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8月12日(土)、スターダンサーズ・バレエ団『ドラゴンクエスト』を観て参りました。5年ぶり2回目の鑑賞です。
https://www.sdballet.com/performances/2308_dragonquest/
白の勇者:林田翔平
黒の勇者:池田武志
王女:塩谷綾菜
魔王:大野大輔
賢者:福原大介
戦士:杉山桃子
武器商人:鴻巣明史
伝説の勇者:久野直哉
聖母:角屋みづき
主役の白黒勇者は5年前と同じ、白が林田さん黒が池田さん。林田さんは前回はどこか淡白な印象が否めずな造形でしたがあれから5年。
ロビンズの『コンサート』など突拍子もない⁉変わり物作品の経験も重ねたためか踊りの線がだいぶガシッと太くなり、
また頼りないヘナチョコヒーローから冒険を経てやがて王女を助け出すまでの過程の試練をより緩急を付けて体現されお見事。
酒場の女達にてんやわんやな勢いで振り回されオロオロしているときと黒の勇者との対決場面の姿が同じ人物とは思えぬ変化ぶりで
展開は分かっていても手に汗握らせ興奮や冒険心の高鳴りが止まらずでした。
池田さんは前回も迫力にたまげた記憶は5年経った現在もよく覚えておりますが、
登場時から全身から燃え盛るようなパワーとダークな魅力を発散させていて、テクニックもキレキレ。
2幕冒頭の臣下達を率いて鋭い行進、隊列変化の披露は黒の勇者の権力、企みをとことん強調し、特に痺れる場の1つです。
また王女の静止に阻まれ、徐々に弱い部分を見せ始めていく箇所も勇者の心の葛藤がよりくっきりと表れ、上階隅から観ていても胸が苦しくなったほど。
だからこそ、生き別れた兄弟と知ったときの和解には舞台全体から安堵と再出発の期待双方が膨らんでいた印象です。
塩谷さんの王女は初見。楚々としていた渡辺恭子さんに対して塩谷さんは可愛らしくも活発で意志の強い姫君で、
小柄ながら王宮での踊りは身体の使い方が実に大きく、広大なオペラパレスでもスカスカ感が出ず、裏打ちされた技術の高さで存在感を示していました。
大試練に見舞われてもただ助けを待つだけでない王女の性格には前回も好感を持っておりましたが
白の勇者と黒の勇者の争いに臆することなく仲介に入って自らが壁となる姿は心を打ち、
敵味方問わず争いではなく優しさで解決しようと奮闘する行動は昨今の世界情勢を思うと一層考えさせられるものがあります。
そして初役と聞いた杉山さんの戦士にも惚れ惚れし、以前観た愛嬌満点な西原さんとはまた違った、高貴でクールな戦士。
相手をぴたりと静めて率いるような静寂な潔さが垣間見られ、序盤は少々緊張気味かと思いきや酒場での踊りっぷりや鞭の扱いに恐れ入った次第です。
衣装がどれも手が込んでいて、王女の友人達は例えばそのまま『白鳥の湖』1幕にも溶け込みそうな白やキラリと光る装飾で雅やか。
武器商人もゲームの絵そのままで、恐らくはゲームファンの方々でしょう。登場時どよめく声が最も沸き立っていたキャラクターかもしれません。
モンスターの再現度の高さや、被り物着けているとは思わせぬ高度なテクニック炸裂な振付も板につき、体幹の強さにも天晴れです。
導きや天空の妖精の幻想的な群舞も用意され、白の勇者と王女が心を通わせていく場面や黒の勇者と王女の奇襲や拒絶の絡みにおいて
パ・ド・ドゥがしっかり盛り込まれている点や群舞の見せ場、最後の大団円、そして男性のキャラクターの生き生きとした活躍、と
ゲームの世界を再現しつつバレエの要素もしっかり備わった、よく練られた作品と今回も感じ入りました。
尚前回5年前にはなかったと思われる演出で、開演前にはゲーム音な予鈴で観客を冒険の旅へと誘い
冒険心を擽るあのテーマ曲では白黒勇者が飛び交う映画のオープニングのようなスケール感たっぷりに吸い込まれる映像美にもワクワク。
