。蟹座で海の日、特別な日でございます。



こちらも欠かせません、大通ビッセにあるきのとやカフェ。注文をレジカウンターで行うセルフサービス式で、内装もシンプルなせいか男性客も多い気がいたします。
7月の季節商品メロンのズコット。スポンジ、クリームともにふわりと軽いため、すいすいといただけました。



午後1時で25度でございました。半袖ですとちょいと寒い。



踊る像の前で撮影したくなります、大通公園。



北海道新聞社1階にある道新プレイガイド入口。メジャーどころの公演は大概ウェブ販売で取り扱っていますが、
発表会等のウェブ販売はなかなか無いようで、もし道新で購入するならこの販売所へ足を運ぶことに。
日曜日は休業だそうです。頼まれたチケット、現地では取り扱いがあってよかった。無事購入。
新聞紙の帽子?を被ったぶんちゃんがお出迎えです。並んでいるときでも待ち時間を楽しめるように、
シマエナガを始め素敵な写真集や本が待機列の壁に展示されています。



さあ、北海道食の旅もあと僅か。(まだ食べるんか。それよりも来札の目的を忘れていないか笑)
2019年以降札幌に来たら必ず訪問と決めているジンギスカンひげのうし。かれこれ4回目でございます。
今回もおひとりさまセットで、(前回2021年は夜の営業時間に間に合わず、昼食で本店を利用。これはこれでご飯とともにいただき美味しかった)
鉄板と七輪の二刀流。好みの種類を3種選ぶ方式で、ジンギスカントリプル・ビル、開演です。
ただまたもや玉ねぎ2かけほど焦がしてしまった涙。
そりゃ大谷選手も1試合の中で同時進行で投手と打者はやりませんから。(スケールが違い過ぎる)
但し焼く作業は楽しくてたまらん!



良い焼き色。これまで毎度いただいていたグレインフェッドラムが現在休止中のもよう。
代わりのアイスランドラムも脂身が殆どなく、されど旨味もたっぷり凝縮しつつ後味がどこかさっぱり。塩を少しつけるだけでも美味しい!



18時前頃、24度に下がった。東京と何度違いだ!?帰京したくない涙。



すすきの、ニッカウイスキー看板。



札幌駅は北海道最大のグランドステーションでしょう。空港行きの快速エアポートやあらゆる路線が乗り入れており、
駅員さん達が踊り出さないかと思わず観察してしまった。それだけ小泉さんの振付が楽しくてユーモアいっぱいで、お洒落だったのです。



予定より早めに空港に着いたもののチェックインの機械が故障中のようで、ウェブチェックインでない場合、荷物を預けない場合でも有人カウンターにて対応。
スタッフも大変である。私は少なくとも国内の旅では荷物が少ないため、全部機内持ち込み派。
但しジェットスターでは持ち込み荷物は2個までのため、搭乗までにまとめる必要あり。
(新国立くるみ札幌公演帰り、うっかり大きな箱に入ったトウモロコシチョコクランチセットを買ってしまい
搭乗ロビーでリュックにギュウギュウに押し込んでいた私である汗)



さあ、いよいよ道産子グルメもフィナーレ。24時間テレビでいえば、やっとこさ加山雄三さん谷村新司さんが出てきてサライの頃です。
旅の締め括りはこちらも必ず行くと決めていたショコラティエマサール新千歳空港ゲートラウンジ店へ。創業者が古谷勝さんとのこと。創業は1988年。
一部の間で話題になっていた空港でソフトクリームの儀式。私も敬意を表してこのアングルで撮影し、いただきます。
クリームに弾力と張りがあり、バニラは甘すぎずチョコレートは苦味もしっかり。
せっかくですので、また来期の新国立のシーズンラインアップにちなんで!?私もオマージュとして写真に可愛らしい文字や絵を入れてみようかと試みたものの
これまでの人生、絵文字やスタンプ使用経験のない管理人。入れ方が分からず。
そこで思い立った、マーク機能で手書き。しかしせっかく整ったソフトクリーム写真が撮れたにも拘らず
達筆とは言い難い文字のせいで書き損じの暑中見舞いと化してしまった。これが限界です。文字も下手、絵も下手、バレエも下手、歌も下手、
楽器演奏もできず、瞬時の記憶も下手。長年に渡る何も才能素質無き人生、どうしたものでしょうか汗。



マサールとジェットスターの乗り場の位置は出発ゲートの最端同士で、保安検査後も、食後も大移動笑。目的達成できましたので大満足。
そしていよいよ北海道ともお別れ。ああいざ灼熱の東京へ汗。それよりも飛行機が無事飛ぶようで一安心。
前夜、注文したパフェを待ってるときに欠航になった飛行機が1便あるらしいと多方面から連絡があり、
(札幌や新千歳が大雨なのかと心配してくださったよう。雨は数滴降りましたが大変過ごしやすいお天気でございました)
どうやら空港視界不良でその便だけが欠航だったらしい。滑走路の問題か、詳細は分かりかねますが。



サッポロクラシック生にも、グラン・パ・クラシックにも、発表会全てにも、大満足!



ジェッ太君と一緒に余韻に浸りプログラム読む。



昼は王子、夜は騎士、加えて涼しい気候の中でたらふく飲食大満喫。さらば北海道、また年内!!!
成田空港からバスで移動し東京駅着後、路線情報では終電に間に合わない旨が書かれていましたが乗り換え時の早歩きで間に合い、
ふと屋外のホームで電車を待っていると、もわんと熱風に包まれ我に返った。深夜でこれ何度??
日中も25度程度で夜は肌寒く冷房不要であった札幌市中心部で丸2日過ごし17日深夜に帰宅したため、
翌朝18日以降東京の異常な暑さに身体がついていけずにおりました。体調管理、引き続き気をつけます。