2024年6月30日日曜日

日本の文化や自然を愛おしむ忍者達 新国立劇場   森山開次  新版・NINJA





順番前後いたしますが6月28日(金)、新国立劇場にて森山開次さんによる新版・NINJAを観て参りました。
https://www.nntt.jac.go.jp/dance/ninja/





【演出・振付・アート・ディレクション】森山開次
【音楽】川瀬浩介
【照明】櫛田晃代
【映像】ムーチョ村松、Thomas PAYETTE
【衣裳】武田久美子
【音響】黒野 尚

【出演】
森山開次
青木 泉
浅沼 圭
佐藤洋介
根岸澄宜
府川萌南(新国立劇場バレエ研修所)
美木マサオ
水島晃太郎
南 帆乃佳
吉﨑裕哉


現在上演中ですので、さらりと参りますが、初鑑賞で予備知識なく予習もせずぶっつけ本番で鑑賞に臨んだものの
日本の文化や自然を愛おしむ忍者達のユーモアでお洒落な踊りの連続で、和の趣もばっちり。
床照明のプロジェクションマッピングの繊細緻密な美しさや吊るされたカラフルな手裏剣の組み合わせも目に響き
想像以上にわくわくと面白く、満喫いたしました。忍者の1人が差し金に付けた虫だったか、客席に伸ばすとお子さんの観客も大喜び。
またこっそりひっそりの台詞を始め日本語のリズムや語呂合わせや自在に別の生き物に変身する忍者達の姿、手裏剣を模したクッション?投げにも
お子さん達の遠慮のない笑いも度々起こり、<大人も子どもも楽しめるダンス作品>のコンセプトにも納得です。
忍者と言っても黒装束一色ではなく皆色違いで、時代劇の黒装束一色な立ち回りではなく、目にも楽しい色合わせ。
そして前回バレエ研修所の中川奈奈さんが務めて話題となった役を今回は府川萌南さんが踊られ、
濃い朱色や金色を重ねた和装なチュチュも似合って空間支配力もあり、スパっと伸ばした脚で次々と語らっていく様子に吸い寄せられました。
そして森山さんの小道具使いにもたまげ、新体操のリボンな道具を炎に見立てながら回転を続けてめらめらと燃え上がる光景の描き出しも驚かされたひと幕です。

お茶目な雰囲気から一変、後半はシリアスな場面が続くも、肉体をぐっと駆使しては造形していくポーズの数々や
ちょうどこの日の昼頃までの天気を想起させる土砂降りといった自然の厳しさの描き方も見入ってしまう演出でした。

忍者の格好をしつつも第一線で活躍する布陣が集結していて、ダンスも演出振付全てが隙なく高水準。
加えて森山さんの日本の情緒を丁寧に汲み取りユーモアや侘び寂びも含ませて美しく描く演出力に触れると
そうです。『竜宮』再演を熱望いたします。勿論今夏の貝川鐵夫さん新作である夏の子どもバレエ『人魚姫』も楽しみですが
太郎が辿り着いた竜宮城での涼やかで賑やかな海の神秘の世界観や四季を丹念に舞踊化した作品、
2020年、2021年と子供達も劇場に訪れにくい時期の上演でしたのでどうか来年夏こそは再演を。幅広い世代の方々にご覧いただきたい作品です。




第一線で活躍する方々が集結。



開演前に初めてオペラシティのそじ坊へ。日本の家屋な作りの中でいただけます。そば焼酎、つややかな喉越しでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