約30年前にはバレエでいうならば東京バレエ団と東京シティ・バレエ団を同一バレエ団と思い込むと同様に
漫画ドラゴンボールZと同一作品と勘違いし、更には前回5年前に初バレエドラクエ鑑賞にあたり
姫が登場と知って思わずピーチ姫と口走り、スーパーマリオと混在させていたほどのゲーム音痴な私でも序曲から心躍りっぱなしでございました。
(奇しくも5年前、会場は同じ新国立劇場で新国立の白鳥の湖終演後に翌週新百合ケ丘でのスタダンドラクエ話題になったとき、
それはスーパーマリオですとバッサリ指摘を受けましたが汗、双方白黒の対比を描いた作品同士であると今更ながら気づく)
見回すと会場にはゲームファンの方々も多数駆けつけていたご様子で、キャラクターTシャツをお召しになっていたり、
ホワイエの展示物を興味津々に眺めて撮影なさっていたり、男性客も多し。幕間にはプログラムを開きホワイエの丸テーブルで語り合い、
すっかりオペラパレスにも馴染んでいらっしゃる方々も目に留まってバレエを存分に楽しまれている表情にこちらまで嬉しくなったものです。
マントやベルトを付けて戦士の格好でしょう、姿勢正して颯爽と歩く小さな女の子も。
バレエ鑑賞常連さんの中にも、トートバッグにスライムキーホルダーを付けて来られた方も見受け、バレエとゲームでドラクエ三昧。
Tシャツ販売も盛況で、2日目には前日に王女役を踊られた渡辺さんが幕間に店番をなさるサービスまで。ひときわ賑わう売り場と化していました。
今のところスタダンのレパートリーでは一番好きで、再演お待ちしております。
因みに管理人、ゲームを所有したことがなく仮に今からドラクエのゲームに挑戦といったところで、まず機材から揃えねばなりません。
リモコン?の操作も全く分からず、そもそもスーパーファミコンとは、プレイステーションとは何ぞやレベルでございます。
しかしシャドウバースは存じており、但し以前仕事先で耳にしただけで内容は結局把握できず終了。
バレエに置き換えれば、未だ三大バレエが言えず、第一ポジションですら分からぬも同然なゲームの分野でございます。
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オペラシティには何度も来ていながら初来店、西安餃子。ドラゴンハイボールと記されたハイボールを飲んでみた。普通のハイボールと何かが違うと思われます。
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ついすぐ食べてしまい写真撮り忘れましたが棒餃子もジューシーで美味しくいただきました。よだれ水餃子もピリピリに辛くてドラゴンハイボールが進む味。
ドラクエ観る前にも拘らず、スーパーサイヤ人が目に浮かぶ管理人であった。それはドラゴンボールである。
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ホワイエ歩くとドラクエの世界、魔王編。シューベルトではない。
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賢者編。ハリーポッターではない。ゲーム音痴は生涯不変であろう私である。
終演後は、スタコラさっさと移動し再び白黒対比を描いた作品を観に有楽町へ。会場や内容、色々な考えが巡りました。それはまた次回。
2 件のコメント:
新国で観るドラクエ、素敵な舞台でしたね。
ああいうオリジナル作品を持っているカンパニーは素晴らしいなと思います。
塩谷綾菜さんの王女役、最高でした!
Akiさま
バレエ団オリジナル作品でしかも定期的に全国各地で上演を重ねていて、誇らしい作品ですよね!
塩谷さん王女、可愛らしさい中にも強さを秘めた、魅力いっぱいなヒロインでしたよね。また観たくなりました!
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