2025年8月28日木曜日

格式高い黒の饗宴 パークサイドバレエスタジオ 2025サマーパフォーマンス 8月21日(木)(北区)




8月21日(木)、王子駅の北とぴあでパークサイドバレエスタジオサマーパフォーマンス2025を観て参りました。昨年に引き続きの鑑賞です。
https://parksideballet.com/

仕事の都合で第1部の途中からの鑑賞となりましたが、プロ志望な方から大人の生徒さんまで基礎しっかり重視なレッスンを積み重ねていらっしゃると窺え、
どの方も踊りが1つ1つ無駄なく美しい印象。スタジオのホームページから、解剖学も取り入れたレクチャーも豊富に開催していると見受けておりますが
どう動けばどんな見せ方に繋がるか、或いは身体への負担についてもよく仕組みを把握して舞台に臨んでいると想像しております。

ゲストは新国立の渡邊峻郁さん、原健太さん、渡邊拓朗さん。到着後、受付にてチケットを引き取っていたら聴こえてきたのは「海賊』のアダージョ。
ああ、一歩間に合わなかったかと思うも、アダージョ後の拍手の合間にスタッフの方の親切な誘導で客席に入り、ドアに近い後方席にてアリのヴァリエーションから鑑賞です。
いきなり渡邊さんの水色ハーレムパンツ姿アリから鑑賞開始だったわけですが笑、ラピュタのシータと違い視力はさほど良くはない私が後方席から観ていても眼力の強さにまずびっくり。
前方席で観ているであろう友人達が無事でいるか心配になったほどで笑、どれくらいの強度だったかって?「天空の城ラピュタ』にて、
怒り狂うロボットがムスカの要塞の堅固な塔を次々と眼からの光線で斬り裂いていく、あの強度です。
よく分からない方、すみません汗。詳しくは映画をご覧ください。それはそうと、肩の窪みの見せ方や回転しながらの流し目アピールも恐ろしい力の入りようで、
パッションに溶かされて吸い込まれそうになったのは気のせいではないはず。序盤の屈み込みポーズの鋭さや視線の射抜きにも、四川省の山椒以上に痺れました。
それにしても、無謀にも自身をカール・ルイスと思い込んで可能な限り駅構内を全速力で走ってきた (せめてボルト等もう少し最近の選手名を挙げんかいとのご指摘は流します)
日頃典型的運動不足人間である私のずんぐりむっくりした身体も瞬時に冴え渡るような衝動をもたらしてくださいました。
メドーラの生徒さんは紫を重ねたチュチュをとても綺麗に着こなしていて、気品ある姿で端正な踊りにも心癒されました。ギラリとしたアリと対等に組んでいて、頼 もしく映った次第です。

大人の生徒さんのパ・ド・ドゥも2本あり、フロリナ王女と青い鳥に渡邊拓朗さん、タリスマンに原健太さんがご出演。
基礎技術が万全な生徒さん達で、また相手と楽しそうに語らうように踊る姿も目に残っております。
近年、いったい誰が許可した!?と思うような大人の危険なパ・ド・ドゥ大会が乱立していて、
勿論きちんとした団体主催者もいるのでしょうが、相手の身体も関わってくることを踏まえての判断、大事でございます。

第2部は「白鳥の湖』より第3幕で、オディールはジョン・クランコバレエアカデミーに留学中の北見笑菜さん。
昨年個性が強烈過ぎる4人の新国王子求婚者達を相手に堂々と務められたローズアダージョのオーロラ姫を踊られたときは
初々しい可愛らしさが印象にありましたが今回は何とも色っぽく、強くも柔らかなバネから繰り出す踊りの滑らかなこと。
相当訓練を積まれてきた過程が伝わり、伸びやかであっても流されず1つ1つのポーズが美しや。

ジークフリート王子の渡邊さんはご登場から格式ある振る舞いで浮かない顔をしつつも玉座に座ると小さな生徒さん達の踊りをにこやかに見守る優しい王子様。
王妃との登場時から全幕を眺めている気分になったわけですが、1幕2幕が上演はされていなくても
湖畔で出会ったオデットが忘れられないのであろう王子の物憂げな眼差しや寂しさ秘めた様子も醸されていたからでしょう。
オディールとは相思相愛ではなくどちらかといえば敵対関係にあれど、ダイナミックな美を共に追求していく方向性はぴたりと一致していて
品あるゴージャスな舞台を構築なさり、瞬く間にオーラで充満していきました。
空間の軌跡の描き方が大きい王子のヴァリエーションにも見惚れ、またオディールと王子の衣装が何処か似ていて、黒地に大胆な模様が金色で描かれたデザイン。
そこへどう見てもデーモン閣下にしか見えない笑、しかし重厚な存在感で王子への追い詰めも見事な拓朗さんロットバルトが加わると黒い美の饗宴と化していました。
ロンドンから間を空けずに再び兄弟対決が王子駅にて実現です。
王妃は元新国立の横山柊子さんで、ドレス捌きやツンと澄ました横顔、首筋までもが凛とした美しさで惚れ惚れ。
民族舞踊の生徒さん達の踊りも格調高くまとめられていて、堀岡先生のきちんと基礎強化な理念が行き届き、全体を通して観ていて背筋が伸びる舞台でした。

先に到着していた友人からプログラム順序を教えてもらうも、おおよそ計算しても 海賊には間に合わぬか!? ここ最近ロンドン休暇やシヴァ半休等ございましたので、
目当ても目指す駅も「王子」と言わんばかりに過ちおかしてオデットを追いかけるお姿を浮かべながら定時退社後に走りに走り、
南北線と北とぴあが直結している立地とは電車内で初めて知りました。直結とはいえ出口まではなかなかの距離があり自称カール・ルイス、駆け付け鑑賞で
いきなりスタートが渡邊さんのパッション大魔王なアリでございましたが笑、尊い特効薬として味わった次第です。
アダージョは見逃すも、ひとまず路線検索よりも早くに到着してヴァリエーションからは鑑賞できたことについては、自分で自分を褒めたいと思います。





白鳥の湖第3幕の装置を眺めていると、国は違えど新国立劇場バレエ団ロンドン公演鑑賞滞在時に訪れたロンドン塔に重なるところがあり。 7月末のロンドンネタ、7/31東大阪での佐々木美智子バレエ団「ロミオとジュリエット』以降小出し紹介が続いておりますが来月末あたりまとめて紹介する予定でおります。



アーチ型の内部



ステンドグラス



帰りの一杯。ドイツ料理店ではありませんが気分はダンケシェーン。



黒胡麻担々麺。色味も美しい。麺は細麺と縮れ麺から選択でき後者を選択。しっかりコシがあり美味しくいただきました。丼の黒系な彩りも嬉しい。



拡大。ナッツの盛り付けも綺麗です。

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